アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※皆様、あけましておめでとうございます。
 旧年中はお世話になりました。本年もよろしくお願い致します。

 そして、日向さん。一段落付いたら早速アルカディア号に凸ですか…。


第137話 後始末編2(艦娘側:日向1)

 日が水平線に沈もうかという頃、ようやくアルカディア殿が帰投した。

 波野静香をデスシャドウ島の一室に放り込んだ後、首相官邸での経緯を説明するアルカディア殿。

 

 命令を白紙に、なんてアテに出来ないんじゃないのかというロベリア提督だったが、首相閣下がマトリックス状態になっている映像を見ると納得していた。

 ついでに、これならアルカディア殿に縋りたくなる気持ちも良く分かると大笑いされていた。

 更に約束を違える事があれば二度と助ける事は無い、と言われた首相閣下が残像が残るぐらいの勢いで首を縦に振っている映像を見た時は私まで吹き出してしまったな、あれは(笑)。

 

 そこからデスシャドウ島を横須賀へと横付けしたアルカディア殿。

 大神殿と真宮寺長官と共に第一鎮守府と第二鎮守府を占拠している陸軍兵に引揚げる様に依頼したのだ。

 首相閣下の命令が取り下げられたと大神殿や長官が説得するも、受け入れられないと一点張り。

 止むを得んか、とアルカディア殿が腰の銃に手を掛けようとした時、横一列に並んだ陸軍佐官達の後ろから大きな声がした。

 

 「てめえら何チンタラやってやがる、サッサと引き上げだ!」

 あれは…、陸軍中将の米田一基殿?!

 

 「米田中将殿?! しかし!」

 

 「聞こえなかったのか! 首相閣下から海軍に対する陸軍への投降命令は確かに解除されている。店仕舞いを急げ!」

 再び米田中将に一喝され渋々、引き揚げ準備を始める陸軍兵。

 

 「お前がアルカディアってヤツか。成程、良い目をしてやがるぜ。俺は陸軍の米田ってもんだ。今回は色々と騒がせちまったな。」

 

 「その階級章は…、中将閣下であらせられたか。感謝する。」

 

 「いいって事よ。俺も今回の件に関しては随分と納得のいかない部分が沢山あるんでな。」

 礼を述べるアルカディア殿に対して米田中将は気にする事は無いと彼の肩を叩いた。

 とにかく全員、逆賊にならず一安心だ。

 

 「取り敢えず今日はもう休みましょう。この二日間、いろんな事があり過ぎましたから。」

 長官の仰る通りだ。

 割り当てられた部屋へと向かっていく提督と艦娘達。

 だが、私にはまだやる事があるのだ。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 アルカディア殿の部屋の前。一呼吸した後、ドアをノックする。

 ややあってドアが開き彼が顔を出した。

 

 「日向か、珍しいな。何かあったのか?」

 

 「頼みがあるんだ。」

 ジャケットをサイドテーブルへ置き、ソファーに座る彼に後ろから手を回す。

 

 「日向?」

 

 「私も…、頼む。北大路提督に神崎提督、それに翔鶴とくれば…、分かるな。」

 「ここ最近、先の三人は明らかにふいんき(何故か変換できない)が変わった。君のせいなのだろう。」

 アルカディア殿が焦っているのが手に取るように分かる(笑)。

 

 「全艦種側室筆頭は俺が勝手に選んだだけだ。無理にとは言わん、嫌なら断ってくれていい。」

 

 「何故だ、君に選ばれて断る女なんているはずが無いだろう?」

 

 「いや、摩耶とか榛名とか…、んっ。」

 彼が振り返った所を狙って唇を重ねる。

 同時に感じられる殿方の濃密な臭いを堪能する。

 

 「女の匂いなら分かるが男の体臭など何が良いのか分からん。」

 

 「同じ事だ、君だって女の匂いが好きなのだろう。なら私のはどうだ?」

 

 「女の…、堪らない匂いがする。」

 長門に次ぐと云われているカタブツの私だが、そう言われてそれを保っている事など出来はしなかった。

 アルカディア殿に伸し掛かると、蹴る様に靴を脱ぎ捨て足を開放する。

 予想以上の恥ずかしい臭いに、しまったと思ったが丸二日、風呂どころかシャワーさえ浴びる事が出来ていなかったのだ。

 まあこれも女の臭いだ、我慢してくれ。

 

 そのまま足を絡めるたび、パンストが擦れる特有の音が響く。

 他に聞こえるのは私が彼の唇を貪る音だけ。

 立ち上がりスカートを床に落とす。

 普通なら上品に見える薄茶色のパンストも伊勢や私だとさらに地味さを強調しているようにしか見えない。

 だが、その下には何もない。云われる直穿きというヤツだ。

 

 「この方が良いと教えてもらったんだ。」

 そう言うと自分で一部分に穴を開ける。

 

 「あいつ(翔鶴)め…。」

 殿方特有の逞しい手が私の双丘に触れる。

 明らかに自分で触るのとは違う明確な快感。

 擦り潰される度に硬さを増して立ち上がってくるその先端は自分の女として淫欲逞しい様を見せつけてくる。

 加えて時折に出る艶やかな声、それが自分の声だという事実がより私を昂らせていく。

 さあ、私にも君の証を…。

 ………。

 ……。

 …。

 

 ふう…。

 心地良い気怠さに包まれながら二人の時間を思い返す。

 時計を見ると夜中の03:20。

 何度も愛し合ったのもあるのだが、私とて艦娘だ。人間とは体力も違う。

 一段落しても彼の匂いに包まれている内にまた…、と相成ったのだ。

 勿論それは私だけではない。アルカディア殿も私の髪や脇、果ては女としての部分まで…。

 色んな意味で君を知れて良かったよ。

 私を全艦種側室筆頭に選んでくれて本当にありがとう。

 でもたまには伊勢も相手してやってくれ。

 彼女だって君にベタ惚れなんだ。

 ただ、私を超えるような事があってはダメだぞ(笑)。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 翌日の提督会議ではこれからの事が話し合われ、色々な方針が決定された。

 まずは波野静香。

 彼女の様子からしてマゾーンと深海棲艦は決して一枚岩ではないみたいだ。

 下手をするとマゾーンよりも深海棲艦の方が強敵になるかもしれない。

 

 その日の晩、夕食は立食形式だったのだが、北大路提督がお手洗いへと席を外した時にタチバナ提督がアルカディア殿に声を掛けてきた。

 

 「花火、柱島第七泊地として恒例の年間行事予定は何がある?」

 戻られた提督に年間行事の確認をするアルカディア殿。

 一体何故、そんな事を聞くのだろう、と思ったがこれはタチバナ提督をはじめとした他提督達にまんまとしてやられてしまった結果となった。

 

 「年間の恒例行事ですか? ウチとしては『初詣』・『お花見』・『秋祭り』・『クリスマス』ですね。」

 

 「四つか。節分や海開き、忘年会は?」

 

 「節分は海防艦や駆逐艦、軽巡艦娘に気の向いた大型艦が好きにやってくれていますし、忘年会はクリスマスが兼ねています。あと海開きに関してはありません。」

 艦娘達にとっては年中海開きのようなものですから、と提督がクスッと笑った。

 提督の言う事は尤もだ。まあ、そうなるな。

 今度はそれを聞いたアルカディア殿が他の提督達に何やら伝えに行く。

 

 やがて北大路提督以外の提督と護衛艦娘が一か所に集まり始めた。

 中央には箱が置かれているが…。

 護衛艦娘の面々は雪風・時雨・瑞鶴・隼鷹・飛龍…、か。幸運艦ばかりだな。

 まずはエリカ提督の瑞鶴が箱に入っているカードを取り出した。

 

 「やったあ! 提督さん、夏祭りだよ!」

 エリカ提督に『夏祭り』と書かれたカードを見せる瑞鶴。

 二人して飛び跳ねている。

 

 続いては宿毛湾第一泊地の大鳳。

 藤枝提督はあんなことがあったのばかりなので提督会議には代理で彼女が出席していたのだ。

 気合十分でカードを取り出した彼女だったが、書かれている『ハズレ』の字を見た途端、頭を抱えてしまった。

 

 三番目にカード引いたのはタチバナ提督自身。

 トボトボと戻って行く大鳳を尻目に外さないわよ、と言っていたが銃の腕を信じての事だろうか。

 ふんっ、と鼻息荒く引いたカードには『忘年会』の文字。

 軽いブーイングの中、カードを持った手を突き上げてピョンピョンと飛び跳ねるタチバナ提督。

 あの人、あんな表情が出来たのか…。

 

 四番目は横須賀第二鎮守府の時雨。

 ここは譲れない、と引いたカードには『雛祭り』の文字が。

 この勝利、僕の力なんて些細なモノさ、とあくまでもクール。

 

 この調子で神崎提督は『新年会』、レニ提督は『節分』、メル提督の飛龍は『端午の節句』、ラチェット提督は『七夕』、ダイアナ少将は『花火大会』、ソレッタ提督は『お月見』、シー提督は『紅葉狩り』のカードを引いていく。

 

 ここまでくると私にも見えてきた。

 各行事にかこつけてアルカディア殿を招待するつもりか。

 あらかじめウチの行事と重なって断らせないように、前もってアルカディア殿に確認を取らせた、と。

 

 「グリシーヌ、あなたまで…。」

 隣では北大路提督がブルーメール提督に恨みを籠った眼を向けている。

 

 「わ、私は止めたのだぞ!」

 

 「そうですわ、ブルーメール提督が辞めた方がいいと仰ったのは本当ですわ。」

 

 「まあ、そうね。一応だけど(笑)。」

 タチバナ提督がクスッと笑ってブルーメール提督を見た。

 

 「そうだったの。悪かったわ、グリシーヌ。でもさっき、間宮券を四束も時雨の内胸に捩じ込んでいたのはどうしてかしら?」

 極上の笑顔を向けられたブルーメール提督は頬をポリポリしながら、いや白露・村雨・夕立の分もと強請られてゴニョニョ…、と歯切れが悪い。

 

 「まあまあ、最初にアルカディアさんに確認しに行ってもらったじゃないですか。」

 同じ巴里組のエリカ提督が宥めにやって来た。

 

 「来年からはウチでも全部やりますからね!」

 プイッとそっぽを向く北大路提督だったが、

 

 「そんな事をしても日程が重ならないようにすればいいだけの話じゃないか。なあ、みんな(笑)。」

 ロベリア提督が二本の指に挟んだカードをピッと裏向ける。

 どうやらここの雪風も幸運の女神のキスを感じたらしい。

 なに、カードの文字?

 こう書かれていたよ、『ハロウィン』と…。




※波野静香
 この後、彼女からこの世界の深海棲艦の成り立ちに付いて驚くべき内容が語られます!
 それは一体?!

※日向さん
 不動心の塊のように思われている航空戦艦娘。
 でも結構、ムッツリだったことが判…(ドゴーン)。

 「主砲、四基八門一斉射!」

※ハロウィン
 トリックオアトリート、ですが圧倒的にイタズラさせろの艦娘が多くなりそうな気が…。
 この『一番くじ』は毎年、少し形を変えて行われるようになったそうです。
 秋口になると、各鎮守府・泊地・基地・警備府から幸運艦が集まって各希望行事でクジを引く光景が。
 なお、翌年からは台羽君は勿論、ヤッタラン副長・魔地機関長も強制参加になったとか。
 完全にプロ野球のドラフトの様相を呈するようになってしまったようです。

 ※来週は勤務の都合上、投稿はお休みさせて下さい。
  申し訳ありません。
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