アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※山崎、京極という最大の障壁を取り除いたアルカディア号と海軍。
 どうなっていくのでしょうか?


第135話 提督救出編12(艦娘側:レニ護衛艦娘 グラーフ・ツェッペリン1)

  アルカディア号の勝利に私達護衛艦娘からも喜びの声が上がった。

 提督と抱き合う者、ハイタッチを行う者など様々であったが皆一様に嬉しそうなのは同じだ。

 

 「きゃああっ!!」

 だが、そんな私達を嘲笑うかのように突然激しく第二海保が揺れ出し天井や壁にヒビが入り始める。

 

 「みんな早く脱出するんだ!」

 

 「脱出といっても出口までかなりの距離があるわ、急いで!」

 大神殿とタチバナ中将が皆を急がせるが…。

 

 「提督、危ない!」

 

 「階段が?!」

 私がレニ提督を引き戻したのと同時に階段がガレキで塞がった。

 

 「こら拙いで!」

 

 「くっ! アタイ達、ここまでなのかい?!」

 紅蘭大佐や桐島中将が唇を噛む。

 京極に山崎といった国賊を討ったというのにこれでは…。

 だが、神はどうやら私達を見捨てはしなかったらしい。

 側壁に穴が開いて移乗用アンカーチューブが撃ち込まれてきたのだ。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 「全員、無事でっか?!」

 

 「時間がありません、急いでください!」

 ヤッタラン殿と螢殿に急かされ続々と駆け込んで行く提督達。

 が、最後尾にいるタチバナ中将と護衛艦娘の那智へ天井が落下する!

 

 「マリアさん!」

 

 「っ!」

 思わず目を背けるもお二人が圧し潰された気配が無い。

 恐る恐る目を向けるとアルカディア号が落ちてきた天井をささえていた!

 

 「アルカディア号さん!」

 

 「アルカディア殿!」

 

 「二人とも何をしている、早く行け。」

 

 「でも!」

 

 「俺の事は心配しなくていい。」

 

 「約束して、無事に脱出するって!」

 

 「フッ、分かった。」

 タチバナ中将と那智がチューブに入ると同時にシャッターが閉まった。

 京極という主を失ったせいだろうか?

 デスシャドウ島が第二海保から離れた途端、全てが崩れていく。

 アルカディア号が無事であれば良いのだが…。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 「アルカディア号さん…。」

 へたり込んでしまう北大路大佐。

 護衛艦娘の赤城、そして伊勢と日向も呆然として第二海保があった辺りを見つめている。

 

 「まさかキャプテン、化けて出てこやへんやろな?」

 

 「ヤッタラン副長、縁起でもない事を仰らないで頂きたいですわ! あの人に限ってそんな…、大事がある訳ありませんわ!」

 

 「落ち着いて下さい、神崎提督。それよりもタチバナ提督、キャプテンは何か言っていましたか?」

 流石は台羽殿、アルカディア号のクルーだけはある。

 それほど慌てたり取り乱したりはしないのだな。

 

 「絶対に脱出するって…、そう約束を。」

 

 「なら大丈夫。キャプテンは約束を守る男です。それがどんな小さな約束でも…、命をかけて守る男です。ほら。」

 ミーメ殿が指差した先には小さな黒い点が。

 やがてそれは段々と大きくなりハッキリと人の形と認識できる形に。

 暗緑色の船体、艦種にある巨大なTotenkopf(トーテンコップ)、そしてゼーアドラー。

 間違いない、アルカディア号だ!

 

 「アルカディア号さん!」

 

 「良かった(グスッ)…。」

 神崎中将と北大路大佐の顔にようやく安堵の色が浮かんだ。

 

 「ふぅ…。」

 タチバナ中将も大きく息を吐き椅子に背中を預ける。

 あれだけの気丈な方でもさすがに凄い重圧だったのだろう。

 今や、彼は柱島第七泊地だけでなく海軍全体の希望の星なのだ。

 自分を助けたせいで彼が戻らなかったらと、その気持ちは察するに余りある。

 が、全員が安堵したその矢先、今度は神崎中将と北大路大佐との間で砲弾が飛び交い始めた。

 

 「さすがは神崎家の跡取りですわ。」

 これには正室の北大路大佐も負けて(黙って?)はいなかった。

 

 「神崎提督、それは違います。彼は北大路家の跡取りなのですから、これからはお間違えにならないようお願いしますね。」

 いつもの柔らかい北大路スマイルはそのままだったが、室内の温度が一気に下がった。

 

 「あら、花火さんたら面白い事を仰るのね(笑)。」

 

 「いえ、とても神崎先輩には敵わないと思っているのですけれど(笑)。」

 正室と側室筆頭との間で絶対零度の寒風が吹き荒ぶ。

 

 「そう? でも私の方が婿殿を満足させて差し上げることが出来ると思いますわ。何をすれば彼が喜ぶ(悦ぶ?)か知っておりますもの。」

 

 「あら、女性の匂いが好きという事なら私も存じ上げています。体臭で硬度70%、髪で85%、脇や足で100%回復するのですから(笑)。」

 

 「まあ、硬度の回復だけなんですの? 私は足で暴発までさせてしまいましたわ(フフン)。」

 

 「あらあら、神崎先輩ったら暴発ですか。それは勿体ないですね、私は無駄玉なんて撃たせませんでしたけど(クスッ)。」

 これ以上無い笑顔のままバチバチと火花を散らす北大路大佐と神崎中将。

 思わず引火物が物が無いか周りを確認してしまった程だ。

 

 「おほほほ。」

 

 「うふふ…。」

 どちらからともなく二人が笑い始めた。

 

 「おーっほっほっほっ!」

 

 「あはっ、あはははは!」

 やがて神崎中将は扇子を、北大路大佐は口に手を当てた高笑いへと変わって…。

 帰りたい、いやせめてこの部屋から出たい。

 台羽殿は女の怖さに免疫が無いのであろう、まるで生まれたての小鹿のように震えている。

 他の提督や護衛艦娘もあまりの内容に目が点に…、なっていない?!

 って、揃いも揃って何を熱心にメモしているのだ?!

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 「ふうん、あの人は女の匂いが好きなのか…。」

 て、提督?!

 隣りを見れば我がレニ提督も髪で85%、脇や足で100%の硬度を回復するのかと呟いている。

 ダメだ、頭が痛くなってきた。

 だが、非常に有益(何の?!)な情報でもある。

 わが提督にもシッカリと有効活用して頂かねば。

 提督もビスマルクも私もオイゲンも同じドイツ系として演習で彼が訪れるチャンスを逃すまいと手ぐすねを引いて待っているのだ。

 窓の外に目を向けると、海賊旗をなびかせデスシャドウ島の隣を飛ぶアルカディア号が見える。

 改めて考えるとあれだけのお方だ、皆が夢中になるのも無理は無い。

 

 おや?

 アルカディア号からの電文が入ったようだ。

 ヤッタラン殿が読み上げてくれる。

 

 「キャプテンから入電や。えー、なになにデスシャドウ島は横須賀沖に帰還されたし。本船はこのまま首相官邸まで向かう…、やてぇ?!」

 




※大神:それでは本日のメインイベント、アルカディア号争奪選手権、無制限一本勝負を行います!
 青コーナー、側室筆頭(挑戦者)『神崎すみれ』ェ!
 赤コーナー、正室(チャンピオン)『北大路花火』ィ!

 真宮寺:レフリーは台羽君にお願いしますね。

 台羽:ええっ! ボクですか?!
    できれば遠慮したい、かな…。

 青葉:で、どっちを応援するんですかぁ?

 台羽:いえ、その…。すいません、無理ですっ!

 花火:あっ!

 すみれ:逃げましたわ! 花火さん、追い詰めますわよ!

 青葉:追いかけるではなく、追い詰めるですか…。

 真宮寺:そりゃ逃げても不思議ではありませんね。
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