アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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第42話 帰投編1(アルカディア側9)

 「さあ、帰るぞ。」

 時刻はAM11:30。

 今から帰れば昼飯には丁度いい。横須賀第一鎮守府は大規模鎮守府のエースナンバーだけあってメニューも豊富で味も特に良いと聞く。

 だがその前にブンカーで何があったかはこいつらにも話しておく必要があるだろう。

 

 「その前に話しておくことがある。」

 一鎮の会議室からブンカーまでの一連の出来事を伝えると明るかった雰囲気が飛んでしまった。

 え、ナニコレ?

 ひょっとしなくても俺のせいですね、凹むわ…。

 

 「それは本当なのか?」

 一鎮の武蔵が絶句している二鎮の連中に代わって聞いてくる。

 

 「ああ。内容は全て青葉・明石・夕張によって記録されている。帰ったら見ておくがいい。」

 細川のヤツは確かにロクでもない女だが大将は大将である。対していくら艦娘達から慕われていてもグリシーヌは少将なのだ。

 出撃した艦娘達が沈まなかった今、やっぱ軍法会議♪なんて平気で言いだすだろう。

 

 「そんな…、テイトク…。」

 

 「ブルーメール提督はあれほどしっかりした方なのにどうして?」

 どうしてって…。

 艦娘を部下ではなく家族として考えているからに決まってんじゃん。

 

 「ふむ。では瑞鶴、史実で翔鶴が先に沈んだ時、お前はどうだった?」

 「あるいは今、翔鶴が沈んだらどうだ?」

 適切かどうか分からんが、これが一番わかりやすいだろう。

 

 「どうって、そりゃあ…。」

 

 「ブルーメール提督も同じだ。彼女はそれを12人一度に味わう事になるところだったのだ。いかな少将閣下といえども取り乱してしまうのは無理もない。」

 ブルーメール提督よ、俺はわかるぞ。

 僚艦ハーレム構成員を独り失うだけでも辛いのに、それを12人。

 改めてそう考えると言葉が無い。

 

 「武蔵、神崎中将も同じだ。台風では強く硬い木ほど折れやすい。逆に柳のような木は受け流しが出来る分、折れにくいだろう?」

 ああいう外も芯も強い女性ほど折れる時はポッキリいくものだ。

 

 「ここからは俺の独り言だ。」

 これから彼女達は部下として神崎中将とブルーメール少将をより深く理解してもらわねばならん。

 

 「お前たちの言い分も分かるが、あそこはやはり撤退するべきだった。そうすれば鎮守府の艦娘全員で立ち向かう事も出来たはずだ。二鎮のメンバーも勇み足にならず一鎮の由良哨戒機からの続報を待ては編成も変わっただろう。」

 まあ、彼女達を責めるのはここまでだ。

 これ以上は嫌われてしまう可能性が出て来るからねぇ。

 

 「もし、お前たちが沈んでしまったら二人とも心を病んで精神科送りになった可能性が高い。あるいは自らを責め抜いた挙句、間違いなく後を追っていただろう。これではお前達も浮かばれまい。」

 ここからは提督の為という内容に切り替える。

 大体、あんなキレイどころが二人も精神科送り?

 冗談ではない、つまみ食いをする前にそんなトコ行かれてたまるか!

 

(女神:アンタが何を考えているか皆に教えてあげたい(ウズウズ))

 

 「短い時間だが俺も両閣下の艦隊運営方針(艦娘に対する扱いと想い)は良く分かった。だからこそ花火の救出依頼を受けたのだ。」

 花火とブルーメール少将は親友だからな。

 これで両名に恩を売れた訳である。まさに一石二鳥、頭イイ!

 

 「依頼? 命令では無くてですか?」

 さすが赤城さん、そこに気付くとは天才か?!

 実際、この人のIQって凄く高そうだし、真の艦隊の頭脳ってこの人ではなかろうか?

 

 「む、赤城か。俺は軍属ではなく、あくまで共闘の依頼を受けているだけに過ぎん。」

 北大路提督が共闘という形態をとった理由を説明すると全員が心底感心していた。

 

 「もし、細川大将や藤枝中将が少将閣下を陸戦隊送りや銃殺などと言い出したら俺の出番という事だ。」

 そうなったら大神元帥はじめ連合艦隊司令長官の真宮寺大将にも恩を売れる。

 いけませんわ、ニヤニヤが止まらないですー(山雲風)。

 

 「私達は勝手過ぎたのですね…。」

 俯く榛名。

 

 「そうネ、帰ったら直ぐにブルーメール提督に謝りまショウ。」

 

 「それは勿論だけど…。あーあ、それでもかなり怒られるだろうなぁ。」

 

 「ふっ、安堵のあまり怒るどころではないかもしれんぞ。」

 柱島第七泊地の足柄が助かった時の妙高さんを思い出す。

 

 「えっ、ホント?」

 飛龍の顔が明るくなった。

 相変わらずコロコロ変わる表情が可愛らしい。

 

 「心配するな。その場合は盟友の花火から顔の形が変わる程の制裁を貰うと覚悟しておけ。むしろ少将閣下の方が良かったかもしれんぞ(笑)。」

 だって花火ちゃん、前世のブラック企業に勤めていた時の上司と同じ顔と目をしてたもん。

 

 「まさかぁ、だって花火さんてあの北大路提督の事でしょ?」

 甘いな、瑞鶴よ。

 恐らく花火はそれが出来る娘だぞ。

 子爵令嬢だからいつも大人しいとは思わない事だ。

 帰投した際の楽しみが増えたわい(笑)。

 

 (女神:全く性悪なんだから。)

 

 さて帰りますか。

 四点式のハーネスを全員に配っていく。残念ながら今回は人数分あるらしい(血涙)。

 順番は一鎮の武蔵・大和・赤城・大鳳・翔鶴・瑞鶴と来て二鎮の金剛・榛名・赤城・大鳳・飛龍・瑞鶴・五十鈴・由良・龍驤・鈴谷・熊野・皐月である。

 

 「先に聞いておこう。曳航速度はどうすればいい?」

 

 「逆に何キロ出せるじゃん?」

 

 「ふむ、亜光速まで出せる。」

 

 「『アコウソク』って何ですの?」

 

 「亜高速とはほぼ光の速さという事やな。一秒間に地球を7周半出来る速さや。じそくでいうと10億8千万キロ、秒速でも30万キロやな。」

 龍驤が亜光速について説明しだした。

 え? 何?

 何か予想外の方が大変お詳しいんですけど?

 が、もっと予想外の事が起こったのである!

 

 「アルカディア号さん、助けて頂いて本当にありがとうございます。私、もっとあなたの事…、知りたい、です。」

 今まで、あまり言葉を発しなかった大和さん。

 その彼女が前に出てきて腕を絡めてきたのである。

 しかもあざとさ満点の上目遣いとくれば、わかっていても即陥落である。

 このような状況、俺に抗う術などあるはずが…(ガクリ)。

 




※大和さんが捨て身?の戦法に出たようです(笑)。
 アルカディア号の引き抜きに成功するのでしょうか?
 成功すれば神崎中将から大変に感謝されること間違いなし、ですが。
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