アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※アルカディア号の心強い仲間が勝手に増殖していく…。


第175話 浦賀水道攻防戦4(艦娘側:北大路花火&柱島第七泊地大和)

デスシャドウ島大会議室(神崎中将)

 「中央を突破した深海棲艦と艦載機の数が急激に減っていくわ!」

 真宮寺長官が展映スクリーンを見ながら叫びましたわ。

 

 「わからん、だが今度も9名のうちの誰かだとは思うが。」

 

 「ですがお父様、一体どうして加賀と翔鶴があんな進化を?」

 

 「わからん。二人とも改二ではあったが危機に際してさらに進化したとしか…。」

 長官と参謀長が話をしている隣で神崎中将がスクリーンを指さしました。

 

 「あ、あれ…。花火さんではなくて?」

 全員の目がスクリーンに釘付けになります。

 そこにはどこか有機物的な艤装を装着した北大路提督の姿が!

 

 「北大路花火、いえ万能戦艦ニューノチラス号、参ります!」

 いつの間にか現れた軍楽隊妖精さん達がトランペットを朗々と鳴らしBGMを奏で始めると北大路提督の艤装に装備されている小型の前翼と大型の後部主翼がゆっくりと開き始めました。

 

 「「「「「万能戦艦?!」」」」」

 「「「「「ニューノチラス号?!」」」」

 

 「ここから先は一歩たりとも通しません!」

 私達の混乱をよそに北大路提督はそう宣言すると縦横無尽に大空を舞い始めました。

 

 「信じられん、あれだけの強烈な推進力を平然と…。」

 

 「それはあの二対、計四枚の翼があればこそです。」

 

 「ええ、4枚とも可動式という翼がなせる技ですね。あれで縦に4つ並んだ強力な噴射口のパワーを受け止めているんです。」

 大神さんの疑問に明石と夕張が答えました。

 流石は技術者といったところでしょうか。

 

 砲身の無い砲塔が高速で回転し深海の艦載機に対空弾がバラ蒔かれるとタコ焼きと怪鳥は撃ち落とされるではなくその場で爆散という運命に。

 あらゆる方向に発射される反則じみた弾幕が空を黒く覆いつくす相手艦載機を次々と血祭りにあげていきます。

 海上にいる鬼や姫級達もこの恐るべき北大路提督の出現に気付いたのでしょう、狙いを北大路提督に定めたようです。

 ですが地上から上空と上空から地上ではどちらが有利か子供でも分かる事。

 自慢の主砲は北大路提督にはほとんど当たりません。

 当たっても艤装の表面で派手に爆発するだけでまったく北大路提督には効いている様子はありません。

 片や北大路提督の主砲から打ち出された砲弾、いえ青白い光線が海上を一撫でする度に夥しい数の深海棲艦達が弾け飛びます。

 深海棲艦達も戦法を変えたのでしょう、鬼姫達だけではなく戦艦勢を加えた一斉射で北大路提督を狙い始めました。

 

 「ヤッタゾ!」

 鬼姫達から歓声が上がりました。

 何度目かの主砲一斉射が北大路提督に命中したのです!

 

 「「「「「花火さん!」」」」

 私たち提督達と柱島第七泊地の艦娘達からは悲鳴が!

 あんなものをまともに喰らってしまったのです。

 最悪の事態が私達の頭をよぎります。

 ですが爆炎が晴れた後には、無傷で立っている北大路提督が!

 

 「バカナ! アレダケノ攻撃ヲ受ケテ無傷ダト?! ソレニアイツハ人間ダッタハズダ、ソレガ何故?!」

 南方棲戦姫が目の前の理不尽に向かって狂ったように主砲を撃ち続けますが、もはや北大路提督は避けようともしません。

 その必要さえ無いのでしょう。

 

 「愚かですね(愚か者)…。私の体を鉄に変えたのは誰だったかしら(私の体を鉄に変えたのは誰だったかね)?」

 唖然としている南方棲戦姫達を見下ろす北大路提督。

 デスシャドウ島大会議室内に大歓声が沸き起こりました。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

大和とヤマトの魂

 …。

 ここは?

 気が付けば真っ黒な空間。

 直前までの事を考えると私は陸上で轟沈を起こしてしまったのでしょう。

 そして目の前には光の玉が浮かんでいました。

 私が気付くとそれはスーッとこちらに向かってきたのです。

 

 (貴女は…、誰?)

 目の前で止まった光の玉に話しかけたのですが返答はありません。

 私の胸の前で消えたり灯ったりを繰り返しています。

 そして一際大きく光を放ったかと思うとその光の玉は私の中に入ってきました。

 その途端、私の頭の中に一気に様々な記憶が流れ込んできたのです。

 真っ赤になって干上がってしまった地球。

 異形の艦との交戦。

 大半が海に覆われた美しい惑星…。

 これは…、私の知らない船の記憶?!

 

 え、大…、マゼラン…、星雲?

 

 14万…、8千光年…、ですって?!

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

ヤマトから大和に(託された想い)

 そう、あなたはそんな遠くまで旅をしてきたのね…。

 意識を取り戻し目を開けた私が最初に見た光景は土砂に埋まってしまった自分の半身。

 そして見たことが無い妖精さん達。

 その中の一人、立派なおひげを蓄えたずんぐり体系の艦長らしき方が他の妖精さん達に指示を出しています。

 まだこの状況を理解出来ていない私の事を思ってでしょうか。

 そこへ深海棲艦の艦載機による至近弾が私の周りに次々と着弾し始めました。

 

 「艦長、まだ私は戦えないのですか?!」

 

 「まつのだ、ときがくるのを(待つのだ、時が来るのを)…。」

 焦りから思わず大きな声を出してしまった私を艦長らしき方が制しました。

 

 「ほじょえんじん(補 助 エ ン ジ ン)えねるぎーじゅうてん99%(エ ネ ル ギ ー 充 填 9 9 %)しどうかいろちぇっくせよ(始動回路チェックせよ)!」

 ようやく動けるのかと喜んだのもつかの間、妖精さん達からは回路作動しない、補助エンジンが動かないぞ、といった絶望的な返答が。

 

 「ほじょえんじん(補 助 エ ン ジ ン)うごかぬわれわれはひんしのたぬきだ。(動かぬ我々は瀕死の狸だ)

 艦長らしき方がそう呟きました。

 その間にも絶え間なく深海棲艦の艦載機による攻撃は続いています。

 

 「艦長、このままでは何しない内に私は使い物にならなくなってしまうではありませんか!」

 私は焦りから再度、叫んでしまいました。

 

 「かんちょう(艦 長)!」

 妖精さん達も艦長に詰め寄ります。

 が、艦長はそれを一喝しました。

 

 「うろたえるな(狼狽えるな)!」

 私も妖精さん達も思わず縮み上がるほどの迫力。

 それだけでこの方は幾多の激戦を潜り抜けた戦士だという事を理解しました。

 

 「第一艦橋、第一スクリーン準備よし(第一艦橋、第一スクリーン準備よし)!」

 機関妖精さんから報告に艦長らしき方がパネルのボタンを押します。

 するとどうでしょう?

 アルカディア号さんと同じような私の計器パネルに灯りが!

 同時に私を狙う艦載機を発艦させた空母棲鬼と空母棲姫が映し出されました。

 

 「艦長、このままでは私は滅茶苦茶になってしまいます。まだ動けないんですか?!」

 憎い敵が目の前にいるというのに何もできないという悔しさ。

 

 「ほじょえんじんちぇっくかんりょう(補助エンジンチェック完了)! えねるぎーじゅうてん120%(エネルギー充填120%)!」

 「かいろよし、きどうしりんだーじゅんびよし(回路よし、起動シリンダー準備よし)!」

 それを聞いた艦長らしき方はカッと目を開きました。

 

 「そういんはいちにつけ(総員配置につけ)! ほじょえんじんしどう5びょうまえ(補助エンジン始動5秒前)ほうらいげきせんようい(砲雷撃戦用意)!」

 ついに…、ついに動けるのですね!

 

 「うちゅうどうりょくせんこんたくと(宇宙動力線コンタクト)! めいんえねるぎーすいっちおん(メインエネルギースイッチオン)! せんたいおこせえっ(船体起こせえっ)!」

 先ほどよりも多くの計器パネルが点灯し不思議な音と共にさらに全身に凄まじいエネルギーが満ちていきます!

 補助エンジンだけでこれほどの力とは!

 メインエンジンは一体どれだけの力を持っているのでしょうか?

 

 「ほじょえんじん、りょうげんぜんそく(補助エンジン、両舷全速)! とりかじいっぱい(取舵一杯)!」

 艦長妖精さんの号令が下るとついに私の体が動き出しました。

 軽く力を入れただけで地面にひびが入り土砂に埋まっていた体が難なく地上に。

 

 「しゅつりょく120%、どうりょくでんたつ(出力120%、動力伝達)。」

 

 「しょっくかのんほういばん、さどうかいし(ショックカノン方位盤、作動開始)。」

 

 「もくひょう、くうぼせいきとくうぼせいひ(目標、空母棲鬼と空母棲姫)しゅほう、ぜんじどうしゃげき(主砲、全自動射撃)!」

 今まで好き勝手してくれたお返しとばかりに妖精さん達も俄然やる気モードです。

 

 「距離12宇宙キロ、上下角45度、仰角自動追尾。第三主砲、0.3秒遅れです、修正を。」

 赤服のイケメン妖精さんに指示を出します。

 三連装主砲三基が空母棲鬼と空母棲姫に指向し全砲身も綺麗に仰角が揃いました。

 それにしても発射前にここまで詳細な射撃用データが採れるとは。

 これなら外すことはまず無いでしょう。

 

 「全員、ショックに備えて下さい! 主砲発射!」

 次の瞬間、私の主砲から力強い光の束が空母棲鬼と空母棲姫に向かって伸びていきました。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

深海棲艦大規模横須賀侵攻部隊

 「オイ、サッサトコチラニ攻撃のリソースヲマワセ!」

 空母棲鬼と空母棲姫にイライラをぶつける戦艦棲姫。

 無理もない、戦艦棲姫からすれば死体(大和)蹴りを続けるより少しでも侵攻作戦に戦力を回してほしいと思うのは当たり前の話である。

 

 「フン、偉ソウニ指図スルノハ止メテモラオウ。戦艦ナド我々ノ艦載機デ守ッテヤラネバ役ニ立ナイトイウノニ(笑)。」

 

 「相手ノ艦隊二化ケ物ミタイナ艦ガ複数現レタトイウ情報ガ入ッテイル! 作戦ヲ成功サセタケレバ、イヤ死ニタクナケレバ全力ヲ尽クセ!」

 戦艦棲姫が必死で呼びかけるも自分たちの方が上であると思い込んでいる空母棲鬼と空母棲姫は要請に応じる気など更々ないのだ。

 まだ何か言おうとした戦艦棲姫だったが、何か得体のしれない嫌な予感がし、その場から少し距離を取った。

 次の瞬間、高速で伸びてきた光が空母棲鬼と空母棲姫に突き刺さった。

 光が通り過ぎた後、そこには二人の姿はなかった。

 爆散したのであれば艦娘側の新兵器だと理解できただろう。

 だが不思議な音がして光が通過しただけなのだ。

 もちろん悲鳴も聞こえていない。

 それなのに一瞬であの二人は蒸発したかのように消えてしまった。

 

 「オイ、空母棲鬼、空母棲姫。ドコダ?」

 戦艦棲姫が周りを見渡した事を誰が責められるだろうか。

 だがそれは致命的なスキだ。

 先程と同じ音と光、それが彼女が最後に見たモノとなったのである




※ついにあの艦娘二人が登場しました。
 以前、読者の方からヤマトが来た場合、大和とヤマトの関係はどうなるのかという感想がありましたがこのようになりました。

※次回はどんな宇宙艦がくるのでしょうか?!
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