アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※今回は短めのお話です。

※いよいよクライマックスに突入か?!
 生体反応消失の9名は一体どうなってしまったのでしょうか?!


第173話 浦賀水道攻防戦2(艦娘側:軍令部高雄)

デスシャドウ島大会議室

 少しの静寂を置いたあと、提督さん達と私達艦娘は大騒ぎとなりました。

 だって軍令部からの生体反応がすべて消失したんですよ?!

 まず、真っ先に動いたのは北大路提督の盟友でもあるグリシーヌ・ブルーメール提督でした。

 

 「貴様、いい加減なことを言うな! いくら軍令部所属の大淀でも許さんぞ!」

 大淀(軍令部)さんの前にあるコンソールに両手を叩き付けます。

 

 「大淀、貴女の機器からも生体反応が消えたの?!」

 神崎提督も自ら指揮する横須賀第一鎮守府の大淀に確認を取りますが…。

 いつも気丈に振る舞われるあの神崎提督の声が震えてる?!

 でも現実は非情でした。

 その横須賀第一鎮守府の大淀さんも首を横に振ったのです。

 

 痺れを切らしたブルーメール提督が一番近くにいた大淀から奪うようにしてヘッドセットとスコープを装着しました。

 真宮寺長官は呆然とモニターを見つめたまま。

 大神元帥も何かの間違いであってくれと祈るような面持ちです。

 その隣では必死に北大路提督の名を呼び続けるブルーメール提督が。

 

 と、突然に一人の赤城さんが立ち上がりました。

 北大路提督の率いる柱島第七泊地の赤城さんです。

 顔をグシャグシャにしながら部屋を飛び出そうとする彼女ですが、タチバナ提督が待ったをかけられてしまいました。

 離して下さいと必死に叫ぶ赤城さん。

 見ている私達まで心が締め付けられます。

 

 「シャトルは軍令部の方へ行ったままなのよ。それでどうやって行くつもりなの?」

 未だ深海棲艦群の攻撃が止まぬ中、タチバナ提督のおっしゃる通りあちらへ戻る術はありません。

 床に崩れ慟哭する柱島第七泊地の赤城さん。

 提督と僚艦である加賀さんを失った悲しみは如何ばかりでしょうか。

 私だって長官と愛宕や摩耶・鳥海を一度に失う事を思うと…。

 

 いえ柱島第七泊地の赤城さんだけじゃない、他にも所属艦娘全員、エリカ提督のラバウル基地の艦娘もパニックになっています。

 もちろんタチバナ提督が冷徹な訳ではない事は全員が良く知っています。

 今、行かせてもどうにもならない、それどころか二次・三次へと被害が拡大していく可能性の方が高いと判断されたのでしょう。

 

 爆炎が収まってきたのでしょうか、大淀さんの映像回復しますという声が。

 真宮寺参謀長が真っ先にシャトル乗り場のカメラへとチャンネルを切り替えます。

 ですが、そこには何もありませんでした。

 いえ、あったのは瓦礫と土砂の山だけ。

 と、その中で何かがキラリと光るモノが。

 あれは…。

 北大路提督がアルカディア号さんから頂いたという指輪?!

 いえ、指輪だけではありません、北大路提督の肘から先が土砂の中から出ているのです!

 その時、再び深海棲艦群の砲撃が近くに着弾しました。

 と、その衝撃で腕が土砂の斜面を転がり落ちたのです!

 私達は北大路提督が埋まっていると思っていましたが、実際は千切れた腕が転がっていただけだったなんて…。

 

 狂ったように叫びながら部屋を飛び出すブルーメール提督。

 ですがタチバナ提督のおっしゃる通り、シャトル発着場のドアが開けられず(当たり前ですね)彼女は大神元帥に連れ戻されました。

 未だ深海棲艦群の攻撃が続いている事ですし、無理もありません。

 

 「やはり私が後に残るべきだったのだ! 私の、私のせいで花火がこんなことに!」

 「これではブルーメール家は北大路家に顔向けできぬ! 私も今すぐ!」

 そう叫ぶとブルーメール提督は銃を抜き自らに向けました。

 いけません、彼女は北大路提督の後を追うつもりです!

 次の瞬間、乾いたパンという音がこのデスシャドウ島大会議室に響き渡りました。

 全員の頭を最悪の事態がよぎりますが、銃声の正体はタチバナ提督のエンフィールドNo.1。

 

 あまりの事に私達の誰もが動けなかった中、タチバナ提督だけがエンフィールドNo.1を抜いてブルーメール提督の銃を弾き飛ばしてくれたのです。

 今度は我に返った大神元帥がブルーメール提督を張り飛ばしました。

 それも見たこともない鬼のような形相で、です。

 

 「花火君がそんなことを望むと思うのか! 彼女は自らの命と引き換えにグリシーヌ、君を逃がしたんだぞ。そんな花火君の想いを君は無駄にするというのか!」

 

 「なら…、なら私はどうすればいい! 私のせいで花火は、いやエリカも影山提督も…、柱島第七泊地の大和・武蔵・日向・霧島・翔鶴・加賀までもが死んだんだぞ!」

 私が殺したんだと泣き叫びながら床に突っ伏すブルーメール提督。

 もはや誰も声を掛ける事が出来ません。

 

 「横須賀第一鎮守府の艦娘達に告ぎます。今すぐにドックへ向かい再出撃の準備をなさい。もちろん各種の補給もですわよ。」

 神崎提督が以外にも横須賀第一鎮守府の艦娘達に入渠指示を出しました。

 

 「神崎中将?!」

 

 「まだ深海棲艦群の攻撃は続いているんだぞ?! 再出撃なんてそれこそ自殺行為だ。許可するわけにはいかない!」

 

 「花火さんは…、私達の大切な仲間でした。エリカさんも抜けているところはありましたけれど暖かな心を持った方でしたわ。」

 「影山提督もようやくタウイタウイ第二泊地の立て直しつつあった矢先でしたわ。文字通り憑き物が落ち生まれ変わった彼女はすでに私達の大切な仲間ですわ。」

 神崎提督からは、いえ横須賀第一鎮守府所属艦娘達からも弔い合戦に出る意思がありありと感じられます。

 それでも真宮寺長官と大神元帥が止めようとしますが…。

 

 「お二人がそこまで仰られるなら、神崎中将をここで拘束するべきね。どうあってもこの人は命令違反をするつもりよ。」

 そう進言するタチバナ提督と神崎提督の間で火花が散ります。

 

 「ところで真宮寺長官、ここデスシャドウ島の独房の数はいくつあるのかしら?」

 エンフィールドNo,1をホルスターに収めながらタチバナ提督が訊ねました。

 不思議そうな顔をするお二人でしたが…。

 

 「私の、いえ私達の分も用意しておいてもらわないと困るのだけど。」

 タチバナ提督の言葉を待っていたかのように他の提督さん達も立ち上がりました。

 

 「あなた達…。」

 信じられないといった表情の大神元帥と真宮寺長官。

 

 「いろいろと覚悟はできてるさ。その上であたい達は全員やるって言ってるんだよ(笑)。」

 

 「カンナ君?!」

 

 「あくまでも行かせないというならば…。」

 

 「お二人といえども力ずくで通らせていただくまで。」

 ロベリア提督と藤枝提督が一歩前に出ます。

 

 「大神さん…。」

 

 「うむ。」

 

 「止むを得ません、軍令部所属艦娘に告ぎます! 提督達を何としてでも止めなさい!」

 ついに真宮寺長官が私達に命じました。

 

 「あなた達?」

 ですが私達軍令部所属の艦娘だれもが動こうとしません。

 もちろん、この高雄もです。

 

 「長官よ、我々を見くびってもらっては困る。我々も同じ気持ちなのだ。」

 武蔵さんが私達を大行して前に出ます。

 

 「長官、行かせてください。別に今すぐでなくても構いません。弾薬、燃料を使い果たした奴らが引く時が勝負です。」

 「幸いにも装備で負けていた訳ではありません。むしろ圧倒していたぐらいです、お願いです!」

 赤城(軍令部)さんも直訴しますが、真宮寺長官の表情は厳しいまま。

 と、その時です。

 スクリーンを見つめていた宿毛第一の大淀さんの声が響き渡りました

 

 「強力なエネルギー反応を探知しました、しかもどんどん大きくなっていきます!」

 




※次回は新たなる戦力が登場します(予定)!
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