アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
アルカディア号、ドクラスのもとへ!
一瞬とはいえドクラスまでの道が一直線に開けました。
艤装こそ大破に近い状態のアルカディア号さんでしたが、エンジンは無傷です。
マゾーン艦娘達が必死で進路を妨害しようとしますが、アルカディア号さんがその一瞬を逃すはずがありません。
ついに彼がドクラスの目の前に立ったのです!
「アルカディア号よ、貴様はなぜ戦う?」
二人はしばらく見つめ合っていましたが、ドクラスが彼に何故そうまでして戦うのかと訊ねました。
「俺が戦うのは誰のためでもない、俺自身が信じる物のために戦う…、少し前まではそう思っていた。」
「思っていた、だと?」
「そうだ。だが今は俺自身が大切に思う人や場所を守るためといった理由が加わった。」
花火や翔鶴、神崎閣下やタチバナ閣下をはじめ私達という存在ができたからだとハッキリと宣言して下さったのです!
「よってドクラス、貴様には負ける訳にはいかん。」
アルカディア号さんが重力サーベルを構えました。
「それはこのドクラスとて同じこと。このマゾーンのキャラバン艦隊を率いる者として今ここで貴様を始末する。」
ドクラスも重力サーベルを構えました。
これでもうどちらも後戻りはできません。
「受けて立とう。」
「負けた方が!」
「地球から!」
「「去ることになる!」」
小惑星の上で二人が同時に踏み込みました!
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両雄、ついに激突!
マゾーン船団の陣営の真ん中でアルカディア号さんとドクラスが剣をふるう音が響きます。
私の喉が渇いてるのは、先ほどまでの戦闘による疲労のせいだけではありません。
目の前に立つドクラスが重力サーベルを抜いた途端、凄まじい重圧感が私達に襲い掛かってきました。
もっともそれはマゾーン艦娘達も同じようで、アルカディア号さんの放つ凄まじい殺気に指一本動かす事が出来ずにいます。
重力サーベルを低い構えで保持し、寸分の隙も見せずにアルカディアの動向を窺うドクラス。
その瞳は冷静にアルカディア号さんの動きを観察しています。
「さすがはキャプテンハーロックの乗船といったところか。だがそれでも私を倒すことは出来ない。」
言うが早いか重力サーベルを構え直したドクラス、その彼女の身体が疾風となって躍り出ました。
「ふっ!」
アルカディア号さんも真っ向からその一撃を受け止めます。
バチバチッ!と耳を裂く電磁音が辺りに轟き、宇宙空間に火花が飛び散ります。
アルカディアさんが力で押し込もうと剣を捻れば、ドクラスは身を翻してその力を受け流し返す刀でアルカディア号さんの脇腹を狙います。
アルカディア号さんはその剣を横に受け流すと下から切り上げるように剣を滑らせました。
次の瞬間、アルカディア号さんの脇腹から、ドクラスは右腕から鮮血が!
「やるな。」
「そちらこそ(笑)。」
お互い傷は深くなさそうですが、見ているこちらは生きた心地がしません。
こんな事を言うのは何ですが、この時の私は地球よりも彼の身の方が大事だったのです。
二人が繰り広げる死闘の周囲では敵味方を問わず固唾を飲んでこの激しい決闘を見守っていました。
いえ、あまりの攻防に誰も身動きできなかったという方が正しいでしょう。
この二人の空間だけは、不可侵の聖域であるかのように二人の気迫で満たされていました。
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マゾーン艦娘:カサンドラ
激しく切り結ぶ二人の乱れを突くように、視界の端で一人動く影があった。
ドクラス様の側近であるクレオだ。
彼女は取り巻くマゾーン艦娘達の後ろから滑り込みアルカディア号の背後へとまわった。
その手には、黒く光る銃が確認できる。
クレオはニヤリと笑みを浮かべると、アルカディア号の背中に銃口を向けた。
ドクラスの攻防に必死なアルカディア号には背後に迫る気配に気づく余裕など無い。
「ぐっ?!」
だが悲鳴を上げたのはアルカディア号ではなく当のクレオであった。
たとえ女王陛下のためとはいえ、卑劣な助太刀を許さない者がいたのだ。
波野静香、いやマゾーン名パフィオ。
彼女の投擲したナイフがクレオの手から銃を弾き飛ばしたのだ。
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波野静香が?!
「パフィオ、貴様?!」
ドクラスが叫びます。
まさか配下の重鎮がまさかこのような卑怯な行動をとるとは思わなかったのでしょう。
不意打ちが阻止されたことによる一瞬の混乱の中、ドクラスが攻勢に転じました。
クレオに目を向けたアルカディア号さんにできた一瞬のスキをドクラスは見逃さなかったのです。
「悪いが終わりだ、アルカディア号!」
ドクラスの鋭利な連続攻撃の前に、アルカディア号さんの体勢はさらに崩されていました。
私達からも悲鳴が上がります!
アルカディア号さんも体勢を立て直そうとしたのですが、その瞬間、ドクラスの強烈な横払いが!
バランスを失ったアルカディア号さんが膝をつきます。
見上げる視線の先には、完璧なトドメの体勢に入ったドクラスの姿が!
「もらった!」
圧倒的な間合いの支配。
勝ったと思ったのでしょう、ドクラスの瞳に確信が宿ります。
「いくらあがこうが同じ事! 一度膝をついた体勢はそう簡単に立て直せるものではないっ!」
一気にとどめを刺そうと大きく跳躍するドクラス。
しかしアルカディア号さんも思考よりも先に戦士としての本能が動いたのでしょう、床に落ちていたクレオの銃を蹴り飛ばしたのです。
回転しながら落下したその銃が着地したのは、皮肉にも、アルカディア号さんへ向かって足を着地させようとしたドクラスの足元でした。
ガツッ
「な——!?」
硬い金属の筒の上に体重を乗せてしまった瞬間、ドクラスの足元が滑ります。
踏み込んだ力がすべて横方向へと逃げ、彼女の完璧だった体勢は、一瞬にして大きく崩れました。
「くっ…!」
頭上に掲げられていた剣が空を切り、ドクラスの体が斜め後ろへと大きく傾きます。
彼女の表情から冷徹さが消え去りました。
そのわずかな一瞬が、スローモーションのように遅くなります。
アルカディア号さんは再びしっかりと立ち上がると自らの重力サーベルを握り直し、地を這うような姿勢から一気に前に出ました。
「ふんっ!」
体勢を崩し、空を仰ぐ格好になったドクラスの懐へ、彼は一気に身を躍らせました。
一瞬前までの絶望的な優劣が、たったひとつの銃によって完全にひっくり返ったのです。
しかも皮肉なことに彼女を助けようとした味方の(卑劣な)行為によって…。
回転の勢いを乗せた彼の重力サーベルが横なぎに一閃しました。
ガキィィンッ!
姿勢を失いながらも咄嗟に剣を交差させようとしたドクラスでしたが、体幹の軸を失った状態では、アルカディア号さん渾身の一撃を受け止めることなど不可能です!
跳ね上げられたドクラスの重力サーベルが宙を舞い、宇宙空間へと弾き飛ばされました。
小惑星の上に背中から倒れ込むドクラス。
そしてその首元にはアルカディア号さんの重力サーベルが!
二人の荒い息だけが響き渡る中、誰もが二人の決着を察したかのように静まり返っていました。
マゾーン艦娘達も、自分たちの指導者の喉元に剣が突きつけられている光景を目にして固まっています。
ドクラスは喉元に突きつけられた剣先からゆっくりとアルカディア号さんの顔を見上げました。
「完璧な踏み込みだったはずだが、計算外の事象が発生した。貴様の悪運が味方したのだな。」
そう言ってドクラスは目を閉じ、自らの負けを認めるように両手を地面に広げたのです。
「部下が助太刀をしようとしなければそのまま俺が負けていた可能性が高かった。」
剣先をぴたりと止めたまま、彼は静かに答えました。
「私の負けだ。後は好きにするがいい。」
アルカディア号さんは剣を引くと、ゆっくりと息を吐き出し重力サーベルを鞘へと収めました。
勝敗は決したのです!
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マゾーン艦娘:カサンドラ
誰もが声を出せなかった中、倒れた敵を見下ろすアルカディアの背中に、地球艦娘達の足音が駆け寄っていく。
「パフィオ、貴様!」
奴を中心に歓喜の輪が広がる中、クレオの怒りが爆発した。
貴様が邪魔をしなければ我がマゾーンは勝っていた、というものだ。
周りのマゾーン艦娘達も次々と声を上げ始める。
「静まれ!」
だが、そんなマゾーン艦娘達をドクラス様が一喝する。
一瞬で静まり返るマゾーン艦娘達。
さらにドクラス様はパフィオへ目で合図を送った。
黙って頷いた彼女は両手を広げ全員に聞こえるように叫ぶ。
「正々堂々とここまで乗り込んできた者に対して卑劣な手段をもって応えるのが我らマゾーンの流儀なのか?!」
さらにパフィオはクレオを真っ直ぐに見つめる。
「伝統と誇りあるマゾーンとドクラス様に傷が付く、私はそれが許せなかっただけだ。」
「しかし、貴様のせいで女王陛下は、ひいては我々マゾーンは地球を失ってしまったのだぞ!」
クレオも一族の命運がかかっていた、だから仕方なかったのだと。
だがそんな我々にアルカディアから信じられない一つの答えが提示されたのだ。
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アルカディア号とドクラス
「ラフレシア、いやドクラス。一族を率いる長としてのお前の立場と苦労はよくわかる。だが、だからといって今いる者達を受け入れずに滅ぼすのは認められん。」
彼は未だに立ち上がれないドクラスに背を向けました。
「金星近くに新天体であるセラ(セリア)という地球に似た惑星がある。お前達の祖先がかつて古代において入植し基地を築いていた惑星だ。」
彼はそのまま翻ったマント越しにドクラス、いえマゾーン艦娘達に新たな可能性を示したのです!
私達だけでなくマゾーン艦娘達までもが信じられないといった目を向けました。
そこに新たな故郷を築くようドクラスに座標・情報まで提示したのです。
「そして、お前たちの新しい国を築くのだ! 行け、ドクラス!」
「アルカディア号よ、感謝する。このドクラス、必ずや貴様の言う通りに我らだけの国家を築いて見せよう。それこそがこのマゾーン大キャラバンを率いる女王としての真の役目。」
さらにドクラスは地球にいる深海棲艦達の殲滅にも出来ることがあれば協力すると申し出ました。
そして最後に彼女は彼に問いかけました。
「教えてくれ、アルカディアよ。なぜ貴様はそれほどまでに強いのだ…。」
「昨日に絶望し、今日に怒り、それでも明日への希望を失わない。それだけだ。」
勝ったのです、あれだけの数のマゾーン艦娘を相手に私達が!
もう一度彼を中心として私達の黄色い歓声が上がりました。
次々に彼に飛び込み、あるいは飛びついていく宇宙艦娘達。
ああっ、加賀、いえブルーノアが不意打ちで彼にキスの雨を?!
これは許せません、提督正室としてアルカディア号さんから加賀を引き剝がしますが、今度はヤマトやヒュウガが?!
これ、彼女達を排除しようとするからダメなんですよね?
私が連中を押しのけてそこに入り込めばいいだけの話です。
ですが、よく考えれば彼との身長差は30cm以上?!
背伸びをしたところで届くわけもなく…。
ああっ、翔鶴(クイーンエメラルダス)のヤツ、舌を絡ませてやがります(血涙)。
覚えていなさい、地球に帰ったら真っ先に私が彼の(ピー)を搾り取ってやりますからね。
髪も脇も足もいい具合に仕上がっているんですから(ニヤリ)。
※ついにマゾーンとの決着が付きました。
宇宙艦娘達はこれより地球へと帰還しますが、当然これだけでは終わりません。
一体、どうなっていくのでしょうか?