アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※イベントで投稿が遅れてしまいました。
 次回も少し遅れるかもしれません。
 期待せずに待っていただけると幸いです。

※章はアルカディア号とマゾーン前衛艦隊となっていますが、今回からしばらくはアルカディア号が宇宙へと上がった後の地球での動きです。


第171話 帝都御前会議(艦娘側:北大路花火)

柱島第七泊地 大和

 ラフレシアとの対決のために宇宙へと旅立つアルカディア号さん。

 海岸線に沿ってゆっくりと高度を上げる彼を海防艦の子達が追いかけています。

 

 「アルカディア号さーん、俺たち全員で海賊5つの誓いをまもってまってるからなーっ!」

 

 「だから…、だから…、絶対に帰ってきてくれよなーっ!」

 佐渡さんと大東さんが大声で彼に呼びかけます。

 そして全員でその海賊5つの誓いとやらを唱え始めました。

 

 「一つ、腹ペコのまま戦場へ行かないこと!」

 

 「二つ、晴れた日には布団を干すこと!」

 

 「三つ、交通事故には気を付けること!」

 

 「四つ、他人の力を当てにしないこと!」

 

 「五つ、土の上を裸足で走り回って思い切り遊ぶこと!」

 海防艦のキッズ達も走っていますが、やはりゆっくりとはいえ飛行するアルカディア号さんとの距離が開いていきます。

 

 「待ってるからなー!」

 最後に占守さんが見えなくなった空に向かって叫びました。

 ふふ、随分と可愛らしい海賊さんたちですね。

 しかし、どこかで聞いたことがあるような気がするのですが…、はて?

 

 隣を見ると北大路提督の目から涙が伝い落ちていました。

 よく見ると翔鶴さんや赤城さん、どんな時でも明るさを忘れない伊勢さんと金剛さんも…。

 

 「どうして私たちはこうも無力なのでしょうか…。」

 翔鶴さんが彼の飛び去った空を見上げながら呟きました。

 

 「本当ですね。ライトセイバーとか未来の兵装を頂いても出来る事なんて限られていますのに。」

 マゾーン…。

 私もまだ波野静香さんことパフィオしか見たことがないのですが、あまりにも未知過ぎです。

 そんな連中が宇宙を埋め尽くすほどの宇宙艦隊を組み地球へと押し寄せてくる。

 しかもかなり高度な文明を持ち、武装も地球性のモノより遥かに優れていると…。

 未だに彼の消えた方角を見つめる北大路提督の肩に鳳翔さんの手が置かれました。

 

 「さあ、戻りましょう。私達にも出来ること、やる事があるはずですから。」

 ところが建物へと戻った私達を待ち受けていたのはこれ以上ない残酷な知らせでした。

 

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柱島第七泊地執務室:北大路花火

 「何ですって?! それは本当なのですか?!」

 思わず大声を出してしまいましたが仕方ありません。

 真宮寺長官からもたらされたあまりにも無慈悲な知らせ。

 さらに私が大きな声を出してしまったせいで、執務室にいた皆が不安そうな目をこちらに向けています。

 

 「全員を大会議室に集めて下さい。」

 大淀に所属艦娘全員を食堂へと集めるように伝え、私も大会議室へと足を向けました。

 

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柱島第七泊地大食堂:北大路花火

 大会議室の扉を開くともう既に全艦娘が集まっていました。

 ただならぬ雰囲気を感じたのでしょう、皆一様に緊張した面持ちで座っています。

 

 「先ほど、真宮寺長官より緊急連絡がありました。深海棲艦達が大挙してこの日本に押し寄せてきているそうです。」

 この私の言葉に会議室は蜂の巣を突いたような大騒ぎになりました。

 

 「提督、大挙とはいうが一体どれぐらいの数なのだ?」

 喧騒が少し落ち着いてきたころに武蔵から声が上がりました。

 もっともな質問ですが、これに対し私は何と答えればよいのでしょうか。

 

 「海を広範囲にわたり黒く染める…、数える事が出来ない程だと聞いています。現在、太平洋を日本に向かっていると。」

 「おそらく目標は帝都で間違いないでしょうが、相手の侵攻目標が明確になった時点で全鎮守府・泊地・警備府・基地の艦娘を全員集合させそこで迎え撃つとのことです。」

 ここで再び大騒ぎになるかと思ったのですが、逆に水を打ったように静まり返ったのです。

 

 「陸軍を含めた国内の全提督と緊急会議が行われます。もちろん私も直ぐに帝都に向かいます。」

 「そのまま私を含む全提督が残って皆さんに上京していただくか、一度ここへと戻るかどうか現在では何とも言えません。」

 「ですが皆さんにはかなり過酷な戦いを強いることになると思います。間違いなく全員でここ柱島第七泊地に帰還することは…、できませ…ん。」

 「ごめんなさい…。」

 最後まで言い切る事が出来ず私は顔を覆ってしゃがみ込んでしまいました。

 司令官としてはみっともない姿ですが、あの娘達にすれば今、隣に座っている艦娘が帰ってきたときにはいないかもしれない。

 ましてやそれが姉妹艦だとしたら…。

 

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帝都御前会議:北大路花火

 「以上になります。」

 真宮寺長官が絶望的なまでの深海棲艦が帝都に侵攻中であり、現在の戦力ではとても帝都を守り切れないことを述べ席に着きました。

 

 「もちろん、海軍としましては全戦力を持って迎撃に当たります。しかし戦力差があり過ぎるのも事実となります。」

 「つきましては市民に海岸線から離れた遠くへと避難命令を出すことをお許し頂きたいのです。」

 大神元帥さんが陛下に向かって頭を下げました。

 

 「お待ちください、陛下。」

 あれは?!

 陸軍大臣代理である天笠士郎!

 京極前陸軍大臣が戦死(世間にはそうなっています)してからは、陸軍トップメンバーの一人になりした。

 海軍の方が力が活躍しているのが面白くないのでしょうか。

 またしても横槍を入れてくるなんて。

 

 「どうやら海軍さんはこの国を守る気がないようです。我が陸軍であれば帝都、いや日ノ本のどこであれ十分に守り切る事が出来ます。」

 「腰抜けどもの泣き言に耳を傾ける必要など微塵もありません。それこそ戦う前から敵に背を向けるなど帝国軍人としてあるまじき。帝都防衛、いえ大日本帝国の防衛はどうかこの陸軍にお任せ下さい。」

 大業な身振り手振りでそう述べた後、天笠は着席しました。

 

 「天笠大臣代理、何を言ってるんですか!」

 真宮寺長官が鬼の形相で立ち上がりました。

 

 「これだけの大群を一体どうやって被害もなしに食い止めるというのです! 海軍だって考えなしではありません!」

 長官は映像が映し出されたモニターを示しながらさらに捲し立てます。

 

 「海軍も全身全霊を持って迎撃に当たります。ですがそれでも市街や市民に被害が出ることは避けられません!」

 その通りです。

 そうでなければ誰がこんな依頼などするものですか。

 バレない程度に机の脚を軽く蹴ってしまいました。

 あっと…、子爵令嬢にあるまじきですね。

 まあ心の声ですから良いでしょう(笑)。

 

 (安心して。私もあなたと同じ意見ですわ。)

 神崎先輩?!

 

 (そうね、御前会議でなければ私の銃でアイツのピー(だいじなところ)を撃ち抜いてるところよ。)

 マリアさんまで?!

 いえ、それ以前にどうして私の考えていることが分かったのでしょうか。

 ひょっとしてアルカディア号さんに抱かれた影響なんでしょうか…。

 彼を通して何かが繋がってしまったのだとしたら、それはそれで何か嫌です(泣)。

 

 「では海軍さんはどうやって迎撃するつもりなのか? ぜひお聞かせ願いたい(笑)。」

 天笠の顔に薄ら笑いが浮かんでいます。

 

 「それについては私から。」

 真宮寺参謀長が立ち上がりました。

 

 「ただでさえ戦力差が大きい中での迎撃となるため、絶対に艦娘の轟沈は避けなければならない。」

 「よって海上ではなく海岸線や埠頭といった陸上から迎撃を行います。」

 真宮寺参謀長がそう述べた途端、陸軍の連中が笑い出しました。

 

 「何とこれは。本来であれば部下を失っても日ノ本を守るべき立場であるのが軍人。だというのに海軍さんはよほど命が惜しいと見える。」

 

 「そんなことは貴様にあらためて言われるまでもなく分かっている。だが、それでは少ない戦力があっという間にさらに少なくされてしまうだけに過ぎない!」

 「もちろん戦いにおいて死力を尽くすのは我が海軍とて同じ。決して臆病風に吹かれたわけではない。少しでも相手の戦力を削ぎ少しでもこちらの戦力を保つための作戦なのだ。」

 

 「ならば海軍はその『命大事に』とやらの作戦を実施するがよかろう。我が陸軍は陸軍で迎撃作戦を展開させていただく。」

 「どちらが正しく正義であったかはその時に分かるだろう。」

 陸軍の連中が一斉に立ち上がりかけたその時です。

 陛下が静かに口を開かれました。

 陸軍のそれは人命軽視の作戦ではないのかと訊ねられたのです。

 それに対し、天笠は決してそんなことはありませんと返答したのですが、かなり慌てた様子でした。

 念を押す陛下に対し、もちろん一大防衛戦となる以上、少なくない犠牲は出ますが…、と歯切れが悪い様子。

 そんな天笠を陛下はじっと見つめておられましたがくれぐれも犠牲を前提とした戦いは避けるようにとおっしゃられると席を立たれました。

 またその時に避難命令は海軍の判断で早めに出すようにとのお言葉を頂きました。

 

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大本営:陸軍大臣室

 「木喰!」

 天笠が一人の男の名を呼ぶとどこからともなく一癖も二癖もありそうな老人が姿を現した。

 

 「戦車娘を機械的に改造した降魔兵器の準備は整っておるのか?」

 

 「もちろん。海軍のように正義の力や聖なる力をなどとやっていては得られるモノも得られまい。」

 「やはり手っ取り早いのは魔の力を利用することじゃて。」

 

 「よし、それでは陸軍航空隊妖精と降魔兵器を横須賀と帝都に集めるのだ。」

 それを聞いた木喰とやらは自らの研究結果を出せる機会が訪れたことに、天笠はこれからは陸軍の未来を想像し卑下た笑みを浮かべるのだった。




※アルカディア号が宇宙へ上がった途端、深海棲艦達が一斉に押し寄せ始めました。
 これはどこかに情報を流しているスパイがいるのかもしれません。
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