アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※海峡夜棲姫。
 2017年秋イベントでのラスボスです。
 ‐壊‐にするまでも苦労しましたが、そこからもまた過酷でした。
 ゲージを割った時には深夜にも拘わらずPCの前で叫んでしまったぐらいです…。



第144話 新たな姫級編2(アルカディア側1)

同時刻、柱島第七泊地隣接デスシャドウ島

 「キャプテン、タウイタウイ第一より横須賀軍令部へ向けた電文を受信しました。」

 デスシャドウ島ブリーフィングルーム内に緊張感を伴った螢の声が響いた。

 

 「内容は?」

 

 「スリガオ海峡にて新たな姫級の存在を確認、です!」

 

 「分かった、続報があれば頼む。」

 スリガオ海峡という事は恐らく海峡夜棲姫か。

 2017年の秋イベで随分苦しめられたヤツだな。

 

 「北大路提督への報告はどうされますか?」

 

 「構わん。他所の電文をキャッチ出来てしまうというのは余り好ましい事ではない。必要があれば横須賀軍令部から花火にも連絡がいくはずだ。」

 アイアイサ、と引き続きモニタリングに戻る螢。

 そして予想通り、直ぐに花火にもこの事態は知らされる事となった。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

二日後、柱島第七泊地併設飛行場

 一式陸攻から真宮寺長官が降りてきた。

 さらにその後ろには『最上』・『時雨』・『満潮』・『朝雲』・『山雲』達の姿も見える。

 

 ん、一式陸攻?

 連合艦隊司令長官?

 うっ、頭が?!

 

 「ごめんなさい、北大路提督。またアルカディア号さんの手を借りたい事案が発生してしまいました。」

 

 「いえ、大規模侵攻作戦でも無いこの時期に新たな姫級が確認されるなんてただ事ではありませんから。それからこの艦娘達は?」

 人が謎の頭痛に頭を抱えている間にも長官と花火との間でヤリトリが進んでいく。

 

 「それは後で説明します。さ、貴女達。」

 

 「久しぶりだね、北大路提督。貴女のお陰で以前とは全く違う生活を送れているよ。本当にありがとう。」

 僕っ娘の最上が前に出た。

 という事はタウイタウイ第二の所属艦娘達だな。

 以前に救出した時とは表情もまるで違う。

 お陰で一安心なのだが、それが普通なんだよなぁ…。

 

 「その識別票…、タウイタウイ第二ですね。再建は大変だと思いますが頑張ってください。」

 花火もやはり気になっていたのだろう、嬉しそうだ。

 そしてすぐに庁舎へと向かう。

 

 作戦室には予め呼ばれていたのだろう、ココ(柱島第七泊地)の扶桑と山城が着席していた。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

柱島第七泊地作戦室

 「これは…、二体も?!」

 写真を見て驚く花火。

 

 「ええ、ですがそれにも理由があります。最上?」

 

 「半年前、カルチェラ提督によって無理な作戦に投入された僕達、タウイタウイ第二の『西村艦隊』は作戦こそ辛うじて成功させたものの、帰投さえ困難な状況に陥ってしまったんだ。」

 長官に指名された最上が頷くと、当時の状況を説明し始めた。

 

 「それでも僕達は足の遅い扶桑と山城に合わせて必死で母港を目指した。何としても全員で帰投すると皆で誓ったからね。」

 

 「でもぉ、スリガオ海峡に差し掛かった時には~、完全に日も沈んでしまっていてぇ、不気味なほど静かだったわぁ。」

 

 「敵潜に見つからないように灯火管制をしいていたんだけど、月明かりにハッキリと私達のシルエットが浮かんでしまっていたのね。」

 

 「周りを警戒しながら進む私達の周りに突然、幾つもの水柱が立った。タ級の複数個体による挟撃、当然私達は全滅を覚悟したわ。」

 時雨・山雲・朝雲・満潮からも当時の状況が語られる。

 

 「でも扶桑と山城が自分達を犠牲にして僕達を逃がしてくれたんだ。それなのに二人はMIAとして処理されて捜索隊も出される事は無かったんだ。」

 両手を握り締める最上。

 

 「ではこれは…。」

 花火も全てを理解したのだろう。

 先程までとは全く違う沈痛な面持ちで、それ以上の言葉が出てこない。

 

 「そうです、タウイタウイ第二の扶桑と山城の成れの果てです。」

 長官はそう言うと、このような姿になっても皆の所へ帰りたいという事なのでしょうか?それとも…、と視線を落とした。

 

 「扶桑と山城を助けてやりたんだ。頼むよ、アルカディア号さん。僕達タウイタウイ第二の西村艦隊をスリガオ海峡に連れて行って欲しいんだ。」

 

 「なるほど。練度的にスリガオ海峡への突入は自分たちだけでは難しいという訳か。」

 長官をはじめタウイタウイ第二の艦娘達が頷いた。

 

 「だが行ってどうする。説得でもするつもりか? それとも自分達で引導を渡してやるのか?」

 

 「それは…。」

 押し黙ってしまう時雨。他の四人も引導を渡すという部分でハッとした顔になった。

 何だよ、行ってどうするかは考えてなかったという事は無いだろうが、最悪の事態になった時の覚悟くらいはしておいてくれないと困るんだけど…。

 間違いなく深海棲艦、しかも姫級と化した扶桑と山城に彼女達の呼び掛けなど通じまい。

 かといって自分達の手でトドメを刺すというのも心情的にかなり厳しいだろう。

 かつては強い絆で結ばれた艦隊のメンバーだったのだ。

 生き残った五人の目を見るにそれが容易に想像できる。

 だからこその覚悟が必要なのだ。

 

 「どうしたいか決まったなら部屋に来るがいい。」

 

 「アルカディア号さん?!」

 

 「条件は二つある。一つはお前達の意思の統一だ。二つ目は最上・時雨・満潮の改二改装。急ぎ故、改装可能練度になるまで俺が集中して演習相手を務めさせてもらう。」

 

 「時雨ちゃんと満潮ちゃんはイイけどぉ、最上さんの改装設計図や戦闘詳報何かはどうするのかしらぁ?」

 山雲が首を傾げる。

 

 「それは真宮寺長官が何とかしてくれるさ。三人の改二改装化次第、デスシャドウ島ごとタウイタウイ第二へ出発する。」

 長官に目を向けると、勿論ですと言いつつ頬がヒクついている。

 許せ、長官。ウチ(柱島第七泊地)も改装設計図は勿論だが、戦闘詳報はもっと貴重なのだ。

 

 「あの、私達は何故呼ばれたのでしょうか?」

 

 「姉様、それを聞きますか。やめましょう、この山城にはロクな未来が見えません…。」

 

 「ああ、ごめんなさい。忘れていました(笑)。扶桑と山城の欠けた穴を貴女達(ウチの扶桑と山城)が埋めてあげて下さい。」

 西村艦隊の体を成していないと羅針盤に弾かれる可能性がありますからと花火に言われた扶桑姉妹は不幸だわ、と嘆いていた(笑)。

 

 「心配するな。俺がいる限り誰一人として決して沈ませはしない。安心するがいい。」

 そう言って彼女達の肩に手を置くと、

 

 「姉様が男に…。やっぱり不幸だわ。」

 と山城に盛大な溜息をつかれてしまった。

 

 どないせーちゅーねん…。




※柱島第七泊地の扶桑と山城
 山城の予想通り、自分達が西村艦隊の欠けたピースになってしまいました。
 瑞雲ファンネルが唸る日も近い?!

※姉様が男に…。
 文字通りの意味もあるのですが、姉より私を!という思いも混じってこのような呟きが(笑)。
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