アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※イベント、終わらせることが出来ました。
 しかし、ここまで中身のない大規模作戦だとは…。

※『艦これ』10周年、おめでとうございます!
 出来るだけ続いて欲しいですね!


第159話 襲来2(艦娘側:集積地棲姫)

集積地棲姫

 「オカシイ…。」

 夜明けも近いというのに哨戒に立つ6名の誰からも定時報告が無い。

 監督者として持ち場を離れるのは良くないのだが、このままにしておくわけにもいかない。

 そう思い私は戦艦タ級の所へと向かった。

 獣道をしばらく歩くとヤシの葉の中にタ級の顔が見えた。

 

 「オイ、タ級、ナニヲヤッテイル? 定時報告ノ時間ハ、トックニ過ギテイルゾ。」

 タ級が確認できたことでホッとしたが何かおかしい。

 

 「…。」

 タ級からの返事はない。

 

 「タ級?」

 近づいてタ級の頬をペチペチとした途端、ゴトリと鈍い音がしてそれは地面に転がった。

 

 「ヒイッ?!」

 よく見れば枝の上にその首だけが置かれていたのだ。

 数メートル離れた所にはタ級の胴体が転がっており、明らかに殺られたものだ。

 

 「っ!」

 残り5人の所へと走り出す。

 ココも! ココも!

 ココも! ココも!

 ココもか!

 行く先々で冷たく転がっている仲間達を見る度に歯がギリッと鳴る。

 

 「コウシテハオレン、一刻モ早ク他ノ鬼ヤ姫ニ連絡ヲ!」

 洞窟へと急ぐ。

 

 「ナッ?!」

 洞窟の入り口が見えたところで私の足が止まった。

 そこには深海情報網で嫌というほど見た男、アルカディア号とやらが立っていたのだ!

 

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謎の男

 「コレハ名ヲ上ゲル絶好ノ機会、イツマデモ資源ノ番人ナドヤッテラレナイカラナ!」

 物資を集める事しかできない、姫級の面汚し、ヤツは姫の中でも最弱…。

 散々にいわれ続けてきたが私とて姫の端くれ、今ここでこの海賊野郎を討ち私をコケにしてきた連中を見返してやる!

 これは天が私に与えてくれた千載一遇の好機に違いない。

 

 「名を上げるといったな。俺を倒して名を上げるという意味か?」

 例の海賊野郎は私が砲口を向けているというのに何ら動じることなく聞いてきた。

 

 「ソウダ!」

 

 「殺し合うのは良そう。見ろ、朝日があんなに美しいぞ。」

 海賊野郎はそう言うとコチラに背を向け上って来たばかりの太陽に向かって両手を広げた。

 

 「誤魔化スナ! コッチヲ向ケ、私ハ集積地棲姫!」

 

 「どうしてもやりたいか?」

 何だ、時間稼ぎか?

 

 「ソウダ、私ニハ居場所ガ要ルンダ! 生キテイクタメノ居場所ガ!」

 こいつを倒せば皆私に一目置くどころかひれ伏すだろう。

 

 「負けたら居場所どころか命も無くなるぞ?」

 だというのに、さもこちらが負けるかのような言い方が私をイラつかせる。 

 この男、何から何まで気に入らない。

 

 「負ケヤシナイ! 私ハ、私ハ…。」

 しかし一体どうしたというのだろう、姫たる私の膝が震えている。

 

 「しかし、その体では砲の狙いも外れる。」

 この男、後ろを向いているのにこちらの様子が分かるというのか?!

 

 「大キナオ世話ダ!」

 万一、砲が使い物にならなくなってもこの爪でドテッ腹を貫いてやる!

 

 「もう一度聞く。どうしてもやるのか?」

 海賊野郎は後ろを向いたままだ。

 

 「当然ダ!」

 胃袋の下にグッと力を入れて恐怖を打ち消し叫ぶ。

 ところが、その時、不意に何処からともなく肉の焼ける音とイイ匂いが?!

 

 「ふふ、昔に空母組のみんなで行ったキャンプを思い出しますね。どうですか、決闘をするならご飯をいっぱい食べてからにしては?」

 岩陰から声が聞こえる。

 

 「貴様ハ鳳翔?!」

 振り向くと空母艦娘の教導艦である鳳翔の姿が。

 

 「あら、私の名前を(笑)?」

 

 「当リ前ダ。ヲ前達二人ヲヤッツケレバ…。」

 

 「より多くの尊敬と名声を得られる、という事でしょうか?」

 「ま、喜びたかったら食べてからにしましょう。」

 そして、はい、出来ましたよと小さく呟くと彼女は立ち上がった。

 

 「どうぞ。」

 そう言うと彼女は未だ音のする肉を載せた白米の入った器を差し出してきたのだ。

 くそっ、それは反則だろ!

 

 「ソンナノ、ヲ前達ヲ倒シテ自分ノ力デ食ッテヤル!」

 その匂いと音に思わず喉が鳴ってしまったが、私にも姫としての矜持がある。

 そう簡単に食い物で釣られると思うなよ!

 

 「なかなかの強情さんですね(笑)。ではこうしましょう、貴女がアルカディア号さんに負けたら、これを食べると。」

 

 「イイダロウ。サア、コッチヲ向ケ、アルカディア号! 向クンダ、後ロカラハ撃チタクナイ!」

 飛んだ邪魔が入ったが気を取り直して砲を構え直す。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

装甲空母鬼

 「アルカディア号確認、近クニハ鳳翔シカイマセン!」

 

 「ヨシ、艦載機ヲ発艦サセ、生捕リニシロ!」

 資源物資の補給に来てみれば例のアルカディア号とやらがいるではないか。

 偵察機からの入電を聞いた時には耳を疑ったが、何という僥倖であろう。

 我ら深海棲艦の未来の為にはここで始末するしかあるまい。

 

 「シカシ、集積地棲姫ガ砲ヲ構エテ対峙シテイマス。ドウサレルノデスカ?」

 攻撃機を指揮する隊長機からだ。

 

 「何ヲ迷ウ必要ガアル? 一緒ニ吹キ飛バシテシマエ(笑)。」

 やれやれ、何を甘い事を言っているのだ。

 あんな役立たずなどに配慮する必要などあるものか(笑)。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

決闘

 アルカディア号がこちらに向き直った。

 その瞬間、私の砲が火を噴いた。

 

 (やった!)

 そう思ったのも束の間、私の砲団は狙いを外れ彼の剣先から何やら光線が発射されると私の片腕が吹き飛んだ。

 

 「クッ、マダダ、マダ終ワランヨ!」

 反対側の手でヤツを貫こうとするが、今度はその腕を剣で薙ぎ払われてしまった私は無様に地面に転がった。

 

 「ナ、何ダ! ソノ剣ハ!」

 剣先から弾が出るなどそんなバカな!

 あっけにとられる私に鳳翔が近付いてきた。

 

 「さあ、約束ですよ。食べて下さいね。」

 そう言って先の肉を差し出す。

 

 「チクショーォ!」

 何度もいうが私も姫の端くれ、約束は違える訳にはいかない。

 奪うようにして食べ始める。

 

 「そう、それで良いんですよ。それでね…。」

 そう小さくこぼす鳳翔の目は微笑ましいモノを見るような慈愛に満ちたものだった。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 「左側面ノ配備完了!」

 

 「右側面、及ビ前面ノ配備完了!」

 

 「上空ノ配備完了!」

 あれは装甲空母鬼の艦載機?

 そういえば物資を取りに来る手筈になっていたな。

 しかし、なぜアルカディア号どころか私まで取り囲んでいるのだ?

 

 「隠れなさい!」

 首を傾げていると鳳翔が私を岩陰に引っ張り込んだ。

 

 「アルカディア号、オ前ノ負ケダ。降伏シロ、サモナイト射殺スル!」

 隊長機からアルカディア号へ向けて降伏勧告がなされる。

 

 「集積地棲姫、お前は背中から撃たなかった。足は震えていたが、正面から堂々と立ち向かってきた。どうだ、その資源を持って俺達の所に来ないか?」

 

 「オ、オ前達ノ所ニ?」

 

 「そうだ、俺達の所だ。」

 鳳翔も私を見て頷く。

 

 「な、何ヲ馬鹿ナ! 私ハ艦娘ノ敵、ソレニコノ資源ハ!」

 私があっけにとられていると、またしても隊長機から声がした。

 

 「アルカディア号、アト3ツ数エル内ニ降伏シロ。」

 サン、ニイ、イチと隊長機がカウントをダウンさせていく。

 と、その時、大地が震えるような砲撃音がして攻撃機が次々と吹っ飛ばされ始めた。

 

 「ア、アレハ! 大和ニ陸奥ダト?!」

 他にも川内、コマンダンテストに天龍達までが攻撃機に向けて対空砲火を打ち上げていた。

 

 「来るか、俺達の柱島第七泊地に?」

 

 「ええ、お姉さんも丁度、資源が欲しかったのよね。」

 洞窟の中を指差す陸奥。

 

 「好キニシロ…。」

 私がそう答えるとアルカディア号から艤装が!

 

 「クソッ、アルカディア号ノ奴! 戦闘用意!」

 十分引き付けて葬り去るのだ、と狂ったように配下の妖精達に指示を出す装甲空母鬼。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 「左20度、艦隊接近中。」

 アルカディア号の妖精が装甲空母鬼艦隊の位置を告げる。

 

 「よし、中央突破!」

 しかし、装甲空母鬼といえば私達鬼姫の中でもかなりの上位種のはずだ。

 それを正面中央突破など果たして可能なのか?

 

 「さあ、見ていなさい、アルカディア号さんの戦いを。」

 鳳翔が私の肩に手を置いた。

 

 「狼狽えるな、撃ち続けろ!」

 狂ったように指示を出す装甲空母鬼、そしてアルカディア号がすれ違う。

 と、アルカディア号から何かが打ち出されて装甲空母鬼に突き刺さった。

 

 「クッ、抜ケナイ?!」

 もがく装甲空母鬼。

 

 「これが海賊のやり方だ!」

 アルカディア号はそう叫ぶと彼女の頭に突き付けた剣の引き金を引いた。

 音もなく崩れ落ちる装甲空母鬼。

 その後、あっという間に随伴艦まで全滅させてしまったアルカディア号は自身以外を全員、ボレット?という飛行艇に載るように命じた。

 

 「さて、集積地棲姫さん。これからも色々あると思うけれどアルカディア目指して頑張っていきましょう、ねっ?」

 突然、私に話しかけてくる大和。

 

 「アルカディア?」

 

 「アルカディアっていうのは理想郷っていう意味なんですって。私達はね、アルカディア号の名前の由来となったそこへ皆で行きたいの。」

 あの人に一番ふさわしい名前ね、と嬉しそうな大和。

 こんな仕草を見ているととてもあの大戦艦だとは思えない。

 

 「我が青春のアルカディア号、発進!」

 アルカディア号のエンジンが轟音を立てヤツが大空へと舞い上がる。

 我々を載せたボレットとやらもその後をついていく。

 

 しかし、私は一体これからどうなるのだろう…。




※たくさんの資源と一緒に集積地棲姫を連れ帰った(生け捕った?)アルカディア号。
 彼女の姿を見た花火さんは気を失ってしまったそうです(笑)。
 しかし、集積地棲姫の固有能力で資源の心配は無くなったのですから安いもんですよね?
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