アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※投稿間隔が空いてしまい申し訳ありません。
 年末が近づいてくると人様のお金で飯を食っているぎんこーいんという種族はトンデモなく忙しくなってしまうのです…。

※3-5海域は正規空母でもキツイものがあるので祥鳳さんのボヤキも良く分かります。
 本来ならBマス、Cマスとか呼称するのですが、ここでは地点と呼んでいます。



祥鳳1

3-5海域攻略途中 大井・摩耶・飛鷹・千歳・祥鳳・北上

 「きゃあっ!」

 

 「祥鳳さん?!」

 

 「うう、やられた。これじゃ戦えないよ…。」

 戦艦タ級の主砲が直撃した私は気が付けば弦の切れた弓を握り締めたまま、両膝を海面についていました。

 

 「提督、祥鳳さんが大破しました、これより撤退します!」

 

 「分かりました、陣形は祥鳳さんを中心として輪形陣を組んで下さい。帰投中も気を抜かないように。良いですね?」

 

 「旗艦大井、了解。輪形陣に移行後、帰投します!」

 大井さんが指示を出すと単縦陣だった艦隊が直ぐに輪形陣へと変わりました。

 

 (これで三度目。しかも全て私のせい…。他の方は無傷、あるいはカスダメだというのに…。)

 もう腹立たしいやら悔しいやらで気が付けば涙が頬を伝っていました。

 

 「しけたツラすんなよ(笑)。そんなんじゃまたやられちまうぜ?」

 

 「遠征に出てくれてる子達には悪いけど、この海域の攻略にはどうしても掛かるからねぇ。」

 摩耶さんと北上さんが声を掛けてくれますが、私は自分に対する情けなさで一杯でした。

 

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柱島第七泊地執務室

 「祥鳳の大破はタ級の一撃ですか。では直ぐに入渠して再出撃とします。他のメンバーは補給後、ブンカーへお願いします。」

 バケツを使った後、急いで弓の弦を張り直し皆が待っているブンカーへと向かいます。

 でも結局この後の出撃もボスマスへとたどり着く事は出来ませんでした。

 理由はまたしても私が大破してしまったからです。

 皆さんは仕方が無いと言って下さいますが…。

 

 帰投した後、提督からの指示は今日の出撃は無しにしてまた明日にしましょうと、というものでした。

 妹の瑞鳳と交代させて下さいと申し出たのですが、貴女を外すつもりはありませんと…。

 

 「それよりも祥鳳。貴女、私が撤退を指示した時に自分が何と言ったか覚えていますか?」

 

 「はい…。」

 珍しく北大路提督が怒っていらっしゃいます。

 しかも静かに。

 

 「もう一度同じ事を言ってみて下さい。」

 

 「…。」

 

 「覚えているのではなかったのですか?」

 

 「私に構わず進軍して下さい、と…。」

 

 「そうですよね? それがどういう結果になるか知って…。いえ、艦娘であるなら知らないはずはない。」

 「それなのに…。」

 一呼吸置いて提督から発せられた言葉は私に深く突き刺さりました。

 

 「妹である! 瑞鳳の前でも! 同じことが言えますか?! 言えるのですか?!」

 机を叩いて提督が立ち上がりました。

 

 「まってくれ、提督。今回会敵した連中はいつもと違う感じがするんだよ。」

 そんな中、摩耶さんが提督に今回会敵した連中はいつもと違う感じがすると進言して下さいました。

 すると北上さんや千歳さん達を始め、次々に私も同じ事を思っていましたと…。

 

 「え、待って下さい。いつもと違う、とはどう違うのですか?」

 具体的にお願いしたいのですが、と提督は仰りますが何がと聞かれると全員が顔を見合わせてしまいました。

 そんな中、北上さんがいつもの飄々とした感じで、

 

 「あれ? 皆、判んないんだ。ま、アタシもさっき気が付いたばっかなんだけどね(笑)。」

 そう言うと、あたしの観測妖精がつけている戦闘記録、と提督のテーブルに独自の戦闘詳報を差し出したのです。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

意外な事実

 「まずB地点の戦闘記録なんだけどね。」

 北上さんが戦闘詳報を広げました。

 B地点で会敵する敵編成は軽巡ホ級flagship、戦艦タ級elite、重巡リ級elite、雷巡チ級elite、駆逐イ級後期型、駆逐イ級後期型です。

 

 「空母勢の開幕ひき逃げアタックで雷巡チ級elite、駆逐イ級後期型を撃沈、アタシと大井っちの開幕雷撃で軽巡ホ級flagshipと駆逐イ級後期型を撃沈。」

 

 「イイ感じで露払いできてんじゃねーか。」

 摩耶さんの仰る通り、ここは開幕から良い展開でした。

 

 「でね、戦艦タ級eliteが真っ先に主砲を撃ってくるんだけどさ…。」

 まあ、射程の関係上こっちの誰よりも先に動けるんだから仕方ないんだけど、と北上さん。

 

 「第一射は祥鳳さんへの至近弾。次に摩耶の主砲がその戦艦タ級eliteを捉えるんだけど…。」

 初弾だから夾叉で装甲を抜く所まではいかずだったね、と指で次の行を差しました。

 

 「次は飛鷹さんの攻撃隊が重巡リ級eliteを小破させたんだけど、その後コイツも祥鳳さんを狙ったんだよね。」

 その後は千歳さんの攻撃隊と祥鳳さんの攻撃隊で戦艦タ級eliteを撃沈、北上さんと大井さんと摩耶の砲撃で重巡リ級eliteを撃沈となっていました。

 

 「で、次のD地点はどうだったんだよ?」

 

 「D地点の編成は確か、空母ヲ級改flagship・空母ヲ級flagship(艦載機白)・戦艦タ級flagship・重巡リ級elite・駆逐ロ級後期型・駆逐ロ級後期型だったわ。」

 さすが飛鷹さん、北上さんの戦闘詳報とぴったり合致しています。

 

 「そうだね、まず開幕航空戦はコッチは空母勢が三人いるから航空優勢だったよ。」

 アタシの対空カットインもあったしな、とドヤ顔の摩耶さん。

 今回の出撃では対空番長の面目躍如、八面六臂の活躍をされています。

 

 「そう、摩耶の対空カットインもあってこの時も祥鳳さんはカスダメで済んでる…、と。」

 でも、この後の開幕雷撃ではアタシと北上さんの目標が駆逐ロ級に重なってしまった、と大井さんが悔しがります。

 

 「でやっぱり長射程の戦艦タ級flagshipから撃ってきた訳だけどさ…。」

 この時狙われたのは千歳さん、高速を活かした回避によって小破で持ち堪えたのは流石というところでしょうか。

 

 「面倒だから敵の動きだけを追って行くよ。そうすると次の重巡リ級eliteも空母ヲ級flagship(艦載機白)も祥鳳さんを狙ってるんだ。」

 「旗艦である空母ヲ級改flagshipは摩耶を狙ったけどこれは一番近くに居たからだね。っていうか、アンタ前に出過ぎじゃん。」

 あー、それでアタシが小破したんだっけ、と摩耶さんが頭をポリポリ。

 

 「で、この後も空母ヲ級改flagship・戦艦タ級flagship・重巡リ級eliteの全員が祥鳳さんを狙ってる。」

 さらに北上さんは撃沈した空母ヲ級flagship(艦載機白)と駆逐ロ級後期型二隻も健在であれば私を狙った可能性が高いと…。

 

 「まー、これだけ狙われたらしょうがないね。そりゃ誰だって大破に追い込まれるよ。」

 

 「少し大人し目の艦娘を狙って攻撃を集中、そして大破撤退に追い込み確実に精神を削っていくということですか…。」

 深海棲艦達の知性が上がったということでしょうか、と顎に手を当てる提督。

 ですが深海棲艦達が急に知恵を付けることが出来るモノなのでしょうか?

 

 「取り敢えず、明日の出撃では相手の動向を全員で注視して下さい。そこでも祥鳳が一人狙いされるのであればアチラさんも戦術というものを摂り始めたということでしょうから。」

 そうなると軍令部にも報告しないといけませんし、と提督は仰いました。

 

 「祥鳳、大破撤退をしたからといって貴女を責める者はここにはいません。遠征艦隊には申し訳ないと思う気持ちは理解できますが、よく覚えておきなさい。」

 そして遠征艦隊に申し訳ないと思うなら二度と大破進軍なんて口にするべきではないと…。

 それだけ仰ると提督は席を立ち執務室から出て行かれました。

 残された私達がどうしたらよいのか分からず困っていると、入れ替わりでアルカディア号さんが入ってこられたのです。

 

 「花火は…、居ないのか? ん、どうした祥鳳。何故泣いている、何かあったのか?」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

アルカディア号さんの怒り

 「あー、実はよぉ…。」

 摩耶さんが今までの経緯を彼に話し始めました。

 彼は黙って聞いていましたが、提督と同じ事を仰ったのです。

 

 「ヤツらが組織立ってきたという事か。だとすると厄介だな、これは。」

 その上で彼は信じられないというか、私がどうしようもなく赤面する事を平気で言ってのけたのです。

 

 「それ以上に、俺の軽空母正室である祥鳳を虐めてくれるとは許せん。次回は俺も出るぞ。」

 

 「何だよ、祥鳳だけかよ。重巡側室筆頭のアタシだって小破させられちまったんだぞ。」

 

 「そうよ、軽空母側室筆頭のあたしだっているんだから!」

 摩耶さんと飛鷹さんがブーブー言っていますが、恥ずかしさのあまり両手で顔を覆っていた私にはほとんど耳に入ってきませんでした。

 

 「私もいるのですけれど?」

 アルカディア号さんの事となると黙ってはいられないのか、いつの間にか戻っていた北大路提督も参戦です。

 

 「おお、花火。どこに行っていたんだ? 頼まれていた開発計画の件だが…。」

 何か言いかけたアルカディア号さんですが、提督がハンカチで手を拭いておられるのを見たのでしょう、なんだ、トイレだったのかと口走ってしまったのです。

 

 「も、もう! せめて花を摘むぐらいにして下さい!」

 提督が抗議しますが…。

 

 「それは野外における表現だろう、ってまさか外で放尿を、いや小とは限ら…、ぐあっ!」

 その瞬間、北大路提督の膝頭がキレイに入りました。

 いえ、ドコにとはいいません。

 というか申し上げられません、といった方が正しいでしょう。///

 ただ、その場にいた全員の耳に『おりん』に似た甲高い金属音が聞こえたのは間違いないです(赤面)。

 提督はドアを乱暴に閉めるとそのまま夕食を摂りに食堂へと行ってしまいました。

 

 「いやあ、今のは流石にアルカディア号さんが悪いよ…。」

 

 「そうですよ、子爵令嬢の北大路提督に何ていう事を言うんですか。」

 

 「そうねぇ、さすがにちょっと…。」

 北上さん、飛鷹さん、千歳さんがジト目を向けますが…。

 

 「あー、アタシはその…、お前が望むなら構わねえからな…。///」

 ま、摩耶さん?!

 そ、そんな嘘でしょ、懐が広過ぎませんか?!

 そんな事でアルカディア号さんにとっての株を上げなくても!

 ハッ?! ひょっとして株ではなく下部をあげるつもりなのでは(錯乱)?!

 ダメです、軽空母正室として負ける訳にはいきません!

 

 「アルカディア号さん、大丈夫ですか?!」

 この時の私は一体何を考えていたのでしょうか(汗)。

 彼に駆け寄ると手で擦ってしまっていたのです(ドコを?)…。

 




※あー、アタシはその…、お前が望むなら構わねえからな…。
 摩耶さん、アナタ頭がオカシイんじゃ…。

※そんな摩耶さんに対抗してあの祥鳳さんが何と大胆な事を?!
 擦っては『さすって』と『こすって』と両方読めますが、彼女の場合は一体どっちだったのでしょうか(ニヨニヨ)?
 おっと今、窓の外からスクープです、とカメラを抱えたまま走り去った某重巡を摩耶さんと祥鳳さんが凄い勢いで追いかけて行ってしまいました。
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