アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
デスシャドウ島へと渡るランチを埠頭で待っているようですが?!
横須賀埠頭にウチと護衛艦娘の夕張の靴音が響く。
照明も無く人の気配すら無い埠頭の隅っこを目指してひた走る。
もう追ってくる足音も気配もあらへん。せやけどあの『鬼王』とやらの存在と凄まじい殺気がウチらの足を急がせとるんや。
「ここまでくればもう大丈夫やろ。」
横須賀埠頭の一番隅っこ、『すみれ』はんから指定された場所に辿り着くと同時にコンテナに背を預け座り込んだ。
「ハアハァ…。」
護衛艦娘の夕張が息も絶え絶えになっとるわ。
まあ色々積み過ぎて鈍足艦娘の代表といってもええぐらいやからな。
かなり無理をさせてしもたのは問違いあらへん。
背負いカバンの中からペットボトルを二本出し片方を夕張に渡したる。
二人でお茶を流し込んどるとコンテナの陰から声が。
「無事だったみたいだね、紅蘭大佐。」
「紅蘭! 良かったぁ〜!」
「レニ、それにアイリスやないか! アンタらも無事やったんやな!」
お互いの無事を喜び合ってると今度は暗闇の向こうから声がしたわ。
「無事にここへたどり着いたのはアタイ達だけかい?」
「まだ、迎えが来るまでもう少しあるからゆっくり待ちましょう。その間にもう一組ぐらい来るかもしれないわ。陸軍の連中は私達が鎮守府へ向かうと思っているでしょうから、逆にここは安全よ。」
「カンナにラチェットはんやないか! 他に無事やったモンはおらへんのかいな?」
「残念だけど今のところはこれだけね。」
夜の埠頭にラチェットはんの溜息が吸い込まれていった。
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「ヘーイ!」
「あれは…。アイオワにジェミニ総司令! 無事だったのか!」
手を振りながらこっちに向かってくるアイオワ、後ろには帽子を手で押さえながら走る
隣で手を振り返すカンナはん。
「ミー達以外は…、たったこれだけ?!」
「いや、むしろあの鬼面サムライからよくこれだけ逃げれたもんだよ。というかアイリス、よく無事だったね?!」
息を切らせながらアイリスに目を向けるジェミニはん。
「アイリス、ずっと寝てたんだよ。全然起きないから横須賀駅で降り損ねて次の駅まで行く破目になっちゃった。」
アイリスの護衛艦娘、島風がまさかの種明しやわ。
「なるほど、そっから歩いたんか。それで助かったちゅー訳やな、アイリスらしいわ(笑)。」
「クスッ、人生何が幸いするか分からないね。」
「紅蘭もレニも酷ーい! 助かったんだから良いじゃない!」
アイリスが唇を尖らせとるけど彼女の言う通りやわ。
今は少しでも仲間と戦力が欲しいところやさかいな。
「僕はアイオワのお陰さ。線路に飛び降りてミニガーダー橋の下に潜り込んだんだ。他はどうやって逃げおおせたんだい?」
線路上ってあんなに走りにくいものだったなんて、とこぼしながら体に着いた泥汚れをはたくジェミニはん。
「ウチらは夕張との共同発明品のお陰やな。煙幕閃光弾3発で逃げおおせたわ。」
ドヤ顔の夕張が無い胸を張っ…、いやこれ以上はやめとこ(笑)。
「私達は違和感を感じた時点でトイレに入った。後はトイレの窓から外へ出たという訳だ。」
「違和感を感じた
「ちょうど、アイリスと反対方面から歩いてきたって訳さ。」
カンナはんはそう言うと立ち上がって海へ向かって手を振り始めた。
「どうやらお迎えが来たようだぜ。」
「「「「言い方ァ!」」」」
何でそんな縁起でもあらへん言い方するんや…。
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「自分は横須賀第一所属の神州丸であります。皆様をデスシャドウ島へお連れするよう任務を…。」
ウチらを見た神州丸が固まってしもたけど、無理もあらへんわ。
本来やったら何往復もするはずの人数が待ってるはずやったさかいな。
「んー、どうしたの?」
「アイリス殿、他の方々はどうされたのでありますか?」
「それは向かいながら説明するわ。実はエライ事になっとるんや。」
陸軍艦娘である神州丸には酷な話になるはずやけど、伝えん訳にはいかんしな。
「了解であります、急ぎましょう!」
直ぐに神州丸が操船する大型ランチは埠頭から離れデスシャドウ島へと向かい始めた。
※今回はつなぎ回なので短めです(いつも言ってる気がする…)。
次回はいよいよ横須賀第一と横須賀第二鎮守府に陸軍特殊部隊が展開します。
果たして一時的とはいえ両鎮守府は無事に移転できているのでしょうか?!
※無事に横須賀埠頭に辿り着いた提督と護衛艦娘達
李紅蘭&夕張組
アイリス&島風組
レニ&グラーフ組
カンナ&武蔵組
ラチェット&ホーネット組
ジェミニ&アイオワ組