アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

30 / 198
※やれやれ、こんな時にそんな低次元の争いをしている場合では無いのでは?
 細川大将に藤枝中将、聞いてます?

※実際、神崎すみれ嬢やグリシーヌ・ブルーメール嬢の性格を考えたら、もっと
 早い段階で先の二人に向かっていきそうな気もします…。


第30話 ブンカー編1(艦娘側:一鎮明石1)

 『柱島第七泊地』翔鶴さんが『駆逐イ級!』と叫んだ途端、轟音と共に画面が真っ白になりました。

 一体何があったのでしょうか?

 とにかく神崎提督の無事を確かめなくては!

 

 「提督、ご無事ですか! 一体何があったんです?!」

 館内スピーカーを通して安否を確認します。

 

 「ケホッ、どうやらブンカー内の出入口の柱全てに駆逐イ級が爆薬を抱いて自爆待機していたらしいわね。これで私達は本当に一か所に固められてしまったわ。」

 

 「そこから出られないという事なんですか?!」

 大淀が焦って割り込んできます。

 

 「待ってて下さい! すぐに明石と夕張を向かわせます!」

 

 「止めておいた方がいい。複数本の柱を失ったこの状態で無闇に重機やドリルを使えば天井全体が崩落する危険があるわ。」

 あれは…、藤枝殺女中将。

 日本でも一二を争うブラック鎮守府運営者ですね。

 画面の視界が晴れて来たので確認できます。

 

 「残念だが藤枝中将の言う通りだ。今は無闇に脱出しようとするべきではないだろう。」

 

 「そうですね。海側から瓦礫を丁寧に除去していくしか…。」

 監視カメラを切り替えて確認しますが、大神元帥と真宮寺大将の言う通り、本当に出入口のみを瓦礫が塞いでいます。

 

 「さて、見事に閉じ込められてしまった訳だが…。」

 藤枝中将と細川大将が神崎提督を睨み付けます。

 

 「神崎中将、貴様この責任を一体どうするつもりだ? 帝都おひざ元の第一鎮守府にあれだけの工作員の侵入を許しおって! これが貴様らのいう艦娘に人権を与えた結果という事か?!」

 先程の爆発音のせいで私と夕張の後ろには大勢の艦娘達が集まっていました。

 その中で一際、真っ青になっているのが本日の近海哨戒部隊だった名取さんと第七駆逐隊の方々です。

 

 「艦娘達を甘やかすからこのような結果になるのよ! あれだけの数の工作員の侵入を見落とすなんてどういう事なの!」

 藤枝中将が神崎提督の襟首をつかんで壁に叩きつけます。

 大神元帥も止めようとしますが、逆にその甘さがこの結果だと細川大将に詰め寄られてしまう事態に。

 

 「申し訳…、ありません。」

 神崎提督が声を絞り出して頭を下げます。

 そんな、止めて下さい!

 提督は何も悪くありません。悪いのは私達です。

 後ろでは名取さんが床に崩れ落ちてしまいました。

 長良さんも五十鈴さんも掛ける言葉が無く立ち尽くしています。

 

 七駆の四人もごめんなさいを繰り返しています。

 特に潮ちゃんはひたすら、もう止めて下さいと…。

 

 中継を止めようと装置に手をやると青葉がそっと手を伸ばしてきました。

 首を横に振って中継を止めるべきではないという意思表示をしてきます。

 

 「どうして? これ以上、神崎提督のこんな姿を余所に中継したくなんかないよぉ…。」

 実は会議が始まった時点から生中継していました。

 青葉が噂の男性艦を全国の艦娘達が見たがっているに違いないと…。

 

 「きっと事態は好転します。青葉には分かるんです。ジャーナリストとしての感がそう告げているんです。余所の青葉は知りませんが、私はガセや間違った情報を流した事が無いのが自慢です。ですからここは私を信じて下さい。」

 確かに青葉の言う通りですが…。

 彼女のカンは勘ではなく感なので今回も何かを感じたのでしょう。

 私は彼女の意見を受け入れる事にしました。

 

 出撃した横須賀第一鎮守府と横須賀第二鎮守府の艦隊も交戦に入ったらしく無線を通して激しい砲撃音と航空機のプロペラ音が聞こえてきます。

 第一鎮守府の艦隊が到着した時には潜水棲姫と新潜水棲姫の開幕雷撃によって第二鎮守府の飛龍さんと瑞鶴さんが中破した状態だったようです。

 第二鎮守府の対潜水艦艦隊が到着するも単横陣が取れなかったため、潜水棲姫と新潜水棲姫に有効な一撃を与えられません。

 逆に装甲の薄い彼女達は相手にとって良い攻撃目標です。

 次々と一撃大破に追い込まれていく悲鳴が聞こえてきます。

 不味いのはその中に赤城さんや武蔵さんといった大型艦も入っているという事です。

 突然、ブルーメール少将が無線機に飛びつきました。

 

 「もう、もうたくさんだ! 撤退、撤退しろ! このままでは第一鎮守府・第二鎮守府両艦隊ともに全滅してしまう!」

 

 「武蔵! ブルーメール少将の言う通りになさい! あなた達は良くやったわ、今ならまだ間に合います、早く!」

 神崎提督も必死で呼びかけますが…。

 

 「バカか、貴様ら! 撤退などあり得んだろうが! 少しでも相手の戦力をそぐ必要があるのに何を甘ったれた事を抜かしている! いいか、参謀本部長として命じる、最後の一艦になっても撤退は許さん!」

 

 「細川大将、止めて下さい! あの子達は私の部下です、貴女に指揮権はありません!」

 

 「ええい、離せ! 貴様のようなヤツに司令官としての資格はない、私が代わる!」

 そう言って細川大将が神崎提督とブルーメール少将を蹴飛ばしました。

 

 「細川大将、あなたいい加減になさい!」

 それを見ていた真宮寺大将が細川大将を張り飛ばしました。

 

 ところが細川のヤツ、逆に真宮寺大将まで蹴飛ばしやがったんです!

 私たちの提督である神崎中将はおろか真宮寺大将にまで何て事を!

 

 そもそも何が代わるですかっ、私達の提督は未来永劫、神崎すみれその人です。

 ふざけるのも大概にしろ!

 お隣である横須賀第二鎮守府のブルーメール少将も大事な方です。

 おのれ細川に藤枝、貴様達だけは絶対に許さない!

 ところがそんな逆上せ上った私でも青くなる事態が起きました。

 何とブルーメール少将が細川大将に銃を向けたんです。

 

 「グリシーヌ!」

 ブルーメール少将の親友である北大路提督が叫びます!

 誰もが最悪の事態を覚悟した時、空気を切り裂く音と共にブルーメール少将の銃が宙を舞いました。




※ブルーメール少将の銃を弾き飛ばしたのは誰なんでしょう?
 主人公では無いみたいですが…。

※細川大将を張り飛ばすのは我らが大神隊長にやってもらいたかったのですが、
 「細川大将、いい加減にしないか!」よりも「細川大将、あなたいい加減に
 なさい!」の方が当方としては、しっくり来たのでさくらさんにお願いしま
 した(笑)。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。