アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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第13話 帰還1(アルカディア側)

 さあ、柱島第七泊地へ向けて出発、カワイ子ちゃんが待っている!

 30ノット(時速56km)で速度を固定、時間にして約1時間か。

 

 「ひゃっほう、最高よねぇ!」

 陸奥さん、そこまで言うならもう『最高だぜぇ!』で良いと思われます(笑)。

 

 「これが30ノットか、胸が熱いな!」

 

 「見て武蔵! 走行波が膝の高さを超えたわ!」

 

 「霧島よ、自力でここまでの速度を出せるとは貴様達四姉妹が羨ましいぞ、ハハハ!」

 後ろでは戦艦組の黄色い声が(マザリタイ…)。

 

 ん?

 はしゃぐ戦艦組とは裏腹に抱きかかえている翔鶴さんの様子が少しおかしい。

 相変わらず顔を埋めたままで余程、目を合わすのが嫌とみえる。

 心なしか息も荒い気がするし、わずかに見える耳と頬には赤味が。

 しかも何かを我慢しているようにも見える。

 トイレか?、と聞いても小さく首を振るだけ。

 

 ギュウと掴まっている手に力が加えられる。

 え、何?

 もっと速度を上げろという事なのか?

 どうやら一刻も早く解放されたいのかさらに力が加えられる。

 

 痛い、痛い、痛い!

 止む無く巡航速度を55ノット(時速100km)まで上げる。

 え、早過ぎる?

 速度超過?

 いやいや、一刻も早く到着して離れてもらわないと文字通りコチラの身(物理で)が引き千切られそうなんですって!

 

 一度、翔鶴さんの様子がおかしい事を伝えようと後ろを向いたが、摩耶様にこっち見んなクソが、と怒鳴られてしまった。

 そりゃ、あなたの口の悪さは知ってます、知ってますよ。

 ましてや好きになってくれとは言いません(本当はなって欲しいけど!)、でもちょっと酷過ぎるダルォォ!

 初めてですよ、私をここまでコケにしたおバカさんは(血涙)。

 

 おかげであっという間に外湾から内湾に。

 ブンカーまでぶっ飛ばしたかったが、さすがにそれをやると大事故になりかねない。

 建物とガントリークレーンが見えたあたりで下駄履き機が飛んできた。

 某瑞雲教の御神体は日向の周りを2~3週するとブンカーに帰って行く。

 そのブンカーでは結構な人数が心配そうな顔をして整列しているのが遠目にも確認できた。

 

 「着ているモノからすると僚艦の連中か。随分と仲間想いだな。」

 

 「ええ、自慢の姉達です。」

 

 「そうだね、でもそれは金剛型だけじゃないよ。」

 

 「川内さんの言う通りですね。絆は北大路提督が一番大事にしている物ですから。」

 この世界でも北大路花火嬢は思いやりのあるお嬢様らしい。

 大変結構な事だが、コチラの姿を確認した途端、姉妹艦達の振っていた手がピタリと止まってしまった。

 

 「アハハ、あの神通の顔。青葉、しっかり撮ってやって。」

 

 「了解です! しかし皆さん一様にいい表情ですねぇ。」

 

 「私達もあんな感じだったんでしょうか。そう思うと…、ちょっと恥ずかしい。」

 相変わらず、後ろは楽しそうでよろしゅうおすなぁ。

 こっちはさっきの摩耶様の一言で心が折れました。

 おかげでもう振り向く勇気がありません(キッパリ)。

 

 出迎え組の目の前へと着地し全員をブンカーに引揚げる。

 

 おお、目の前にあの北大路花火嬢が!

 サクラ大戦では一番好きなキャラなんですよぉ、グヘヘヘヘ(ジュル)。

 早速、挨拶をと思った矢先、彼女はいきなりダッシュで建物内へ逃げて行った。

 

 ちょっと待って、なんぞこれ?

 先程の摩耶様より酷いパターンが用意されているなんて誰が思うよ?

 顔見ただけで逃げるって…。

 まさかとは思うが霊力とやらで心の中を覗かれたのか?!

 

 「一体、司令はどうされたんでしょうか?」

 ほれみなさい、霧島さんだって変に思っているではないか。

 

 「艦隊の頭脳を持ってしてもわからんモノが脳筋の私に分かる訳なかろうが。ひょっとしたら艦隊司令部に新艦発見の一報を入れに行ったのかもしれんが。」

 あら?

 武蔵さん、自らを脳筋と認めてるんですね(笑)。

 

 「お、お待たせ致しました、ここ柱島第七泊地を預かる北大路花火と申します!」

 数分後、慌てて戻ってきた花火嬢。

 桜色のルージュに上品なメイク、なるほど化粧しに行ってたんですね。

 

 しかし以前、雑誌の記事で女性は心を許した相手にしかスッピンを見せないと読んだ記憶がある。

 という事はやはり警戒されていると思って間違いないだろう。

 その証拠に手足が小刻みに震えている。

 

 「宇宙海賊船アルカディア号だ。無理を言ってすまなかったな。」

 しかし、お礼はちゃんとしておかなければ。

 男の好感度は掛け算だが、女のソレは足し算だというからね。

 

 「い、いえ、とんでもありません! 皆を無事に連れ帰って下さりこちらこそありがとうございます。本当にどうなる事かと思いましたので(ぽっ)。」

 

 「提督、皆さん入渠と補給がありますし、お話は執務室にお越し頂いてからにされては?」

 おお、高雄さんからナイスな提案が。

 しかし、何がとは言いませんが隣の愛宕さん共々デッカイですなぁ。

 

 「そうですね、詳細は入渠と補給後で構いません。それから入渠に関しては高速修復材を使用して下さい。ではアルカディアさん、どうぞこちらへ。」

 さらに日向さんに全員高速修復材を使用するように命じると、右手右足同時出しという不思議な歩き方で執務室へ歩き始めた。

 

 「ふむ、ではそうさせてもらうとしよう。さあ翔鶴、着いたぞ。」

 降ろそうと声を掛けるが…。

 

 あれ、翔鶴さんが降りようとしない。

 顔をこちらの胸に埋めたまま首を横に振る。

 ここに来るまでも時折、体を強張らせて何かを耐えていたようだったが…。

 

 「五航戦?」

 

 「翔鶴さん?」

 

 「翔鶴姉!」

 皆が異変に気付いて駆け寄ってきた。




※ストックが尽きてしまったので、少しの間お休みとなります。
 できるだけ早くまた投稿できるようにコツコツ書き溜めていきますので、期待せずにお待ち下さい。

※この話を考え付いた元となったアルカディア号が完成しました。
 コイツで艦これの世界に行ったらどうなるのかな?とふと気になってしまって(笑)。

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