アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※ついにスリガオ海峡入口へと到達したタウイタウイ第二泊地の西村艦隊。
 当然、深海棲艦もすんなりとは通してくれるはずはありません。



第146話 新たな姫級編4(艦娘側:タウイタウイ最上1)

スリガオ海峡入口

 「レーダーに感あり!」

 完全に日が水平線に消えようという時、螢妖精からの一報で艦隊に緊張が走った。

 

 「ええっ! 私には何も反応が無いわ、山城はどう?」

 扶桑の言う通り僕達には何も反応が無い。本当なんだろうか?

 

 「距離と数は?」

 

 「ハイ! 距離はおよそ54キロ、数は4隻です!」

 アルカディア号さんが音紋の採取、そして艦種の特定を急ぐよう指示を出す。

 少しの間、台羽妖精と螢妖精が計器パネルと睨めっこをしていたんだけど、すぐに音紋採取は完了、彼から潜水ソ級・潜水カ級・潜水カ級、それぞれ3隻ともエリートらしい。

 

 「冗談、潜水艦を50キロ先から探知なんて出来る訳ないじゃない。何カッコつけてんのよ。」

 そんな満潮に対して960年後の未来技術なんだからそれ位出来るわよ~、と朝雲。

 一方のアルカディア号さんは、今やるかそれともこのまま泳がせておくかどうすると聞いてきたんだ。

 

 「相手の魚雷到達距離は10~15キロ前後だね。こちらから爆雷をバラ撒きに行けるほど燃料に余裕がある訳でもない以上、相手が接近してくれるのを待つ方がイイと思うけど?」

 

 「時雨の言う通りだね。それにアルカディア号さんに任せたとしても、(彼が)僕達から離れる時間が出来てしまう事を考えると、もう少し泳がせておくべきじゃないかな。」

 

 「そうね、演習で彼の力はイヤというほど思い知らされてるし。」

 特訓演習でアルカディア号さんにカスリ傷一つ付けられなかった事を思い出したのだろう、満潮が溜息をついた。

 

 「分かった。螢、台羽、引き続き水中は勿論、水上と対空にも注意しておいてくれ。」

 アイアイサと計器パネルに向き直った螢妖精と台羽妖精。

 やっぱり、お連れしている妖精さんも頼もしいや。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

対潜戦闘

 泳がせておいた敵潜水艦を朝雲のソナーが探知した。

 まずは対潜装備の朝雲・山雲があいさつ代わりの先制対潜攻撃。

 いきなり2隻の撃沈に成功も、残り1隻から先制雷撃。

 しかし、これを全員が難なく躱す。

 

 「え、躱せた?!」

 

 「デコイかもしれないわよぉ。だってあんなに分かりやすかったんだもの~。」

 

 「いや、俺の水中レーダーには雷撃の反応は無い。あれが先制雷撃だったと見ていいだろう。」

 

 「それにしてもあっけなさ過ぎない?!」

 満潮のこの言葉に山城が振り向いた。

 

 「アレを簡単だと思えるなら…。全員アルカディア号さんに感謝なさい。」

 

 「今の貴女達はあの程度なら何とも思わないレベルにまで鍛え上げられているという事よ。」

 

 「「「「「?!」」」」」

 山城の真意を説明してくれた扶桑、それを聞いた全員が驚いた。

 狐に包まれたようだったけど、事実残りの1隻も満潮が簡単に仕留めてしまったんだ。

 この事は自分達の実力が全くの未知数で不安しかなかった全員に大きな自信となったんだよ。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

初空襲

 先程の対潜戦闘の余韻が冷めやらない間にまたしてもアルカディア号さんの電探が反応を捉えた。

 

 「キャプテン、レーダーが敵艦隊を捉えました。」

 

 「数と艦種は分かるか?」

 いえ、数は分かりますが艦種まではという螢妖精に対してスペースウルフで出ると息巻く台羽妖精。

 確かに、宇宙戦闘機なら敵艦隊まであっという間だろう。

 夜空に消える機体を全員が祈るような思いで見つめる。

 やがて、航行を続けるボク達に台羽妖精から相手艦隊の構成がもたらされた。

 

 「キャプテン、台羽妖精より入電! 敵艦隊の編成は『軽母ヌ級改elite(艦載機白)、軽母ヌ級elite、駆逐ロ級後期型、駆逐ロ級後期型、駆逐ロ級後期型、駆逐ロ級後期型』の六隻です。」

 再び艦隊を緊張が襲う。何しろ、こちらには艦隊防空を担える艦がいないからね。

 頼みの綱は柱島第七泊地の扶桑と山城、そして僕の瑞雲のみ。

 

 「台場妖精からさらに追電、軽空母二隻が艦載機発艦準備に入ったようです!」

 アルカディア号さんは台場妖精にそのまま飛び立った敵艦載機の後を気付かれないように追尾するように指示を出した。

 緊迫した時間が過ぎていく。

 そして、ついに扶桑の21号電探が相手艦載機群を捉えた。

 

 「敵艦載機群探知、各艦は対空戦闘の準備を!」

 扶桑と山城が32機の瑞雲を発艦、ボクも同様に瑞雲10機を発艦させ三式弾を装填する。

 瑞雲…。下駄履き機ながら驚異的な性能を誇る急降下爆撃機。

 でもそれだけじゃない、ボク達の瑞雲はファンネル化されているんだ。

 さらに相手は夜間でこちらが航空機を発艦させることが出来ないと考えているに違いない。

 初の実戦だけど日向さん直伝のこの武装、必ず使いこなせてみせる!

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 突然、前を航行するアルカディア号さんから闇を切り裂く幾筋もの光線が上空へ向けて照射された。

 そしてそれを合図に後ろをつけていた台羽妖精が次々と相手艦載機を撃墜していく。

 そのせいで相手艦載機から爆弾と魚雷が投下が早まった。

 ベストなタイミングでない分、躱すのは容易いね。

 

 こちらも瑞雲に意識を集中させる。

 三機を展開させて三角を形作り満潮を山雲を、そして時雨を狙う爆弾を防いでいく。

 防御壁に触れた爆弾はいとも簡単に霧散してしまった。

 扶桑と山城も全瑞雲を展開させて艦隊の防御に徹してくれている。

 満潮が上げてくれた照明弾のお陰で魚雷の航跡がハッキリと見えるよ。

 そして、アルカディア号さんがハリネズミになったと同時に敵艦載機のほとんどが姿を消してしまったんだ。

 残存機も台羽妖精のスペースウルフと対空ミサイルであっという間に壊滅。

 凄い、ひょっとしたら本当に彼は僕達を無傷でスリガオ海峡最深部へと突入させてくれるかもしれない。

 

 そう思ってホッとしたのも束の間、あれは…。

 扶桑に急降下爆撃機?!

 山城が姉様!と叫ぶと同時にアルカディア号さんのスペースバスターが火を噴いた。

 

 「ありがとうございます、助かりました。」

 

 「戦場では油断した者から死んでいく。戦闘が終わったと思った時こそ周囲に気を配ることだ。」

 そしてこの後、僕たちは嫌というほど、この言葉の意味をかみしめる事になったんだ。

 




※本来、この潜水マスと空襲マス、そしてあと数マスは昼戦なんですよね。
 全部が全部、夜戦マスじゃなかったの忘れてました。
 申し訳ありません。

 ではまた次の投稿まで気長にお待ち下さいますよう、お願い申し上げます。
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