アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※艦隊これしょんの絵師のお一人であらせられた草田草太さんがお亡くなりになられました。
 艦これにおいて駆逐艦睦月・如月・弥生・卯月・水無月、軽巡パースを生み出してくれた方です。
 突然の訃報に驚きと悲しみを禁じ得ませんが、今はただただご冥福をお祈りするばかりです。



北大路花火1‐1(アルカディア号)

横須賀第一鎮守府艦娘休憩室

 昼は温かいが日が落ちると未だ冬といった三月の初旬、花火と足柄が月例の提督会議に参加するのに併せて俺も横須賀第一鎮守府へと同行する事になった。

 提督の護衛が二名もいるのかと言われそうだが何の事は無い、要は神崎提督に来鎮を要請されたのだ。

 それを聞いた花火は最初もの凄く不機嫌になったのだが、高雄に何か耳打ちされると急にニコニコ笑顔になった。

 では、その間は妙高と二人でお願いしますね、と何やら高雄と目配せをする花火。

 気になって聞いてみたのだが、上手くはぐらかされてしまい教えてもらう事は出来なかった。

 

 そんな訳で会議に参加の必要が無い俺は第一鎮守府の休憩室でここの艦娘達に囲まれ上機嫌。

 夜は神崎中将閣下がまた例の料(理)山泊へ連れて行ってくれるという。

 これは上手くいけばまた閣下呼びではなく『すみれ』呼びできるかもしれない状況になるってヤツですね、わかります!

 

 素敵な想像を巡らせていると、ふいにタ立が未来の宇宙船って他にどんなのがいるっぽい?と訊いてきた。

 

 「宇宙船技術が一気に進歩したのはガミラス戦役以降だ。ガミラスの地球侵略を跳ね返す力と技術は地球防衛軍艦隊に無かったのだが、イスカンダル星より波動エネルギ一関連技術がもたらされ人類はギリギリの所で侵略を免れたと聞いている。」

 

 「なにそれ!  夕立、そのガミラスとやらについて知りたいっぽい!」

 詳しく記録した媒体があるので見てみるか?と訊くと、タ立だけではなく大半から見たいと返答が。

 アルカディア号の格納庫からプレイヤーを出し大型TVに繋ぐ。

 ディスクをセットするとややあってガミラスの遊星爆弾で真っ赤になった地球が映った。

 木村幌氏のナレーションが聞こえてくると同時にすっかり干上がってしまった地球を見て艦娘達が言葉を無くしてしまった。

 

 慌てて、これはあくまでも俺のいた世界の話で、この世界の未来ではないから安心するように伝える。

 火星でサーシャからの通信カプセルを回収し、地球で偵察機を撃墜するために出撃した古代と島が錆びた鉄の塊を発見した時、後ろから声がした。

 

 「あれは…、私?」

 いつの間にか大和さんも休憩室に来ていたらしい。

 丁度良かった、呼んできてもらおうかと思っていたぐらいだったからな(笑)。

 え、いや彼女の反応を見たかっただけなんです、面白そうだし。

 再び木村幌氏の大和は未だ眠りから覚めてはいないとのナレーション。

 そして(あんな状態の)私に一体何が出来るのかしらと不思議がる大和さん。

 ああ、あれだけの美人さんがあどけなく小首を傾げる仕草をするなんて反則です。

 柱島第七泊地へ帰ったらウチの大和さんにもやってもらおう。

 来月のデジタルカレンダーの背景画像に決定ですわ(笑)。

 

 (まさかタダでとは言わないですよね?)

 ん、いまウチの大和さんの声が聞こえた気がしたけど気のせい…、ですよね?

 

 画面ではガミラス攻撃空母から発進した艦載機のミサイルが次々と大和の周りに着弾していた。

 その度に首を竦める横須賀第一鎮守府の大和さんが面白可愛い。

 擬人化するとこういう反応になるのかと変な所で感心してしまった。

 いつの間にか戦艦組から空母組は言うに及ばず、巡洋艦に駆逐艦や潜水艦達まで食い入るように見入っている。

 

 そして補助エンジンが始動し、沖田艦長の傾斜復元、船体起こせぇっ、の命令と共にヤマトが姿を現すと多くの艦娘達からどよめきが起こった。

 二話においてのクライマックスシーンですな。

 

 胸の前で手を組み少女のように目を輝かせている大和さん。

 いやぁ、期待以上の反応です(笑)。

 

 「す、凄い! 私、宇宙戦艦になるんですか?!」

 言うが早いか彼女は斜め前に座っていた明石の所へ飛んで行き、両肩を揺さぶり始めた。

 いや、揺さぶるなんで生易しいものでは無い。

 首から上が残像しか見えなくなってしまっている。

 

 「明石さん、今すぐ私をあれに改造して下さい! さ、工廠へ行きましょう、早く!」

 

 「落ち着け大和、あれは俺のいた世界の話だ!」

 ようやく大和さんを引き剥がした時には明石は白目を剥いており口からも何やら白いモノが出ている有様。

 

 「大和さんたら酷いですよぉ。まだ物が二重に…。」

 意識を取り戻した明石がコメカミを抑えながら大和に恨めしそうな目を向ける。

 一方の大和は小さくシュンとなってしまった。

 

 余談だがここの艦娘達は全26話、単純計算して13時間をなんと4日間で見終わってしまったという。

 1日あたり3時間、しかも全員が分け隔てなく視聴できるよう午前の部と午後の部という具合にNHKの連ドラばりの方式を取ったらしい。

 

 これ以降、横須賀第一鎮守府内のみにおいて腕を胸の前で真横にする地球防衛軍式の敬礼が流行った…、かどうかは知らん(笑)。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

横須賀第一鎮守府食堂調理場

 翌日、朝食を摂ろうと食堂へ行くと入り口には全面休業の立札が。

 傍にはカゴに山と積まれたトーストサンドと紅茶ポットがあり、どうやら代わりにこれを食べろという事らしい。

 残念だが仕方あるまい、どれにしようが迷っていると現場責任者の鳳翔が飛んで来た。

 何でも大鍋を支えるステーが腐食してしまったため、修繕ついでに他の部分も点検、及び大掛かりな清掃を行っているとのことらしい。

 ペコペコと頭をさげる鳳翔だが別に彼女は悪くない。

 かえって気の毒になってしまった。

 

 それよりもトーストと云えばパン、紅茶と云えばティー、パンとティー、つまりはパンティーである。

 白いサンドイッチの三角形といった形からもそれは十分に証明されているといえるだろう。

 ということは鳳翔さんのブツが頂き放題ということでもある…、って何でやねん。

 しかし、お艦こと鳳翔はどんなのを履いているんだろうか?

 思いっ切り色気のないモノか、それとも思いっ切り大胆なのモノか両極端に振れていそうな気がするのだが。

 メッチャ気にもなるし、確かめる術はあるのだが、明日からの人生を考えると確かめる勇気が無いだけなのだ。

 

 奥に目をやると大鯨・間宮・伊良湖・大和・武蔵・長門・陸奥・一航戦・二航戦の大食いメンバー達も調理場や調理器具の油や焦げ付きを殲滅せんものと動いている。

 若干、大和と武蔵に覇気が無いのは昨日の宇宙戦艦になれるかも、といった期待が外れてしまったからだろう (笑)。

 特に武蔵はヤマトがあるならムサシもあるに違いないと思ったらしく、落胆ぶりもひとしおだった。

 お詫びに俺も手を貸そうと申し出たのだが…。

 

 「アルカディア号さんは客人です。そんな方に手伝わせる訳には参りません!」

 

 「そうだぞ、そんな事が神崎提督の耳に入ったら我々が何を言われるか分からん。」

 鳳翔だけではなく長門にまでノーサンキューを突き付けられてしまった。

 

 「無問題だ、丁度試したいものが幾つかあってな。」

 未来のお掃除用具を甘く見るなよ(笑)。

 

 「試したいもの…、ですか?」

 

 テテテッテ、テッテッテー♪

 

 「スチームクリーナー!」

 ん、あれ?

 何故か声がおかしく?!

 まあいっか。

 早速、実演してみせる。

 流石はケルヒャー製、期待に違わぬ威力で見る見るうちに油汚れが落ちていく。

 

 「あら、あらあら!」

 

 「高温の蒸気を高圧で噴出するため、殺菌も同時にできるという訳だ。排水構やトイレ掃除にも威力を発揮してくれる。」

 あとはキレイにしたい箇所に合わせて専用のアタッチメントを付け替えるよう説明し、三台とも武蔵・長門・加賀に預けてやった。

 

 「さて次はこれだ。メラミンスポンジ〜。」

 だから何で声が変わるんだ?

 

 「これは水を付けでるだけで見る見るうちにキレイになる魔法のスポンジだ。案外早くチビて無くなってしまうのが泣き所だが。」

  見る間にピカピカになった蛇口を見て目を丸くする鳳翔と大鯨。

 さらに、クリーニングシートにマイクロファイバー手袋、ダイヤモンド焦げ落としなど彼女達にとっては未知のお掃除道具が次々と並んでいく。

 

 あまりの威力(21世紀の科学力)に感動する横須賀第一鎮守府烹炊所のメンバー達。

 まあ年代こそ俺の元いた世界と変らないものの、未だに蒸気機関が主流で電気が珍しい世界だからな(笑)。

 おかげで鳳翔達はもちろん神崎閣下にも大いに感謝されることになったのだが、実はスチームクリーナー以外はダイソーに代表される100均アイテムなんです。

 

 なんか…、申し訳ない。

 




※いつの間にかというか早い段階で神崎中将閣下も熱心に視聴するようになっていたとか。

※ここの艦娘さん達の間では古代戦闘班長・島航海長が人気を二分する結果に。
 もっとも若干二名、主にピンク髪の工廠担当と黄緑の実験軽巡が真田技術長推しでしたが。

※お掃除用品紹介の際にはぜひ『大山のぶ代』さんの声で再生して下さい。
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