アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
※ついにアルカディア号が宇宙へと上がりました。
しかしまずは前衛艦隊とその旗艦であるクレオを倒さねば女王ラフレシアの下へとたどり着くことはできません。
一般市民船団を盾に取るクレオに手が出せないアルカディア号。
一体どうするつもりなのでしょうか?!
第170話 アルカディア号とマゾーン前衛艦隊
柱島第七泊地 翔鶴
「本当に宇宙へ上がるのですね…。」
北大路提督が恨めしそうにアルカディア号さんを見つめます。
いえ、提督だけではないですね。
所属艦娘全員といっていいでしょう。
「ああ、このままでは間違いなく人類は深海戦艦ごと地球を侵略されてしまうだろう。」
そうなってしまったら、たとえお前たちと一緒にいる事が出来ても意味がないのだ、と彼はそう言いました。
でも私は…、そうなったとしても貴方と一緒に入れる、いえ居れるならそれでも構いません。
あまりに自分勝手な考えですがここにいる全員、いえ全ての艦娘が同じでしょう。
しかし彼を止めることはできないのは誰もがわかっています。
正室と側室筆頭一人一人に別れを交わすとアルカディア号クルーが妖精体となって乗り組んでいきます。
「心配するな、我々の戦いぶりをそこ(地球)で見ているがいい、ん。」
泣き出してしまった北大路提督や榛名さんの頭をやさしくなでながら彼は私達に言いました。
「星の海は俺と偉大なるわが友の故郷だ。そこに生涯をかけた未来と夢がある。故に俺は星の海へ出ることを恐れないし、志半ばで斃れることもない。」
そう言うと彼はエンジンの轟音と共に宇宙へと上がっていったのです。
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宇宙 ヤッタラン
「マゾーン先遣部隊、火星軌道上にて停止中!」
「中央艦隊、依然として太陽系外軌道より動きません。」
螢の報告におかしいなぁと台羽が首を傾げとる。
「一気にこっちへ攻め込んでくると思うたけどなぁ。嵐の前の静けさってやつかいな?」
「螢、アルカディア号の現在位置は?」
「はい、時間にして火星まで五時間半の位置にいます。」
ワイの疑問にキャプテンも敵の動向が気になったんやろか?
敵艦隊との具体的な位置と数字を掴んどこうとおもうたみたいやな。
「キャプテン、これからの進路は?」
以降の動きを聞く台羽にキャプテンはこのままマゾーン部隊に直進すると告げた。
うん、台羽も大分一人前の顔になってきよったで(笑)。
もう一人前の戦士やな。
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火星軌道上マゾーン艦隊旗艦 クレオ(ピラミッダ)
「全艦に次ぐ、アルカディア号を包囲し一斉射撃を持って一気に叩き潰す!」
「全艦発進準備!」
私の命令とともにマゾーン前衛艦隊がアルカディア号を包囲すべく動き出す。
前衛艦隊とはいえ大宇宙を埋め尽くすその様子は万が一にも私に、いやマゾーン艦隊に敗北などありえない事を再確認させてくれる。
いよいよアルカディア号を星の海へと葬り去る時が来たのだ。
時は来た、それだけだと呟くと部下の一人から、クレオ様、それ違う人…というツッコミが。
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アルカディア号
「キャプテン、マゾーン前衛艦隊に動きが!」
螢が展映スクリーンに映像を拡大する。
「なんやこら?! 何ちゅう数や!」
副長が叫ぶのも無理はない、まさに宇宙を埋め尽くす膨大な数のマゾーン船団がそこには映し出されていた。
だがそこにはもっと驚くべきことがあった。
「ど、どういう事なんだ?! これはどう見ても非武装じゃないか!」
「マゾーンの一般民衆を運ぶ移民船ね。」
驚く台羽に対し螢はあくまで螢は冷静だ。
螢がさらに映像を拡大する。
「それだけやあらへん、所々に病院船も交じってるみたいでっせ。」
所々とはいってもこれだけの数だ、病院船の数も凄まじい数であることは間違いない。
展映スクリーンには不安な顔をしたマゾーンの一般人達の表情が映し出されている。
赤子を抱いている者も多く、皆一様に先の見えない長旅に疲弊しきっている顔をしている。
全能なるマゾーンと強がってはいるが、それはあくまで軍関係の者たちだけなのだろう。
一般市民は限界なのだ。
台羽がくそっ、なんて事を!と壁を叩く。
あのソコ、一応アルカディア号内部の壁になるんで結構痛いんで止めてもらっていいですかね…。
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柱島第七泊地大会議室モニター前 北大路花火
巨大スクリーンを前に状況を見守る所属艦娘達。
「マゾーンは非戦闘員を盾にしてアルカディア号に一斉攻撃をかけるつもりです。一体アルカディア号さんはどうなさるおつもりなんでしょうか?!」
皆が思っている疑問を大和が?!
「中央突破、それ以外に道はない、だろうな。」
旗艦を任されることが多い武蔵はこんな時でも迷うことなく次善の策をとる事が出来るのでしょう。
それでも被害は甚大だろうがな、と武蔵がため息をつきました。
「戦うすべのない身内を巻き込むなんて、マゾーンには血も涙もないのかよ!」
「落ち着きなさい、摩耶。いずれにしても私達にはどうすることもできません。」
摩耶をなだめつつも私も唇を嚙み手を握り締めていました。
だって、こんな卑劣なやり方が許されていい訳がないのですから!
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横須賀海軍軍令部独房 パフィオ(波野静香)
「まさかこんな策に出るなんて…。突きつけた刃が己を向いていようとは…、な。これが答えなのかクレオよ…。」
「それで勝利を得たとして我らがマゾーンはどうなるというのだ?!」
連絡用のピアスに手を遣りながらよろめくパフィオ。
独房の壁を叩く彼女の嘆きは宇宙にいるクレオはもちろん、横須賀第一鎮守府所属艦娘の誰にも届く事は無かった。
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火星軌道上マゾーン艦隊旗艦ピラミッダ
「アルカディア号は移民船で完全包囲し、それをゾネスと私のピラミッダがそれを取り囲む。」
「移民船団が非戦闘員の艦と知った今、アルカディア号は後手に回り苦悩の内に自壊するしかあるまい。」
知らぬ間に口の橋が吊り上がる。
だが、アルカディア号にも一応の選択肢は与えてやらねばなるまい。
「今から連中を含む地球人類にせめてもの情けと考える時間をやろう。アルカディア号に通信をつなげ!」
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横須賀海軍軍令部作戦会議室モニター前 真宮寺さくら
「キャプテン、マゾーンからの通信です!」
叫ぶ螢さんにアルカディア号さんは平然と繋げと一言。
「マゾーン惑星王朝王立宇宙軍元帥、クレオである。これより36時間後より開戦するものとする!」
それを聞いたアルカディア号は表情をまったく変えることはありません。
「キャプテンハーロックの宇宙海賊船、アルカディア号だ。」
そういうと彼は立ち上がりました。
「受けて立とう!」
そう返答し腰の剣を抜いて前に掲げると再びクレオというマゾーン高官からの通信が入ったのです。
「地球人類ならびにアルカディア号に告げる。われらの戦いは侵攻ではない。」
「我らは第二の故郷へと帰還しようとしているだけであり、それを妨げているのはあくまでそなた達、地球人類である。」
「そなた達ははるか昔の太古の地球に全能なるマゾーンによって撒かれた種子である。36時間の間にその意味するところをよく考えるがいい。」
信じたくはありませんでしたが、事実を告げられ言葉がないアルカディア号クルー(妖精)達。
いえ、これは地球に残った私達や大神さん、各地の提督達も同様です。
しかし、これにもアルカディア号は動じることはありませんでした。
「クレオといったか…。俺たちは海賊だ。髑髏の旗の下、己の信じる者のためだけに戦う。ただそれだけだ!」
「面白い。信じるモノとやらのために死ぬがいい(笑)。だが、どちらにせよこの私を倒さねば女王ラフレシア様のもとにはたどり着けぬぞ!」
万が一にも自身を突破し、アルカディア号さんが女王ラフレシアの下へたどり着けることはないと相当な自信を持っているのでしょう。
「マゾーンたちはあの種子から生まれた…。いやそれだけじゃない、僕たち人類も…。」
「台羽君、今はそんなことを気にしている場合じゃないわ。それよりもキャプテン、このままでは36時間後にまず無防備な市民船と戦う羽目になってしまいます!」
螢さんが無慈悲な事実を叫びます。
「マゾーンの連中はこれまでも様々な星の侵略してきた連中だ。気にする事は無い、正面から突っ切るべきだ!」
「マゾーンは憎い、でもキャプテン…。」
魔地機関長さんは割り切っていらっしゃるようですが台羽さんはとてもそういうわけにはいかないようですね。
いえ、それは当然といえるでしょう。
私だってそうなのですから。
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36時間後 火星軌道上マゾーン艦隊旗艦ピラミッダ
「やはり動けぬか、アルカディア号よ。」
睨んだ通りの展開となったか(笑)。
これでようやく女王ラフレシア様に安心していただく事が出来る、ようやく肩の荷を降ろせるのだ。
「前方の移民船ごとアルカディア号を打ち抜いてくれる。」
この言葉に多くのマゾーン兵が信じられないといった表情で私を見た。
当然といえば当然であろう。
だがこの程度で迷うようではアルカディア号を討つことなど到底不可能。
知謀に長け多くの偶然を味方につけ、たった1艦でここまで我らマゾーンを苦しめてきた存在なのだ。
「全軍、主砲発射用意!」
※アルカディア号にも…、そしてマゾーン艦隊にも無慈悲ともいえる命令が下されました!
一体ここからどうなってしまうのでしょうか?!