アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※お待たせ致しました、アルカディア号発進!です

※アルカディア号発進のイメージ。
 YouTubeでアルカディア号と探すと上から三番目に出て来る『Captain Harlock movie with Theme of Pirates of the Caribbean』ってヤツです。
 こちらは本物のアルカディア号ですが何となくこんな感じという事で…。



※2020年06月14日、誤字修正。


第32話 ブンカー編2(艦娘側:一鎮明石2)

 宙を舞うブルーメール少将の銃。

 音のした方を確認すると柱島第七泊地の腕章をつけた翔鶴さんが厳しい表情で弓を構えていました。

 

 「ブルーメール少将、貴様!」

 藤枝中将がブルーメール少将を取り押さえようとしますが…。

 

 「私に触れるな!」

 そう言って今度は剣に手を掛けますが、またしても柱島第七泊地の翔鶴さんの矢が剣を弾き飛ばしました。

 

 「翔鶴、貴様! いくら花火の艦娘とて許さんぞ!」

 ブルーメール少将が柱島第七泊地の翔鶴さんを睨み付けます。

 

 「藤枝よ、構わん。今はそれどころではない、放っておけ。どの道そやつらの艦隊は全滅だ。その時の顔が見ものだ。それでチャラにしてやるわ。」

 細川大将が大声で笑いました。

 決死の覚悟で出撃した武蔵さん達、それを嘲り笑うなんて…。

 長門さんが両手のこぶしを握り締めます。

 

 「提督よ、撤退はせん。」

 無線を通じて武蔵さんの声が!

 

 「第一鎮守府の武蔵が言う通りよ。相手艦隊がそちらに着くまでに少しでも削っておかないと鎮守府ごと陥落の危険があるわ!」

 第二鎮守府の瑞鶴さんも撤退はしないと告げてきました。

 

 「バカな事を言うな! そんなに戦いたければ両艦隊ともバケツをひっ被ってからにしろ!」

 ブルーメール少将が何とか帰ってくるように説得を試みますが…。

 

 「神崎提督、申し訳ありません。私も瑞鶴も足部艤装破損で戻れそうにありません。こうなってしまった以上、少しでも相手戦力を削ぐ事に注力します。」

 

 「そんな…。どうして言う事を聞いてくれないのよ! あなた達は…、聞き分けの無い娘達ではなかったはずよ、そうでしょう?!」

 神崎提督も必死で説得を試みますが、込み上げる想いのせいで言葉も、途切れ途切れに…、なってしまって…。

 後ろにいる大勢の艦娘達からも啜り泣きが…。

 

 「提督よ、そう悲しまないでくれ。我らは艦娘として生まれた以上、いつ戦いの中で沈むかもしれない覚悟は出来ている。」

 

 「第一鎮守府の武蔵さんが言う通りです。ブルーメール提督、勝手なお願いですが加賀さんが寂しがると思うので、なるべく早く次の私を建造してあげて下さい。」

 

 「次の私達にも同じように接してやってくれ。最後に貴方のような立派な提督の下で働けた事を嬉しく思う。さあ、大和よ、もうひと踏ん張りするぞ。提督、すまないがこれ以上は我らの決心も揺らぎかねん、さらばだ。」

 

 「ヒッ、駄目、駄目よ! 応答なさい! 武蔵、武蔵いいいっ!」

 

 「頼む、帰って、帰ってきてくれ! 帰って…。」

 神崎提督もブルーメール提督も、もうそれ以上言葉を紡ぎ出す事は出来ませんでした。

 崩れ落ち肩を震わせるお二人に盟友の桐島カンナ中将やマリア・タチバナ中将を始め藤枝かえで少将らが側に寄り添いますが…。

 その藤枝かえで少将も涙を流しています。

 あの人は特に人の心が分かるお方ですから、お二人の胸中を思う以上にあの姉に対して情けなさと悔しさで一杯なのでしょう。

 

 「ところで柱島第七泊地の翔鶴よ。よくぞこの私を救ってくれた。後ほど、禄を送ろう、何が望みか?」

 本当にKYですね、この人。

 いえ、わざとやってるんでしょうが…。

 

 「いいえ、結構です。」

 翔鶴さんの厳しい表情はそのままです。

 

 「ほう、随分と無欲だな。」

 

 「細川とやら、貴様ずいぶんとお目出度いな。」

 その時です、ついにアルカディア号さんが口を開きました。

 

 「何?」

 

 「うちの翔鶴は貴様を救ったのではない。ブルーメール少将殿を救ったのだ。」

 それを聞いた柱島第七泊地の翔鶴さんの表情がようやく綻びました。

 なるほど、そういう意味だったのですね!

 

 「どういう事だ?」

 

 「ブルーメール少将の手を汚させたくないという事だ。ましてやそれが殺す価値も無いともなれがなおさらであろう。」

 

 「貴様、この私に向かって!」

 細川大将がアルカディア号さんを張り飛ばしますが、かれは微動だにしません。

 あ、これ男性保護法違反では?

 

 「アルカディアさん!」

 柱島第七泊地の翔鶴さんがアルカディア号さんに駆け寄ろうとしますが…。

 

 「心配はいらん。元来、男の体というのは女よりも遥かに丈夫だ。」

 アルカディア号さん、カッコイイ!

 

 「ぐすっ、アルカディアさん、神崎提督を、いえ神崎先輩とグリシーヌを…、助けてあげて下さい。お願い…、します。ですが、私から対価としてお渡しできるのは何もありません、ですから…。」

 ちょ、北大路提督!

 何をしているんですか!

 ジャケットを抜いでブラウスのボタンに手を?!

 

 「ふっ、嫁入り前の娘が何をしている。感心出来る事ではないぞ(すか…。

 この明石、いえ後ろにる横須賀第一鎮守府の艦娘達のゲージ(何の?!)が天井知らずですよぉ。

 

 「全く、役に立たないガラクタ共なら指揮官も役に立たないという事か。」

 くそっ、出入口が塞がってなかったらこの明石が細川大将を撃っていたでしょう。

 これ以上、横須賀を馬鹿にするなら本当に許さない!

 

 「姉上。それに細川大将殿。お二人は先の無線の何を聞いていらしたのですか。」

 ついに妹の藤枝少将が藤枝中将に詰め寄りました。

 

 「お前達のために死ぬと分かりながらなお、躊躇もせずに出撃してくれる部下など誰一人としておるまい。」

 

 「命令されてイヤイヤ出撃するのが関の山じゃないのか?」

 さらにアルカディア号さんが、そして大神元帥が私達の想いを代弁してくれます!

 

 「じゃあアルカディア号さん!」

 北大路提督の顔がパッと明るくなります。

 私の後ろにいる横須賀第一鎮守府の艦娘達もザワつき始めました。

 

 「うむ。」

 アルカディア号さんが出撃を了承してくれたようです!

 北大路提督が喜びのあまりアルカディア号さんに飛びつきました。

 ちょっと何してるんですか?!

 少しぐらい早く知り合ったからってズルいですよ!

 

 「それと神崎中将閣下、出撃にあたって修復バケツ18杯を貰えるか?」

 アルカディア号さんの要請に顔を上げた神崎提督は涙の後を拭おうともせず直ぐに許可を出してくれました。

 万一に備え、ブンカーにはバケツ20杯が常備されているのです。

 

 「アルカディア号さん、本当ですか? しかしどうやってここから出撃を?」

 そうでした、中に閉じ込められている状態でアルカディア号さんはどうやって出撃するのでしょう?

 大神元帥が心配するのも分かります。

 

 「一度水中に突っ込んでそのまま地中を進む。瓦礫を抜けた時点で水中に出てそこから飛び出す。岩盤は堅そうだが何とかなるだろう。」

 そ、そんな事が可能なんでしょうか?!

 

 「神崎中将、ブルーメール少将、お二人の艦娘は必ず連れて帰ろう。それまでには指揮官らしくシャキッとしていろ。それに二人とも…。」

 ア、アルカディア号さんが神崎提督の手を握って?!

 

 「いつまでもメソメソしていてはせっかくの美人が台無しだぞ。」

 アアア、アルカディア号さんが私達の提督を、神崎提督を口説いてる?!

 おまけに返す刀でブルーメール少将までもですか!

 

 神崎提督もウソのつけない誠実な方は嫌いではありませんわ、どうかあの子達をお願いしますとアルカディア号さんの手を握り返しています。

 後ろでは北大路提督と柱島第七泊地の翔鶴さんが能面に!

 ひ、ひいぃ~、怖過ぎですよぉ~(泣)。

 

 「全員、出来るだけ後ろに下がっていろ。」

 アルカディア号さんが閉じ込められた全員に安全な場所まで下がるよう命じました。

 同時にアルカディア号さんから個性豊かな妖精さん達が姿を現します。

 

 「花火、出撃依頼を。」

 それを聞いた北大路提督の顔が輝きました。

 

 「は、はいっ! 海賊船、いえ宇宙海賊船アルカディア号、その最大戦速と戦力を以て横須賀第一鎮守府、並びに横須賀第二鎮守府の艦娘達の救援を要請しますっ!」

 アルカディア号さんは剣を抜き胸の前に掲げ踵を合わせました。

 

 あー、もう本当にイチイチ格好良いんですから!

 後ろにいる榛名さんと伊勢さんのオメメがハートになってますよ。

 他にもあのお堅い妙高さんや高雄さんまでもが恋する乙女の顔に!

 

 「花火、両艦隊を撤退させるのはイイが、別にあれを倒してしまっても構わんのだろう?」

 キャー、またまたしびれちゃいますうっ!

 でもどこかで聞いた事がある感じもしますが、それにしてもあの鬼姫12隻を倒す?!

 そんな事が可能なんでしょうか?

 いえ、このアルカディア号なら出来るかもしれません。

 ですが、またそんな事を言ってしまったら…。

 ほら、後ろにいる艦娘達の陥落ゲージがヤバい事になってますよ。

 ひょっとしたらコレ、中継先の各鎮守府や泊地でも同じような状態なんじゃ?

 

 「え、ええ。ですが決して無理はしないで下さい。」

 北大路提督もさすがに不安なのでしょう。

 

 そんな私達の気持ちを知ってか知らずかアルカディア号さんが艤装を展開しました。

 いやはや艤装もカッコイイですねぇー。

 さっき頂いた模型そのままです。

 やはり最大の特徴は艦首にある巨大な髑髏と後腰部のスターンキャッスルでしょう。

 そしてついにアルカディア号さんの艤装に火が灯り始めます。

 

 「カタパルトじょうしょうかく40ど。」

 「バランスせいじょう。」

 「ぜんかいろシールドはいじょ。」

 「ぶそうシステムへの どうりょくかいろ、セイフティオフ!」

 「シリンダーないの しんどうすう まいびょう さんおくろくせんまん すべてせいじょう。」

 「すいりょくでんどうかん へいさべん かいじょ。じんこうじゅうりょく はっせいかいし!」

 艤装の上をあの個性豊かな妖精さん達が慌ただしく動き回ります。

 そしてアルカディア号さんが宙に浮くと各地の提督さんとお連れの艦娘さん達からどよめきが起こりました。

 

 「ライフルレーダーにゅうりょくオン!」

 「スロットル びそくぜんしん から ぜんかいへ!」

 

 「アルカディア号、発進!」

 アルカディア号さんの凛とした声がブンカー内に響き渡りました!




※いやあ~、長かったです。
 アルカディア号の出撃まで自分でもここまで掛かるとは思ってもみませんでした(笑)。

※果たしてアルカディア号は横須賀艦娘18名を無事に連れ帰る事が出来るのでしょうか?

※ところで、アルカディア号が北大路提督を呼ぶ際、途中から『花火』呼びに変わりましたね(おや?)。
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