アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※本格的な艦隊戦に突入です!


第147話 新たな姫級編5(艦娘側:タウイタウイ満潮1)

敵艦隊発見

 あの後、もう一度同じ編成相手からの空襲があった。

 もっとも、瑞雲ファンネルを持った扶桑・山城。最上たちが防御に徹してくれたお陰で、今回も完全勝利。

 通常の空襲と違って無理にこちらも艦載機を飛ばし消耗させる必要は無いのが大きいわね。

 こと防空に関してだけはアルカディア号さんのスペースバスターと併せて私達の艦隊には隙が無いといっても良いかもしれない。

 が、航空戦ばかりな訳が無い。前を行くアルカディア号さんが振り返った。

 

 「扶桑。山城。」

 

 「ええ。分かっているわ。」

 

 「総員、艦隊戦に備えて!」

 前を航行する三人の表情が変わった。

 再び瑞雲ファンネルを準備する最上、同時に螢妖精から敵艦隊の編成が告げられる。

 

 「キャプテン、水上レーダーに敵艦隊の編成が出ました。先頭から『軽巡ヘ級flagship、軽母ヌ級改elite(艦載機白)、重巡リ級elite、軽巡ツ級、駆逐ロ級後期型、駆逐ロ級後期型』です!」

 また軽母ヌ級が入っているが、今回は空襲戦ではなく純粋な艦隊戦だ。

 全員に緊張が走る。

 ヌ級に注意は勿論だけど、重巡リ級にも要注意ね。

 しかもエリートとくれば私達のような駆逐艦なんて一撃で大破させられてしまうのは間違いない。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

艦隊戦

 「会敵、砲戦距離に突入します!」

 螢妖精によって戦闘開始が告げられた。

 

 「副長、魔地機関長、総員第一種戦闘配置、砲雷撃戦用意!」

 スリガオ海峡へ突入するまではお前達に傷一つ付けさせはしないと、アルカディア号が私達の矢面に立つ。

 彼の三連装三基のパルサーカノンが音を立てて回転し、上下する砲がピタリと一定の仰角で止まった。

 

 「パルサーカノン発射!」

 彼の号令と共に光の矢が一直線になって伸びていく。さながらその様は神の槍(グングニル)が闇を切り裂いていくようね。

 

 「徹甲弾装填確認、主砲・副砲撃てぇっ!」

 

 「主砲、よく狙って! 撃てえっ!」

 それを合図に扶桑と山城の砲も轟音を立て火を噴いた。

 

 「山城の砲弾ヌ級に命中、大破を確認! 扶桑の砲弾、軽巡ツ級への至近弾です!」

 「アルカディア号の主砲、重巡リ級と駆逐ロ級2隻に命中! 三隻とも姿が確認できません!」

 

 「主砲、下げ角0.8度! 次弾装填急いで!」

 扶桑が主砲妖精に指示を出す。

 しかし相手もやられっぱなしなハズが無い。

 改エリートの艦載機が次弾装填の為に思い切った回避が出来ない扶桑と山城に群がった。

 

 「前に出るよ、攻撃機を撃ち落とす!」

 

 「了解! でも時雨、出過ぎちゃ駄目だよ!」

 そう叫んで山城と扶桑を守るために瑞雲ファンネルを展開する最上。

 時雨の見事な対空、そしてスペースバスターにより瞬く間に相手艦載機は全滅してしまった。

 私達はといえば射角を計算してくれた魚雷妖精に従って魚雷を発射する。

 バシュバシュバシュと水中へ姿を消したそれは野に放たれた猟犬のように一斉に獲物へと駆け出していく。

 

 数分後、巨大な水柱が上がった。

 撤退しようとする軽巡ヘ級flagship、軽母ヌ級改elite(艦載機白)に鋼鉄の鮫達が襲い掛かったのだ。

 腹を食い破られた敵艦は次々とその身を海中へと沈めていく。

 今度こそ扶桑の徹甲弾をまともに喰らい爆散してしまった軽巡ツ級を含め、向こうにしてみれば闇に紛れて奇襲を掛けるつもりが逆に先制攻撃を浴びた上、訳の分からない光線が命中した仲間は一瞬で姿を消したのだ。

 さらに自信をもって送り出した艦載機まで全滅したのだから、たまったものではなかっただろう。

 自分達に現在進行形で何が起こっているのか全く理解できなかったに違いない。

 少し気の毒になってしまった。

 尤も下位の深海棲艦に自立意思があるかどうかは分からないけれど。

 

 「満潮、気持ちは分かるがそんな顔をするな。お前達はタウイタウイ第二泊地の扶桑と山城の事だけを考えろ。」

 表情に出ていたのだろう、アルカディア号が自分達の扶桑と山城の事だけを考えろと言ってくれた。

 余計な事を考えるなではなく扶桑と山城の事を…、か。

 こんな所にも彼のイイ男としての部分が出てくるのね。

 その後、彼はこの思い空気を吹き飛ばすためか軽い感じで、『悪いけど、これ戦争なのよね』と呟いた。

 

 それにしてもほんの数週間前までは何もできないままやられていた私達がここまで戦えるようになったなんて、やっぱり彼との演習で本当に鍛えられたということなのかしら?

 やるじゃないかと親指を立ててくるアルカディア号に、

 

 「ふん、どうも! ありがと…。」と言っておく。

 ありがと…だけ小声になってしまったけど、そんな事は些末事。

 まだまだ先は長い。ここからが本当に私達の力が試されるといってもいいわ、気を引き締めていかないと。

 こちらを見てニヤニヤする最上と時雨に、ふんっとそっぽを向く。

 アンタ達だって集中演習の時に女の顔してたじゃないのよ。

 特に時雨、命中率低下の原因は肘が下がる事だって、彼に後ろから腕を持ってもらった時の顔を青葉にバラ撒いてやってもいいんだけど?

 




※『悪いけど、これ戦争なのよね』
 おっと、これまた中の人繋がりなネタですがお分かりになりまたでしょうか?

※青葉にバラ撒いてやってもいいんだけど?
 うーん、相変わらずというかどこの満潮ちゃんでも手厳しいのは同じなのでしょうか(笑)。
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