アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※お久しぶりです。
 諸兄氏は春イベントの結果は如何でしたか?
 比較的早く終わった方、ギリギリになってしまった方、ドロップに恵まれた方、お目当て艦の発掘作業に熱心だった方と色々いらっしゃったと思います。
 私は伊201と倉橋の入手こそならなかったものの、正規空母のラストピースだった天城が来てくれたのでメリーランドちゃんと併せて満足の結果で終わることが出来ました。

※そして夏の終わりに夏イベ開始とイベントラッシュという鬼畜攻撃を繰り出してくる運営さん。
 資源がまだ回復してへんちゅーねん!


第150話 新たな姫級編8(艦娘側:柱島第七泊地 扶桑1)

 編隊を組み深海棲艦の艦隊に襲い掛かる一式陸攻、胴体には1本の白い白線、胴体にはT‐01のレターコード。

 あれは…。

 

 「姉様、間違いありません。タウイタウイ第一泊地の機体です!」

 サジータ提督が飛ばしてくれたんですよ、と興奮気味の山城。

 無理もありません。

 第一波で第二艦隊の残存艦全てを、第二波で第一艦隊の戦艦ル級2隻を葬ってしまったのですから。

 よく訓練されているのでしょう。

 さすが第一泊地の編隊です。

 

 「扶桑、山城!」

 最上の呼び掛けに私達も瑞雲ファンネルを展開させます。

 

 「行って、瑞雲達!」

 

 「瑞雲達、あそこよ、行けっ!」

 

 「そうさ、瑞雲だよ。ちゃんと定数目一杯飛ばして見たかったんだ!」

 言い出しっぺのボクが遅れを取る訳にはいかないね、と最上。

 三人のカタパルトから射出された瑞雲ファンネルが残った戦艦ル級と海峡夜棲姫の周りを飛び回ります。

 幾らル級フラッグシップや海峡夜棲姫とはいえ、ファンネルの機動性の前には成す術がありません。

 縦横無尽に瑞雲ファンネルが舞った後にはさらにル級が一隻姿を消していました。

 

 「主砲、副砲、撃てえっ!」

 飛び道具の後はいよいよ砲撃戦。

 

 「主砲、よく狙って、てぇーっ!」

 私と山城の徹甲弾が海峡夜棲姫の砲身下にある大きな口の中へと飛び込みました。

 凄まじい咆哮を上げ両手を振り回す彼女の主砲ですが、やがて二門の砲身が力なく垂れさがるともうそこから動く事はありませんでした。

 これで残る主砲は一基のみ。

 

 ええ、主砲の火力だけは自慢なの。

 山城も近代化改装済み、これで欠陥戦艦とは言わせないしと息巻いています。

 え、防御力と速力?

 そんなの…、欲しいけど…。

 

 でも未だ終わりではないわ。

 直ぐに腰のライトセイバーを抜き海峡夜棲姫に一太刀を浴びせます。

 今度は海峡夜棲姫自身の悲鳴が響き渡ります。

 

 相手が闇のモノであればあるほど、また強ければ強いほど艦内神社の力を乗せたこの光線剣は威力を発揮するの。

 扶桑姉妹の持つ石清水八幡宮の力、とくと味わって頂戴。

 そして最上の連撃でまた一隻ル級が海底へと還っていきます。

 が、海峡夜棲姫も覚醒したのかもしれません。

 隣にいる山城を彼女の攻撃が捉えました。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 「やだ魚雷? 各艦は私を顧みず前進して! 敵を撃滅してくださぁーい!」

 山城の悲痛な叫び。

 

 「ダメだよ! その結果がどうなったかはみんなが知っているじゃないか、また同じ事になるのはもう嫌なんだよ!」

 山城を守るため瑞雲ファンネルを展開しつつ、最上もライトセイバーを構えて切り込みます。

 

 「今の僕は負けないよ、甘い甘い!」

 さすがは960年後の未来技術、そのままル級の砲身を真っ二つに。

 

 「うーん ちょーっと、真面目にやらないとダメかなー。」

 

 「や、やられた…でも、まだ航行できる…!沈むもんか!」

 ですがまたしても海峡夜棲姫の一撃で山雲と朝雲がいとも簡単に無力化されてしまいました。

 急がないともう時間がありません!

 海峡夜棲姫に狙いを定めもう一度、瑞雲ファンネルで全方位攻撃、主砲の連撃、そしてライトセイバーで薙ぎ払いますが…。

 

 ダメです、倒し切れません!

 最後の時雨による連撃も残ったル級に吸われてしまいました。

 薄ら嗤いを浮かべ撤退していく海峡夜棲姫。

 私達はそれを成す術も無く見送る事しか出来ませんでした。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 「くっそぉ、攻撃力が全然足りないじゃないかよぉ、冗談じゃないよ…。」

 呆然と立ち尽くしていた私達ですが、最初に我に返ったのは最上でした。

 

 「仕方ないじゃない、アンタだって一回で成功するとは思ってなかったんでしょう?」

 満潮に宥められる最上ですが、もっと追い込めるはずだと思っていた私達にとってはかなりのショックです。

 事実、海峡夜棲姫はHPにかなり余裕を残していましたから。

 

 「ごめんなさい、最上。火力には自信があると言いながら海峡夜棲姫を逃してしまったわ。」

 

 「私が中破せず万全で戦えていたら…。」

 山城と共に謝罪すると、いや扶桑と山城は十分に活躍してくれたよ、と最上が労ってくれたのですが、このままでは何度挑んでも結果は変わらないであろうという残酷な事実に全員が打ちのめされてしまいました。

 

 「取り敢えず帰投しましょう。今後の事も含めて話し合いと作戦の再立案も必要でしょうから。」

 もうすっかり日が昇り明るくなったスリガオ海峡。

 山城の言葉に肩を落としながら皆でアルカディア号の待つ海峡入口へと向かい始めます。

 途中、何度も何度も振り返りながら…。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 海峡入口ではアルカディア号さんが待っていてくれました。

 打ちひしがれる私達を見て彼は何も言わず、ドクターゼロ妖精さんとヤッタラン妖精さんに皆の手当てを頼むと依頼されました。

 やはり強いだけでなく人の心を思いやれる方なのですね…。

 

 「アルカディア号さん…。」

 最上が彼を呼びました。

 

 「…。」

 振り向いた彼は黙って私達を見ています。

 

 「ごめん、せっかく連れて来てもらったのに…。海峡夜棲姫を倒せなかった…。」

 

 「そうか…。」

 力不足だった私達を責めるでもなく叱るでもなく彼はそれだけを呟くと再び前を向きました。

 最上は逆に責めて欲しかったのでしょう。

 怒られる方が気が楽という時ってあるわよね?

 事実、今度は時雨が何かを言いかけましたがそれよりも彼の声が先に聞こえました。

 

 「俺はお前達をここへ連れてくると約束した。だが、それは一度だけだとは言った覚えは無い。お前達が海峡夜棲姫に引導を渡すまで何度でも連れてくるつもりだ。」

 

 「い、いいのかい?!」

 

 「ああ…。」

 彼は一度約束した事はどんな小さな事でも命をかけて守る方です。

 おかげで沈んでいた私達の心は少しだけラクになりました。

 山城と山雲、朝雲の応急修理も終わったようです。

 さあ、タウイタウイ第二泊地へと進路を取りましょう。




※この後、何度も海峡夜棲姫に挑むタウイタウイ第二泊地の西村艦隊。
 しかし、何度挑んでも一向に活路が見いだせない状態に諦めムードが!
 一体、彼女達はどうなってしまうのでしょうか?
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