アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※お久しぶりです!
 仕事とイベントで大忙しで随分と更新が遅れてしまいました、申し訳ありません。



第148話 新たな姫級編6(艦娘側:タウイタウイ朝雲1)

気のせい

 「待って!」

 殿を行く私の声に皆が振り返る。

 

 「一瞬だけどソナーに反応があったわ! 皆はどう?!」

 全員が顔を見合わせる。

 どうやら誰一人として反応が無かったみたい。

 結局アルカディア号にも反応は無く、私のソナーだけが海底の岩にでも反応してしまったのだろう。

 ごめんなさい、と小さくなる私に彼は気付かない方が恐ろしい、これからも反応があれば頼むと頭をポンポンとしてくれた。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

今度は?!

 「螢。」

 

 「ええ。」

 岩礁地帯に差し掛かった時、アルカディア号と螢妖精が目配せをした。

 アルカディア号と違い飛行するなんて出来ない私達は大幅に航行速度を落とさないといけない。

 運悪く、月が雲に隠れてしまい辺りは墨を流したような闇に包まれる。

 そんな中、ガリッと音がして前を行く満潮があっ、と声を上げた。

 どうやら低速とはいえ、かなり強く岩で足部艤装を擦ってしまったみたい。

 

 「満潮?!」

 最上が満潮に駆け寄った。

 

 「大丈夫よ。少し擦っただけだから。」

 

 「でも…。」

 不安が拭えない最上。いや最上だけではない、私達全員が不安な顔をしていたと思う。

 なにせ当時の西村艦隊の運命を考えればあらゆる不安材料を取り除いておきたいと思うのも当然だ。

 そんな時、突然振り返ったアルカディア号が私達に近くの岩礁に上がる様に指示を出した。

 急げ、という彼の言葉に従って訳が分からないまま、それぞれが一番近くにあった岩礁によじ登る。

 次の瞬間、扶桑が上った岩礁から水柱が?!

 同じように山城・最上・時雨・山雲・私が上った岩礁に次々と水柱が上がる。魚雷だ。

 

 先のアルカディア号と螢妖精の目配せというかヤリトリはこれだったの?!

 次は殿の満潮と彼女に目をやったその時、目を疑う状況が飛び込んで来た。

 足部艤装を破損したためか満潮が上手く登れずまだ水の上に?!

 必死で登ろうとする彼女だがどうしても足が滑ってうまく上れない。

 霞が叫ぶと同時に私の目の前で水柱が!

 誰も一言も発しない。水柱が消えた後には何もなかったからだ。

 

 「満…、潮?」

 

 「うわあああっ! 満潮、満潮っ!」

 呆然とする扶桑と半狂乱になって叫ぶ最上。

 

 「大丈夫だ、満潮ならここにいる。」

 真上を見上げるとアルカディア号に抱えられた満潮が!

 安堵のあまりへたり込む最上と時雨。

 そんな二人を余所にアルカディア号が直ぐ近くの岩礁に満潮を降ろすとヤッタラン妖精が飛び出てきて彼女の足部艤装を修理し始めた。

 

岩礁地帯

 「今のぉ~、魚雷はぁ~、何処からかしらぁ?」

 山雲の言う通りだ。いくら岩礁で電探が効きにくいとはいえ、全員の電探が無反応なはずが無い。

 そう考えると浮かび上がってくる存在はただ一つ、潜水艦。

 ここまで気付かれずに接近を許してしまったという事はかなり上位の個体に違いない。

 

 「キャプテン、満潮ちゃんの足部艤装、修理完了や!」

 

 「全員、主機を止めろ。岩礁地帯を抜けるまで俺が曳航する。」

 

 「それだと、再び魚雷を撃たれたら私達に成す術は無いってことじゃない?!」

 それを聞いたアルカディア号は岩礁地帯の出口を指差した。

 

 「ここを抜けるためにはどうしてもあそこを一列になって通らなくてはならん。相手も我々を仕留めたかどうか分からない以上、コチラの動きを注視しているはずだ。」

 「主機を動かせば間違いなくその一列になる所を狙われるぞ。」

 

 「なるほど、やるなら月が隠れている今という事ね。」

 山城が頷いた。

 

 「そうだ。」

 

 「やりましょう。このままでは動けないし夜が明けて敵艦載機の攻撃に晒されてしまったら私達にはどうする事も出来ないわ。」

 扶桑の言う通りね。そうと決まれば急いで全員を曳航ロープで繋いでいく。

 最後尾の満潮から繋ぎ終わったと返事が返って来た。

 

 「スロットル微速前進。」

 アルカディア号が魔地機関長妖精に指示を出す。

 ゆっくりと引き出されていく私達。出口までは約50mといったところ。

 じれったい程、距離が縮まらない。

 あと30m、20m、10m…。

 

 突然アルカディア号が左に寄って止まった。

 山城がどうしたのと聞くのと螢妖精の魚雷来ます、というのがほぼ同時。

 すぐ右を白い航跡が単縦に複数本横切っていく。

 

 「今のはこちらを仕留められなかったことを分かってたのでしょうか?」

 

 「いや、分からないからこそ撃って来たはずだ。」

 「次に魚雷を撃ってくるまでに少しだが間があるはずだ。それまでにここを一気に抜けるぞ!」

 アルカディア号のエンジンが唸り一気に周りの景色が後ろへと流れ始める。

 そのまま一気に狭まった出口を抜ける。

 

 「敵潜水艦、魚雷発射音感知! 来ます!」

 出口を抜けると同時に、螢妖精が敵潜水艦の魚雷発射を伝えてきた。

 

 「全艦主機の再起動を急いで!」

 旗艦の扶桑が指示を出す。

 主機の起動を終え全員が雷撃に対する体制を取ると同時に航跡が確認できた。

 今ので相手も私達を仕留め損ねたというのが分かったのだろう、その数、キッチリ7本。

 でも今の私達にとってその程度の雷撃であれば躱すのは容易い。

 アルカディア号相手の演習が効いているのだ。

 ただ、夜間に潜水艦を撃沈するというのはほぼ不可能。

 最大戦速で逃げ切るしかない。

 ところがアルカディア号が潜水艦を始末すると言い出した。

 

 「いつぞやの一号重爆雷とやらを使うのかい?!」

 こんな浅深度であんなものを使ったら航路が塞がってしまう可能性があるじゃない。

 時雨が心配するのも尤もだわ。

 

 「いりょくを ちょうせつしたら ええねん。」

 ヤッタラン妖精が顔を出す。

 そんな事できるの、という私達の不安を意に介さず彼は、

 

 「こういうのは ワイがやらんと あきまへんのや。」

 そう言いながら何やら機器を覗き込む。

 これで大丈夫と彼が親指を立てるとアルカディア号の発射口からポイッと何かが投下された。

 直ぐに、

 

 「イタイ、ヤメテヨォッ?!」

 という叫びと共に海中の気配が無くなった。

 無くなったのはいいけれど…、全員の顔が青くなってしまった。

 だ、だって今の叫びは新潜水棲姫じゃない?!

 アルカディア号の力があるとはいえ、よくあんなのを相手に無傷で岩礁地帯を脱出できたというのが全員の偽らざる心境よね…。

 

 「そんな顔をするな。今のお前達ならもっと自信を持っていい(笑)。」

 そんな私達の顔を見て彼はそう言ってくれた。

 正直、未だ半信半疑の私達だけれど彼がそう言ってくれた事で随分と雰囲気が軽くなったわ。

 艦隊の雰囲気もだいぶ上向いてきたし同じ事でも彼に言ってもらうと効果倍増なのね(笑)。

 




※朝雲ちゃんのアルカディア号を見る目が(汗)…。

※次回の投稿もいつになるか分からない状態です。
 申し訳ありませんが気長にお待ちください。

※お気に入りと総合評価が随分と増えました。
 この場をお借りして皆様にお礼を申し上げます。
 読者様を裏切らないよう完結に向けて頑張らねば!
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