アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
ホワイトデーが題材です(笑)。
※アルカディア号に危険が迫りつつあります!
柱島第七泊地空母寮2Fロビー(翔鶴)
「ここにいたのか。お前だから聞くがお返しで欲しいモノはあるか?」
ロビーでファッション雑誌を見ていた私(翔鶴)の姿を見つけるとアルカディア号さんと台羽さんが私に近寄って来てこんな事を訪ねてきました。
イーヤッホウッ!
何せ、私は全艦種正室。
どうせなら私が望むモノを上げたいと思うのは当然だという事ですね、分かります。
「え?! 私、貴方からのお返しであればなんでも構いません、こちらから指定するなんてそんな!」
ですが、ここは顔を赤らめながら優等生的な返答をしておきましょう。
これでまた彼に対する私の好感度がアップです!
ところが丁度、一航戦の先輩(赤鬼&青鬼)が階段を上がって来たのです。
思わず心の中でチッと舌打ちをしてしまいましたが何と青鬼(加賀、いえ加賀さん)から思ってもみない援護射撃が!
「良いんじゃないかしら? アルカディア号さんがああ言って下さってるんだし。」
「加賀さん?!」
偶にはこのイケず、いえ逝けず、ああ二回も間違えてしまいました(笑)。
イケズ空母も役に立つのですね。
今回は素直に感謝する事にしましょう。
(素直? ドコが?)
舞鶴第一鎮守府へと演習に出向いている瑞鶴の声が聞こえた気がしましたが、恐らく気のせいでしょう(笑)。
「私と加賀さんは…、
なるほど、先程のは全然私への援護射撃などではなく自分達が欲しかっただけ、と…。
「では私もあの…、ソレでお願いします…。」
ちょっと恥ずかしそうにしながら同じモノをリクエストします。
鬼共(一・二航戦)に対する怒りを露わにしたり、がっついたりしては好感度を下げてしまいますからね。
しかし、何が
「分かった、
「「「え、本当に宜しいのですか?!」」」
自分で言っておきながらなんですが、そんな銀色のヤツみたいな感じで軽く言われても…。
まあ彼の夜戦火力は何度か身をもって知っていますし私達三人を連続で相手しても兵器、いえ平気なのでしょう。
早速、私達はセ○ールやワ○ールのカタログを手に取りあーだこーだと夢中になりました。
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柱島第七泊地調理室(間宮)
私と鳳翔さん、伊良湖さんに大鯨さんが夕食の仕込みを始めたお昼過ぎ、アルカディア号さんと台羽さんがやってこられました。
軽い挨拶を交わした後、彼は私にマシュマロの作り方を聞いてこられましたのです。
「マシュマロ…、ですか?」
「ああ、そういえばもうじきホワイトデーですもんね(笑)。」
伊良湖さんも手を拭きながらコチラにやって来ました。
「うむ、翔鶴や一航戦に聞いて回ったのだが、白いヤツが欲しいという事だったのでな。」
でもどうして三人ともあんなに恥ずかしそうにしてたんでしょうね、と首を傾げる台羽さんを見て思わず伊良湖さんと顔を見合わせてしまいました。
だって、御三方が仰っておられる白いヤツって絶対マシュマロではなく、その…。
伊良湖さんに目で合図を送りますが、凄い勢いで首を横に振られてしまいました。
まあ、普通に考えてそんなこと指摘できませんよね。
それに本当にマシュマロ、っていう事も無いとは限りませんし…。
そこへ夕食の下拵えを済ませた鳳翔さんが、夜の後片付けが済んだ後でしたら、調理場をご自由にお使い頂いて結構ですよと言いながら出てこられました。
「全員分となると結構な時間が掛かるでしょうから、休憩にはそこの和室をご自由にお使い下さい。」
調理室には休憩スペースとして小さな和室が隣接してあるのです。
それを聞いたアルカディア号さんがヒョコッとその和室を覗き込みました。
「これは…、凄いゴボウだな。」
畳に転がっていた細長い大きな茶色いモノをみた彼が驚きました。
「あ、いえ、これはその…、違うんですよ!」
どうしたのでしょう、鳳翔さんがあそこまで慌てるなんて珍しいですが。
台羽さんも不思議に思ったのでしょう、同じようにゴボウをジッと見つめていたのですが顔色が変わりました。
私もあれが何だか分かった途端悲鳴を上げそうになったぐらいです。
あれはゴボウなんかじゃありません、魔地機関長です!
搾り取られてカッスカスになってはいますが間違いないです。
「あらやだ、私ったらこんな所に転がしたままだったなんて。」
鳳翔さんは足先でその細長いモノを部屋の隅へと転がしました。
それでも何か言いたそうな私達に誤魔化せないと思ったのでしょう、観念したのか白状しました。
「嫌ですねぇ、昨晩チョッとここで頂き過ぎてしまっただけですよ(笑)。」
その時、私は初めて目が笑っていない鳳翔さんの笑顔を見ました。
これ以上、イけない、間違えました、いけない、全員がこの件についてはこれ以上触れる事はありませんでした。
だってイケないどころか逝ってしまったらシャレになりませんから…。
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柱島第七泊地戦艦寮大和型自室
「うー、寒い寒い。」
トイレから帰ってくると急いで炬燵に肩まで潜り込みます。
食べる物や飲み物であれば武蔵に頼んだりできるのですが流石にこれ(トイレ)は代わりに行ってもらうわけにはいきません。
しかも妹(武蔵)は瑞鶴さん達と共に舞鶴第一鎮守府へと演習に出張中。
ようやく少し温まってきた私は膝まで下げていたパンストをモゾモゾと上げ始めました。
ですが寝転んで炬燵に入っているためになかなか上手く引き上げることが出来ません。
立てばいいのですが、やはり少しとはいえ炬燵から出たくはありません。
え、トイレで上げて来い?
だから寒いんですって!
ズボラ?
ええ、それで結構です。
大和型だっていうだけで艦隊の模範となるように振舞うのが当たり前みたいに思われている事がそもそも迷惑なんです!
と、折り悪くドアをノックする音が。
「ちょっと待って。今炬燵の中でパンスト上げてるの。ホント、この時期はトイレも大変だわ。」
そうなんです、この時てっきり私はドアをノックしたのが隣の陸奥さんだと思い込んでいたのです。
よく考えれば割と朝ゆっくり目な彼女がAM08:30に他人の部屋を訪ねてくるなんて事は無いのですが…。
もう一度、ドアをノックする音が聞こえました。
「ハイハイ、開いてるから入って来て…。って、アルカディア号さん?!」
まだ完全に引き上げていないパンストと格闘しているとドアの外にはアルカディア号さんが立っていたのです。
「やだ、言って下さいよ、もう…。」
終わった…。
私、終わってしまいました…。
せっかく戦艦の正室に選んで頂けたというのに(泣)。
寝転がりながら炬燵の中でモゾモゾとやっている姿をバッチリと見られてしまいました。
彼もどう対応したらいいのか分からずお互い目が泳いでいるこの状況。
この状況を打開しようと思って下さったのでしょう、部屋を見渡した後、武蔵はと尋ねてきました。
「武蔵なら舞鶴第一鎮守府へと演習に行っていますよ。」
と、慌ててお茶を出そうとしたのですが慌てて立ち上がった途端、派手にすっころんでしまいました。
原因はパンストを完全に上げ切る前に立ちあがったからというのは内緒です、ええ絶対に!
「ところで大和。お前、ホワイトデーに何か欲しいモノがあるのか?」
私のおでこに貼られた白いバッテンから目を逸らしながら彼はこんな事を聞いてきました。
「ええ?! リクエストを聞いて頂けるのですか?!」
欲しいモノならありますとも!
ええ、貴方との赤ちゃんがどうしても欲しいです!
全艦種&空母枠の正室と側室筆頭の四名は以前のようにガツガツする事が無くなりました。
恐らく
ここは連合艦隊旗艦として負けていられません!
「大和?」
両の人差し指をチョンチョンし始めた私を見て彼が訝しげな顔に。
「あの、私、
俯きながら時々、上目遣いで彼に目を向けます。
「分かった。
「本当ですか?! では一筆お願いします!」
蛮勇を奮ったつもりだったのですが、彼はいともアッサリと了承して下さったのです。
これには私の方が驚いてしまいました。 戸惑う彼でしたが、そんなのは関係ありません。
では楽しみにしていますね、と彼の手を取ります。
さらに翔鶴さんと一航戦の御三方は白いヤツが御所望なので同じのでもいいし、何なら
茶、茶色いヤツ、ですか?!
白いヤツ(液体)なら私も欲しいですが、まだその茶色いヤツ(固形ブツ)はハードルが高すぎます!
っていうか、私そこまでアブノーマルじゃありませんから!
彼が帰ると私は急いで母港であった呉や広島の特産品である牡蠣に浜名湖名産のウナギ、たどり着けなかった沖縄からハブ酒を取り寄せる手続きを済ませました。
これで彼を迎え撃つ手筈は全て整えることが出来ましたね。
ふふ、
金剛さんから教えてもらった格言、まさに『All is fair in love and war.』です。
この大和、戦艦のトップ、いえ連合艦隊旗艦として負ける訳にはいきません!
※茶色い固形物:半流体だってありそうですが…。
いやそれこそ、これ以上はいけないってヤツです。
※金剛さん:同じ英国繋がりとしてやはりこの格言を知っていたみたいですね。