アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
いくらゲージを0にしても駄目で艦隊として決定的なモノが欠けている彼女達は最後までこれに苦しむ事になります。
一週間後、柱島第七泊地執務室
「ではアルカディア号さん、その子達をお願いしますね。」
「うむ。だが辿り着いてからは彼女達に掛かっている。部の悪い賭けだが彼女達を信じるしかあるまい。」
北大路提督とアルカディア号さんの心配も当然だ。
ボク・最上・満潮が改二に、山雲と朝雲もアルカディア号さんによる集中演習でそれなりの練度になってはいるけれど皆、実戦経験がほとんど無い。
カルチェラ提督の下では実戦なんて経験したら最後、即轟沈というケースが多かったからだ。
「ええ、では出来るだけ早い帰りを期待しています(チュッ)。」
僕達五人から悲鳴に似た声が上がる。
「アルカディア号さん、君は北大路提督とその…、そういう関係だったのかい?」
僕の問いにアルカディア号さんが何か言いかけた時、北大路提督が被せてきた。
「私はアルカディア号さんの(提督)正室です。もし割って入ろうとする方がいるなら…。」
「いるなら?」
全員の喉が鳴る。
「カルチェラ提督以上に酷い目に遭うのは間違いないでしょうね(笑)。」
凄く柔らかい表情だというのに目だけは笑っていない北大路提督。
それが却って僕達をゾッとさせるには十分だったよ。
まあ、それ以上にブルっていたのは前にいるアルカディア号さん自身だったんだけどね(笑)。
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デスシャドウ島
「驚いたわぁ~。まさかアルカディア号さんと北大路提督が~、そう言った関係だったなんて~。」
「アンタ、結構手が早かったりするの?」
山雲と満潮ったらそんなに気になるのかい?
まあ、艦と云えども一応女の子なんだから仕方ないか(笑)。
「今のところ、各正室と側室筆頭だけだ。」
「へえ、モテるんだね君は。」
軽く冷やかしを掛ける最上。
「まあ、この世界では当たり前だと思うけれど。」
殿方には側室制度を持つように勧められているし、それがまた当たり前だからね。
正室一人だけは大神元帥だけじゃないかな?
だからかなり揉めたって聞くけど。
それも特に将官の間でね(笑)。
「北大路提督は提督の正室なのよねぇ~。じゃあ~、側室筆頭は誰なのかしらぁ~?」
「聞いてどうするつもりだ?」
「別にぃ~。ただ気になるだけよぉ~(笑)。」
こういう時って、山雲特有の間延びした話し方が思わせぶりに聞こえるんだ。
それでも彼は神崎中将だと教えてくれたんだけど。
お陰でまた僕たちは勝手に盛り上がってしまったんだけどね(笑)。
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タウイタウイ第一泊地
デスシャドウ島が(再)建設中のタウイタウイ第二泊地に到着。
隣りの第一泊地からワインバーグ少将とサラトガさんが出迎えてくれる。
「タウイタウイ泊地へようこそ。例の姫級討伐にお力をお貸し頂けるとお聞きしました。貴方がいれば百人力です。」
握手を交わすワインバーグ少将とアルカディア号さん。
「長旅でお疲れでしょう。夕食はご用意してありますのでこちらへどうぞ。」
秘書艦のサラトガさんも早目の夕食をとって後はゆっくりして下さいと僕達を労ってくれた。
信じられるかい?
第一と第二でこんなに艦娘の扱いが違うなんて…。
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「ほう、やはりあの姫級は夜しか出現しないと?」
アルカディア号さんのフォークが止まる。
「ええ、ですがウチの川内達によって足止めを行えば払暁戦が可能な事が分かっています。」
「いつもと逆という事かい?!」
「スナイプに夜戦火力を載せることが出来ないという事ね。私達駆逐艦にとってキツイわよ。」
満潮の言う通り駆逐艦は昼間の攻撃ではほとんどカスダメしか与えられない。
それが夜戦になると、敵大型艦にその速力を以って肉薄し日本海軍が誇る必殺の酸素魚雷を叩き込む。
だからこそ駆逐艦の夜戦火力は昼間に比べて跳ね上がるんだ。
「トドメは柱島第七泊地の扶桑と山城、そして僕(最上)の連撃しかないという事だね。幸運艦である時雨のカットインが期待できないのは痛いよ。」
「逆に言えば私達はいかに夜戦で相手を落とせるか、あるいはその新たな姫級にどれだけ集中してダメージを入れる事が出来るか、よ。」
腕を組む朝雲。
夜戦は昼戦と違って戦艦がいても攻撃が二巡しない。
相手に対する攻撃のチャンスは一度だけ。
攻撃を外すなんてミスは許されない。
それだけでも大きな重圧だというのに、果たして僕達に扶桑と山城が撃てるんだろうか?
いや、その覚悟でここへ来たんだ。
これ以上、扶桑と山城を苦しめ続ける訳にはいかない。
僕たちが終わらせてあげないと…。
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翌日夕刻、デスシャドウ島
夕日がブンカーに一列に並んだ僕達を照らしている。
「
「「「「「「「おーっ!」」」」」」」
「
「「「「「「「おーっ!」」」」」」」
アルカディア号さんが僕たちの意思を確認してくれると同時に激を入れてくれる。
彼はスリガオ海峡へは僕達だけで突入するように言ったんだ。
その代わり必ずお前達をスリガオ海峡へと突入させてやると約束してくれた。
自分がいると海峡夜深棲姫が話を聞くどころではなくなってしまうのでは、という配慮からだと…。
ありがとう、どうなるか分からないけれど、(扶桑と山城の説得)やってみるよ!
ワインバーグ少将とサラトガさんが敬礼で見送る中、ブンカーから内湾へとゆっくりと出航する僕達、タウイタウイ第二泊地の西村艦隊。
外湾へ出ると、日が水平線へと沈むところだった。
扶桑、山城、待ってて。
今助けに行くよ!
※「みんな、ニューヨークへ行きたいかーっ?!」&「罰ゲームは怖くないかーっ?!」
ご存知、『アメリカ横断ウルトラクイズ』です(笑)。
※西村艦隊
扶桑・山城・最上・時雨・満潮・朝雲・山雲の七隻。
アメリカ海軍の戦艦六隻に加え、六十隻以上の艦艇が待ち構えていると分かっていながらスリガオ海峡に突入を試みた西村祥治中将。
圧倒的な戦力の差に次々と撃沈されていく各艦ですが、辛うじて時雨が舵の故障にもめげず離脱に成功、生き残ったという事実があります。