アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※いよいよ京極とアルカディア号の対決です。

※来週は勤務の都合上、更新が難しい状況です。
 申し訳ありませんが、お休みさせて下さい。<(_ _)>


第134話 提督救出編11(艦娘側:マリア護衛艦娘 那智1)

 「ほざけ!理想なき虫けら共に何が分かる?」

 「力こそ正義だ!勝つ事こそ正義だ!血を流す事こそ正義だ!」

 激高する京極。同時にヤツが装備する『新皇』の儀装がまるで生き物のごとくドクンと音を立てた。

 

 「力が正義…、勝てば正義。血を流せば正義…、か。」

 アルカディア号殿も儀装を展開する。

 結局、勝った方が正義なのだ。

 ならば闘って決めるしかあるまい。

 

 「全艦娘に告げる! それぞれ自分の提督を連れ入り口まで下がれ、そして何があっても守り切れ、いいな!」

 アルカディア号殿が私達護衛艦娘に命を下す。

 だがこの那智、元よりそのつもりだ。

 艦娘として、いや何より武人としてわが提督(タチバナ提督)守り切って見せよう!

 

 「ちょっと、那智! どこへ連れて行くつもりなの!」

 

 「ん、提督よ。貴様、先ほどアルカディア号殿が言った事を聞いていなかったのか?」

 入り口までは100m以上ある。あそこまで離れればあの二人に戦いに巻き込まれることは無いだろう。

 

 「聞いていたわよ。でも私達花組にはこの光線剣(ライトセイバー)があるわ。」

 「いや、しかし…。」

 渋るタチバナ提督に戸感っていると、アルカディア号殿から声が飛んで来た。

 

 「武器だけで身を守れると思うのか。大人しく下がっていろ。」

 

 「でも…。」

 

 「タチバナ閣下、一撃でも貰ってしまえば四肢の欠損限度では済むまい。俺としてはこれからも月一の定期演習には無事な姿でお越し頂きたいのだ。」

 

 「那智! 何してるの、サッサと下がるわよ!」

 それを聞いた我が提督は私の手を取ると凄い勢いで入口へと後退した。

 以前、横須賀に同行した瑞鶴から聞いた通りだな。

 やはり我が提督もあのお方にお熱…、いやこれ以上はヤボというものか(笑)。

 しかし人間が艦娘を引き摺るとは一体どういう事なのだろう?

 

 「アルカディアさん! 帝都の未来の為、俺たちの未来の為、艦娘達の未来の為、必ずヤツを倒して下さい!」

 元帥殿がアルカディア号殿に我々の意思を託す。

 

 「俺の前に立ち塞がるものは例え誰であろうと叩き潰す。それが海賊の…、いや、俺のやり方だ!」

 やはりこの御仁は言う事が違う。

 おかげで提督&艦娘のほぼ全員が女の顔になってしまった。

 隣に目をやれば我が提督も例に漏れずである。

 何、私か?

 私は…、その…。

 ええい何だ、悪いか?!

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 巨大な両腕でアルカディア号殿を薙ぎ払おうとする京極の『新皇』。

 それをものともせず受け流すアルカディア号殿。

 接近すれば戦士の銃と重力サーベルで、離れればその三連装主砲で確実に京極を捉えていく。

 もちろんヤツもただやられている訳では無い。

 ヤツの催装である『新皇』も異星人の技術をふんだんに取り入れでいるのだ。

 一斉射撃されたミサイル、アルカディア号殿でも落とし切れなかった数発が彼に命中する。

 

 「「「「アルカディア(号)さん!」」」」

 だが当のアルカディア号殿が受けたダメージはせいぜいカスダメ程度に過ぎなかった。

 やはり宇宙戦闘艦の名は伊達ではないのだな。

 

 「馬鹿な?! 直撃のはずだ!」

 異星人のオーバースクノロジー、確かに我々艦娘であれば例え一発でも大破は免れない。

 下手をすれば大破ストッパーさえ効かない可能性すらある。

 だが彼は命中直前で更にミサイルを数発を切断した上、クリティカルを一発も受けなかった。

 それに宇宙戦闘艦の名と装甲は伊達では無い。

 

 「この()を造ったのは我がキャプテンの友。偉大なる我がキャプテンの友が造った。」

 顔に付いた媒汚れを腕で拭うアルカディア号殿。

 そして独特の音を立て主砲が京極へと指向されていく。

 

 「我がキャプテンの友の名は大山敏郎。キャプテンはその友をトチローと呼ぶ。彼は肉体こそ失ったが、その魂はなおもこのアルカディア号と共にある。」

 「俺が生き続ける限り、我がキャプテンの友も永遠に生き続ける。そして彼の指示によりこのアルカディア号は常に随時改造や改良を行っているのだ。」

 彼がそう言うと同時に9本の光の矢が京極を捉えた。

 

 「ぐああぁあっ!!」

 

 「勝負あったようだな…。」

 片膝を付く京極に重力サーベルを突き付けるアルカディア号殿。

 

 「うぐぐ…くく…、ふふふ…、わははははは!」

 「こ、これからが『新皇』の本当の力…。うげげげげ…。」

 な、何だ?!

 京極のヤツ、高笑いを始めたかと思ったらいきなり苦しみ始めた?!

 

 「な、何事ですの?!」

 「こ、これは一体…。」

 神崎提督殿も我が提督殿も京極の只ならぬ様子に気付いたようだ。

 

 「見せてやる、『新皇』の真の力を…。ぐ、ぐわああぁああ!」

 

 「悪夢だ、『新皇』が京極を…」

 レニ提督殿の言う通り夢なら悪夢でも良かろう、だが京極は目の前で『親皇』に取り込まれてしまったのだ。

 

 「我は…。我は…、『新皇』。」

 地の底から響いてくるような声が京極から、いやさっきまで京極だったモノから発せられる。

 

 「な、何て事なの…。」

 「醜い…、ですわ。」

 『親皇』のさらなる力を引き出そうとした京極だったが、ヤツの法力を持ってしてもアレは制御できる存在ではなかったのだ。

 

 「くそっ、信じられねえモンが出できやがったぜ⋯.

 ヤツを取り込みまた新たな形態へと姿を変えた『親皇』。

 その姿は巨大な両腕で這い回る鬼の上半身に女王蟻の腹をくっつけたモノとなっている。

 さらにその腹からはサザエのトゲのようなものが多数生えておりそこから蒸気が噴き出ている。

 神崎提督殿が醜いと評したが実際その通りだ。

 

 「力無きものは…、死ね。」

 言い終わるが終わらないうちに『親皇』の両腕がアルカディア号殿を薙ぎ払った。

 

 「アルカディア号さん?!」

 「キャプテン?!」

 「あなた?!」

 我々、提督&艦娘から悲鳴が上がる。

 約一名からは何がおかしな悲鳴が上がっていたが⋯。

 側壁まで吹っ飛んだアルカディア号殿だが損傷は見られない。何とも頼もしい限りだ。

 

 「速射砲!」

 トゲから再び発射された無数のミサイルをスペースバスターで撃墜し、一気にアルカディア号殿が距離を詰める。

 『親皇』も鈍重な動きながら前に出た。

 

 「撃ていっ!」

 擦れ違いざま、主砲とエネルギー弾を撃ち合う両名。

 すれ違う両者の間に閃光と轟音が響き小さな破片が飛び散った。

 アルカディア号殿のパルサーカノンを無数に叩き込まれた『親皇』が使い物にならなくなった腹部儀装を切り離す。

 

 「取舵、反転180度!」

 再び接近する両名。またも擦れ違い様に行われるノーガードの撃ち合い。

 

 「怯むな、撃ち続けろ!」

 アルカディア号殿がクルー妖精達に指示を飛ばす。

 だがそのアルカディア号殿からも黒煙が噴き出ている。同じ艦娘?艦息?としてわかるが、あれは中破寸前だ。

 

 「攻撃を『親皇』の核に集中しろ!」

 『親皇』の核。それは取り込まれた京極自身だ。

 アルカディア号殿のありとあらゆる武装がヤツに叩き込まれていく。

 

 数瞬の後、『親皇』がグラリと揺れた。

 アルカディア号殿がサーベルを抜きその前に立つ。

 

 「わ、私の理想が…、こんな所で…。」

 「いや…、我が理想を受け継ぐ者は必ず現れ…、る。」

 「その日の為に…、貴様らを地獄の道連れにしてやる!」

 

 「悪を蹴散らし正義を示す。真宮寺長官から聞いた海軍の大儀を教えてやりたかったが、もはや人としての自我もそう残ってはいまい。」

 「それに先ほども言ったはずだ。地獄へは貴様ひとりで行けとな。」

 そう言うと彼は京極の額に深々とサーベルを突き立てた。




※以前、横須賀に同行した瑞鶴から聞いた通り。
 舞鶴第一鎮守府が柱島第七泊地との定期演習を勝ち取った際にはマリアと瑞鶴の両名は所属艦娘からそれはそれは感謝されたそうです。
 しばらくの間、舞鶴第一鎮守府では加賀が瑞鶴の肩や足を揉む光景が見られたとか?

※神崎家の跡取り
 はい、すみれさんですね。
 デスシャドウ島に帰還した際、花火さんから冷えっ冷えの視線を向けられる事になるのですが、さすがは鋼のメンタル。全然気にしなかったそうです。

※この船を造ったのは我が友。偉大なる我が友が造った
 アルカディア号に乗り組む事になった台羽正にハーロックが語った一文です。
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