アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※連休なので何か一つお話を上げてみました。
 実際は本編の続きが書けなかっただけです(笑)。

※中川家さんの『となりのおっさん』を参考にこの二人に落とし込んでみました。
 最初は桐島カンナさんと神崎すみれさんにお願いしようと思っていたのですが、そうすると提督達の宴会となって大掛かりになってしまうので…。



瑞鶴(第五航空戦隊)

瑞鶴

 私は今、間宮さんにあの焼き鳥空母と一緒にいる。

 何でそんな事になったって?

 今度の宴会の出し物のペアが翔鶴姉ではなくこの焼き鳥空母になったからよ!

 

 「で、どうするのかしら?」

 

 「どうって、私が上げたヤツはみんなアンタが難癖付けて却下してきたじゃない!」

 「今度は加賀さんが案を出してみてよ!」

 

 「貴女の頭の上に載せたリンゴを私が射貫くというのはどうかしら?」

 

 「絶対、イヤ!」

 

 「大丈夫、80%の確率で成功すると思うから。」

 断固拒否。

 100%でもイヤなのに80%?!

 しかも思うですって?

 冗談じゃないわ!

 

 「また賑やかだな。どうしたんだ?」

 

 「あ、お義兄さん。」

 キーッとなっている私達に声を掛けてくれたのはお義兄(アルカディア)さん。

 

 「待ちなさい、貴女が言うお兄さんに何か違和感を感じるのだけれど?」

 

 「あら、何故かしら? 翔鶴姉が『全艦種正室』なんだから私から見ればお義兄さんでしょ?」

 加賀さんに『空母側室筆頭』のくせに何を気にする事あるのよ、と言ってやったら、あの焼き鳥空母たっら歯ぎしりしだす始末だったわ(笑)。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 「なに、出し物が決まらない?」

 アルカディア号さんはそう言うとうーん、と腕組みをした。

 

 「五航戦の娘が相手だとあまり難しい事は出来ないわ。」

 言ってくれるじゃない、この焼き鳥空母が。

 上手くできたら間宮スイーツ全制覇の代金持ちなさいよ?

 

 「よし、二人でこれをやってみろ」

 そう言ってお義兄(アルカディア)さんがコントの書かれた台本を出してくれた。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

当日舞台上

北大路花火

 「今回の休暇、良かったなー。念願の鎌倉観光と江ノ電、それに翔鶴姉のお土産も買ったし、あとは柱島まで帰るだけっと。」

 ガラガラの車内で足を靴から解放し伸びをする瑞鶴。

 そこへニット帽、サングラス、マスクをした女(加賀)が現れました。

 この時点でもう何名かの艦娘からはクスクスと笑いが起こっています。

 手にした乗車券を見ながら瑞鶴の前で加賀が止まりました。

 

 (嘘でしょ…。てかこれ顔隠してるけどメッチャ加賀さんじゃない。一体どこの加賀さんなのよ…。)

 瑞鶴の声が流れました。

 どうやらこれは瑞鶴の心の声を現しているみたいですね(笑)。

 

 「失礼するわ。」

 

 「あ、はい。」

 沢山の荷物を抱えているせいで加賀のお尻が瑞鶴の顔を撫でるようにして通っていきます(笑)。

 

 (もー、それだけ荷物あるなら小荷物で送ればイイじゃない。全くはた迷惑な女なんだから!)

 毒づく瑞鶴の隣に加賀がドスッと腰を下ろしました。

 空母一の排水量を誇る(なお、体重)加賀、椅子のフレームが繋がっているせいで瑞鶴の体が椅子ごと跳ねます。

 

 (てか、他にも席が沢山空いてるじゃない。何でよりにもよって私の隣なのよ?!)

 降りたら国鉄に文句言ってやるんだから、と瑞鶴がむくれてしまいました(笑)。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

武蔵

 カシュッ、と音をさせて加賀が缶ビールを開ける。

 

 (まだ10:30じゃない、朝から結構なご身分だ事。一航戦様は違うという事かしら。)

 喋ってはいないが瑞鶴の声が流れる。

 なるほど、瑞鶴の心の声だけ先に収録してあるのだな(笑)。

 クシャッと加賀が空き缶を握り潰す。

 

 (え、早?!)

 目を丸くする瑞鶴を尻目に紙袋から今度は缶チューハイを取り出す。

 

 クシャッ。

 瞬く間に缶チューハイもイッキ飲み。

 

 (だから早いって!)

 若干引き気味の瑞鶴を尻目にドンと加賀が窓際に一升瓶を置いた。

 

 (一升瓶?!)

 (しかも加賀岬って、さりげなく自分の歌を宣伝してるし!)

 私の隣に座っている伊勢が既に大笑いしている。

 

 (どうしよう、紙コップに注いで差し出されたら…。)

 瑞鶴が加賀と目を合わせないように横を向く。

 

 キュポン!

 ゴッ、ゴッ、ゴッ…、ぷはー!

 

 (ラッパ?! まさかのラッパ?!)

 

 「あら、買ったと思っていた『よっちゃんイカ』が無いわ…。」

 紙袋をゴソゴソとまさぐっていた加賀が落胆する。

 

 (あんな臭いのキツいモノを隣りで開けるつもりだったの、って…、何すんのよ!)

 加賀が脱いであった瑞鶴のパンプスを手に取って嗅ぎ始めた(笑)。

 

 「いえ、臭いだけでもと思って…。」

 大和も加賀さんたら、とハンカチを目に当てて大笑い。

 

 「バッカじゃないの?! やるなら自分のでやりなさいよ!」

 

 「だって私のはせいぜい都の『酢昆布』ぐらいだもの。」

 ハハハ、そう(都酢昆布)きたか。

 

 「それで十分よっ、この焼き鳥空母!」

 二航戦の二人も瑞鶴ったら、今を幸いと堂々と焼き鳥空母呼びしてるじゃん(笑)、と膝を叩いて笑っている。

 

 「焼き鳥空母、誰の事かしら?」

 

 (しらばくれやがって!)

 澄ましている加賀を睨み付ける瑞鶴。

 確かに普段の事もある以上、演技なのか本気なのか分からんな(笑)。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

吹雪

 加賀さんが携帯を取り出して何処かへ電話を掛け始めました。

 

 「あ、赤城さん? 私です。ええ、戦果? 上々よ。」

 

 (戦果? 何処かへ演習にでも行ってたのかしら?)

 瑞鶴さんが加賀さんにジト目を向けています(笑)。

 

 「赤城さんの戦果は…。まあ、瑞加賀本が沢山? さすがに気分が高揚します!」

 

 「するか、さらに気分が低迷するわ!」

 瑞鶴さんの悲鳴のようなツッコミにドッと爆笑が起こりました。

 さすがにここは心の声ではないみたいです。

 

 (てか何?! 戦果って同人誌の事?! 同人誌即売会に行ってきたっての?! しかもよりにもよって何で瑞加賀?!)

 そのトランクと紙袋の中身が全部同人誌なの、と瑞鶴さんが頭を抱えます(笑)。

 

 (落ち着くのよ、瑞鶴。そうだ、駅で買っておいたシャーベットを。)

 

 「フフン。」

 

 (なに? 鼻で笑った?)

 ゴソゴソと紙袋から加賀さんがアイスを取り出しました。

 

 (サーティーワン? まったく、アイスごときでマウントを取りに来るだなんて…。)

 

 「…。」

 「くっ…。」

 

 (どうせさっき買ったばっかりなんでしょ、そりゃ硬いわ。)

 

 「冷たい…。」

 木のスプーンをアイスに突き立てようと悪戦苦闘する加賀さんにまたしても爆笑が起こります。

 

 (ほらほら、あんまりムリしない方が良いんじゃないの(笑)。)

 

 パキッ。

 

 「「あ…。」」

 とうとうスプーンが折れてしまいました(笑)。

 ここでもう妹の白雪・初雪・深雪達は呼吸困難一歩手前です。

 

 (プッ。あ~あ、だから言ったじゃない。ムリしない方が良いって、ちょっと…。)

 

 「物欲しそうにこっち見るの止めてくれない?」

 

 「別に物欲しそうに見てはいないわ。」

 

 「人差し指を第一関節まで咥えて身を乗り出してるくせによくそんな事が言えるわね?!」

 それは瑞鶴さんの言う通りです。

 ていうか加賀さん、半分以上瑞鶴さんに覆いかぶさってるし(笑)!

 

 「分かったわよ、少しあげるから!」

 

 「やりました。」

 MVPをとった時と同じドヤ顔の加賀さんにまたしても全員が大爆笑。

 

 「あっ!」

 目にも止まらない速さ、残像も残らない速さで瑞鶴さんのシャーベットを口に放り込む加賀さん。

 忽然と消えたシャーベットに何が起こったか分からないといった瑞鶴さんの表情がまた可笑しくて(笑)…。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

青葉

 「な、なに?」

 ふて腐れて寝ようと目を瞑っていた瑞鶴さんが椅子ごと揺れ始めました。

 隣りの加賀さんが目を閉じて体をモゾモゾさせているからですねぇ(笑)。

 

 (なによ、ポジションが決まらないの?)

 これには多くの艦娘達が共感しています。

 お布団に入ってもなかなか体制が決まらず寝付けない事がありますよね、あれと同じでしょう(笑)。

 

 「何処なのよ?!」

 その間にも段々と加賀の動きが激しくなっていき、とうとうダンスみたいになってしまいました。

 

 「どうしたいのよ! ぶふっ。」

 ズイズイまでやり始めた加賀さんにとうとう瑞鶴さんが吹き出してしまいました。

 瑞鶴さんが噴出してしまったという事は完全に加賀さんのアドリブなんでしょうが、これは卑怯です!

 出演者が吹き出すぐらいなのですから、私達観客は艦種問わず全員が涙を流して笑ってしまう始末。

 後ろの方では長門さんが、もう駄目だ息が出来ないと悲鳴を上げています(笑)。

 

 「ちょ、アンタ一体どこの加賀さんなのよ!」

 加賀さんのニット帽とサングラスを瑞鶴さんが剥ぎ取りました。

 

 「私の正体を見破るとは流石ね。」

 

 「分からいでか(笑)!」

 正体がバレても顔色一つ変えない加賀さん。

 

 「私だと気付いた事に敬意を表して教えてあげるわ。私の所属は…。」

 

 「所属は?!」

 イライラして先を促す瑞鶴さん。

 

 「柱島第七泊地よ。」

 

 「ウチの加賀さんだったの?!」

 そう言って瑞鶴さんが崩れ落ちたところで緞帳が降りてきました。

 いや、これは面白かったですねぇ!

 あの不知火さんもハンカチを目に当ててヒィヒィ言ってますし(笑)。

 これはぜひ映像化しないといけませんねぇ。

 これでまた青葉の懐が潤うこと間違いなしです!




※演習で柱島第七泊地を訪れた艦娘さん達にも大好評で、このコントを見に演習に訪れる鎮守府や泊地も決して少なくなかったとか。
 当の二人は黒歴史だと触れて欲しくはないみたいでしたが(笑)。
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