アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
本業が忙しくなってきたのに続き艦これの夏イベまで始まってしまい…。
※これからも飽きずに読んで頂ければ幸いですのでよろしくお願いします。
第166話 ラフレシア座乗艦『ドクラス』1(艦娘側:神崎すみれ)
神様会議
大きな丸いテーブルに沢山の女達が座っている。
ふと目をやれば全員が全員、見目麗しいといえる容姿。
だが部屋全体の空気はそんな彼女達の外見とは裏腹に重たいものとなっている。
「で、今回の議題って一体何なのさ?」
そう切り出した少女は、まあこの僕を呼び出すぐらいなんだから大変な事なんだろうけどね、といって椅子の背もたれに背中を大きく預けた。
「ええ。その通りです、ヘスティア。今までにない脅威がやってこようとしている、それは貴女も薄々、分かっているのでしょう。」
「まあね。でもその脅威とやらはボクの手には負えない事象だよ。レイラ、君には何か良い案があるのかい?」
ヘスティアと呼ばれた黒髪のツインテールはそう言うと水色の髪をした女性に目を向けた。
どうやらこの水色の髪をした女性はレイラというらしい。
まあ、見た目の女神度でいえば背中の大きく空いた御召し物のヘスティアよりもこのレイラと呼ばれる女性の方が遥かに上…、とは見えない。
彼女もまたハイレグレオタード、しかも胸元には不必要な大きさでくり抜かれたハートが女神らしさをマイナスしている。
「ハイハイ、そんな言い方しないの。でも今回の脅威は本物よ。自然的に発生したモノか誰かが作り出したものかさえ分からない上にそれが一体どのような脅威かもはっきりしないんだから。」
「へえ、いつになく駄女神(アクア)まで真面目になるほどなのかい。そいつはよっぽどだね。詳しく聞かせておくれよ。」
「それが大した情報は集まっていません。アテナ、いえ木戸さん、貴女の方で何か分かっている事はありますか?」
駄女神と呼ばれた女神、アクアはその名前で呼ぶのは止めてと憤慨したが、レイラはそれを軽く受け流し木戸沙織と呼ばれた女性に意見を求めた。
「私にも分かりません。ですがこのままいけばこの世界だけではなく、それぞれの世界にも危険が及ぶ可能性が極めて高いでしょう。
とにかく私にも嫌な、大変な事が起こるという事は感じますが、それが感覚としてだけのモノなのです。」
「結局、何かヤバい事が近々起こるという事しか分からないのですね。下手をすれば私達それぞれの世界が混ざり合ってしまう可能性もあるのではないでしょうか?」
「冗談でもそれは不味いですね。メルフィーナ、貴女は?」
それ以降もレイラは色々な神々やそれに近い位置にいる者達に意見や現在分かっている事を聞いていったが何一つ分かった事は無かった。
結局、何か違和感や良くない気を感じたらお互いに連絡を取り全員で共有するというありきたりな結論しか得られず実りある会議とはならなかった。
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首相官邸
「アルカディア号について何か少しは分かったかね、チミ?」
「それが皆目全く全然検討も…。」
側近の返答に葉巻を灰皿に押し付ける首相閣下。
その表情は当然面白くなさそうだ。
どうやら政府レベルでアルカディア号に関して何かしらの情報を手に入れよう画策するもうまくいっていないらしい。
「ただマゾーンのジョジベル殿よりアルカディア号を作った男の事は少し。」
「どんな奴かね?」
どうやら懲りもせずにまだマゾーンに手を出しているらしい。
「地球生まれのタイタンコロニー育ち…。職業不定、特技は無芸大食、ド近眼…。」
「なんじゃくだらん。名前は?」
首相はよほど興味が無かったのか側近の返答を途中で遮った。
まだ名前だけ聞いておこうとしただけ進歩したといえる、かもしれない(笑)。
「大山トチロー、年齢不明。」
「まあ、どっちにしろ大した奴じゃないね。」
自ら聞いておいてこの返答、やはり進歩してはいないようである。
しかし今、アルカディア号について調べて何になるというのだろうか?
彼が言うにはどうやら少しは気休めになるという事らしい。
アルカディア号よりマゾーンの方が厄介では、という側近の意見を聞いた首相は窓際へと足を向けた。
「アルカディア号だのマゾーンだの訳の分からないモノが跳梁跋扈する時代に運良く首相になったものだ。」
「しかし、私が首相で人類は運が良かったともいえる。」
「まあ、いずれ後世の人類はこの時代、私という偉大な首相の元にあったことに感謝することになろう、うん!」
首相閣下のこのお言葉にさすがの側近も少し不安を感じずにはいられなかったようで、窓の外にある巨大な黒い球体に目を向けていた。
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同時刻、『梁(理)山泊(ラウンジ)』(神崎すみれ)
「何だ、みんなここへ来ていたのか。」
暖簾をくぐって表れたのは私の想い人、アルカディア号さん。
今までも乗組員の方々、魔地機関長さんやヤッタランさん達と盛り上がっていたのですが、彼が来てくれたおかげで提督達全員の顔が明るくなりましたわ。
まあ、かえでさんだけは隣に台羽さんを侍らせて最初から上機嫌なのですけれども…。
あら、そのかえでさんが鳳翔さんに何かを頼んだみたいですわ。
オーダーを聞いた途端、彼女から表情が抜け落ちましたが『かえで』さんはお構いなしですわね。
イチャイチャしているお二人の前に無表情のまま、トンとカクテルが置かれましたわ。
種類は…、モヒートですわね。
ですがあのカクテルの意味は私の渇きをいやして…、だったはず。
台羽さん、明日の朝までに回復(意味深)されるのかしら?
それから『かえで』さん、カクテルはストローで飲む物ではありませんわよ?
って、何ですの、あのストローは?!
ハートの形をしていて、二人で一緒に…、って見てるコチラが恥ずかしいですわ!
これ以上見ていられなくなった私は隣の花火さんとの間にスッと一人分のスペースを開け彼を迎え入れたのですわ(やりました)。
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隣に腰を下ろしてくれた彼からは感じられる殿方特有の体臭にクラクラしつつ、反対側に目をやると花火さんも彼の腕をとって寄り掛かっています。
アルコールが入っているからでしょうか?
少し花火さんの目がトロンとしているようですが、随分と大胆になられたのね。
以前の彼女からは考えも出来ませんわ。
「俺は…。」
「はい、承知しております。アンドロメダレッドバーボンですね。」
鳳翔さんがグラスと瓶を持ってきました。
「ここに来て頂けるのは2度目ですね。お元気でしたか?」
「鳳翔さんも変わりないか?」
「ふふ、私ももう年です。そう長くはないかもしれませんね。」
「でも寂しくはありません、ここは賑やかですし、後進のために資材となれるのですから。」
それを聞いたアルカディア号さんはそれは皆も喜ぶだろう、だが俺はまだまだ現役を続けてもらいたいからな、とアンドロメダレッドバーボンをコップに注ぎました。
「俺は艦娘の皆に星の海を旅してもらおうと思っている。ひょっとしたら貴女がその一番艦になるかもしれん。」
「まあ、面白い冗談ですね。でも星の海を旅できるなんて考えただけでも素敵です。」
「ふっ、俺のキャプテンであるキャプテンハーロックはどんな小さな約束でも命をかけて守る男だった。冗談で終わらすつもりなど毛頭ない。」
そう言うと彼はグラスを掲げました。
「女将さん?」
その時、隅に座っていた女性が鳳翔さんに声を掛けたのですわ。
「あの方にもう一杯、注いで上げて。私からのプレゼント。」
「アルカディア号さんのお知り合いですか?」
鳳翔さんの問いにその女性は、ええまあねと答えたのですけれど…。
しかし、何時から居たのでしょうか?
黒いフードを被っているので顔はよく見えません。
今まで賑やかだった室内が一瞬にして静まり返りました。
「誰だ、アンタは? エメラルダス…、じゃないな。髪の色が違う。」
アルカディア号さんに声を掛けられたその女性がゆっくりとフードを取りながらこちらを向いたのですわ。
「私をお忘れですかハーロック、いえアルカディア号。」
「!! ラフレシア、いや座乗艦である旗艦ドクラス?!」
※ついにラフレシアの座乗艦であるドクラスが姿を現しました。
マゾーンの大船団を率いる旗艦でもある彼女は一体どうして皆の前に姿を現したのでしょうか?