アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

57 / 198
※主人公ことアルカディア号と北大路提督&翔鶴に進展が!


第57話 柱島帰投編1(艦娘側:北大路花火5)

 横須賀から帝都へと出た私達。

 それにしても神崎先輩ったら、腹立たしいです。

 何が今回の御礼ですわ、何でしょうか?

 ピンチになっても次は無いと思って下さい。

 でもそれ以上にアルカディアさんに八つ当たりする自分に腹が立ちます。

 

 「翔鶴さん、お昼は何を食べましょうか?」

 翔鶴なら私を諫めてくれる、そう期待して楽しそうに彼女にだけ聞いてやります。

 そうしたら素直にアルカディアさんに謝りましょう。

 何しろ彼は何も悪くな…、いえ神崎先輩からキスをされた時、一瞬ですがニヤけましたね。

 ギルティ、ギルティです!

 

 「ハイ、経費は海軍軍令部持ちですよね。『提督と私の』好きな『今半(すき焼き)』か『とよだや(天ぷら)』か『すきやばし次郎(お寿司)』に行きましょう!」

 

 ………。

 ……。

 …。

 

 翔鶴、貴女もなのね(溜息)。

 

 昼食を取った後はお決まりのウィンドウショッピングです。

 百貨店やアクセサリーショップ巡りをしたりして夕方まで時間を潰すのですが…。

 アルカディア号さんと回っているんです、楽しい時間のはずでしょう?

 どうしてこんなことに?!

 いえ、原因は私(と翔鶴)ですね。

 分かっています。自分で蒔いた種です、分かっていますとも!

 

 列車の出発時間が近づいてきたので駅に向かうのですが…。

 その間も私とアルカディアさんとのヤリトリは『はい』か『いいえ』の2つだけ。

 足取り重く駅の階段を登ります。

 私の心の中とは正反対に活気づくプラットホームが恨めしいです。

 

 そんな中、PM07:00発の『あさかぜ』3号が10分前にやって来ました。

 寝台特急でしかもA寝台。

 せっかくグリシーヌが快適な旅になるように計らってくれたというのに、これでは彼女に申し訳が立ちません。

 荷物を二段ベッドの上部奥に押し込むと翔鶴はお手洗いに行ってしまいました。

 今しかありません。

 勇気を振り絞って寝台に腰かけているアルカディア号さんの前に立ちます。

 

 「アルカディア号さん。」

 こちらを見上げた彼の顔を両手で包んで腰をかがめます。

 

 「し、消毒です…。ぽっ」

 や、やってしまいました。

 パリの公園で他のアベックを見ただけでもアタフタしていた私がです。

 しかも自分から。

 

 「どうした花火。このような事は真に好きな人が出来た時までとっておけと…。」

 アルカディア号さんは相変わらず分かってらっしゃらないのですね。

 まあ、分かるぐらいなら横須賀で他の提督さん達や艦娘達に手を出しまくってたでしょうけど…。

 

 「え、ええ。ですからその…、お分かりになりませんか? ぽっ。」

 ですが乙女(と自分では思っています。最悪、年齢的には大丈夫ですから!)がここまでしているのですから流石に分かって欲しかったですね。

 いえ、分かりなさい。

 

 「アルカディア号さんはグリシーヌに私と翔鶴に一目惚れしたと仰られました。それを聞いた私は天にも昇るほど嬉しかったのです。」

 彼の目を見つめ息を吸う。

 伝えないと、もうこんな思いをするのは嫌ですから。

 

 「アルカディア号さん、この北大路花火、あなたの事をお慕いしております。」

 「私に勇気が無かったばかりに神崎先輩に先を越されて…。」

 「申し訳ありません、自分のせいなのにアルカデイアさんに八つ当たりをしてしまいました。」

 「せっかく貴方と過ごせたというのに今日は全然楽しくありませんでした。そのせいでアルカディア号さんにも嫌な思いを…。」

 今さら泣くなんて虫が良すぎですね。

 

 「それはすまなかった。だがあれは不意打ちに近い。許してくれると助かる。」

 いえ、悪いのは私の方です。アルカディア号さんが謝る事は…。

 

 「それに正直に言えば俺も男だ。神崎閣下のような美しい女性にああいう事をされれば嬉しかったのも事実だ。」

 

 ………。

 ……。

 …。

 

 やっぱり謝って下さい。

 それも私の気が済むまでです。

 それとも秋、いえオオタムクラウドさんの薄い本のように靴や足先を舐めてもらおうかしら?

 

 「怖かったんですよ、私も提督も。」

 いつの間にか翔鶴も戻っていました。

 

 「アルカディアさんが横須賀第一鎮守府に残ると言い出すのではないかと、細川大将に帝都防衛の任に就くよう要請された時と同じ恐怖を感じたのです。」

 

 「花火に叩き出されるか、所属艦娘に出て行けと言われたら話は別だが、他所へ行くつもりは無い。それに翔鶴が待っていてくれる限り帰ってくると約束したはずだ。もちろん花火もだぞ。」

 アルカディア号さんが優しく私と翔鶴さんの手を取って下さいました。

 

 「知っていますか? 女性というのは身勝手で面倒くさい生き物なんです。一目惚れしたとか帰ってくるとか言葉だけでは提督も私も納得しません。ですからその…、確たる証を下さい。」

 翔鶴は一体どうしろというのでしょうか?

 アルカディア号さんも戸惑っていらっしゃるみたいですが…。

 

 「提督と私にアルカディア号さんからキスして下さい。」

 翔鶴、あなた今、何て言ったの?

 しかもそれを聞いたアルカディア号さんが立ち上がって?!

 え? ホントなんでしょうか?

 

 ………。

 ……。

 …。

 

 こ、これが殿方からの口付け?!

 舌で睦み合う本格的な…、もう体が蕩けそうです。

 

 翔鶴、よくやったわ!

 帰ったら提督権限で間宮好き放題の権利50日よ!

 視線を送りますが、今度は彼女がアルカディア号さんから証を頂いている最中でそれどころではないようです。

 車内放送も聞こえてなさそうですね。

 

 停車駅とその時刻案内、それから…、え? あと3分で発車します?

 そういえばまだ列車は揺れていません。

 恐る恐る窓の外を見ます。

 

 は、早く出して下さい!

 車掌さーん(泣)!




※ようやく主人公君に旗が二本立ちました!
 ここからドシドシ回収する事は出来るのでしょうか?
 柱島第七泊地に帰ってからは日常編を少し挟んでマゾーンの息が掛かったブラ鎮に乗り込みます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。