アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※イベント最終日前日、宗谷キター!
※今回はちょっと変わった方の視点が入っています。
※挟み撃ちにされた花火さんと赤城・伊勢・日向。一体どうなってしまうのでしょうか…。


第113話 横須賀駅編2(艦娘側:北大路花火2)

 跨線橋の階段裏から海軍の連中が急いで改札へ向かうのを見てニヤリとする。

 六組目と七組目という獲物が一度に来たのだ。

 しかも一組は四大鎮守府の舞鶴第一を預かるマリア・タチバナ。

 京極陸軍大臣へのいい土産になるのは間違いない。

 それに引き換え、もう一組は愛らしいと云えば聞こえがいいが、いかにもな小娘(オボコ)

 海軍はあんな小娘まで駆り出さねばならぬほど人手不足なのか?

 まあいい、やはり国防は我が陸軍が担うべきであるというのがこれでハッキリした。

 

 「嬉しそうですな、山崎少佐殿。」

 

 「うむ、こうも事が上手くというか簡単に運び過ぎるとは(笑)。」

 これから起こる事を考え顔が綻んでしまっていたのだろう。連れてきた部下二名に茶化されてしまった。

 

 「少佐殿も存外お人が悪いようで。しかし海軍連中の呆けた顔を見るのは痛快でありますな。」

 

 「全くだ。さてそろそろ頃合いだ、準備を致そう。」

 さて可哀想だが前の五組と同様に客人(人質)となってもらうとするか。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 

 「はっはっは。どこへ行こうというのかね(笑)?」

 嫌な笑いを浮かべた陸軍佐官、しかも殿方が私達の前に現れました。

 手には銃を構え背中には見た事も無い艤装を背負っています。

 

 「なっ、山崎少佐?! 貴様は人間のはずだ、なぜ艤装を扱える?!」

 最初は陸軍艦娘かと思いましたが、日向が人間…、ですって?!

 

 「どうせ良く出来たハリボテ(コスプレ)でしょ。そんなので私達を騙せるとでも思ってるの?」

 伊勢もどうやら相手が誰なのかを知っているようですね。

 あの艤装を良く出来たオモチャだと言い切りました。

 

 「ハリボテになるかどうかはお前たち次第だ。今、この横須賀駅とその周辺は陸軍が抑えている。大人しく投降しろ。」

 随分と偉そうに言ってくれますね。

 確かに陸海軍と云いますが最近の海軍は人数も増えています。

 そこまで陸軍さんに偉そうにされる謂われはありません。

 一体、いつまで自分達の立場が上であると思っているのでしょうか?

 

 「投降? 私達が投降しなくてはならない理由など一切ありません。貴方達(陸軍)こそどういうおつもりですか?」

 最近の陸軍は横暴が過ぎますね、ここまでだと見過ごす事は出来ませんよ?

 

 「なに、簡単な事だ。これからは陸軍が主になって国政と国防を行う。因みにこれは総理の決定事項でもある。」

 

 「そんな馬鹿な!」

 

 「馬鹿なものか。ここに総理の命令書がある、見てみるがいい。総理第一秘書である波野静香殿から京極陸軍大臣へ直々に手渡されたものだ。」

 

 「波野静香だと?!」

 

 「マゾーンの地球先遣隊と種子を植え付けられた者達が動き出したというのですか?!」

 日向の波野静香というのはまだしも、私のこれは完全な失言でした。

 彼女の正体を知っているという事とマゾーンの操り人形が政府内にいるという事を海軍が掴んでいるのが筒抜けに。

 

 「少佐殿、こ奴らは波野静香殿がマゾーンの先遺隊と知っているようでありますな。直ちに排除せねば危険であります。」

 

 「そうだな、艤装のテストはこいつらで試してみるとするか。」

 山崎少佐とやらがそう言うと、お付きの武官の単砲身ですが巨大なロ径の砲が働き私達に向けられました。

 足元ではキュラキュラと音がして軍靴に履帯が?!

 

 「貴様らの艤装がどれほどのものか知らんが戦艦の大口径砲に敵うとでも思っているのか?」

 

 「そうよ、技術供与を受ける為にマゾーンに取り入った国賊が! 私達こそアンタに引導を渡してあげる!」

 『日向』と『伊勢』も四基八門の主砲と特別な瑞雲(瑞雲ファンネル)を展開します。

 

 「ふっ、面白い。跡形も残らぬよう吹き飛ばしてくれるわ(笑)!」

 山崎少佐の足元にはバラストに枕木、そしてレールが現れました。

 そしてどうやったら支えられるのかというような長砲身の大口径砲が?!

 お互い発射体制に入った時、改札口の方で数発の発砲音が鳴りました。

 

 「伊勢、日向! もう一度改札まで戻ります!」

 

 「ほう、この私ではなく『鬼王』を相手に選ぶと(笑)。」

 『鬼王』? あの鬼面を被った男は『鬼王』というのでしょうか?

 

 「選ぶのではありません、退路が確保できたという事です。あの銃声はタチバナ中将のエンフィールドNo.1。あの人の銃から逃げられる者などいる訳がありませんから(笑)。」

 タチバナ中将の銃の腕前は陸軍にも有名なのでしょう、山崎少佐が黙ってしまいました。

 

 「ふ、ふふ、ふはははは!」

 が、しばらくすると彼は笑い出したのです。

 

 「これは面白い。聞いたか、『鬼王』よ!」

 驚いて振り向くと暗い廊下から現れたのはタチバナ中将と那智さんを両肩に抱えた先程の剣士が。

 そしてドサッという音と共に地面に投げ出される二人。

 

 「そ、そんな!」

 

 「うそ…。」

 私も赤城も信じられません。

 

 「安心しろ、気を失っているだけだ。ところで山崎よ、こんなところでカールやクルップK5を使う気か? まだ、後続で数組やってくるのだぞ。コイツ等は私がやる。」

 『鬼王』が剣を抜きます。

 カールにクルップK5?!

 足部艤装が履帯と鉄道路盤、確かにあれはカール自走臼砲とレオポルト列車砲(クルップK5)に違いありません!

 私とてフランスにいたのですからナチスドイツの有名な凶悪兵器ぐらい知っています。

 極地運用ではなく本格運用がなされていれば凄まじい威力を誇ったに違いありません。

 あんなものを喰らったらいかに伊勢や日向といった戦艦娘や大型空母の赤城と云えども最悪の結果を招いてしまう可能性が…。

 下手をしたら本当に消し飛んでしまう可能性だってゼロでは無いはずです!

 

 「赤城は弓を、伊勢と日向は艤装と瑞雲を仕舞いなさい。」

 

 「「「提督?!」」」

 

 「タチバナ中将を置いて逃げる訳にはいきません。第一、私達であの『鬼王』とやらをどうこう出来るとは思えませんし、皆もカール自走臼砲とレオポルト列車砲がどんなものか知っているでしょう?」

 この時点で私は彼の言う通り投降を決意しました。

 タチバナ中将の銃は海軍一の腕前です。それでもダメだったとなれば…。

 それと同時に詰まらない意地でアルカディア号さんを連れて来なかった事をまたしても悔やむ破目に。

 私達を仕留める必要が無いと知ったのでしょう、鬼面を付けた男も剣を収めました。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 

 「いい眺めではないか。そのまま大人しくしておいてもらおう。」

 後ろ手に縛られてそのままトラックに放り込まれた私達。

 タチバナ中将の意識は未だ戻りません。

 暗い中、目を凝らすと他にも多くの提督と護衛艦娘の方々がいるのが分かりました。

 

 「何だい、アンタも来ちまったのか。」

 その声はロベリアさん?!

 

 「ロベリア中佐、一体どうして?」

 

 「どうしたもこうしたもないさ。アンタと同じだよ、あの面を付けた男にやられちまったのさ(笑)。」

 

 「なあ、エリカ、シー、かすみ、椿?」

 ロベリア中佐が荷台の奥に向かって声を掛けると、エリカさんのアハハという声が聞こえました。

 暗闇に目が慣れると段々と誰がいるのかが分かるようになってきました。

 どうやらロベリアさんの他はエリカさん・シーさん・藤井さん・高村さんとそれぞれの護衛艦娘のようです。

 その後も続々と捉えられた提督さんと護衛艦娘さん達が放り込まれてきました。

 ただ、彼女達の話を聞くと何組かは上手く逃げる事が出来たみたいです。

 分かっているだけでも紅蘭・カンナ・アイリス・レニの四組が無事だと。

 

 「まあ、アイツ等が海軍軍令部に辿り着いたら助けを寄越してくれるだろうよ。それまで 窮屈だけど休憩時間と思う事にするさ(笑)。」

 相変わらずロベリア中佐は男前ですね。

 私のようにオロオロしている様子は全くありません。

 

 「ところで北大路大佐、例の海賊船はどうしたですかー?」

 暗くて分かり辛いですが、あの声はトラック第一の織姫少将ですね。

 

 「彼は柱島第七泊地です。今回の護衛艦娘は赤城と四航戦の二人ですから。」

 

 「使えないですねー。こんな時こそ彼がいれば状況をひっくり返せたはずでーす。」

 そ、それを言われるとツライです…。

 

 「だから痴情のもつれってヤツよ。」

 イタタ、と云いながらタチバナ中将が体を起こしました。

 

 「タ、タチバナ中将?! 良かった、気が付かれたのですね?」

 

 「ちょっと待つでーす、痴情のもつれってどういうことですかー?」

 織姫少将?!

 

 「えーっと…。この間、アルカディアさんが海軍軍令部へ行った時、北大路提督を連れて行かなかったんですよね。あと、その時に神崎提督をお妾さんのトップにしちゃったんです。で、置いてきぼりにされた北大路提督が二重に怒っちゃったと。」

 エリカさんが楽しそうに説明してます。悪気は無いのでしょうが、その分より質が悪いです!

 

 「馬鹿だねえ、アンタ。」

 

 「全くでーす、正室に選ばれているんですからどっしりと構えていればいいんでーす。」

 うう、ロベリア中佐と織姫少将のジト目が痛い…。

 

 「反省してます…。」

 私がそう言った時、またしても荷台の幌が開いてもう一組がやってきました。

 メル提督と護衛艦娘の飛龍さんです。

 

 「ハハハハハ! だいぶお仲間が揃ったではないか(笑)。後は逃げた奴らを捕まえればもっと賑やかになるぞ、待っているがいい。」

 

 「山崎といったね。アンタ、人間に艤装を装備させる技術欲しさにマゾーンに手を出したのかい?」

 ロベリア中佐が山崎少佐、いえその艤装に目を遣りながら問いました。

 

 「貴様、ロベリアとかいったな。それがどうした?」

 

 「別に。ただ、そうやって未知の連中と技術に手を出すのは危険だ。そう言いたいだけさ。」

 

 「ハッ、何を言い出すのかと思えば(笑)。これから我が陸軍が国防を担うためには必要なのだ。虎穴に入らずんば虎子を得ず、マゾーンの力を使って海軍を無くし陸軍直属の海戦隊を作る!」

 

 「正気なの?!」

 信じられないといった表情のシー・カプリス提督。

 

 というか山崎…、山崎…。

 どこかで聞いた事があるような気がします…。

 中日と楽天の主砲、いえそれは山崎武ですか。

 笑ってはいけない…、違う、それは方正です。

 ええっと山崎…、山崎…。

 山崎慎之介?!

 陸軍の天才技術員にして、前呉第一鎮守府提督『藤枝あやめ』中将の恋人。

 どうりで深海棲艦やマゾーンの技術に興味を持つ訳です。




※花火:あの…、大丈夫でしょうか?
 作者:何がです?
 花火:陸軍の艤装です。某戦車道の要素を感じるのですが?
 山崎:うむ、これでは我々は艦娘ならぬ戦車娘ではないか。
 作者:仕方ないですよ。チハや89式ではとても艦砲に太刀打ちできないですから。ティーガーの88mmやヤークトティーガーの128mmでもお話にならないんじゃないですかね?
 花火:だからってカール自走白砲を持ち出すなんて…。
 山崎:いやいや、北大路提督殿。カール自走白砲はまだいい、私の艤装などレオポルト列車砲だぞ。一体、どう扱えというのだ?
 作者:そこは異星人のオーバーテクノロジーですよ!
 山崎:オーバーテクノロジーか。
 花火:便利な言葉ですが、何でもそれで済まそうとするのは…。
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