アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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第124話 提督救出編1(艦娘側:北大路花火1)

 藤枝少将が連れ去られてからどれくらい経ったのでしょうか?

 重苦しい空気が流れる中、不意に扉が開き山崎少佐と藤枝少将が戻ってきました。

 嫌な嗤いを浮かべた山崎少佐が藤枝少将をこちらに突き飛ばしました。

 

 大きくはだけられたブラウス。

 肩ひもが千切れた下着(ブラ)

 無残な姿へと変貌を遂げた白いパンティストッキング。

 内腿に伝う紅い線。

 彼女が何をされたかは一目瞭然です。

 ヨロヨロと歩みを進めた藤枝少将は力なく床に座り込んでしまいました。

 丸見えになった双丘を隠そうともせず声を押し泣く彼女に私達も掛ける言葉がありません。

 

 「山崎、テメェ!」

 凄まじい形相で山崎少佐を睨み付けるロベリア中佐。

 

 「アナタ、自分のやった事が分かって…、あぐっ?!」

 タチバナ中将が山崎少佐に掴み掛りますが、逆にその手を取られ捻りあげられてしまいました。

 

 「この世の中、男とましてや私と契りたい女はたくさんいるのだぞ。イイ思いが出来てよかったではないか(笑)。」

 何ですって?!

 

 「卑劣な! 恥を知りなさい、恥を!」

 大鳳さんを盾にとったくせに何が何がイイ思いですか?!

 私も珍しく大声を出してしまいました。

 少なくともここにはアナタの様な男に抱かれたい女なんていません!

 泣きながら何度も申し訳ありませんと繰り返す護衛艦娘の大鳳さん。

 護衛艦娘として役目を果たせなかった事を悔いているのでしょう。

 私達もあまりの事にどうしていいか分かりません。

 まさか本当にこんな落花狼藉の振る舞いに及ぶなんて…。

 

 私が、私がアルカディア号さんと一緒に来ていればこんな事には…。

 伊勢に日向、赤城も何言いませんが同じ事を思っているに違いありません。

 そして山崎少佐は私達が何も出来ないのをイイ事に姉妹丼も悪くないと高笑いしながら扉を閉めると出て行ってしまいました。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 それから10分ぐらい経ったでしょうか、藤枝少将と大鳳さんのすすり泣きが止まぬ中、ドアノブがガチャガチャと乱暴に音を立てました。

 全員、身構えてしまいましたがドアの外から聞こえた声は私達が心待ちにしていた人の声。

 

 「全員、無事か?!」

 心なしかアルカディア号さんの声にも若干の焦りが感じられます。

 

 「え、ええ。ですが…。」

 藤枝少将の事をどうお伝えすればのでしょう。

 ましてや相手は殿方です。

 

 「ドアを破壊する、全員そこから離れてくれ。」

どうすればいいのか分からず困っていると彼がドアを破壊すると言い出したのです。

 

 

 「ダメです、いけません!」

 藤枝少将のこんな姿を見せてはいけないと佐世保第二のメル・レゾン中佐がドアの外にいるアルカディア号さんに向かって叫びますが…。

 

 

 「悪いが、そういう訳にはいかん。」

 そうですね。彼もただ入って来ないで!では納得しないでしょう。

 

 

 「花火さん!」

 メル中佐が半ベソ顔で私に助けを求めますが…。

 

 「あ、あの…。アルカディア号さん、実は…、きゃあっ!」

 ドアに豪雨が当たるような音がしたかと思うとドアが少し歪みました。

 これは…。速射砲、スペースバスター?!

 ですが山崎少佐が言う通りかなり頑丈なドアみたいですね。

 

 「ダメですってば! ああ、もうこんなの説明できません、どうしたら…。」

 オロオロするメル中佐ですが、ついにドアが吹っ飛びました。

 中に掛け入ってきた彼は真っ先に私を抱きしめてくれると怪我はないかと聞いてくれたのですが、これではもう誤魔化しきれません。

 

 「あ、あの、藤枝少将が…。」

 

 「…。」

 彼女を見たアルカディア号さんは黙って立ち上がると彼女にそっと自分のマントを羽織らせました。

 

 「誰だ…。」

 怒りに震える背中。

 後ろを向いていても分かる凄まじさに圧倒されて誰も返事が出来ません。

 

 「花火っ!」

 

 「ハ、ハイ!」

 

 「誰だ! 誰がやった?!」

 

 「山崎よ。護衛艦娘である大鳳をこれ以上傷付けられたくなければ、と…。」

 何も言えない私達に代わってタチバナ中将が答えてくれました。

 既にアルカディア号さんから飛び出て来たドクターゼロさんが大鳳さんの治療を始めています。

 

 「花火、いや皆すまない。少しやる事が出来た。悪いがもう少し待っていてくれ。」

 「それから螢、悪いが少将閣下の側に付いてやってくれ、頼む。」

 

 「了解です、キャプテン。その代わり…。」

 同じように飛び出て来た螢さんは藤枝少将の両肩にそっと手を置くと軽く自分の方へと引き寄せました。

 

 「ああ、分かっている。」

 彼が立ち上がります。

 

 「何処へ行くの?」

 

 「タチバナ閣下か…。俺がいた世界では藤枝閣下の受けた屈辱は『魂の殺人』とまでいわれている。」

 

 「魂の…、殺人?」

 下を向いていた藤枝少将が顔を上げました。

 

 「そうだ。俺の世界では立派な犯罪だ。」

 

 「当り前じゃない、この世界でもそうよ。いくら殿方の数が少なくても…、ね。」

 呆れ顔のマリアさんですが、アルカディア号さんがこれからやろうとしている事が見えて来たのでしょう。

 私も連れて行って欲しいと依頼されました。

 

 「タチバナ中将ともあろう聖女が何を言っているのだ。マリアの名が泣くぞ。」

 「俺がこれからやろうとしている事は汚れ仕事、まさに海賊の仕事だ。」

 

 「じゃあ、アタシを連れて行きな。アンタなら見えんだろ、アタシの背中にある黒い羽がさ(笑)。これでも海軍に入る前は散々やらかしてきたお尋ね者だったんだ、お誂え向きじゃないか。」

 ロベリア中佐が前に出ます。

 

 「待ちなさい、アルカディアさんたら私をどんな女だと思ってるの(笑)。私がどこでどうやって銃の扱いを覚えたと思っているのかしら?」

 どうやらタチバナ中将も引き下がるつもりは無いようですね…。

 

 「ヤツを軍法会議に掛けるという考えはないのか?」

 

 「残念だけど山崎が世の女性に人気があるのも事実なの。本気で掛かっても握り潰されるに決まってるわ。」

 ですがアルカディア号さんはロベリア中佐とタチバナ中将に自分を信じて待っていて欲しいと告げると懐中電灯のようなモノを渡されました。

 

 「これは?」

 

 「それは剣の柄だ。イメージした刀身に気を集中させてみろ。」

 アルカディア号さんから説明を受けるロベリア中佐とタチバナ中将は戸惑いながらも言われた通りに集中を始めました。

 するとビシュンという音がしてロベリア中佐からは深緑に輝く刀身が、タチバナ中将からはダークシルバーに輝く刀身が現れたのです!

 残り全員にもその不思議な剣が配られました。

 私達自身も知らなかったのですが、彼によると全員が優れた霊力を持っているので使えるはずだとの事。

 その証拠にビシュンというという音と共に、あちこちから『出来た!』とか『凄い!』とか聞こえてきます。

 私もやってみると紫色に光る刀身が出現しました。

 これで自分の身ぐらいは守れるだろうとはアルカディア号さんの弁。

 

 この光線剣があるならと私も連れて行ってもらえないか頼んだのですが、先のお二人同様、かれは首を縦には振ってくれませんでした。

 どうしてでしょう?

 私が意地を張らずに彼を護衛艦息にしていれば『かえで』さんがこんな目に遭う事は無かったはずなのに…。

 

 「悪いな、花火。俺はもうこれ以上、誰一人として傷付いて欲しくは無いのだ。」

 花火の大切な仲間という事は俺にとってもそうだからな、と彼は私の頭に手を置きました。

 全ては私の我儘が引き起こしたというのに彼がそれを咎めるどころか私にも螢さんと二人で『かえで』さんに付いてやってくれと頭を下げてこられたのです。

 この時ほど、私は穴があったら入りたいと思った事はありませんでした。

 それと同時に彼の偉大さと心の広さ、それに男らしさに改めて惚れ直しました(ぽっ)。

 が、彼はヤッタラン副長と台羽妖精さんに彼はおかしな事を聞いたのです。

 

 「副長、それに台羽。のさばる悪を何とする?」

 

 「天の裁きなんてまってられまへん(天の裁きは待ってはおれぬ)。」

 

 「この世の正義なんて宛に出来るもんか(この世の正義も宛には出来ぬ)!」

 

 「「闇に裁いて仕返しや(だ)(闇に裁いて仕置きする)!」

 

 「「「南無阿弥陀仏!」」」




※やはり山崎少佐こと葵叉丹はアルカディア号の地雷を踏み抜いてしまったようです。
 これからアルカディア号はどうす…。
 あれ、どこからか聞き覚えのあるトランペットが?

『鬼王』こと真宮寺一馬殿の結末は?!

  • 原作通り死亡
  • 一命を取りとめさくらと親子鷹で活躍
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