アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※前回のお話でお気に入りが200を超えてしまいました。
 大変うれしく思うと同時に感謝に堪えません。
 諸兄氏の大切な時間を奪ってしまってなければ良いのですが…。

 これからも遠いハーレムに向かって行きますので、主人公共々宜しくお願い致します。<(_ _)>


第33話 ブンカー編2(アルカディア側5)

 隣にいる翔鶴さんが弓でブルーメール少将の銃を弾き飛ばした。

 って、翔鶴さん、アンタそんな芸当が出来るの?!

 惚れてまうやろー!

 いや、もう惚れてました。

 スイマセン…。

 

 「ブルーメール少将、貴様!」

 藤枝中将がブルーメール少将を止めようとするが…。

 

 「私に触れるな!」

 今度は剣を抜こうとするも、またもや翔鶴さん弓から放たれた矢がその剣を弾き飛ばした。

 凄え、まるでウイリアムテルである。

 まるで北大路提督がマスターで翔鶴さんがサーバントみたいだ。

 

 「翔鶴、貴様! いくら花火の艦娘とて許さんぞ!」

 ブルーメール少将が翔鶴さんを睨み付ける。

 まあ、二度も邪魔をされたらなあ…。

 

 「藤枝よ、構わん。今はそれどころではない、放っておけ。どの道そやつらの艦隊は全滅だ。その時の顔が見ものだ。それでチャラにしてやるわ。」

 うわー、こいつホンマ性格悪いわぁ。

 

 「提督よ、撤退はせん。」

 細川大将に呆れかえっていると無線から武蔵の声がした。

 

 「第一鎮守府の武蔵が言う通りよ。相手艦隊がそちらに着くまでに少しでも削っておかないと鎮守府ごと陥落の危険があるわ!」

 待って、待って。

 第二鎮守府の瑞鶴様が怖い事を言いだしたぞ。

 

 「バカな事を言うな! そんなに戦いたければ両艦隊ともバケツをひっ被ってからにしろ!」

 ブルーメール少将の言う通りである。

 戦場は鎮守府近海だ。地の利を生かさぬ道理は無い。

 が、第一鎮守府の翔鶴さんから帰ってきた返事は予想外だった。

 

 「神崎提督、申し訳ありません。私も瑞鶴も足部艤装破損で戻れそうにありません。こうなってしまった以上、少しでも相手戦力を削ぐ事に注力します。」

 まさかの帰投不可能を告げる絶望宣告。

 これ、このままだと神崎中将、絶対に自分を責めて責めて責め抜くぞ。

 何とか小破艦か中破艦に曳航させてでも帰投させないと神崎・ブルーメール両提督の自我が崩壊する可能性が高い。

 下手をすれば精神病院行きである。

 まだつまみ食いをしてないのにそんなトコ行かれては困る!

 

 (女神:アンタもあの二人に負けないぐらいのクズな気がするよ。)

 

 「そんな…。どうして言う事を聞いてくれないのよ! あなた達は…、聞き分けの無い娘達ではなかったはずよ、そうでしょう?!」

 

 「提督よ、そう悲しまないでくれ。我らは艦娘として生まれた以上、いつ戦いの中で沈むかもしれない覚悟は出来ている。」

 待て武蔵、覚悟があるから沈んでいいというのは間違っている。

 

 「第一鎮守府の武蔵さんが言う通りです。ブルーメール提督、勝手なお願いですが加賀さんが寂しがると思うので、なるべく早く次の私を建造してあげて下さい。」

 赤城も何をアホな事を言ってるんだ?

 新しい赤城が建造されたとして、共有する記憶が一切無いのに替わりになる訳が無い。

 そんなの新しく建造された赤城が可哀そうなだけだ。

 

 「次の私達にも同じように接してやってくれ。最後に貴方のような立派な提督の下で働けた事を嬉しく思う。提督、すまないがこれ以上は我らの決心も揺らぎかねん。さあ、大和よ、もうひと踏ん張りするぞ。」

 艦娘達と理想的な関係にあるのは、この武蔵の返答からも分かるが…。

 

 「ヒッ、駄目、駄目よ! 応答なさい! 武蔵、武蔵いいいっ!」

 

 「頼む、帰って、帰ってきてくれ! 帰って…。」

 嗚咽が響く中、親交のある桐島カンナ中将、マリア・タチバナ中将、エリカ・フォンティーヌ大佐、ロベリア中佐や藤枝かえで少将らが側に寄って声を掛けるが…。

 

 「ところで柱島第七泊地の翔鶴よ。よくぞこの私を救ってくれた。後ほど、禄を送ろう、何が望みか?」

 うーん、ただのKYなのか、おバカなのか分からんがとにかくクズである。

 

 「いいえ、結構です。」

 感謝されているにも拘わらず翔鶴さんがその厳しい表情を崩す事はない。

 

 「ほう、随分と無欲だな。」

 

 「細川とやら、貴様ずいぶんとお目出度いな。」

 あ、とうとう言っちゃった。

 こんなの12股男さん、アンタのお仕事でしょーが全く。

 

 「何?」

 おっと、細川大将が前に出て来たぞ。

 

 「うちの翔鶴は貴様を救ったのではない。ブルーメール少将殿を救ったのだ。」

 

 「どういう事だ?」

 

 「ブルーメール少将の手を汚させたくないという事だ。ましてやそれが殺す価値も無いともなれがなおさらであろう。」

 

 「貴様、この私に向かって!」

 細川大将からロケットパンチが飛んでくるが…。

 全く、飛ばしてくるならパンチではなくパンツにしてくんねえかなぁ。

 まあ、しょせんは女の力である。

 多少痛い程度に過ぎない。

 前世での上司から受け続けた理不尽な鉄拳に比べればどうという事は無いわ、フハハハハハ!

 しかし、まさかあのクソ上司に感謝する時が来るとは。

 世の中何があるか分からんな。

 

 「アルカディアさん!」

 駆け寄ろうとする翔鶴さんを制する。

 こんな事で泣き言を言っちゃ男が廃るってもんだ。

 

 「心配はいらん。元来、男の体というのは女よりも遥かに丈夫だ。」

 まさか前世でヘマし過ぎて殴られ慣れしてますなんて言える訳が無い。

 

 「ぐすっ、アルカディアさん、神崎提督を、いえ神崎先輩とグリシーヌを…、助けてあげて下さい。お願い…、します。ですが、私から対価としてお渡しできるのは何もありません、ですから…。」

 うぎゃあぁー、タイミングが悪い、悪過ぎるぞぉーっ!

 さすがの変態を自認する俺でも衆人環視の中で事に及ぶ趣味は無い!

 というか絶対にイヤだ。

 ひょっとして北大路提督はこれを見越して?!

 北大路花火、やはり恐ろしい子…。

 

 「ふっ、嫁入り前の娘が何をしている。感心出来る事ではないぞ(笑)。」

 せっかくのチャンス、せっかくのチャンスが(血涙)…。

 

 「対価など要らん。あの二人を救いたい、それだけで十分だ。花火のそれは気持ちだけ受け取っておこう。いつか本当に好きな人が出来た時まで取っておけ。」

 涙を呑んで北大路提督の蛮行を止めさせる。

 

 「全く、役に立たないガラクタ共なら指揮官も役に立たないという事か。」

 おや、12股男さんと真宮寺大将の表情が厳しくなったぞ。

 やれやれ、そんな顔をするぐらいなら自分で何か言えばいいのに。

 

 「姉上。それに細川大将殿。お二人は先の無線の何を聞いていらしたのですか。」

 これは意外?!

 藤枝少将が静かに、しかし大きな怒気を孕んだ声を?!

 

 「お前達のために死ぬと分かりながらなお、躊躇もせずに出撃してくれる部下など誰一人としておるまい。」

 思わず乗っかってしまったぜ。

 調子乗りの本領発揮である。

 

 「命令されてイヤイヤ出撃するのが関の山じゃないのか?」

 さすがの大神元帥までもが細川大将と藤枝中将に詰め寄る。

 

 「じゃあアルカディアさん!」

 北大路提督が嬉しそうに胸の前で両手を合わせる。

 さすがフランス育ちの子爵令嬢、仕草の一つ一つがあまりにも可愛らしくて昇天しそうになる。

 天秤が神崎すみれ嬢から北大路花火嬢に大きく傾いた。

 

 「うむ。」

 出撃を了承した途端、北大路提督が飛びついてきた。

 くっ、手を出せないというのが分かったら途端に大胆になりおってからに。

 

 「それと神崎中将閣下、出撃にあたって修復バケツ18杯を貰えるか?」

 いくらヤッタラン妖精とドクター妖精とはいえ18名の手当ては相当厳しい。

 万一に備え、ブンカーにはバケツ20杯が常備されているらしく、神崎提督はどうかあの子達をお願いしますとバケツを託してくれた。

 

 「アルカディア号さん、本当ですか? しかしどうやってここから出撃を?」

 12股男さんが心配そうに聞いてくる。

 

 「一度水中に入ってそのまま地中を進む。瓦礫を抜けた時点で水中に出てそこから飛び出す。岩盤は堅そうだが何とかなるだろう。」

 多分だけど…。

 

 「神崎中将、ブルーメール少将、お二人の艦娘は必ず連れて帰ろう。それまでには指揮官らしくシャキッとしていろ。それに二人とも…。」

 蛮勇を奮って神崎提督の手を握る。

 うっはー、手白い、指細い、柔らかい、きめ細かい(ただし家事は全くしていないと思われる)!

 

 「いつまでもメソメソしていてはせっかくの美人が台無しだぞ。」

 真っ赤になって怒ったグリシーヌ嬢と違い、神崎提督は嘘のつけない誠実な方はきらいではありませんわ、どうかあの子達をよろしくお願いします、とこちらの手を握り返してくれた。

 くっ、こんな事なら手袋を外しておけばよかったぜ。

 天秤が北大路花火嬢から神崎すみれ嬢に大きく傾いた。

 

 「全員、出来るだけ後ろに下がっていろ。」

 ずっと神崎提督の手を握っていたかったが事態は一刻を争う以上、そうもいかない。

 

 「北大路提督、出撃依頼を。」

 北大路花火が子爵令嬢としての顔から提督としての顔に変わる。

 

 「は、はいっ! 海賊船、いえ宇宙海賊船アルカディア号、その最大戦速を以て横須賀第一鎮守府、並びに横須賀第二鎮守府の艦娘達の救援を要請しますっ!」

 剣を抜き胸の前に構え踵を合わせる。

 

 「花火、両艦隊を撤退させるのはイイが、別にあれを倒してしまっても構わんのだろう?」

 おっと、いかん。これは違う作品の某弓兵だったわ(笑)。

 

 「え、ええ。ですが決して無理はしないで下さい。」

 北大路提督が心配そうな目を向けてくる。

 恐らく俺が身動きの出来なくなった余所様の艦娘さん達におかしな事をしないか不安なのだろう。

 

 柱島第七泊地の時と違い、今回は間違いなく厳しい戦いになるのは間違いない。

 少しでもトラブルを避けるため動力伝達関係に無茶をさせないよう手順を踏んでいく。

 

 「カタパルトじょうしょうかくマイナス40ど。」

 「バランスせいじょう。」

 「ぜんかいろシールドはいじょ。」

 「ぶそうシステムへの どうりょくかいろ、セイフティオフ!」

 「シリンダーないの しんどうすう まいびょう さんおくろくせんまん すべてせいじょう。」

 「すいりょくでんどうかん へいさべん かいじょ。じんこうじゅうりょく はっせいかいし!」

 「ライフルレーダーにゅうりょくオン!」

 両翼のスラスターに出力を回し浮き上がる。

 よし、問題はないようだ。

 

 「スロットル びそくぜんしん から ぜんかいへ!」

 両腕を合わせてアルカディア号の船体形状を形作る。

 これで岩盤を割れるはずだ。

 

 「アルカディア号、発進!

 そのまま、海中から海底に突っ込んだ。

 いやあ、これやってみたかったんだよ(笑)。

 さすがに気分が高揚します!




※ついにアルカディア号が動きました。
 各地の提督さん達はその力に仰天することになります。

※深海棲艦鬼姫級12隻さん達、今ならまだ間に合うぞ。逃げるんだ!
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