アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
その分、少し長くなっていますのでお許しを。<(_ _)>
アルカディアさんが戦闘海域に到着しましたわ。
お願いです、どうかどうか…。
全員を無事に連れて帰って下さいまし。
ブンカーにある65インチのモニターを全員で食い入るように見つめます。
あ、当然このモニター我が神崎重工製でございましてよ?
ですがこの時、私はこの映像、誰が撮っているのかしらとは思いましたが、まさかウチの青葉・明石・夕張の仕業だとは夢にも思いませんでした。
そしてこれが全鎮守府や泊地、警備府、基地にまで中継されているとも…。
「一体どうなっているの?! あの航空機隊の武装、光線兵器よ!」
「それだけやあらへん、あの噴進弾も追尾式やで!」
アルカディアさんの対空兵装と航空隊にマリアさんと紅蘭さんは驚きを隠せない様子ね。
無理も無いですわ、本格的な噴進技術も光線兵器も追尾システムも全てがまだ実用化されていないのですから。
私も何度目を擦ったか分かりませんわ。
尤も一番驚いて悲鳴を上げていたのは100機近くあった艦載機を三分経たずして壊滅させられた相手空母勢でしたわね。
コチラでもそこかしこから信じられないとか有り得ないとか是非うちに引き入れたいとか聞こえてきますわ。
あの細川や藤枝まで帝都防衛にとか呉一鎮にとか聞いて呆れますわ。
自分達が先程まで彼に何と言っていたのか覚えていないとは言わせませんわ。
「アルカディアさん、やっちゃって下さい!」
「よーし、いっけぇー!」
モニターの前ではエリカさんとアイリスさんがイケイケになっています。
「これならいけるかもしれねえぜ!」
カンナさんまで…。人の気も知らないで全く能天気な。
『戦艦全員でタイミングを合わせて一斉射を行いなさい。』
圧倒的なアルカディアさんの力に喜んだのも束の間、突然ゾッとするような冷たい声が聞こえました。
モニター越しでもハッキリと感じ取れる冷酷さ、妬み、敵意、いえ殺意に全員の表情が一気に険しくなります。
特に大神元帥とさくらさんの表情が険しいですわね。
花火さんとお連れの翔鶴さんに至っては真っ青になっています。
あの四人、何か御心当たりがるのでしょう。
そうでなければあのような反応は有り得ません。
「大神元帥さん…。」
「うむ、間違いない。」
何かの間違いであって欲しいとする花火さんですが、大神さんの返答は厳しいモノでしたわ。
「そんな…。」
さくらさんも悲痛な面持ちですわ。
これはハッキリさせておくべきですわね。
各地の司令官も集まっている事ですし聞いてみましょう。
「花火さん、あなた今の声が誰かご存じなのね?」
「はい…。影山サキ提督です。」
影山サキ…。
『前』柱島第七泊地指令、今の細川大将や藤枝中将に並ぶ、いえそれ以上の外道。
ブラック鎮守府の提督達は往々にして姉妹艦を盾に取る事が多いですが、実際に解体まで行うのはそこまで多くありません。
しかし彼女はそれを日常的に行っていました。
この事からも彼女の異常ともいえる冷酷さと残虐性が浮かび上がってきます。
演習で出向いた当横須賀第一鎮守府の長門が、あんなのは解体ではなく殺害だったとも…。
「今の柱島第七泊地提督は花火さん、貴女です。それにもう彼女は提督ではありません。」
「そうだ。前提督の亡霊におびえる必要など微塵も無い。」
怯える花火さんにさくらさんと大神さんが声を掛けます。
「でもあの人は陸戦隊送りになったはずですわ。それが何故?」
「彼女が所属した陸戦隊は全滅したんだが、それは深海棲艦に寝返った彼女の仕業だという話があるんだ。」
「何ですって?!」
聞かなければ良かったですわ。
提督地位の剥奪と陸戦隊送りに関してあの人が並々ならぬ恨みを海軍に抱いていた事は私を含め全員が知っていますが…。
「単なる噂話だと思っていたが…。影山サキ、彼女は我々の思っている以上だったという事か…。」
彼女の行動を読めなかった、あるいは軽く考えていた後悔でしょうか?
大神さんが悔しそうに呟きました。
1年前、憲兵に両腕を固められ、無理矢理退出させられていくときの彼女の目と表情は私も未だに忘れられません。
人はあそこまで憎しみを顔に出せるものかと。
「させませんっ!」
「黙って見てると思ったら大間違いネ!」
モニターの向こうでは再びアルカディアさんを捉えようとする戦艦水鬼と戦艦棲姫達に大和とニ鎮の金剛が主砲を向けます。
ですがそれよりも早くアルカディアさんの主砲が火を噴きました。
「パルサーカノン発射!」
アルカディアさんの号令と共に三連装主砲三基から炸薬音とは違う独特の音と共に三本の光の矢が伸びていきます。
次々に一撃大破に追い込まれる戦艦水鬼と戦艦棲姫。
まさに恐るべき威力です。
花火さんが彼と共闘関係を築いてくれた事とそのおかげで彼が敵に回らなかった事を神に感謝すべきでしょう。
「よっしゃ、いちごうじゅうばくらい(1号重爆雷)!」
アルカディアさんが何か命じると、おちょぼ口の眼鏡を掛けた妖精さんがポイッと何かを鬼姫達の後ろに投げ捨てました。
山なりの弧を描いて着水したそれはそのまま海中に沈んでいきます。
数秒後、轟音と共に鬼姫達が立っていた海面が盛り上がり始めました。
しかもただ盛り上がるだけではありません。
鬼姫達ごと持ち上げて?!
すぐにそれは天まで届くような巨大な水柱となり滝のような雨となって海水が辺りに降りそそぎます。
「ば、爆雷?! たった一発なのに何て威力なの!」
「だが潜水棲姫と新潜水棲姫の悲鳴が聞こえなかった。ちゃんと仕留められたのか?」
「大丈夫だ、グリシーヌ。あれでは生き残る方が難しいだろう。恐らく悲鳴すら上げる事が出来なかったに違いない。それに生き残っていたら五十鈴や由良が見逃すはずが無いからね。」
「だね。ありゃ自分に何が起こったかさえ分からなかったろうさ。」
大神さんとロベリアさんが頷き合います。
『あら、残念。先にやられちゃった(笑)。』
またあのゾッとする声が響き渡りました。
「信じたくはなかったが…。やはり影山君か!」
『あら、その声は大神さんね。お久しぶり(笑)。』
武蔵が持つ無線機を通して会話をする二人。
「影山君、何の意図があってかは知らないがこのような事は止めるんだ!」
『そんなのあなた達への復讐以外なにも無いに決まってるじゃない。おまけにこの私を陸戦隊送り?! ふざけるんじゃないわよ!』
今までとは一転してヒステリックに叫ぶ影山サキ。
『まあ、いいわ。また機会と作戦を練り直して各地にお邪魔するから。そうそう、今の私ね、影山サキじゃなくて五行衆の水弧っていうの。覚えておいて下さいネ(笑)。』
それからはもう影山サキ、いえ水弧の声は聞こえなくなりました。
その間にもアルカディアさんは敵艦を次々と戦闘不能に追いやっていきます。
当然、彼にも水弧の声は聞こえていたのでしょうが、全く動揺する気配がありません。
特に圧巻でしたのは『移乗白兵戦用アンカーチューブ』とやらを側頭部に打ち込まれた空母棲姫二隻。
こんなものが刺さった所で痛くも痒くもないと言っていましたが、突然白目を剥いて苦しみだすと舌をだらしなく出したまま動かなくなってしまいました。
周りの鬼姫達も何が起こったのか分からず立ち尽くしています。
「ナノ戦闘員を直接、頭に送り込んで脳を破壊。これが海賊のやり方だ!」
アルカディアさんは今、何て仰ったのかしら?
ナノとはとても小さなという単位のはず。
ミクロの戦闘員を頭の中に送り込んで脳を破壊?
仰っている意味が分かりません、いえ理解は出来ますのよ…。
「凄いです、まるで今週のビックリドッキリメカですね!」
未だ半信半疑の域を出ない私と違い、エリカさんは素直に感心していますわ。
「きっとアルカディアさんを小さく小さくしてディフォルメした小人さんが『カイゾク、カイゾク、カイゾク』って行進して乗り込んでいくんですよ。」
エリカさん、止めて頂けませんこと?
頭の中でその通りの光景を想像して(出来て)しまいましたわ。
「艦首ミサイル!」
立ち尽くしている空母水鬼二隻に噴進式空中魚雷(『みさいる』というらしいですわ)が直撃します。
絶叫と共に沈みゆく空母水鬼。
どの道、艦載機を壊滅させられた時点で手足をもがれたも同然でしたから、遅かれ早かれですわね。
空母勢だけではありません。
彼の主砲に捉えられた戦艦水鬼と戦艦棲姫二隻もあっという間に水底へと姿を消していきました。
提督全員がアルカディアさんの戦闘力に興奮していますが相手は鬼姫級達ですのよ?
それを考えると彼は決して敵に回してはいけない存在ですわ。
アナキン・スカイウォーカーがダースベイダーになってしまったように、彼が道を外してしまったら誰も止める事など出来ません。
今日、真に話し合うべき案件はこれではなかったかしら?
「ウアアアッ!」
ついに自分だけになってしまった戦艦水鬼が自棄を起こしたのか、あの巨大な両腕を振りかざしアルカディアさんに向かっていきます。
アルカディアさん、危ないですわ!
その巨大な左腕が彼の顔面を捉え…。
いえ、彼の右手がそれをしっかりと受け止めました。
「クッ、ハ、ハナセ!」
まさか自慢の怪力を止められるとは思わなかったのでしょう、焦った彼女はもう片方の腕でアルカディアさんを殴り飛ばそうとします。
が、彼はその手もガッシリと受け止めてしまいました。
必死の形相で挑む戦艦水鬼と軽く笑みを浮かべるアルカディアさんではどちらに分があるかなんて子供でも分かりますわ。
ジリジリとアルカディアさんが押し込んでいきます。
「ヒッ、ヤメロ! ヤメテクレ!」
両腕が胸元まで押し込まれた時、戦艦水鬼が悲鳴を上げてアルカディアさんに蹴りを入れました。
手四つに組んでいる距離なので彼に避ける術はありません。
おかげでアルカディアさんが膝をついてしまいましたわ。
しかし、彼は再びそのまま低い位置で戦艦水鬼の腕を押し込んでいきます。
上から押し込みに耐える彼に形勢逆転かと心配しましたが、どうやら杞憂のようですわね。
それにしても許せませんわ、私のアルカディアさんに何という卑怯な手段を!
…。
あら?
今、私なにを?
私の?
私のアルカディア…、さん?
あら嫌ですわ。私ったら、いつの間に(笑)。
でもあの見た目で中身もしっかり伴っていらっしゃるのよ?
陥落しない方が女としてどうかしているのではなくて?
その証拠に花火を始めマリアやカンナ、紅蘭やグリシーヌ、果てはロベリアまで少し顔が赤いですわ。
え、エリカさん?
彼女なら目がハートになって…。
もう処置無し、手遅れですわ。
他提督の方々も言うに及ばずですが、連れている護衛艦娘までが女の顔になってますわね。
花火さんには悪いですが、何とか横須賀一鎮に移って…。
いえ、これでは細川や藤枝と同じね。ウチの子達には悪いけど諦めましょう。
もっとも彼が自発的に移るというなら…、問題ありませんわね(ダークスマイル)。
司令官である私自ら枕営〇、性〇待で…、え?
何か仰りたい事でもあるのかしら?
枕〇業、性接〇を行ったところで、彼は我が神崎家に相応しい方です。
そのまま婿養子にすれば何も問題ありませんわ。
「アアアッ! ヤメテクレ! イヤダ、イヤダ!」
ふとモニターに目を移すと敗北を悟った戦艦水鬼が蝶結びにされた主砲を暴発させたところでした。
大破状態だった彼女はそのまま沈み始めます。
アルカディアさんはそんな彼女を一瞥すると出撃時と同じく踵を合わせて剣を前に構えました。
「己の信念に殉じたか。例え許しがたい敵だとしても使命のために倒れた者には最大の敬意を表す。俺も信念の赴くままに死にたい。」
アルカディアさん、カッコイイですわ!
ですがお願いです、どうか死ぬなんて仰らないで下さい。
たとえ違う世界の住人といえどもここにいらしたのは何か理由があるはずですから(主に私と幸せな家庭を築くとか)。
その後はもう大海原を渡る海風の音しか聞こえませんでした。
※どうやら横須賀第一鎮守府&横須賀第二鎮守府の18名を
無事に救出することが出来たようです。
※両鎮守府の18名、アルカディア号の艤装に興味津々みたいです。
※影山サキはかなりの美人さんでお気に入りなので個人的には何とか
してあげたいなぁと思っています…。
※ビックリドッキリメカ:今は亡き富山敬さんの説明しよう!で有名ですね。
※リアルでも大規模イベント始まりましたね。
本当にアルカディア号が編成出来たら駆け足でイベント終わらせる
事が出来るんだろうなぁ。