アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
諸兄氏はもう前段作戦の攻略はお済でしょうか?
※今回、少し古いですがある映画のワンシーンを取り入れてみました。
分かる方、いるかなぁ。
アルカディア号と別れた後、僕達は海峡夜棲姫のいるボスマスへと突入を開始。
それにしても本当に約束通り全員が無傷だね、凄いよ。
全員が武装を展開するのと同時にタウイタウイ第一の陸攻隊がやって来た。
ええっ!
今までは最低でも一部隊は戦闘機隊の護衛が付いていたのに、今回は4部隊とも全て陸攻隊じゃないか!
サジータ提督は被害を度外視で全てを攻撃に割り振ってくれたんだね?!
おかげで第一艦隊の2/6、第二艦隊の3/6を撃沈という素晴らしい戦果に。
ただ、やっぱりそれと引き換えに未帰還機が多数出てしまった。
あれでは第一といえども次の部隊を送る事は難しいかもしれないね。
やはり何としても今回で決めないと!
隣では扶桑と山城が瑞雲ファンネルを展聞してこちらに向かってくる艦載機を次々と落としてくれている。
僕の瑞雲爆整隊も熾烈な対空砲火の中、敵艦隊に肉薄し随伴艦三隻を中破に追い込んだ。
どうだい、これが航空巡洋艦の実力さ。
ヘリ搭載護衛艦の魁、いや先駆けのようなボクだからね。
そして何とここで更なる追い風が!
独持の音と共に赤い光の矢が次々と相手艦隊に突き刺さった。
間違いない、アルカディア号のパルサーカノン(主砲)による砲撃だ!
おかげで本格的な砲雷撃戦に入る前に敵艦隊は海峡夜棲姫を残して全滅だよ!
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「い、今のは?!」
「アルカディア号の砲撃よ。」
「見ればわかるわよ、それよりもどうして?!」
「落ち着きなさい。あれはアルカディア号による決戦支援、おそらく影山提督が要請してくれていたに違いないわ。」
それを聞いた満潮が最初からやってくれればいいのに、とお冠に。
「あの方にはあの方なりのお考えがあるのよ。というか支援要請が出されていなければ流石のアルカディア号とはいえ動けないのではないかしら。」
やれやれ、説明してくれる山城の方がずっと冷静じゃないか(笑)。
「トオサナイッテ…、イッテルデショウ!」
「シニタイノ?! マップタツニナリタイノ?!」
暗い水底から響いてくるような声、いよいよ海峡夜棲姫のお出ましだ。
「来るわよ!」
扶桑の叫びと同時に海峡夜棲姫の主砲が火を噴いた。
狙われたのは朝雲と山雲。
でも甘い、甘い。
難なく砲撃を躱す二人。
さらに時雨の砲撃が海峡夜棲姫に命中、駆逐艦の砲とは思えないダメージを叩き出した。
提督が着任した今、僕達の戦闘力を今までと同じに考えてもらって困っちゃうな(笑)。
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「提督(着任)の力だよ、ただし、『まとも』なっていうただし書きが付くけど、ねっ!」
僕の20.3cm砲が連撃で命中すると海峡夜棲姫から悲鳴が上がった。
満潮がやるじゃないと言ってくれたけど、僕だけ乗り遅れる訳にはいかないじゃないか(笑)。
さらに海峡夜棲姫が怯んだ隙を逃さず、朝雲・山雲・満潮の砲が次々と海峡夜棲姫を捉えていく。
「姉様!」
「主砲の火力だけは自慢なの。」
戦艦二人の主砲による連撃がついに海峡夜棲姫を中破へと追い込んだ。
「ヤメッテッテ…、オネガイシテルノニィ!」
絶叫する海峡夜棲姫の主砲が再び咆哮を上げる。
「時雨っ?!」
拙い、説得を試みようと海峡夜棲姫に近づいていた時雨と霞が一撃で大破に追い込まれてしまった。
「やっぱり駄目なの?!」
朝雲がボロボロになった時雨と霞を後退させる。
「仕方ない。こうなったら僕達で終わらせてあげるよ。それがせめてもの償いだ。」
「手加減なんてしていたらこちらがやられるわよ!」
海峡夜棲姫に戦艦組の連撃が決まる。
さらに特効を持つ朝雲と山雲の魚雷が突き刺さり、海峡夜棲姫が海面に叩き付けられた。
それでも立ち上がってくる姿に、今回もHPを削り切る事が出来ないのかという不安に襲われてしまう。
そんな彼女に時雨が再び手を伸ばした。
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「っ?! 下がりなさい、時雨!」
山城が時雨の腕を引っ張った。
「おーい、扶桑に山城! いっしょにタウイタウイ第二泊地へ帰ろう!」
「扶桑、山城! 君達なんだろう?! 遅くなったけど迎えに来たよ!」
「大丈夫、もうアイツは居ないんだ、新しい有能な提督が着任したんだよ!」
必死に呼びかける時雨。
「ええ、愚か者の末路に相応しい最後だったわ。」
時雨に続き霞も加わって呼びかける。
それでも海峡夜棲姫は黙ったままだ。
「みんな二人が帰ってくるのを待っているんだ! だから…。」
その時、海峡夜棲姫が何かを取り出した。
あれは…、竪琴?
あっけにとられる僕達を無視して海峡夜棲姫は手にした竪琴を静かに鳴らし始めた。
これは…、埴生の宿に仰げば尊しじゃないか。
そして演奏が終わると海峡夜棲姫は一礼して撤退し始めた。
「だ、めだ…。二人をあのまま返してしまっては…。」
ヨロヨロと立ち上がる時雨。
そうだよ、時雨。君のいう通り諦めてはいけないんだ。
「何としてでも、絶対に二人を連れて帰る…。」
でも立つているのがやっとな上に激しい失血と痛みで12.7cm砲のトリガーを引く指に力が入らない。
さらに流れてきた血が入ったせいで目が霞み照準が定められない。
「くそっ、ここまで来て…。」
まさに意識と主砲を手放す寸前で時雨の手にもう一本手が重ねられた。
「ア、アルカディアさん…。どうして?」
「影山提督が決戦支援だけではなく友軍支援も要請してくれていたのだ。このチャンスを無駄にはできん、時雨!」
「うん、決めて…、みせる!」
二人がトリガーを握る手に力を込める。
発射された砲弾が撤退しようとする海夜棲姫の背中へと吸い込まれていった。
みんな教動だにせず成り行きを見守る中、少しの間をおいで海峡夜棲姫の巨体がグラリと揺れた。
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先程まで海域を支配していた禍々しさが一気に晴れていく。
『ソウナノデスネ。アナタタチハ、ソレデモコノサキニススモウト…、イウノデスネ。ナラ、アナタタチハ…。ススンデ…、コノサキニマツモノヘ・・・。』という言葉を最後に残し海峡夜棲姫は波間に消えて行った
その時の彼女、いや扶桑と山城の頭は実に穏やかだったよ。
「終わった…、の?」
「ああ…。」
「そっか…。」
海峡夜棲姫の沈んだ海面を見つめる。
アルカディア号が僕の頭に手を置いた。
「これであの二人は本当の意味で解放されたのだ、お前達によって救われたのだ。」
「でも結局、僕達は扶桑と山城を連れて帰る事が出来なかった…。」
そう思うと一気に涙が溢れてきた。
アルカディアさんが波間に漂う何かを拾い上げ僕に渡してくれる。
「これは…」
三日月形に反った円離柱が二本。
間違いない。
海铁夜捷焼(扶桑と山坡)の角だ。
それが何かわかったんだろう、彼の目にも涙が。
一滴、また一滴とみんなの水滴が角を濡らしていく。
と、急に手にした角が光り始めた。
驚いた僕はあろうことか角を二本とも落としてしまったんだ。
「ああっ!」
慌てて拾おうとしたけれど、あっという間にそれは水中へと消えて行ってしまい水中のぼんやりとした光も完全に見えなくなってしまった。
さっきは波間に浮かんでいたというのに…、って?!
「ええっ?」
角が消えていった水中から強烈な光が!
やがてそれは段々と強くなり、氷面には光の粒子までが立ち上る程になった。
あまりに眩しくて全員が目を開けていられない。
目を瞑っていても明るさを感じられるほどだ。
どれくらい座ったんだろうか。
懐かしい声がした。
「扶桑型超弩級戦艦、妹の方の山城です! あの…、扶姉さま見ませんでした?」
「扶桑型超弩級戦艦、姉の扶桑です。妹の山城共々よろしくお願い致します。」
でもこれは悪い冗談だ。
いや、冗談を通り返して悪趣味だよ。
僕達の気持ちを弄ぶような真似は許さないと目を開けて柱島第七泊地の扶奏と山線を睨み付ける。
ところが当の柱島第七泊地の扶桑と山域が目を真ん丸にして口をポカンと開けていたんだ。
その視線の先を追うと…。
そこにはもう一組の扶桑と山城が?!
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「う、うわぁあぁぁぁっ、扶桑、山城っ!」
「二人とも帰って来てくれたのかい?!」
「良かった、本当に…。」
「お帰りなさい〜。本当に良く帰って来てくれたわあ。」
朝雲、時雨、霞、山雲達が次々に飛びついていく。
「ただいま、と言っていいのがしら。いえ、恥ずかしながら帰ってまいりました、ね…。」
「姉様、それ小野田少尉さんですから。ところで時雨、こちらの方は?」
山城、それはちょっと早いんじゃないのかい?
振りむいた扶桑もアルカディア号の姿を見た途端、雷に打たれてしまったみたいに硬直してしまったんだけど、まあ、仕方ないと云えば仕方ないか(笑)。
「宇宙海賊船アルカディア号だ。二人ともよく帰って来てくれた。おかげで俺も真宮寺長官をはじめ花火やサジータ提督に良い報告が出来る。」
「さあ、タウイタウイ第二泊地へ帰りましょう。」
「扶桑、それは違うよ。ウチ(母港)に帰るんだ。」
綾波もピックリの包帯を巻いた時雨がイイこと言った!
あれ、でも綾波って包帯なんか巻いてたっけ?
敷波と同じくモチモチのっぺ、典型的な『しばふ村』出身で、ええっと…。
うっ、頭が…。
ま、まあヤッタラン副長とドクターゼロさんによって手当されたんだからイイよね。
それに帰ったら影山提督はもちろん、サジータ・ワインバーグ少将にも御礼と報告をしないとね。
さあ、今度こそみんなで帰ろう!
※アルカディア号の知らない所でまた一つ伝説が出来てしまったようです。
ここの艦娘達にはかなり美化されてしまうのですが、果たしてどうなる事やら?
※影山サキ改め、影山提督がアップを始めました(ポチった品物が届けられました)。
中身はええと…、ドラゴンクエスト女性用コスプレ衣装?!
『エッチな下着』『天使のレオタード』『バニースーツ』『危ない水着』『まほうのビキニ』『ピンクのレオタード』…。
あまりの際どさに手にした本人も唖然としています。
「こ、これを着るの? わ、私が?」
「で、でもやるしかない、ワ…。」
何やら違う方向に決意と覚悟を決める人がいたようです(笑)。