アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※立てよ国民、いや立てよ艦娘!


第169話 ラフレシア座上艦、ドクラス4(艦娘側:羽黒)

柱島第七泊地食堂

 「アルカディアさんが宇宙へ上がる?!」

 北大路提督が浮かない顔をしている理由を聞いた足柄さんがカツカレー用のスプーンを持ったまま立ち上がりました。

 賑やかだった食堂が急に水を打ったように静まり返えります。

 次の瞬間、食堂全体が大変な騒ぎになりました。

 悲鳴に怒号、まさに阿鼻叫喚の騒ぎです。

 その中にはしっかり鳳翔さんや加賀さんの姿も確認できます。

 いつもなら真っ先に騒動を収めにかかる当の北大路提督も下を向いたまま。

 こんな時、頼りになると思われる武蔵さん・長門さん・大淀さんまで右往左往している始末。

 

 「それってマゾーンと渡り合うためなの? 相手は数える事が出来ない程の艦で宇宙艦隊を組んでるんでしょ、そんなのいくらアルカディアさんでも無理よ!」

 陸奥さんの叫び。

 しかし、それはここにいる全員が思っていた事でもあるのです。

 呆然とする祥鳳さんや榛名さん、その隣では翔鶴さんが両手で顔を覆ってしゃがみ込んでしまいました。

 絶望を浮かべる大和さんや金剛さん。その他大勢も頭を抱えています。

 そして、あちらこちらから未だしてもらっていないのに…、と聞いてはいけない呟きが。

 おせっせなど彼が宇宙へ上がるのを止めていただければこれからいくらでもできます。

 しかし彼の性格から考えると、私達が意見をしたとしても宇宙へ上がるのを思いとどまる事は無いでしょう。

 北大路提督もそれをご存じであるからこそあの表情なのですね…。

 

 「提督、提督からも彼を止めるように…!」

 しかしそんな足柄さんを制止したのは長姉の妙高さんでした。

 

 「よしなさい、足柄。」

 

 「でも!」

 

 「よしなさいと言ってるの。提督だってそれで彼が行くのを止めてくれるならとっくにやってるわ。」

 

 「…。」

 その時、死んだ目のままゆっくりと北大路提督が立ち上がりました。

 

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どこかで聞いた演説

 「皆さん、私達は一人の英雄(アルカディア号)を失うかもしれません。しかしこれは敗北を意味するのでしょうか? いいえ、始まりなのです!」

 「マゾーン艦隊や深海棲艦に比べ、我が地球艦隊、ひいては柱島第七泊地の戦力は万分の一以下です。にもかかわらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故でしょうか?!」

 「私達海軍の戦争目的が正義だからです。これは貴女達が一番よく知っていることでしょう。」

 「私達は今、この怒りを結集し、この地球を侵略してくる不埒な輩に対して叩き付けて初めて勝利と安寧(アルカディア号さんとのキャッキャウフフ)を得る事が出来るのです。」

 「そしてこの勝利こそ当泊地所属艦娘全てへの最大の慰めとなるのです!

 「艦娘の皆さん! (順番待ちが伸びた)悲しみを怒りに変えて、立つのです!」

 「そして皆さん、私達柱島第七泊地の艦娘こそが(彼に)選ばれた民であることを忘れないで下さい。近しい位置にいる私達こそが彼を救いえるのです!」

 「柱島第七泊地の掲げる、『艦娘一人ひとりの悦び(おせっせ)の為の戦い』を、神が見捨てるわけはありません!」

 「そして彼が何としても帰ってくるように…、あらゆるモノ(髪・脇・足先・下着)を駆使して私達の臭いを刷り込むのです!」

 「そのために私達の臭いを覚えさせるのです! そして私達の臭いがないと生きていけないようにするのです!」

 提督の演説が終わると同時に食堂だけでなく柱島第七泊地全体を揺るがす大歓声が響き渡りました。

 隣ではシュッという音と共に高雄さんが胸元へと入れた手を抜き出しました。

 その指には引き抜かれた下着が?!

 

 「そうよねぇ、私達最大の武器なんだし提督からお墨付きも出たことだしね~。」

 そしてそれは同じく愛宕さんの指にも…。

 

 「ああ、遠慮はいらねえってことだよなぁ(ニヤニヤ)。」

 摩耶さんの他にも巨乳艦娘達が胸元で音を鳴らし始めたかと思うと、ポニテ艦娘達も一斉にシュルッと髪留めを外しました。

 そして一斉にアルカディア号さんの自室へと単縦陣で向かい始めたのです。

 

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柱島第七泊地アルカディア号自室

 鼻歌を歌いながら宇宙へと上がる準備をするアルカディア号。

 思った以上にマゾーンの女王であるラフレシア、いやドクラスは美人だった。

 なんせ松本美女の一人であるのだ、当然といえば当然だな。

 TV版のラフレシアは肌の色も病的なほど青白くそれほど美しくはなかったが、この世界におけるドクラスはエタノールファンタジーにて出てくるエメラルダスと酒場で話をするラフレシアそのもの。

 宇宙へ帰る時にこちらに意味深な流し目を送ってきていたし(気のせい)、もしかしてだけど~、もしかしてだけど~、俺のこと好きなんじゃないの~(喜々)。

 っていうか、これは絶対脈アリですよ、脈アリ。

 あれは早く宇宙へ私の所にも来てってことだ、太鼓判(笑)。

 鼻歌交じりに格納庫へ色々と荷物を放り込んでいると突然ドアが開いた。

 いや、開いたというかドアが押し倒されたというか…、とにかく蝶番に沿った動きではなく派手な音を立てて床に倒れたのであります。

 当然部屋の前に立つ艦娘たちと目が合う訳で…。

 え…。

 ど、どったの、皆さん…。

 目が怖いですよ?

 お願いですからそんなハイライトの消えた目で見つめるのはお止めください!

 おまけに、みんな目が座ってるし、巨乳とされる艦娘たちは手にブラを、ロングヘアーの艦娘達は髪を解いて垂らしている。

 特に髪を垂らした方々にお聞きしますが、まさか井戸から出てきたりなんかはしていないですよね?!

 しかし、誰もこちらの質問に答える者はおらず、ぞろぞろと部屋に入り始めた。

 ああああ! 壁が、壁がァ!

 艦娘たちの押入る圧に耐え切れず壁がドアと同じように内側へ向かって倒れてきた。

 おかげで部屋の風通しが随分と良くなったよ、うん(泣)。

 

 「あなたが帰ってこれるように、今から私達の匂いを覚えてもらうわ。全員の刷り込みが終わるまで解放されないから頑張ってね。」

 それじゃあ、まず私からね、とハイライトの消えた目でウインクをしてきた陸奥。

 逃げようにも逃げられない状態だし、一体何でこんなことになってしまったんだ?!

 一体なんでこんな事になったのか説明を求めます、誰か、誰かァ(ムグッ)!




※この後、アルカディア号が解放されたのは2~3日後だったとか…。

※宇宙へ上がるのは体力回復を待ったため、さらに日数が伸びてしまったとか(笑)。
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