アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
※艦隊は武蔵・大和・陸奥・瑞鶴・ビクトリアス・照月です。
第156話 無人島と洞窟1(艦娘側:大和1)
海域攻略帰投途中
「陸奥さん、何処ですか?!」
「ここよ!」
十数メートル先さえ見えない激しいスコールの中、左後方から陸奥さんの声が聞こえます。
現在、私達は難関海域攻略中なのですが、照月さんの大破により旗艦である武蔵はすぐさま複縦陣での撤退を選択しました。
ですがこの激しいスコールに捕まったせいで最後尾の私達二人は皆とはぐれてしまったのです。
「くっ、ついてないわね。」
「ごめんなさい、大和。私の運が悪いばかりに…。」
「もう、陸奥さんったら。誰も貴女のせいだなんで思ってなんかいませんよ。」
でも、小破状態の大型戦艦が二隻、おまけに陸奥さんは対空電探しか積んでいない上に、私の水上電探は完全に破損、そしで通信設備に至っては二人とも使えない状態と拙い状況には変わりありません。
おまけに燃料も心細い状態です。
「大和、なんなら貴女だけでも皆の後を追ってくれてもいいのよ。」
いつも明るく振舞っている彼女ですがこれは重症ですね。
「もう、気にしてないって言ってるじゃない。いい加誠にしないと本当に怒るわよ?」
「やっぱり怒ってる…。」
あのねえ!と言いかけた時、前方に島影が見えました。
雨に煙る中、見にくいですが間違いありません。
それもそこそこ大きな島です
「見て、陸奥さん! 前方に島があるわ、上陸してこのスコールをやり過ごしましょう!」
海原では敵機から身を隠す術はありませんが、上陸してしまえばその限りではありません。
ゆっくりと救援を待つ事だって出来ます。
暗くなり始める頃、ようやく島に辿り着く事ができました。
周りを見渡しますが人の居た跡が見当たりません。
どうやら無人島の可能性が高いみたいですね。
上陸すると直ぐに陸奥さんが水偵を発艦させてくれました。
夜間とはいえ島全体を調査してくれるみたいです。
この頃にはあれだけ激しかったスコールも収まっていました。
木を倒し簡易的なログハウスを作り始めます。
なにしろ戦艦二人掛かりでやるのだから面白いように作業が進みます。
妖精さん達も協力してくれたおかげで虫の声が聞こえる頃には小さいながらも仮宿?が完成しました。
「陸奥さん、島に何かあったかしら?」
「ここから100mほど先に滝があったわ。水の心配は無いわね。」
私連の前にはうず高く積み上がったヤシ、マンゴー、ココナッツの殻。
食べ過ぎてひっくり返ってしまったまま、しかもお腹を擦りつつの会話です(笑)。
「後は特にこれといったものは無かったわ。だだ…。」
彼女の水偵からもたらされた情報によると、此処の反対側に洞窟があり人の手が加わったような跡があるらしいのです。
明日にでも行ってみましょう、と意見の一致を見た私達はそのまま深い眠りについたのでした。
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期間限定海域攻略本隊(瑞鶴)
「二人からの連絡はまだか?!」
「いや、さっきから平文で通信を試みているが一向に反応が無い。」
今にも掴み掛かりそうなビクトリアスさんとは対照的に落ち着いてる武蔵さん。
でも、武蔵の通信設備からはずっと平文で大和さんと陸奥さんに対して電文が発し続けられている。
「私が引き返して捜索に!」
捜索志願を願い出る照月をビクトリアスさんが一喝する。
大破している彼女にそんな事をさせる訳にはいかないから当然なんだけど…。
「だって元はといえば私のせいなんです! そのせいで大和さんと陸奥さんに何かあったら私…。」
泣き出してしまった照月を宥めに掛かる。
まあ、私だって自分のせいでこんな事になったら取り乱してしまうし…。
「止めないか、二人とも。我々もこれ以上ここに留まっていてはいつ敵艦載機や敵潜水艦の攻撃を受けるか分からん。巳むを得ん、出発しよう。」
「二人を見捨てるというのか?! 誇り高き英国艦隊の一員としてそんな事は出来ん!」
「見捨てるとは人聞きが悪いな。こんな時、頼りになるヤツがいるだろう(笑)。」
そう言うと武蔵さんはニカッと笑った。
「なるほど、アルカディア卿か。」
「ああ、北大路提督からも捜索は義兄上に任せて我々は速やかに帰投せよ、との命令だ。」
「待て、武蔵。貴様、今アルカディア卿の事を何といった?」
ピクトリアスの首がキギキと音を立てて武蔵さんの方を向く。
「ん、義兄上(あにうえ)と言ったが?」
「そ、それだ! 何故、あの方が費様の兄上なのだ?!」
「兄上ではない、義兄上だ」
そういうと武蔵さんは姉の大和が戦艦の正室なのだから私からすれば義兄になるのは当然だろうと言い放った。
「じゃあ、翔鶴姉は全艦種正室なんだから私もアルカディア号さんをお義兄さんって呼んでもいいって事だよね?」
私だって負けていられるもんですか!
ココはしっかりと義妹アピールしておかないと。
「くっ! こうなったら、海外艦の正室は何としてもオールドレディを選んで頂かなくては…。」
彼女の呟きは波間に消えていったのだけれど、数日後に柱島第七泊地ではイギリス艦だけで三日三晩にも渡る緊急会議が開かれ(らしい)。
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柱島第七泊地執務室(高雄)
「提督、旅艦である武蔵さんからの緊急電文です!」
内容は照月さんの大破により撤退するとの事ですが、複従陣の最後尾であった陸奥さんと大和さんがスコールによって皆とはぐれてしまったというものでした。
北大路提督が直ぐにアルカディア号さんを呼びます。
「平文にも返答がないという事から、二人とも通信設備が破損して使えなくなっている可能性があります。」
「なるほど、通信を打っても応答がない可能性が高い、それどころか不用意な無線は相手に傍受される危険が高いということか。」
「はい。捜索は電探頼り、それも近未来の電探を持つアルカディア号さんしか出来ない事なのです。」
「直ぐに牧助に向かって下さい、お願いします…。」
提督が縋るような目をアルカディア号さんに向けました。
「分かった、直ぐに出よう。」
彼は頷くと、花火を泣かすような事はしない、安心して待っていろと提督を抱き寄せました。
「別な事 (お妾さん多数)では随分と泣かされているのですけれど…。」
「ん、何か言ったか?」
「いいからさっさと行きやがれ下さい!」
北大路提督に蹴り出されたアルカディア号さんは解せぬという一言を残し飛び立って行きました。
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目覚め
窓辺に訪れた小鳥のさえずりに薄っすらと目が開きました。
窓(といってもガラスはありませんが)から見えるのは、あれだけ激しかったスコールが嘘のような青空。
隣を見るとまだ陸奥さんは寝ています。
取り敢えず艤装を展開し、電探を直せるかどうが妖精さんに聞いてみましょう。
「そう、やっぱり…。」
妖精さんが皆を横に振りました。
操作は出来てもやはり修理までは…、という事なのですね。
「ん…。やま、と?」
陸奥さんも目覚めたようですね。
「おはようございます、陸奥さん。」
「ふふ、おはよう。」
朝食は昨晩と同じく自生しているマンゴーとバナナ、そしでミルクと超健康的です。
もっともミルクといってもココナッツミルクですが(笑)。
それにしても陸奥さんとはいえ武蔵以外の前でスッピンになるなんて随分と久しぶりです。
お互い、ちょっと気恥すかしかったのですが、南国特有の開放的な雰囲気のせいでしょうか?
それも直ぐに気にならなくなってしまいました。
「さて例の洞窟へ行きましょうか」
どうやって行くの、という私の問いに陸奥さんは陸からはとても無理だというのです。
まあ、海岸線の後ろは崖に近い急斜面が続いていますし、登れたとしても熱帯雨林の中を進む事になるでしょうから陸奥さんの仰る通りでしよう。
「じゃあ、海岸線に沿って行くしかないわね。」
こうして私達は燃料節約のために歩けるところは歩きながら島の反対側を目指したのですが、この時は、よもやあのような光景を見る事になろうとは思ってもみませんでした。
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洞窟
海岸線が岩で途切れたりしている所は主機で航行しましたが、一時間ほど歩いた頃でしょうか?
先を行く陸奥さんが急に立ち止まったかと思うとしゃがみ込んで岩陰に身を隠しました。
「陸奥さん?」
訝しがる私に陸奥さんがとゼスチャーで覗いて、と伝えてきたのです。
そっと覗いてみた私は危うく大声を上げる所でした。
この先は急に視界が開けており陸奥さんの水偵が伝えてきた通り洞窟があったのですが…。
何とその中へ次から次へと輸送ワ級が入っていくのです!
さらに洞窟の脇には空母ヲ級が4隻、戦艦夕級が2隻と超厳重な警戒態勢を敷いており、それを集積地棲姫が監督しているのです。
成程、海上洞窟なのを利用してここへ資源をため込んでいるという訳ですか。
しかし、ワ級の数は10や20どころではありません。まさに一大補給地というべき拠点です。
ここを叩けば一気に深海棲艦達の補給路を断つことができる、気が付けば私は無意議に艤装を展開していました。
小破状態とはいえ、自慢の46cm砲は戦闘に何ら支障はありません。
ですが陸奥さんは黙って首を横に振ったのです。
「陸奥さん?! 何故です?!」
これ以上資源をため込まれる前に何とかした方が良いのでは?とする私に陸奥さんはどんな奴が資源を取りに来るのか、それも調査するべきだというのです。
渋々艤装を収めた私でしたが、この後やってきた連中を見て陸奥さんが正しかったのを知る事になったのでした。
※先日、松本零士御大がお亡くなりになられました。
小学校の頃に銀河鉄道999でハーロックを知った小生、それ以来
鉄郎と同じく彼は私の男として目指す所に人物になりました。
そんな偉大な男を生み出してくれた御大に感謝とご冥福をお祈りいたします…。