アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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柱島第七泊地節分砲撃戦2

柱島第七泊地空母寮

 「さて、アルカディア号さん?」

 

 「悪いけど大人しくしてもらえる?」

 ジリジリと距離を詰めてくる二航戦の二人。

 

 「悪いがマルチプレイはしない主義なんだ。どちらか一人にしてくれ。」

 が、なおも彼女達はアタシ達に任せてくれればいいから、と手を前に出して迫って来た。

 マズイな。

 いくらなんでも艦娘へ攻撃を仕掛ける訳にはいかない。

 これが一人ずつなら直ぐにでも釣りバカ日誌的合体を行うのだが…。

 

 「アルカディア号さん?」

 更に後ろから翔鶴がニコニコ顔で現れた。

 私に来て頂ければ私の豆(意味深)とアルカディア号さんの恵方巻で節分が完成しますね、だと?!

 大変ナイスなアイデアですが、まずはこの状況を何とかしなくてはなりません。

 

 こりゃい艦、いやこりゃいかんですよ、何としてでも逃げなくては。

 

 アルカディア号は逃げ出した!

 しかし回り込まれてしまった!

 

 二航戦の攻撃!

 アルカディア号はマントを剥ぎ取られてしまった!

 

 翔鶴の攻撃!

 アルカディア号は攻撃をかわした!

 よし、この隙に階段を上れば…。

 

 「あら、翔鶴さんの豆は小豆ですよ。それに比べてこの赤城の豆は大豆ですから私の方がよりふさわしいですね(笑)。」

 何と唯一の逃げ道であった階段から赤城が現れたのだ。

 翔鶴も赤城も表情こそ穏やかなものの目は完全に捕食者(プレデター)の目になってんじゃん。

 TーREXに囲まれたブロントサウルスもこんな気持ちだったんだろうなぁ。

 

 「「さあ!(二航戦)」」

 

 「さあ!(翔鶴)」

 

 「さあ!(赤城)」

 前には二航戦の二人、右には赤城、左は鍵のかかった出入り口、後ろには翔鶴と絶体絶命?!

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

全空母の母、参戦!

 「きゃあっ!」

 突然、翔鶴が被弾した。

 

 「くっ!」

 

 「おっと!」

 

 「甘い!」

 ギリギリで交わした二航戦と赤城。

 

 「鳳翔さん?!」

 驚く四人。

 休む間もなく次弾が三人を襲う。

 小柄な鳳翔だが大きく振りかぶるせいか、見た目以上に大きく見える。

 そこから深く沈み込んでいくせいか、あれでは豆の出所が相当見づらいだろう。

 上手投げのような始動なのに途中がら深く潜航していくあれは…。

 明訓のエース(里中 智)だ!

 今度こそ鳳翔の膝元から放たれた大豆が蒼龍に吸い込まれていく。

 

 「何でまた甲板に被弾なのよ、痛いじゃない!」

 どちらかといえば彼女から当たりに行ったようにも見えたが…。

 

 「ふふ、駄日ですよ蒼龍ちゃん。予想外の事が起こった時に一瞬止まる癖がまだ治ってないのですね(笑)。」

 

 「何で鳳翔さんが参加するんですか?!」

 

 「棒名さんも言っていたではありませんか。大淀さんと私も参加するとね。」

 いつもの鳳翔スマイルを浮かべながら赤城と飛龍の反撃を容易く躱す。

 

 「くっ、やられた! 誘爆を防いで!」

 今度は飛龍に大豆が吸い込まれて行く。

 決して早くはないのに躱せないどころか当たりに行ってるようにしか見えないのが不思議で仕方がない。

 

 「飛龍ちゃんも未だに逃げる方向とは逆に一瞬視線を向ける癖が治らないのですね、残念です。」

 そういうと鳳翔は後は赤城ちゃんだけですね、といいながら升に手を入れた。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

全滅?!

 「まだ二階には雲龍さん達や大鳳さんがいるはず、全員で囲めば…。」

 それを聞いた鳳翔はため息をつきながら首を横に振った。

 

 「それが慢心だというのですよ。」

 

 「何故ですか! あの時以来、私はもう二度と慢心はしないと響ったんです、今だって!」

 

 「では何故、雲龍さん達や大鳳さんが無事だと思うのですか?」

 赤城の顔色が変わった。

 同時に鳳翔の手の中でジャリッと豆が音を立てる。

 

 「そうですよ。とっくに制圧済みです(笑)。」

 

 「そんな! 大体、人妻である風翔さんが参加するなんておかしいですっ!」

 

 「私は一度たりとも結婚なんてしてませんっ、勝手なイメージで語らないで下さい!」

 再び、鳳翔の膝元から節分弾が故たれる。

 

 「遅いっ(弾速)、この程度なら十分躱せます!」

 赤城が右へ体を反らせるが…。

 

 「えっ?」

 なんと鳳翔の投じた大豆が軌道を変えて赤城に向かっていくではないか?!

 何とか躱そうと、そこからさらに身を屈めた赤城だったが無情にもそれすら見透かしたように大豆が命中した。

 

 「一航戦の誇り、こんな所で失う訳には…。」

 

 「何度も言ったはずですよ、戦闘中に右へ右へと動く癖があるから直しなさいと。」

 右に曲がりながら沈む…、なるほど下手投げ最大の武器(シンカー)か。

 

 しかし鳳翔さんの性能自体は高くはない、いやむしろ低い部類に入るはず。

 それを技術でカバーするどころか相手のクセまで見透かし相手の行動を完璧に予測してみせたのだ。

 節分弾が吸い込まれるように見えたのはそのせいだろう。

 まさに空恐ろしい御方である。

 やはり怒らせてはいけない艦娘の筆頭だということだけはあるな。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

鳳翔さんは魔地機関長狙い?!

 「大丈夫ですか? その様子ですとまだ誰にも頂かれていないようですね。」

 

 「いや助かったぞ。恩に着る、鳳翔。」

 おおかた翔鶴ちゃんと一航戦の二人に守ってもらおうと考えたんでしょう、と鳳翔。

 空母達だけでなくコッチの考えまでもお見通しかよ。

 

 「ところであの…、魔地機関長さんはどちらに?」

 

 「それが途中で全員バラバラにはぐれてしまってな。戦艦寮へと走って行くのを見たのが最後なんだ。」

 

 「そうですか。では今から戦艦療を制圧してきますので待っててくださいね。」

 鳳翔がそう言うと同時に首筋にチクリとした痛みが。

 薄れゆく意識の中、最後に見たのは鳳翔の薄ら笑い。

 くっ、鳳翔までこれとは…。

 一体、誰を信じれば…。




※北大路提督が帰って来た時、何故か4人とも干からびたミイラ状態になって発見され
 たとか。
 さすがは鳳翔さん、望む者達全員に機会をお恵みになりあそばされたようです。

※何があったかを察した北大路提督、1ケ月以上自室にアルカディア号を幽閉するとい
 う暴挙に(怖)。

※これ以降、鳳翔さんと魔地機関長さんが良く手を繋いで買い出しに行ったり、機関長
 が厨房掃除を手伝ったり、よく二人でいる光景が見かけられるようになったそうな。
 私は結構お似合いの組み合わせだと思うのですがどうでしょう。
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