アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※申し訳ありません、京極とアルカディア号の対決は次回以降に持ち越しです…。


第132話 提督救出編9(アルカディア側3)

 「また会ったな…。帝国華撃団。」

 そう言って我々の前に立ったのは陸軍大臣京極慶吾。

 まあ、分かっていましたとも。アンタがここで登場する事は。

 しかし、そうなると真宮寺一馬が長官を庇って再び三途の川を渡ってしまう時が近付いているという事でもある。

 真宮寺親子に何かあった際は直ぐに動けるようにと目で合図を送るとドクターゼロが頷いてくれた。

 

 「京極!」

 大神殿の歯がギリッと鳴る。

 

 「真宮寺…、山崎…、共に私が仮初の命を与えた者。いわば人形だ。」

 「新皇が復活した今、もはや人形に用は無い。」

 

 「京極…。貴様、許さん!」

 「人の命を弄ぶような真似はこの俺が断じて許さん。しかも貴様が弄んだのは真宮寺一馬殿だけではない、娘のさくら嬢まで…。相応の覚悟は出来ているな?」

 許さんが大神殿と被ってしまったが、この後の事を考えれば出来るだけ俺に矛先が向くようにしておく必要がある。

 それに今の俺、ちょっとカッコ良くない(笑)?

 

 「身の程を知れい、この海賊船風情が!」

 「高い理想の前に多少の犠牲は付き物だ。偽りの正義の許にこの帝都を支配した虫けら共よ!」

 京極の両手が青白く光り始めた。

 拙い、ヤツはここでもう法力を使うつもりだ!

 

 「これが最後だ! 死ねいっ!」

 バレーボールになった光球がヤツの両手から放たれる。

 原作では片手のはずだが、先の行動によって攻撃目標を俺と真宮寺長官の二つにしたというのか?!

 

 「きゃあああっ!!」

 真宮寺長官の悲鳴が響き渡る。

 いや、彼女に避ける術が無いと悟った他の提督や護衛艦娘達からも悲鳴が!

 

 「くそおおおっ!」

 さすがの大神殿も成す術が無い。

 あの程度の攻撃、アルカディア号の装甲であれば耐えれるのだが俺の後ろにも大勢の提督や護衛艦娘達がいる。

 ここから動けば彼女達が犠牲になってしまうため真宮寺親子の盾になる事が出来ない!

 

 「ぐわああっ!」

 が、ここで原作通り真宮寺一馬が長官の前に立ってその身で攻撃を防いだ。

 

 「ぐっ!」

 同時に俺にもヤツの光球が命中する。

 瞬間、体内をとてつもない衝撃が抜けた。全身の力を半分近く持っていかれた感じだ。

 自身の体を見てみるが、何一つ傷がある訳では無い。

 これが法力か…。物理攻撃とはまた違う厄介な手段だぞ、これは。

 

 「な、何いっ?!」

 まさか京極もこちらが防ぎ切るとは思っていなかったのだろう。

 ヤツの表情にも焦りが浮かんだ。

 

 「き、京極…。お前の思うようには…、させぬ!」

 「私の娘…、さくらを殺させはしない!」

 すかざす真宮寺長官がよろめく父親を支えた。

 

 「さくら…、よく聞け…。この部屋の巨大な水晶が降魔兵器を操るための…、妖力の出力体だ。どんな手段を使ってでも水晶を破壊して魔を封じるのだ。」

 「そして、この奥にある御柱の間にて…、御柱を…、斬れ!」

 「京極の野望を砕けっ!」

 絶叫する真宮寺一馬。

 

 「ぬうっ…、貴様!」

 歯噛みする京極だが、ヤツは先程の攻撃で法力全てを使い切っている。

 新たな攻撃は出来ない。

 

 傍らでは長くはもたないと悟った真宮寺一馬が、長官にもう一度その顔を見せてくれだの、強く生きろだの、迷いのない剣を使うようになっただの縁起でもない事を口走っている。

 神崎中将閣下もこれ以上話されてはお体に障りますと止めに掛かるが…。

 

 「ほんの…、少しだけだが…。父として、お前と話せて良かった。さくら…、母さんによろしく…、伝えてくれ。」

 

 「お父様ぁーっ!」

 長官が叫ぶ。

 

 ん、待てよ?

 原作では真宮寺一馬の体は消え、長官は父の刀だけを抱えていたはず。それなのに彼が消えずに残っているという事は…。

 法力を二つに分けた事によりその威力が半減した?!

 

 「ドクター!」

 考えるより先に俺は叫んでいた。

 飛び出してきたドクターゼロが真宮寺一馬に何かを注射(強心剤?)、マッサージのコースを行った後、魔地機関長と共に担架で彼をスタコラサッサと運び出して行く。

 

 ん? マッサージとは心臓マッサージだぞ。何?

 コースも相まって紛らわしい? 他に何かあるとでも?

 

 「ぬうっ、この海賊船めが…。我が法力を全て注いだ術を耐え抜くとは…。」

 忌々し気に吐き捨てる京極。

 

 「貴様、俺が957年後の未来から来た宇宙海賊船だという事を忘れたのか?」

 

 「私にはマゾーンが付いている(笑)。貴様の存在など恐れるに足らん。だが法力が尽きた以上、私はいったん引かねばならぬ。

 「お前達は運がいい。だが…、次に会った時がお前達の最後だ。」

 

 「くそっ、京極…。」

 ヤツに切り掛かろうとする大神殿を制する。

 

 「京極…。貴様、高い理想の前に多少の犠牲は付き物だと言ったな。」

 

 「当然だ。最も貴様らのような虫けらは犠牲ともいわん(笑)。」

 相変わらず無茶苦茶な理屈をこねおるわい。

 

 「そうか。では次に犠牲になるのは貴様自身だ。もっともお前の場合、付き物ではなく憑き物だろうがな(笑)。」

 

 「この私を愚弄する気か…。」

 ヤツの目がスッと細くなる。

 

 「まあいい。どうせ次に会う事はあるまい。しばしの時間をやろう、神仏に祈るが良い(笑)。」

 エレベーターへと京極が姿を消す。

 

 「フッ。生憎だがキャプテン・ハーロック同様、このアルカディア号、神や仏からは最も縁遠い。」

 最も死神といわれれば違うとは言いにくいが。

 

 「京極、念仏や呪詛は貴様自身の為に唱えるが良い!」

 追い掛けたかったが、提督達や護衛艦娘達を置いてまで行く事は出来ない。

 

 「さあ、ヤツがいなくなった今がチャンスだ。御柱の間とやらへ急ぐぞ!」

 確かに大神殿が言うように柱を破壊するには今しかない。京極を諦めた俺は皆と一緒に御柱の間へと突入した。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 何だよ、御柱ってただの柱じゃないのか?!

 東京花組の全員で斬り掛かるも、そう簡単に破壊できるものではなかったのだ。

 それでも残り一本までこぎつけた俺達を褒めて褒めて(夕立風)!

 

 「これが…、最後の柱だ。帝都を守るために…、この柱を打ち砕く!」

 「いくぞ、みんな! それぞれ思いをぶつけろっ!」

 

 「「「「「「「「おーっ!」」」」」」」」

 

 「お父様!(さくら)」

 「人々の喜びを奪うものは絶対に許さないっ!(マリア)」

 「わたくしたちには…、待っている人がいます!(すみれ)」

 「人間の幸せが街を作るんだ!(カンナ)」

 「アイリスは、皆を傷付ける者を許さない!(アイリス)」

 「人を不幸にする道具は要らんのや!(紅蘭)」

 「愛をあざけるものは愛によって滅びまーす!(織姫)」

 「信じあう仲間の力を思い知れ!(レニ)」

 

 「柱よ…、砕けろおおっ!! 喰らえっ!」

 全員の全霊力を乗せた光線剣の一撃が次々と醜悪な柱へと叩き込まれていく。

 そしてついに最後の柱が崩れ落ちた。

 

 「やった…、のか?」

 大神殿、またそれ盛大なフラグを…。

 

 「エネルギーの流れは…、止まっているよ。」

 相変わらず慎重なレニ。

 

 「これで第二海保の制御も失われたはずや!」

 「ひゃっほーっ! やったぜー!」

 

 「な、何か…。まだヘンです…。」

 紅蘭大佐と桐島中将は喜ぶが織姫少将も何かを感じているのだろう。

 

 「…。」

 警戒を緩めず周囲を警戒するレニ。

 

 「邪悪なエネルギーを感じますわ。」

 流石は東京花組一の霊力を持つ神崎中将、まだ終わっていない事を感じ取っているようだ。

 

 「みんな、油断しちゃダメよ!」

 タチバナ中将も気を抜かないよう指示を出している。

 

 「大神さん…。」

 長官も胸騒ぎを感じているのだろう。

 得体の知れない不安からか大神殿に身を寄せる。

 

 「俺も邪悪なエネルギーを感じる。闘いは未だ終わりじゃない。前進しよう。」

 

 「「「「「「「「了解!」」」」」」」」

 この時、俺は京極が『親皇』に搭乗して出て来ることは知っていたのだが、まさかあんな登場の仕方をするとは思ってもみなかった。

 




※相変わらず無茶苦茶な理屈をこねおるわい。
 食べ物に煩い新聞記者の屁理屈に高名な陶芸家が呆れて言った一言。欠けた茶碗は『そばがき』と命名された。

※しばしの時間をやろう、神仏に祈るが良い
 本来は御仏。厳娜亜羅十六僧の一人、嘲笑法師がある塾の生徒に向けた放言。
 どうやらこの坊主、硬砕数珠という硬い上にバカでかい数珠で相手の脳天をカチ割ってトドメを刺すらしい。
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