コロナ騒ぎが少し収まってリアルが少々忙しかった…まあ、これも言い訳にしかならないか…
「それもあるだろうが一番の原因は本当は?」
……最近ドルフロ始めたら…
「そうか…」スチャ
ちょっアシットガンはあばばばばば!?
短編集でも作ろうかなって思ってるんだけど皆さん見たいですか?内容はサーヴァントとの絡みからストーム1の過去まで様々…
ドバァン!ドバァン!ドバァン!!
「撃て!撃ち落とせ!!」
「
EDFのスナイパーチームやエミヤの矢による射撃により何体かのドラゴンはその翼や胴体に穴が空いて力無く落ちていく…だが全てを落としきることは不可能で…
「落としきれない…!来るぞ!!」
「レンジャー2-1翼を狙え!落ちた所を2-2がショットガンで止めだ!!」
「了解!!」
「撃てぇ!撃ち落とせ!!」
ババババ!ババババ!!
アサルトライフルを持ったレンジャー隊員達がワイバーンの翼を狙って発砲する。
「オルガマリー!お前も撃て!ミラージュを持って来た筈だよな!?」
「わ…分かってるわよ!?」
オルガマリー所長はそう言って懐から武器を取り出して構える。
彼女が構えたのはミラージュ15
《やはり無誘導兵装は危険だと言うのが良く分かった。お前はまだ飛行訓練に関しても基礎すらも完了していないからな》
《それが分かってたならさっさとホーミング兵装渡せば良かっただろう…!?》
珍しく軍曹がマジ切れしたのを余所にオルガマリーに持たせられる兵装は今のところこのホーミング…敵を自動ロックして追尾する兵装のみだという結論に至った。
迫り来るワイバーン達を瞬時にロックオンして
「うわあああ!スプリガン先輩直伝のミラージュ15を喰らいなさい!!」
ロックオンした目標にミラージュ15から放たれる光線はワイバーンの集団に向かって行く。
「ミラージュに直伝なんてあるんですか?」
「ストーム4が先輩を敬わないと殺すってさ」
「全く、ブラウニーの奴…」
「口より手を動かせ!撃ち落とすぞ!!」
ストームは苦笑いしながら手持ちのミサイルME3エメロードを取り出す。
アシスト…レーダー支援システム…!!
ピピピ…!!
「ターゲットロック…!エメロード・ファイア!!」
ド・ド・ド!!
ストームから放たれたミサイルは真っ直ぐワイバーンに向かっていき回避する間も無く…
「3匹落としたぞ」
「は?一撃かよ?これなら蛙の方がまだ頑丈だったぜ!…リロードする!!」
「おい、そんな事言うと…ほら来たぞ!!」
そんな対空放火を掻い潜って来たワイバーンが弾倉を交換中のストーム2の隊員Bへ襲い掛かろうとした。
「おわあああ!?援護を!!」
「こっちもリロード中…!?」
「おらぁ!!」
ガツンッ!!
ギャオオオ!?
EDF隊員に襲い掛かる直前にキャスターが杖を持って飛び上がりワイバーンの頭を上から殴り倒した。
「お前キャスターだろ!?」
「つい癖でな!アンザス!!」
ドバァン!ドバァン!!
地面に落ちたワイバーンは直ぐにキャスターがルーンて焼いてレンジャー隊員が頭をショットガンで撃ち抜いた。
《第二波が来るぞ!》
「ああ!?オーバーヒートした!?」
「だから連続射撃するんじゃなくて2、3秒インターバルを持ちながら撃てってストーム4も言っただろ!?後ろに下がれ!!」
ワイバーン達はミラージュ15の攻撃が止むと一気にレンジャー達に火炎を吐いて襲い掛かってきた。
「ぎゃああ!?火を吹いた!コイツら本当にドラゴンだぁあああ!!」
「ドラゴンじゃねぇ!ワイバーンだ!!」
「どっちでもいいだろ!こんなの俺らが相手に出来るわけ無いだろ!!」
「てめぇさっきは楽勝って言ってなかったか!?」
「怯むな!!…覚悟しろよトカゲども…EDFはドラゴン退治の専門家だからな!!」
ワイバーンと初めて対峙して混乱する兵士達にストームがそう叫ぶ。
「それ厳密には俺達とは違うEDFだよなぁ!?」
(違うEDF?)
マシュに守られながら後ろにいたマスターが隊員Bの叫んだ言葉に引っ掛かった…が目の前の状況を見てるとそうも言ってられない。
「うわぁぁあ!?軍曹!コイツら蛙どもとは訳が違いますよ!?」
「怯むな!この程度で…ん!?オルガマリーは!?」
ふと気付いたらジェネレーターがオーバーヒートして撃てなくなり後方に下がろうとしていたオルガマリーの姿が見えない…
するとスナイパーの隊員が一匹のワイバーンを指差して
「あそこです!ドラゴンに咥えられたまま…!!」
「助けてぇぇぇええええエエエエエエ!!!!」
オルガマリーはワイバーンに飛行ユニットを咥えられしかもワイバーンはそのまま飛び上がって宙吊り状態だった。
「所長ぉぉぉ!?」
「何でお前もう捕まってんだよぉぉ!?」
「撃ち落とせ!!」
スナイパーの隊員がオルガマリーを咥えるワイバーンを狙うが…
「クソ…射角が…!オルガマリーに当たる恐れが…!!」
「大丈夫だ!1発は誤射で済む!!」
「済みませんよ!?」
ストームのその言い分にマシュが即座にツッコミを入れる。
「待て、私が助ける」
そう言ってエミヤが弓を構えて…狙いを着けて…その構え方はまるで弓道の様だった…
ヒュン…!!
ギャオオオ!?
「キャアぁ!?」
エミヤの放った矢は見事にワイバーンの頭に突き刺さり所長は解放されて下に落ちる。
「自由落下してるとまた喰われるぞ!早くこっちに飛んでこい!!」
「ハヒィィィイアアアア!?」
《うわ!?あんな奇声上げる所長初めて…!!》
所長はブースター全開でストーム達目掛けて飛んで来て所長を追いかけるワイバーンをストームがエメロードで撃ち落としていた。
しかしワイバーン達は勢いが衰えることなく更に
「うわぁぁまた来たぞぉ!!!」
「まだ来るのかよ!?」
更にストーム達の戦闘音を聞いた近くのワイバーンの集団が現れた。
「砦まで引きますか!?」
「駄目だ!砦には戦えない重傷者もいる筈だ!ここで踏み止まれ!!」
レンジャー達や立香達は下がることなく戦ってはいるが抵抗する彼らを尻目にワイバーン達は戦意の低いフランス兵達に襲い掛かる。
「クソ!…
「もうとっくに抜かれた!ワイバーンと白兵戦なんて出来ないぞ…!!」
「まずいフランス兵に…!」
「フランス兵に向かった奴はフランス兵に対応させろ!彼等全員をカバー出来る余裕はない!!」
「宝具を…!」
「ダメだ、間に合わない!!」
「兵たちよ、水を被りなさい!彼らの炎を一瞬ですが防げます!」
旗色の悪くなっていく戦場に思わず背筋が伸びるくらい凛とする声が響いた。
「え!?」
「だ…誰だ!?」
突如として現れた紺色の衣服に甲冑を纏った1人の女性。美しく長い金髪は三つ編みに結ばれていた。そして、その手に持つ大きな軍旗が輝いて見えた…
「え…!?…な!?そ…そんな馬鹿な…!?」
彼女の姿を見たフランス兵達は皆驚愕していた。彼らはオルレアンの式典で彼女の姿を見たことがあったからその正体が直ぐに分かったが…有り得ない…彼女は既に…
「そこのお方!どうか武器を取って戦って下さい!」
「へ?……ッ!あ、貴女はッ⁉︎」
だが軍旗を大きく掲げながら、兵士達を鼓舞するその姿は間違いなく……
「私と共に!続いて下さい!!!」
「「「「ウ…ウオオオオオオオオオオ!!」」」」
彼女に鼓舞されたフランス兵達は先程まで怯えていた状態が嘘の様に戦意が上がりワイバーン達に自ら突撃して行く。
《イオタ1、到着した!!》
《イオタ2現着!攻撃を開始する!!》
「ようやく来たか…!ワイバーンどもを蹴散らせ!!」
更にミサイルを搭載したコンバットフレーム・ニクスが上空からポーターズの輸送機に運ばれて来てワイバーン達に集中砲火を行う。
「な…何だこの鉄のゴーレムは…!?」
「ゴーレムじゃねぇよ!コンバットフレームだ!!」
《ミサイル発射!撃ちまくれ!!》
《コンバットフレームの力を見せ付けろ!!》
凄まじい火力で敵を殲滅するニクスにフランス兵だけではなく
こうして謎の少女の介入とコンバットフレームの到着によりワイバーンは一掃されてレンジャーとフランス兵達は勝利の雄叫びを上げた。
「どうだお前ら!?伝説の勇者になった気分か!?」
「「「「「「オオオオオオオオオオ!!」」」」」」
レンジャー達が互いに健闘を讃え合い歓喜を上げてる中で
《ようし、良くやったぞ諸君!いやぁ、手に汗とゴマ饅頭を握って見入っちゃったな!》
とロマンが呑気な事を言ってそれを聞いたマシュがムスッとして
「ドクター。それは私が用意したゴマ饅頭ですね?」
《え?あれ?そうなの?管制室にお茶と一緒にあったから、てっきり…》
「このオーダーから帰還できた時を想定し、ささやかな労いとして用意していたのです。勿論、ドクター用ではなく、現地で活躍したであろう先輩用に!」
するとロマンはポロポロと涙を流しながら…
《うぅ…マシュ……なんて気の利く子に育って……ムシャムシャ。うん!それにしても美味しいね、この饅頭。これなら藤丸くんも大喜びだっただろうに(ガツンッ!
痛ぁぁぁぁあ!?》
「先輩…どうやら峰打ちをしなければならないエネミーを発見しました」
「いやそれより今の音は!?」
《俺もムカついたから取り敢えずシバいといたぞ》
「ありがとうございます。エンジニアさん!」
どうやらエンジニアがロマンに拳骨を喰らわせたようだ。
《あぐぅぅう…!!こ…この威力は…!?》
「そりゃソイツも俺の宝具から出てくるサーヴァントだし…」
《筋力はDしか無いけどな》
《サーヴァント基準のDの一撃はただの人間には洒落にならない威力だけどぉぉ…!?》
どうやら向こうではのたうち回ってる様でその姿を想像した立香は苦笑いを浮かべていた…
「それで…ワイバーンに食べられそうになった気分は?」
「うう…よくないわよぉぉ…!本当に怖かったぁぁ…!!」
「よしよし、また食われても助けてあげるから…」
「……ほ、本当、私を見捨てない?」
「見捨てないよ、ここにいる連中皆がお前を助けてくれる」
「グスッ…ありがとぉぉぉ…!」
「…今回助けたのは俺じゃなくてエミヤだ、お礼はエミヤに言いな?」
「そんな、貴女は――いや、お前は…!?逃げろ!魔女が出たぞぉぉぉ!!」
戦いに勝利した高揚感から戻ったフランス兵達は謎のサーヴァントの事を指差して魔女と叫び砦に引っ込んでしまった。
「おいおい助けてもらったってのに…」
「と言ってるてめぇの兵士も彼女に警戒してる様だが?」
彼女の周りはレンジャー達が包囲して立香の目の前にはマシュとリリィが待機。砦の上からワイバーンを射っていたエミヤも弓を握りながら謎のサーヴァントの事を見つめておりストームに皮肉を言ったキャスターも杖を強く握り締めていた。
…そんな状況だが魔女と呼ばれたサーヴァントは立香や周りのサーヴァント、レンジャー達に頭を下げて
「あの。ありがとうございます」
と深々とお辞儀をした…その姿に誠実さが伝わって魔女と言う言葉は似合わない…それを見たマシュが少し警戒を解いて話し掛けた。
「いえ、当然です。それより貴女の名を…」
「と言ってもフランス兵の反応を見たところ貴女が……」
メドゥーサは砦からこちらの様子を…と言うか弓を構えてこっちを狙ってる。
「アイツら射ってきたらこっちも撃ち返すからな?」
「ダメですよ!?」
「…場所を変えましょう」
「イオタ隊、戻っていいぞ。レンジャー2-2、お前らも一旦引き上げろ、ワイバーン相手じゃショットガンは分が悪い。ミサイル兵装を持って出直せ」
「了解、撤収します」
「あとオルガマリー…あんたも一旦帰れ。ワイバーンにかじられた飛行ユニットが無事か確認しろ。あとサイオニックは置いてこい」
「えちょっストー…!?」
そう言ってレンジャー2-2の指揮官がストーム1に触れると隊員達とオルガマリーが一瞬で消えた。
フランス軍の拠点から離れて森に入って来た一行…道中魔物にも遭遇したがそこもスタンピート1発で殲滅して少女に驚きの表情を浮かべられた。
「ここまで来れば大丈夫だろ…この森の深さならワイバーンにも気付かれないさ」
「確かか?」
「ドラゴンの習性ならかなり詳しいぜ?」
それだけ言うとストームは野営の準備を始めてスナイパーが木の上に登り始めていた。
コホン…と女性は一呼吸ついて
「・・・・・私のクラスはルーラー。真名は、ジャンヌ・ダルクです」
「ジャンヌ・ダルク!?今フランスで魔女って呼ばれている!?」
「貴女が…聖女ジャンヌ・ダルク…!?」
フランス出身のレンジャー2-1指揮官が膝を着いて最敬礼をするとジャンヌは慌てて
「あの…そんな畏まる必要はないですよ!?えーと…先ず貴方たちの名前は…?」
「わたしの個体名はマシュ・キリエライト。そしてこの方が藤丸立香。私たちのマスターに当たります。」
「マスター……?この聖杯戦争にもマスターはいるのですね。」
「いえ、聖杯戦争とは無関係なのです。わたしはデミ・サーヴァントにすぎません。」
「デミ・サーヴァント?」
ジャンヌは聞き慣れない言葉に思わず聞き返した。
「正規のサーヴァントでは無いのです。ご存知ありませんか?」
「ええ…それでそちらの方々は?」
「ん?ああ、俺は…まあ、ストームと」
「ストーム…ですか?」
「ああ、俺と同じ格好してる奴は皆俺の兵士で…」
「まあ、サーヴァント擬きのようなものさ」
その後皆も一応自己紹介してジャンヌに改めて話を聞くことにした。
「私は確かにサーヴァントです。クラスはルーラー、その事は理解できています。しかし…本来与えられるべき聖杯戦争に関する知識が、大部分存在していません。いえ、知識だけでは無い。ステータスの面でもランクダウンしています。対サーヴァント用令呪は無論、真名看破すらも出来ません。」
しかし見る限りでは戦闘能力は問題なさそうに見える。しかしステータスが下がっているという発言から本来の力を出せていれば…と悔やむ様子は嘘ではない様だ。
「幸い、ここは私の生まれ育った故郷。唯一、言語だけは通じるようですが……。」
「……ん?貴女は今話している言葉はフランス語ですか?」
「ええ…フランス語ですよ?それ以外の言葉は話せませんし…」
「あれ?そういえばフランス兵と話した時は言語が……」
さっきはうっかり喋る言語を間違えて戦闘になったが今回は普通に通じている…?
《あ、さっきのワイバーンの戦闘で言いそびれてた。カルデアの自動言語翻訳機能が復旧したんだ》
「そんな報告1つ出来ないのかコイツ?」
「無能ね」
《言おうと思ったけど僕はエンジニア君に殴られて《あ?》…何でもないです!》
意気消沈するロマンは放っておいて…これで今後は言葉の壁は難なく乗り越えられる事が出来る。
そして状況を把握した。
「それにしてもここに貴女がいるならフランス兵達の言うジャンヌ・ダルクは一体…?」
「同時代に同じサーヴァントが2体召喚された、という事でしょうか…?」
マシュ…と言うよりもこの場にいる全員が同じ疑問を抱いていた。
《うーん…聖杯戦争の記録を紐解けば、その手の同時召喚の例はあると思うけど》
「典型的なのはリリィとあの冬木のセイバーの例だろ?」
「あ…確かに…!」
まあ、それはともかくとロマンが一呼吸ついて
《ともかく、それで確定した。シャルル七世が死に、オルレアンが占拠された。それはつまり、フランスと言う国家の崩壊を意味する。歴史上、フランスは人間の自由と平等を謳った最初の国であり、多くの国がそれに追随した。この権利が百年遅れれば、それだけで文明は停滞する》
「その代償は?」
《もし認められなければ、我々は未だに中世と同じ生活を繰り返していたかも知れない》
ふとジャンヌの方を見ると不安な様子で辺りを見渡して誰かを探しているようだった。
「あ…あの…先程からこ、声だけが聞こえる……これは魔術ですか?貴方達は一体……。」
《おっと、そういえば紹介がまだだったね。初めまして、聖女ジャンヌ・ダルク。僕はロマ二・アーキマン。皆からはロマンと呼ばれています。彼らのサポートを行なっている者です。宜しくお願いしますね。》
《同じく俺はエンジニア…まあ、俺はストーム1のサポート中心だけどな》
「えんじにあ…?ええと…ロマン…夢見がちな人なんですね!」
ブフォォ!!
ジャンヌの悪意なき感想に周りは笑い声を上げそうになった。
《……何だろう、この敗北感。褒められたのに全然嬉しくないような》
「失礼しました、マドモアゼル・ジャンヌ。今度は我々の番ですね。私たちの目的は、この歪んだ歴史の修正です。カルデア、そう呼ばれる組織に所属しています。」
――――――――
私語が一切認められないマシュの非常に分かりやすい説明が一通り終わると、ジャンヌは辛そうに顎に手を当て考えながら話し始めた。
「…なるほど、よく分かりました。まさか、世界そのものが焼却されているとは。ですが、今の私は……」
そのジャンヌは辛そうな…悔しさを滲ませて
「……私はサーヴァントとして万全ではなく、自分でさえ《私》を信用できずにいる。……オルレアンを占拠したジャンヌ・ダルク…。それだけではなく、あの飛竜達……」
「ワイバーンですね。……十五世紀のフランスに飛竜がいるはずがない。それに何より《竜の魔女》と彼らは呼んでいた」
ジャンヌの表情は少し落ち込んでいる様にも見えた。自分が守り続けてきた人々の命を、もう1人の自分が奪っている…
「ええ。認めたくはないですが、あの竜たちを操っているのは《私》なのでしょう。一体どうやって操っているのかは不明です。生前の私は、そんなこと思いつきもしなかったですし…何よりも竜の召喚は最上級の魔術だと聞きます。まして、これだけの数ともなれば……。」
《現代の魔術師では不可能だね。この時代の魔術レベルでも困難なはずだ》
(俺は……まあ、呼ぼうと思えば出来るかもしれんが……)
ストームは脳裏にちらついた考えを直ぐに忘却の彼方に追いやった…するとロマンが何やらピンと来たらしく
《ん?待てよ……普通なら不可能な反則が起きている……ッ⁉︎そんな事が出来るモノといえば…!》
ロマンの言葉に立香もハッと気が付いた。
「聖杯……!」
「なるほど…状況に不明な点が多々ありますが、ある程度把握は出来ました。」
ピピピピ…
ストームは腕時計のG-SHOCKからそんな音が鳴ってストームが時計を見ると少し抜けると皆に告げた。
「ん?どうした?」
「すまん、各スカウトチームから第一報を聞く時間だ。少し失礼する」
ストームはジャンヌと話をしている立香達を他所に偵察に出てるスカウト達に通信を繋いだ。
「さて、各スカウトチーム、報告を」
《こちらスカウト1、こちらでも焼かれた街を発見…酷いもんです…焼死体を46体確認…子供や赤ん坊も含まれてます…街の規模にしては死体が少ないです…恐らくここにいないものはワイバーンの食事に……》
「…情報収集を続けてくれ、遺体をどうするかはそちらに任せる」
《こちらスカウト2。ドレミソ村の住民と接触して傭兵という身分で話を通して情報を聞けました…フランスは王を失いましたがジル・ドレ元帥が何とか軍の指揮系統を維持しています。
とは言え各方面軍は混乱状態で連携した行動が取れず各個に反撃しては敗走の繰り返しで戦力を失うばかり…現在は全軍に市民を守れとの命令を徹底厳守させることで軍の方向性を兵士達に示していますが…このままでは総崩れを起こすのも時間の問題かと…》
「総崩れを起こしたら民間人の避難すらままならなくなってしまうな…イングランドや他の諸国軍はどうなっている?」
《こちらスカウト3、高台から休戦中のイングランド軍の拠点を確認しました。最近攻撃を受けた跡がありますが…砦は無人。フランス兵の証言通りイングランド軍…いえ両陣営の同盟軍も本国に引き上げた様です。
他の防衛設備のない村の住民を一ヶ所に避難させて戦力を集中的に纏めて防衛するべきでは?どっちにしろ各個撃破されるぐらいなら1ヶ所に戦力を…》
「軍隊はそれでいいだろうが避難ってのは住民の生活を根こそぎ捨てさせる物だぞ?簡単な判断ではない。それにフランス軍だっていくら戦力を集めてもワイバーン何て戦ったことがないだろうし…」
各方面に散らばったスカウト達から一報を聞いていき最後のスカウト4からの通信を聞こうとした直後に無線から叫び声が響いた。
《こちらスカウト4!ワイバーンに追われてる!話をしてる余裕がない!!》
スカウト4の無線越しからは銃声やワイバーンの雄叫びとブレスらしき音が響いてくる。
「スカウト4、大丈夫か?」
《大丈夫です!こちらで片付け…!?何だこれは…音楽…!?》
「スカウト4どうした?」
《音楽が…ん?何だあれは…馬車か!?え…少女…!?っておわァ!?…ザー…ザー…ッ!!》
無線越しに…何やらオーケストラの音楽が聞こえてきたと思ったら少女という報告を最後に通信が途絶えてしまった。
「スカウト4?応答しろ!スカウト4!?」
「どうかしましたか!?」
ストームが無線機に怒鳴ると何事かと全員がこちらを見てきていた。
「…偵察に出ていたスカウト4から通信が途絶えた。どうもワイバーンに追われていたらしいんだが…」
「そのワイバーンに殺られたのか?」
キャスターからの問いにストームは首を横に振り
「いや通信を聞いた感じそうでもない…スカウト4の最後の座標は?」
《ビーコンによるとラ・シャリテのロワール岬付近だ》
「少し離れてるな…どうするつもりだストーム1?他のスカウト…それかレンジャーを送るか?」
《うーん…
「補充兵?」
エンジニアの呟いた補充兵という単語に引っ掛かったが直ぐにストームが疑問を呈される前に口を開いた。
「ま、スカウト4なら大丈夫さ。アイツらは並みのレンジャーよりしぶといからな」
《じゃ、何も無しか?》
「そういうことだ…んで?これからどうするんだ?」
「え…ああ、我々は取り敢えず竜の魔女の情報を得るためにラ・シャリテに向かいたいんですが…」
ラ・シャリテの名前を聞いてああ…と苦虫を潰した様な顔をして…
「………さっき言った通りスカウト4がその近くで消息を絶っている。しかもその辺りにワイバーンが彷徨いてるって事は恐らく街は既に…」
ストームが言いにくそうに街は既にワイバーンによって破壊されている可能性が高いと暗に話すとジャンヌと立香達の表情が暗くなる…。
それを払拭しようとエンジニアが通信で話し掛けた。
《となるとオルレアンに接近するルートを取るのは危険は大きくなる…それよりもスカウト2のいるドレミソ村に行って更に詳しい情報収集を行うのがベストでは?》
「ドレミソ村か…ここから遠くないしオルレアンとも距離があるからまだワイバーンは来てない。一応スカウト2が住民に話を聞いた。フランス軍はジル・ドレ元帥が何とか統制を保ってるそうだ」
「ジルが…!!」
ジル・ドレ元帥の名前を聞いたジャンヌは目を見開いたがストームの表情は険しく…
「だがまあ、この時代の人間がワイバーン相手じゃどう戦おうにも歯が立たず…おまけにフランス軍は王を喪った上に殺ったのがジャンヌ・ダルクと聞いて士気が低下する一方…このままでは軍が壊滅するのも時間の問題だな」
「状況は最悪だな…」
(それにジル・ドレ元帥って確かジャンヌ・ダルクの死後は…)
「マドモアゼル・ジャンヌ。貴方はこれからどうするのですか?」
ジャンヌは少し目を閉じた後、強く決意した目を開いて強く答えた。
「オルレアンに向かい、都市を奪還する。そのための障害であるジャンヌ・ダルクを排除する。主人からの啓示はなく、その手段は見えませんが……ここで目を背けるワケにはいきませんから!」
「…状況は分かってるのか?お前が《ジャンヌ・ダルク》である限りは周りのフランス人だって敵みたいなものだぞ?」
ストームがそう言ってジャンヌは1度グッ…!と唇を噛み締めてそれでも…と
「分かってます…でもそれが私に与えられた役目ですから!」
「…役目か…ハッ!成る程な!!」
ストームはその言葉を言い放つジャンヌに思わず笑った。
…ああ…こんな奴が前にもいたよなぁ……
そしてそれを見ていた軍曹は…嘗てのストーム1とジャンヌが重なって見えた。
「皆さん。どうやら私たちとジャンヌさんの目的は一致しています。今後の方針ですが…彼女に協力する、というのはどうでしょうか?」
「まあ、いいんじゃね?」
「味方は多いに越した事はない」
《ここはジャンヌと協力するのが最善だと僕も思う。救国の聖女と共に戦えるなんて滅多にない名誉だし!》
周りからの賛同を得て改めて立香とマシュはジャンヌの前に出て
「では改めて……マドモアゼル・ジャンヌ」
「私達にもやらなきゃならない事があるけど……でもその目的が一緒ならその為に…貴女の助けになりたいと思います。」
「そうです。これから貴女の協力者として、その旗の下で戦う事を許してくれますか?」
立香達の言葉を聞いたジャンヌはパアッと明るい表情を見せた。共に戦ってくれる者が…今のフランスには敵だらけで孤独で心細かった彼女にとても嬉しい事であった。
「そんな…こちらこそお願いします。どれほど感謝しても足らないほどです!……ありがとう、マシュ、藤丸、そしてサーヴァントの皆さん…私は1人で戦うものだと…そう覚悟していました。」
「いえ…これからよろしくお願いします!」
「さて…直ぐにでも出発したいだろうがもうじき日が落ちる…夜間に動くのは危険だ。行動するのは明日以降だな。焦っても仕方ない」
――――――――
「ああ、オメガに見張らせろ。絶対に召喚サークルに近づけるな…んじゃ」
野営が決まってからキャスターが猪を取ってくると言ってどっかに行ってしまいエミヤがストームから鍋を出して貰いそのストームは木に寄りかかり通信を切ると腰のハイドレーション・システムの水筒の吸い口から水を吸っていた。
そこにエミヤがやって来て
「ん?水分補給か?」
「まあ、それもあるがこの水は魔力水…魔力を補給出来るんだ。メディアに作って貰った」
「ほう…そんなものを作って貰えるのか?」
「勿論対価は支払って貰ったわよ?」
え?ハイドレーション・システムとはなんぞって?
人間に限らず生物は水が無ければ生きていけない。水を飲まないと脱水症状になり正常な思考を失い最悪意識を失うこともある。まして軍隊の様な常に体を激しく動かす様な職種に水分補給は必要不可欠だ。
そこでEDF陸軍は全陸戦歩兵に背中のアーマーの下に2Lの水を入れたリバーサーを背負って水分不足を防いでいる。
これは実際の世界中の軍隊が使ってる。日本の自衛隊は持ってないけどな。何故って?個人装備の予算が無いんだとさ
サーヴァントになり水分補給も必要無くなっているが代わりにメディアに頼んで魔力を込めた水を作って貰いストームは代金代わりにボトルシップをメディアに渡している。
え?ボトルシップは何処で手に入れた?それは彼の宝具の市街地の店からかっぱらって…ごほん!失敬!…徴収したものだそうだ。
「水分補給ってそんなに大事なんだ…」
「当たり前だ
これを読んでるお前らもとにかく水は必ず飲める時に飲んでおけよ?食い物無しでも水があれば人は2、3週間は生きられる。 しかし人は水を一滴も飲まないと僅か5日で死ぬんだからな!?」
「ぐ…軍曹…?」
「おお、大将が珍しく戸惑ってる…」
《貴方が魔力を補給してる理由がマスターとパスを普段は切ってるから魔力を自分で補わざるを得ないって事は黙ったままですか?》
「…他の奴には言うなよ?」
《まあ、貴方はスキルに単独行動:EXがあるから宝具を使わなければ食事や普通の水分補給でも充分魔力を補えて理屈では半永久的に現界出来ますがね。
あ、レンジャー2-2がそっちに戻りますよ》
その後夜営の準備中に俺は戻ってきたレンジャー2-2を出迎えていた。
「お帰り、オルガマリーは?あとエメロードは持ってるな?」
「勿論装備しました。
オルガマリーは飛行ユニットと装備の点検あとストーム4に戦闘記録を見られて…[ワイバーンごときに掴まるとは貴様スプリガンの名前に泥を塗ったな!?]と言って…その…」
「…所長の冥福を祈ろう…」
「…あ、それとスカウト4から通信が途絶えたと聞きましたが…」
「そっちに《補充兵》は?」
「いえ、来てないので恐らく生きてるかと…本当に何もしなくてよろしいので?」
「…マスターにも内緒で手は打ってある…
でもあのワイバーンの数はなぁ……!やっぱり1-4を呼ぼうかな?少なくとも2よりは大人しいし奴の殲滅力なら…」
4という単語を口にした瞬間レンジャー隊員達が声にならない悲鳴を上げて…
「《鋼鉄の狂犬》をここに!?絶対やめて下さい!!」
「確かにアイツが最高の戦力であるのは認めます…!しかしあの苛烈かつ過激な思想と行動はあまりにも…!!」
「大人しい?それは貴方の前ではね!貴方がいない時の奴は…ウップ…!!」
「ああ…思わず吐き気が…!…そもそも今のマスターとストーム1では制御出来ないでしょう!?」
《貴方の前では猫被ってますけど貴方がいないアイツは…!!》
非難轟々の嵐が起きてしまった。しかもエンジニアすらも難色を示した。
「…そんなにアイツ怖いか?」
「非情!!」
「無慈悲!!」
「鬼畜!!」
「残虐!!」
《頼りにはなりますが性格というか色々ぶっ飛んでますから……》
「おいおい1-3まで……はあ…分かったよ」
ストームは苦笑いしながら暗視装置のスイッチをオンにした……
《…あの…あと戦略情報部から…何か変な報告が…》
「変な報告??」
エンジニアが珍しく戸惑ってるような様子に内容を確認させる。
《ええ…百瀬大佐からです…
SFLの出動承認。スカウト4の捜索、並びにワイバーン等の魔物の殲滅を行う
なお伝達後この情報は速やかに削除せよ…あの…これって一体…》
するとストームはエンジニアからの疑問に答えることも無く
「その命令に関する記録を全て削除、お前も聞かなかったことにしろ。質問は一切受け付けない」
…有無を言わさない…珍しく威圧的だった。
《……了解です。報告記録を削除します…》
ME3エメロード
全てに置いて平均以上の結果を叩き出しバランスのとれた携帯式ミサイル。
日に日に増す敵ドローンの大群の空襲に迎撃に当たる対空戦車がミサイルより足りておらず在庫がかさ張る一方の対空ミサイルを歩兵でも運用できないかという要望に兵器産業メーカーやEDF兵器開発グループですらも
《携行型ミサイルではなく対空兵器へ搭載するミサイルを歩兵が手持ちで撃てるようにする発射機構?そんなのいくら予算出されても不可能だ!!》
と一蹴されたがEDFの《マッドサイエンティスト》によりそれが実現した。その完成品こそエメロードである。多数の敵をロックオン出来て単発火力も申し分なくEDFの対空戦では場合によっては通常の対空火砲よりも重宝されている。
ミラージュ15
自動ロックオン式の誘導エネルギー槍を放つ。
威力は低いがその連射速度と同時発射数から、敵を足止めして命中精度も高いので体力を削り取る効果も非常に高く、敵集団をまとめて停止、場合によっては撃破も可能。
最終防護射撃(Final protective fire)
歩兵部隊が防御において敵の突撃を破砕するための戦術である。 名前の《最終》が意味するように防御の最終手段であり、この戦法をもってしても敵の突撃を止められなかった場合は、最後の手段として白兵戦が行われる。
陸上自衛隊においては、突撃破砕射撃と称している。
EDFでも敵の進行阻止に陸戦歩兵隊で何度も取られた戦術で兵士達には馴染み深い。しかしEDFが戦った敵に対しての白兵戦は戦死確定なのでこれが破れるより前に敵を殲滅するか後退する必要があった。
SFL
――――――データが破損しており閲覧不可。意図的な破壊工作の痕跡あり。
《ストーム1がストーム1-4を呼ばないのかだってさ》
《おいおい…勘弁してくれ…アイツを戦場に出したらどうなるか…!》
《でもいざとなったら令呪が…》
《アイツがそんなので止められるタマか?》
《…奴の場合は無いと断言できないな…》
「勝ち目はない?何故それが戦えない理由になる?さあ戦おう!一緒に敵を殺そう?
分かりやすい自分の死 分かりやすい殺戮
戦争はとても単純明快 だから私は戦争が大好きだ!
だから…一緒に――――しようよ?」
《…軍曹はおろかあのグリム・リーパーの指揮官の言うことすら聞かなかったのにどうやってストーム1は奴を口説いたんだろうなぁ?》