アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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第41話 帰投編1(艦娘側:二鎮飛龍)

 「さあ、帰るぞ。」

 アルカディア号さんが振り向いて帰投を促してきた。

 ホントに?

 ホントに帰れるの?

 潜水棲姫と新潜水棲姫の先制雷撃で片足を失った時は死を覚悟したのに。

 でも今はどちらかというと帰れるという喜びよりも沈まずに済んだというのが大きいかな?

 

 それにしても鬼姫級の戦艦や空母を一撃で戦闘不能にしてしまうなんてアルカディア号さんの兵装は凄いなぁ。

 不思議な兵装も一杯あったし。

 特にあの逃げても追いかけてくる噴進式の空中魚雷みたいなヤツ。

 あと噴進式の航空機隊とか炸薬音の一切しない主砲とかどうなってんの?

 

 「その前に話しておく事がある。」

 そんな事を考えているとアルカディア号さんが一鎮の会議室からブンカーまでの一連の出来事を話してくれた。

 

 「それは本当なのか?」

 一鎮の武蔵さんが言葉の出ない私達に代わって聞いてくれる。

 

 「ああ、内容は全て青葉・明石・夕張によって記録されている。帰ったら見てみるといい。」

 そんな…。

 確かに細川大将は私達も大嫌いだけど、少将が大将に銃を向けたとなるとこれはもう大問題だよ。

 下手をすれば今頃、ブルーメール提督は軍警に拘束されてるかも。

 

 「そんな…、テイトク…。」

 茫然とする金剛さん。

 

 「ブルーメール提督はあれほどしっかりした方なのに…、どうして?」

 

 「ふむ。では瑞鶴、史実で翔鶴が先に沈んだ時、お前はどうだった?」

 「あるいは今、翔鶴が沈んだらどうだ?」

 

 「どうって、そりゃあ…。」

 

 「ブルーメール提督も同じだ。彼女はそれを12人一度に味わう事になるところだったのだ。いかな少将閣下といえども取り乱してしまうのも無理は無い。」

 僚艦を失うだけでも辛いのにそれを12人。

 改めてそう考えると言葉が無い。

 だってブルーメール提督は私達を家族として扱ってくれているから。

 

 「武蔵、神崎中将も同じだ。台風では固く太い木ほど折れやすい。逆に柳のような木は受け流しが出来る分、折れにくいだろう?」

 一鎮の出撃メンバーも悲痛な面持ちに。

 

 「ここからは俺の独り言だ。」

 アルカディア号さんはそう言って続けてくる。

 

 「お前たちの言い分も分かるが、やはり撤退するべきだった。撤退して鎮守府の艦娘全員で立ち向かう事も出来たはずだ。二鎮のメンバーも勇み足にならず一鎮の由良哨戒機からの続報を待てば編成も変わっただろう。」

 アルカディア号さんの言う通りだ。

 

 「もしお前たちが沈んでしまったら二人とも心を病んで精神科送りになった可能性が高い。あるいは自らを責め抜いた挙句、間違いなくお前達の後を追っていただろう。これではお前達も浮かばれまい。」

 「短い時間だが俺も両閣下の艦隊運営方針(艦娘に対する扱いと想い)は良く分かった。だからこそ花火の救出依頼を受けたのだ。」

 

 「依頼? 命令では無くてですか?」

 

 「む、赤城か。俺は軍属ではなく、あくまで共闘の依頼を受けているに過ぎん。」

 アルカディア号さんは北大路提督が共闘という形をとった理由を説明してくれた。

 

 「もし、細川大将や藤枝中将が少将閣下を陸戦隊送りや銃殺などと言い出したら俺の出番という事だ。」

 そう言ってアルカディア号さんはニヤリと笑った。

 この人、私達の事だけじゃなくてブルーメール提督の事までちゃんと考えてくれているんだ。

 そう思うと胸が熱くなってくる。

 

 「私達は提督のお気持ちも考えず、勝手過ぎたのですね。」

 榛名さん…。

 

 「そうネ、帰ったら真っ先にブルーメール提督に謝りまショウ!」

 

 「それは勿論だけど…。あーあ、それでもかなり怒られるだろうなぁ。」

 瑞鶴さんが溜息をついた。

 

 「ふっ、安堵のあまり怒るどころではないかもしれんぞ。」

 

 「えっ、ホント?」

 いやまあ、あんまり喜んではダメなんだけど(笑)。

 

 「心配するな。その場合は盟友の花火から顔の形が変わる程の制裁を貰うと覚悟しておけ。むしろ少将閣下の方が良かったかもしれんぞ(笑)。」

 

 「まさかぁ。だって花火さんってあの北大路提督の事でしょ?」

 「っていうか、アルカディア号さんは北大路提督の事を花火って呼ぶんだ。へぇー。」

 瑞鶴に言われるまで気が付かなかったけど、そういえばアルカディアさん、北大路提督の事を花火って…。

 詳しく聞こうと思ったけど、航空搭乗員が填める様な四点式のハーネスが回って来た。

 どうやらこれで曳航してもらえるみたい。

 順番は一鎮の武蔵・大和・赤城・大鳳・翔鶴・瑞鶴ときて二鎮の金剛・榛名・赤城・大鳳・私・瑞鶴・五十鈴・由良・龍驤・鈴谷・熊野・皐月ね。

 

 「先に聞いておこう。曳航速度はどうすればいい?」

 

 「逆に何キロ出せるじゃん?」

 

 「亜光速まで出せるぞ。」

 

 「『アコウソク』って何ですの?」

 

 「亜高速とはほぼ光の速さという事やな。一秒間に地球を7周半出来る速さや。時速でいうと10億8千万キロ、秒速でも30万キロやな。」

 何それ?

 凄過ぎて龍驤さんの説明を聞いても理解が追い付かないんだけど?

 第一、そんな速度で曳航されたら体がバラバラになっちゃうから!

 っていうか、そもそもアルカディアさんて一体何者なんだろう?

 翔鶴の言う通り航空戦艦だと思っていたけど、魚雷(艦娘達はミサイルを空中魚雷と思っています)に爆雷を普通に使ってたし。

 

 航空巡洋駆逐戦艦…。

 ダメだ、そんな艦種ある訳ない。

 あれこれ考えを巡らせていると、一鎮の大和さんが前に出た。

 

 「アルカディア号さん、助けて頂いて本当にありがとうございます。私、もっとあなたの事…、知りたい、です。」

 そう言ってアルカディア号さんの腕を自分の腕に絡めてきた。

 もちろん、上目遣いというおまけ付きで。

 




※お久しぶりです。

※これはこれは(笑)。
 帰る前にひと騒動ありそうな予感が…。
 騒動に発展しなくても、18名の心中は如何に?!

 まあ、大和さんに限らず横須賀の艦娘さん達は積極的みたいですよ?
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