アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※ブラック鎮守府提督達 VS ホワイト鎮守府運営者

 大神元帥と真宮寺さくら大将は夫婦そろって艦娘にも人権を!派です。



※2020年06月06日、一部修正


第26話 会議室編2(艦娘側:北大路花火2)

 大階段を3Fまで登り切り、左へ曲がります。

 廊下の突き当りに一際目を引く大きな扉、横須賀第一鎮守府大会議室。

 時間も丁度ですね。

 

 「『柱島第七泊地指令官』北大路花火大佐、ならびに同泊地所属第五航空戦隊旗艦翔鶴、保護艦アルカディア号三名参りました。」

 

 「遠路はるばるご苦労様です。入って下さい。」

 深呼吸をしてドアをノックすると、大神元帥の返事が返ってきました。

 大神、真宮寺と二重の意味で嫌ですね。

 出来れば顔を合わせたくありません。

 いえ、別にお二人に非がある訳ではなく私、北大路花火の極めて個人的な理由によるものです。

 別に大神さんが私を選ばなかったとか真宮寺先輩が私の想い人を横取りしたとかではありませんよ、ええ(ギリッ)!

 

 中に入ると各鎮守府・泊地・警備府の提督さん達の目が一斉に私達に向けられると同時にどよめきが起こりました。

 真宮寺先輩、いえ現『連合艦隊司令長官』真宮寺さくら大将からいつもの真宮寺スマイルで席に着くよう指示をされます。

 

 これは…、私達が最後になるように10分ほど指定時刻がずらしてあったみたいですね。

 今日の進行役は…、ああ『海軍軍令部長兼参謀本部長』細川ミロク大将ですか。

 なるほど、彼女らしいやり方ですね。

 大神元帥を挟んで真宮寺大将と反対に座る細川大将に目を向けて席に着きました。

 

 あぁん?

 さくら先輩、何ですか、その嗤いは?

 ひょおっとして勝者の余裕ってヤツですか?

 確かに私、パリ花組の中でも地味でしたし、その上さらに無い方でしたし将来的にもコクリコに抜かれる可能性大ですが、貴女だって日本人としては平均よりやや上なだけですよねぇ?

 それが数少ない男性でしかも当時の女性人気トップ3の一人、大神元帥をゲットしたからって、ふーん、へーえ、そう来るんですかァ。

 しかもプロポーズされた時に、私を選んでくださるんですかって言ったら、あの人、『さくら君、それは違うよ。僕が君を選ばせてもらうんだ』って言ってくれたんです、どぅえすってぇ~?

 年寄じゃあるまいし、同じ話を会う度に何度も何度も…。

 東京花組の皆さんも辟易としていらしてるというのに。

 まあ、いいです。

 私がアルカディアさんで同じ事をして差し上げますから(勝手に未来予想図)。

 

 「では、私から改めて…。急な招集にもかかわらず集まってくれた事、感謝する。本日の案件は事前に伝えた通り、柱島第七泊地で保護されたという男性艦についてだ。」

 私が色々と考えを巡らせていると細川大将が切出しました。

 

 「柱島第七泊地指令、北大路花火大佐。そちらの保護艦について現時点で判明している内容の説明を願おう。新たに判明したものがあればそれも含めて頼む。」

 私はアルカディアさんが今とは別の世界の未来(約960年後)からきた事、艦種は海賊船である事、鬼姫級三隻+レ級三匹が相手でもたった一隻で戦局を変えてしまう程の戦闘力を持つ事、軍属になる気は無い事、そのため共闘を依頼して了解を得ている事などを伝えましたが、説明が終わるか終わらないというタイミングでダン、と机を叩く音がしました。

 

 「手ぬるい! 艦娘とは建造はもちろん、顕現(ドロップ)艦であってもこの世に生まれ出た時から軍属と相場が決まっているんだぞ! だというのに北大路、貴様一体何を考えている!」

 あれは…、『呉第一鎮守府』の藤枝殺女中将ですか。

 細川大将一派、日本有数のブラック鎮守府運営者ですね。

 

 「落ち着いて下さい姉上、どうしてそう極端なのですか? 共闘して下さるというのならそれで十分でしょう。焦ると元も子も無くしますよ、閣下。」

 『宿毛湾第一泊地』司令官である妹の藤枝かえで少将が咎めますが…。

 妹のかえでさんは超が付くほどのホワイト鎮守府運営者です。

 同じ姉妹なのにどうしてこうも違うのでしょうか?

 

 「では北大路、藤枝の両司令官に問おう。その話が事実だとして海賊船など無法者の極み。今後そのような『ならず者』が我々に反旗を翻さないという保証があるのか?」

 さすがは藤枝中将、反論しにくい所を突いてきます。

 

 「それは我々も同じでしょう。配下の艦娘達が強硬手段に出るという可能性は何も彼だけではないと思いますが?」

 ここ横須賀第一鎮守府司令官である神崎中将の目がスッと細められます。

 

 「だから艦娘に人権などを与えてはイカンのだ! 中途半端に甘い顔をするからそのような心配をする破目になる。普段から姉妹艦を盾に取るなりして徹底的に押さえ付け反抗できないという事を分からせないといつ寝首を欠かれるか分かったものではない!」

 

 「だからこそ、抑えるだけではダメだというのです! 指揮官と艦娘、お互いの信頼が無いと戦果だって上がりません。さらに信頼があればそのような心配事をする必要だって無いはずです!」

 神崎中将が藤枝中将に反対意見をぶつけます。

 

 「神崎、貴様は甘過ぎる。軍属にならないなら、そのようなならず者の危険因子は即刻解体すべきであろう!」

 そう言うと藤枝中将はホルスターから対艦娘専用銃を出してアルカディアさんに向けました。

 その他のブラック鎮守府運営を是とする提督達からも賛同の声が上がります。

 

 「殺女くん、その銃を下したまえ。」

 

 「大神元帥?! しかし!」

 

 「聞こえないのか、藤枝中将。銃を下すんだ。」

 有無を言わせぬ大神元帥の様子に渋々、ホルスターに銃を戻します。

 

 「まあ、何だ。せっかく協力してくれるってんだ、何もそう頭から危険なヤツとか敵認定する事はねえんじゃねえか、な?」

 

 「そうね、噂ではかなりの戦闘力らしいし、ここは協力して頂けるように持っていくのが最良だと思いますが?」

 『佐世保第一鎮守府』指令官の桐島カンナ中将と『舞鶴第一鎮守府』司令官のマリア・タチバナ中将がとりなしてくれましたが、強硬派の表情は変わりません。

 しかし銃を向けられてもアルカディアさんは顔色一つ買えませんでしたね。

 何と男らしいのでしょう。そんな所も素敵です(ぽっ)。

 改めてこの方を我が『柱島第七泊地』に迎え入れる事ができた事を神に感謝しなくてはいけません。

 後は…、えと、あの、その…、アルカディアさんの分身を私の(検閲により削除)に迎え入れたいです(きゃっ)。

 

 でもその後、小声でコッソリとマリア・タチバナ中将に『きのこの山』と『たけのこの里』のどちらがお好きなのか聞いてらしたのは何故でしょうか?

 

 ハッ?!

 マリア・タチバナ中将は背も高いし凄く精錬された感じのするお綺麗な方です。

 アルカディアさんは、ああいった方が好みなのでしょうか?

 お茶請けを持って押しかけようとしているのでは?!

 ダメです!

 舞鶴第一鎮守府に奪われる訳にはいきません!

 

 「アルカディアさん、私には聞いて下さらないのですか?」

 

 「うん?」

 

 「私は『たけのこの里』派です。たけのこというぐらいですから竹の幼子ですよね。形もチョコっとした姿で可愛らしいですし。」

 あれ?

 私、何かおかしな事を言ってしまったのでしょうか?

 アルカディアさんが固まってしまいましたが…。

 

 その時、慌ただしく廊下を走る音が聞こえて来たかと思うとドアが乱暴に開けられました。




※真宮寺さくらの嗤い:彼女はそんな事を思っていません。友人に会えた事が単純
 に嬉しいだけです。

※焦ると元も子も無くしますよ、閣下:何故かはわかりませんが眼鏡を拭きながら言う
 と効果的です。制服さんの悪いクセだ、という一文を前に付け足すとさらに効果があ
 ります。

※対艦娘専用銃:一撃で艦娘の息の根を止める事が出来るシロモノ。万一に備え、司令
 官全員に支給されている

※きのこの山とたけのこの里:ご存じ日本を代表するお菓子。貴方はどっち?
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