アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※4月15日、誤字修正


第3話 最悪の事態(日向)

第一艦隊:日向・妙高・青葉・翔鶴・瑞鶴・祥鳳

第二艦隊:霧島・足柄・摩耶・川内・秋月・不知火

救出艦隊:大和・武蔵・長門・陸奥・赤城・加賀

 

 「きゃあっ!」

 

 「翔鶴姉?!」

 

 「ちっくしょう、この私がここまでやられるなんて…。」

 

 「翔鶴さん、足柄さん、私の後ろに!」

 秋月が長10cm砲を必死に操り、襲い掛かる敵艦載機を打ち落としていくが、それでもバカげた数の敵機を全て打ち落とす事なぞ出来はしない。

 

 期間限定海域の最深部をようやく攻略し終えた私達連合艦隊だが、その帰還途中に三人の鬼と姫さらに随伴艦としてレ級三匹が待ち伏せしていたのだ。

 通常は帰還途中に会敵する事なぞあり得ない。

 

 私としても第一艦隊旗艦の重圧から解放された矢先の事態で艦隊としても完全に虚を突かれた形になった。

 連合艦隊同士の壮絶な殴り合いに力を使い果たした私達に交戦能力なぞ残っている訳がない。

 緊急救援要請を受けて駆け付けてくれた柱島第七艦隊の誇る精鋭、大和・武蔵・長門・陸奥・赤城・加賀達も鬼姫級三人にレ級三匹が相手では防戦一方だ。

 さらに一航戦のふたりは既に中破状態で交戦能力は無い。

 

 「うう、やられた。これじゃ戦えないよ…。」

 ついに祥鳳までもがやられてしまったようだ。

 

 (これで制空権は完全に失ってしまったな。私の瑞雲も残数は…。無し、か。)

 (すまないな、伊勢。私はどうやら帰れそうにない。)

 「霧島、大和・武蔵を殿にして全員を連れて最大戦速で離脱しろ。いいな。」

 

 「日向さん?!」

 

 「私は足が遅い、それだけの話だ。早くしないと本当に全滅してしまうぞ。」

 

 「何を言ってるんですか、そんな事できるわけ無いでしょう!」

 

 「ではこの長門が残ろう。なに、鈍足加減では貴様以上だ。」

 

 「あら、長門。貴方だけ残すと思うの? 私だって…。」

 

 「陸奥、お前はまだ小破だろう。皆に十分ついていける。残るのは私一人でいい。」

 

 「そんな…。長門、私嫌よ。」

 

 「いい加減にして下さい! 誰がそんな事させるもんですか!」

 霧島が鬼のような形相で睨みつけてくる。

 

 「皆、大丈夫よ。」

 ふらつきながら足柄が立ち上がった。

 

 「ふふ、足手纏いになるって本当にイヤよね。妙高姉さん、那智姉さんと羽黒によろしくね。」

 言うが早いか足柄は敵艦隊に突っ込んでいった。

 

 「バッ! 足柄、何をする気なの?! 戻りなさい!」

 

 「加賀さん、翔鶴姉を必ず無事に連れて帰って。足柄さん一人だけじゃ持たないでしょ?」

 

 「…。」

 

 「瑞鶴さん、これを。」

 祥鳳と赤城が残りの矢を全て差し出す。

 

 「赤城さん?!」

 

 「祥鳳さんも止めて下さい! 人の妹に何をさせるつもりですか!」

 

 「いいの、翔鶴姉。私は今までずっと翔鶴姉を始めとするみんなに守られてきた。今度は私が守る番。みんな、今までありがとね!」

 そう言って敬礼した瑞鶴もまた最大戦速で敵艦隊に突っ込んで行く。

 

 「嫌、そんなの絶対嫌! 戻って瑞鶴! お願い、お願いだから…。う、ううっ、うあぁぁ…。」

 

 妙高、翔鶴すまない、ふがいない私を許してくれ。

 なに足柄や瑞鶴だけを逝かせはしないさ。

 私も直ぐに後を追おう。

 足柄と瑞鶴、やや遅れて私の三人に雲霞のごとき敵艦載機の群れが殺到する。

 

 と、突然その敵艦載機が次々と爆発四散し始めた。

 




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