アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
おめでとうございます!!
横須賀から帝都へと出た俺達は昼食を取った後、百貨店や貴金属店のハシゴをしたりして夕方まで時間を潰した。
お昼は結局、築地市場(この世界では豊洲移転していない)で海鮮丼三昧となったのだが、場所もメニューも花火と翔鶴の間だけで決められこちらは完全無視であった、凹む…。
本来ならキャッキャウフフタイムになるはずなのに花火と翔鶴はずっと不機嫌。
プイッという感じの翔鶴に対して花火は無表情で『はい』か『いいえ』の二択モード。
キツイ…。
恐らくは俺と神崎提督がキスをした事が気に入らなかったのだとは思うが、あれ彼女にやられた側ですから!
あんな不意打ち避けられません(避けるつもりもないけど、エヘヘ)。
気落ちしたまま帝都駅のホームを上がる。
さすが帝都、PM06:30過ぎともなるとプラットホームは活気にあふれている。
PM06:50に『あさかぜ』のヘッドマークを付けたC62型蒸気機関車が青20号の車体に銀帯を撒いた客車を牽引してホームに滑り込んできた。
本来ならEF65型電気機関車が牽引するのだが、この世界ではまだまだ蒸気機関車が現役らしい。
行きは只の夜行列車でキツかったが、帰りは寝台特急列車(ブルートレイン)のA寝台。
聞くところによるとこれはグリシーヌちゃんの個人的な計らいによるモノらしい。
来週、柱島第七泊地にお越し頂いた際は忘れずにお礼を申し上げなくては。
花火と翔鶴に続いて荷物を二段ベッド奥に押し込み腰を下ろすと翔鶴はそのまま、お手洗いに行ってしまった。
「アルカディア号さん。」
不意に目の前に花火の足が現れた。
顔を上げると、その上げた顔を花火が両手で包んで?!
「し、消毒です…。ぽっ」
くぁwせdrftgyふじこlp !!!
花火さん、アナタ一体どうしたというのですか?!
「どうした花火。このような事は真に好きな人が出来た時までとっておけと…。」
声が裏返りそうになるのを必死でこらえる。
何だ、新手のハニートラップか?!
しかし花火がハニトラを仕掛ける意味が分からない。
「え、ええ。ですからその…、お分かりになりませんか? ぽっ。」
「アルカディア号さんはグリシーヌに私と翔鶴に一目惚れしたと仰られました。それを聞いた私は天にも昇るほど嬉しかったのです。」
おっふ。アナタ一体どんな聴力を持っているんですか?
もはやそれ003レベルですよ。
え、諸兄氏は003と言うかサイボーグ009自体をご存じない?
またまた御冗談を(迫りくるジェネレーションギャップに震え声)。
「アルカディア号さん、この北大路花火、あなたの事をお慕いしております。」
「私に勇気が無かったばかりに神崎先輩に先を越されて…。」
え?
「申し訳ありません、自分のせいなのにアルカディア号さんに八つ当たりをしてしまいました。」
待って、まって! さっきなんて言ったの?
「せっかく数少ない男性と過ごせたというのに今日は全然楽しくありませんでした。そのせいでアルカディア号さんにも嫌な思いを…。」
花火がポロポロと泣き始めた。
ちょ、止めて!
まるでコチラが泣かせたみたいじゃないか。
え、さっきのは気がありますって意味?!
「それはすまなかった。だがあれは不意打ちに近い。許してくれると助かる。」
どういう心境の変化があったのかは知らないが、もし本当にそうだとしたら確かにあの場面は不安になってしまうだろう。
「それに正直に言えば俺も男だ。神崎閣下のような美しい女性にああいう事をされれば嬉しかったのも事実だしな。」
花火ばかりが罪悪感を感じる必要は無いという意味で言ったのだが、彼女がジト目になってしまった。
「怖かったんですよ、私も提督も。」
いつの間にか戻って来ていた翔鶴。
なるほど彼女にとって俺は期間限定海域攻略要員だからな。
「アルカディアさんが横須賀第一鎮守府に残ると言い出すのではないかと、細川大将に帝都防衛の任に就くよう要請された時と同じ恐怖を感じたのです。」
そう言って翔鶴は今日一日、申し訳ありませんでしたと頭を下げた。
「花火に叩き出されるか、所属艦娘に出て行けと言われたら話は別だが、他所へ行くつもりは無い。それに翔鶴が待っていてくれる限り帰ってくると約束したはずだ。もちろん花火もだぞ。」
そっと二人の手を取る。
え? 何故かそうしないといけない気がしたんですよ、ハイ。
「知っていますか? 女性というのは身勝手で面倒くさい生き物なんです。一目惚れしたとか帰ってくるとか言葉だけでは提督も私も納得しません。ですからその…、確たる証を下さい。」
確たる証? 何だそりゃ?
「提督と私にアルカディアさんからキスして下さい。」
え?
マジで?
マジですか?!
もうドッキリでも何でもいい、だってこんなチャンスはもう無い!
ウッソぴょーんなんて言われる前にやってやるぜ!
立ち上がって花火の唇を奪い、舌で歯をノックして開けさせる。
そのまま舌を侵入させて絡め合う。
舌を強く吸ってやると急に花火から力が抜けた。
そのまま寝台に座らせ、今度は翔鶴の唇を頂く。
いや、翔鶴のようなイイ女を前に冷静でいられる訳が無く貪るといった方が正しい。
列車の発車する揺れに合わせて離れると彼女も寝台に座り込んでしまった。
うーん、獲物自らこの兵隊さん、いや変態さんに飛び込んでくるなんて驚きだわ。
本当に一体どうしたというんだろう?
まあ、目的地までは長いし色々と探りを入れてみますか。
※主人公君、分かってるのかな? 翔鶴さんもアナタが好きなんですよ?