アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※随分長かった横須賀鎮守府編も終わりに近づいてきました。
 ここまで読んでくださった方には感謝しかありません。

 もしお時間が許すならこれからも目を通して下さると大変うれしく思います。


第55話 最終日編1(艦娘側:一鎮高雄)

 「ここが中庭です。これだけの広さがあるので水路や池、花壇に温室といった区画も広くとれるんですよ。」

 現在、私、高雄は妙高さんと二人でアルカディア号さんに横須賀第一鎮守府の案内をしています。

 北大路提督と柱島第七泊地の翔鶴さんは昨日に続いて会議に出席していらっしゃいますが、アルカディア号さんは出席の必要が無かったという事で、提督の命により私達二人が彼を案内する事になりました。

 後から聞いた話では彼が深海さん側に付いたらどうするか、またそれを防ぐにはどうすればいいか、という案件だったらしいです。

 ずいぶん失礼だとは思いましたが、分からなくもありません。

 何しろ彼の戦闘力はすさまじいものでしたから。

 

 「そしてこちらが士官専用食堂になります。艦娘専用食堂と違って食材もそれなりに良い物を使用していますので、海軍軍令部の方も結構ここを利用される方が多いです。」

 裏庭→運動場→本館ロビー→カフェテリアと回った後、今度は妙高が士官専用食堂を案内します。

 

 「そういえばアルカディア号さんはどうして士官専用食堂を利用されないのですか?」

 これほどのお方であれば利用しても何も言われないでしょうに。

 事実、神崎提督も士官専用食堂の利用をお勧めになられたとも…。

 

 「海賊船という無法者が士官専用食堂を利用する訳にもいくまい。それに艦娘専用食堂の方がお前たちの様に見目麗しい娘がたくさんいるからな。」

 両頬に手を当てる私達ですが、それを気にすることなくアルカディア号さんは次の建物へと足を向けます。

 その後、戦艦寮→空母寮→軽巡寮→駆逐艦寮→潜水艦寮と回り重巡寮のロビーでランチを全重巡で共にしました。

 鳥海・羽黒・古鷹・ヒューストン達が作ったサンドイッチにオイゲンが作ってくれたフランクフルトにポテト類を車座になって頂いたのですが、アルカディア号さんにも満足して頂けたようで何よりです。

 しかも提督さん達の月例会議二日目が終わる夕方まで重巡寮のロビーに滞在してくれました。

 まさに夢のような時間と言って差し上げますわ。

 ただ、彼を重巡が独占してしまった事で随分と他艦種の方から恨みを買ってしまう事となったのですけれど…。

 

 翌14日の午前中、救出して頂いた『大和・武蔵・赤城・翔鶴・瑞鶴・大鳳』の6名が、二鎮からは『金剛・榛名・赤城・瑞鶴・飛龍・大鳳』と『五十鈴・由良・皐月・龍驤・熊野・鈴谷』の12名が気合の入ったチョコレートをアルカディア号さんに渡されたのです。

 

 そう、今月の14日といえばバレンタインデーです!

 さらに私達の一鎮からも戦艦組・空母組・軽巡組・駆逐艦組・潜水艦組と全員が実質二日しかなかったのに、各自かなり凝ったモノをお渡しされていました。

 

 え?

 重巡組?

 それがあろうことか全員が浮かれ過ぎていて誰も一大決戦日に気付かなかったんです。

 せめて既製品でも、と思ったのですが既に横須賀第一鎮守府からはチョコレート自体が姿を消しており、外に出て購入しようと思っても外出申請は基本前日までに済ませておく必要があるので、どうしようもありませんでした(泣)。

 

 どなたか他艦種の方、一声掛けて頂ければ…。

 黙っていた上に必要のない分までチョコレートの買い占めなんて、それはあんまりです。

 

 アルカディア号さんを調子に乗って独占した自分達と、意地悪な仕返しをする他艦種の方々に『バカめ!』と言って差し上げますわ!

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 

 お昼前になると続々と各提督とその護衛艦娘さん達がここ横須賀第一鎮守府を出発していきました。

 柱島第七泊地の御三方は最後でしたので全員でお見送りです。

 さらに横須賀第二鎮守府のブルーメール提督と救助された12名も来られました。

 

 「北大路提督、それにアルカディア号さん。今回の事は本当に感謝していますわ。」

 

 「うむ、私の場合は翔鶴にも感謝せねばならん。止めてくれなければ本当に細川を撃っていたであろう。」

 

 「いえ、あれはアルカディアさんの言う通りです。手を汚す価値さえありませんから。」

 柱島第七泊地の翔鶴さんがこれ以上ない笑顔です。

 あの忌々しい細川がいなくなったのですから皆そうですけれど(笑)。

 

 「それから花火。此度の事、あらためて感謝する。あのままでは私は…。」

 

 「気にしないでグリシーヌ。その代わりもうやめるなんて言わないで頂戴。」

 

 「Oh! そ、それは一体どういう事デース?!」

 騒然となる二鎮の方々に北大路提督が説明をされました。

 成程、そのような事があったのですね。

 

 「ア ル カ デ ィ ア 号 さ ん。」

 て、提督?!

 

 「私はその遊覧飛行とやらに連れて行って頂いておりませんわ! 一体どういう事ですの?!」

 ブルーメール提督、ドヤ顔は止めて下さい!

 神崎提督に対する挑戦になってます。

 ところが神崎提督は何を思ったかニタァという嗤いを浮かべると、それ以上の追及はお止めになられました。

 

 「アルカディア号さん。」

 建物入口の階段を下りた彼を提督が呼び止めます。

 

 「今回の御礼ですわ。」

 何と提督は振り向かれたアルカディア号さんにそっと唇を重ねられたのです!

 後ろにいる私達艦娘からは悲鳴に似た声が!

 

 なるほど、身長差を無くすために門ではなく建物入口で見送る事にしたのですね。

 すべては計算づくと…。

 

 ですが流石に北大路提督と翔鶴さんから表情が消えました。

 お二人ともアルカディア号さんの足をヒールでグリグリやってますわ、痛そう…。

 

 「初めてですのよ。」

 さらに提督がとどめの一言を!

 アルカディア号さんは一瞬何が起こったのかわからないようでしたがフッと笑うと光栄だと返して下りました。

 形勢逆転ですわ、今度はブルーメール提督がぐぬぬ…、と唸ってらっしゃいます。

 ブルーリーフネットワークに載せるネタが手に入ったと喜ぶ一鎮と二鎮の青葉でしたが、柱島第七泊地に帰ってからのアルカディア号さんの事を思うと…(合掌)。

 




※おまけ 二鎮大鳳

 「アルカディア号さん。」
 ん、何でしょう?
 神崎提督がアルカディアさんを呼び止めました。

 「今回の御礼ですわ。」
 何と神崎提督がアルカディアさんに唇を重ねて?!
 向こうの艦娘さん達からも悲鳴が!

 「初めてですのよ。」
 神崎提督が彼の唇を吸いながら離れました。

 ちょっ、提督!
 何してるんですか、固まっている場合ではありません!
 ほら早く、提督も行かないと!

 私の唇の方が美味であろう、で対抗しましょう!
 とにかく早く!
 って、ああ…。
 行ってしまわれたではありませんか。

 「テートク! どうしてテートクもミスターアーケーディアにキスをしなかったのですカ?!」
 二鎮の執務室に帰ってから金剛さんがブルーメール提督に詰め寄ります。

 「出来る訳ないだろう! あ、あんな破廉恥な…。」

 「ヘタレ」×12

 「うっ、イイではないか。私はリアルアラジンをやって頂いたのだぞ。これ以上、何を望むことがあるというのだ?!」
 大ありです。
 彼が提督に想いを寄せるようになって横須賀第二鎮守府に移籍する。
 これが私達にとっても最高のストーリーなのですから(怒)。
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