アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※現在、アルカディア号は各地から引っ張りだことなって飛び回っています。
 アルカディア号と演習すると敗北でも莫大な経験値が得られるので、時々こうやってレベルの低い泊地や基地にまで足を延ばしています。

※おかげで柱島第七泊地には半月ほどしかいることが出来ませんが、行く先々で『お も て な し』されるので本人はさほど文句は無いみたいです(笑)。





※2021年01月31日 一部修正


第68話 遠征艦隊7(アルカディア側1)

 暑いな…。

 ブイン第三基地への演習へと赴いた帰り路。

 今日も太陽さんはご機嫌で『ぺかー』と元気いっぱいの恵みを地球に届けてくれていらっしゃる。

 海上150mを飛行中とはいえ、やはり切る風は生温く涼しくは無いんだよなぁ。

 藤井かすみ中佐率いるブイン基地、ここでも熱烈歓迎を受けた俺は少し我儘を言って自由時間に海で遊ばせてもらった。

 いや、だって仕方ないだろ?

 あんなキレイな海を見たら誰だってリゾート感覚で遊びたいじゃん?

 一人でビーチベッドに寝転がったり、素潜りしたりあちらの艦娘さんとビーチバレーを楽しんだりと羽を伸ばした訳ですよ。

 

 以前に一度、某基地所属の艦娘さんと『仲良く(意味深)』しようとしたら、すぐさま青葉から無線が入ったことがあった。

 曰く、『ブルーリーフネットワーク』なるものがあり全ての行動が筒抜けなのであまり羽目を外さない方がよろしいかと思います、というありがたい御忠告(脅しともいいます)を頂いた事があったので、せいぜい一緒に遊ぶにとどめた訳です。

 

 何故か流されてしまった(投げ捨てたようにしか見えなかったが…)藤井中佐の水着の上を取って来て下さいとか、陸奥のオイル塗って攻撃を耐えた俺に誰か特別報酬を出して欲しいわ!

 

 「きゃぷてん! ふじいちゅうさのえいぞうぷれいばっくちゅうもうしわけありません、かんむすとおもわれるはんのうをれーだーがとらえました!」

 いや、何でそんな事わかるんだよ?

 ウチのレーダー手、優秀過ぎじゃない?!

 

 「螢、反応の数は幾つだ? 後、何で藤井中佐の映像をプレイバック中だと?」

 

 「はんのうは6つです。いや、ずっとにやにやしているのできっとそうなのではと。」

 うん、間違っちゃないね、間違っちゃいないけれど触れないで欲しかったよ…。

 タウイタウイ泊地付近に差し掛かった時に有紀妖精から受けた一報、これが後の一大騒動へと繋がるとはこの時の俺は夢にも思っていなかった。

 進路は丁度、デスシャドウ島への帰還道中、黙ってても見つかるだろう。

 アルカディア号の巡航速度ならあと10分ほどあれば接触できる。

 もし、交戦後で傷つき方が酷ければ送り届けようと軽く考えていたのだが、彼女達の姿を確認した途端、そんな考えは吹っ飛んでしまった。

 

 何だ、あれ?

 艦種と艦名が認識できる距離になった時、俺は目を疑った。

 陸奥・翔鶴・羽黒・名取・潮・電の6名による艦隊。

 最後にドラム缶を曳航しているという事は資源獲得の為に編成された遠征艦隊だろう。

 

 だが、普通の遠征艦隊と決定的に違う所が一つある。

 陸奥は名取を、翔鶴は潮を、羽黒は電を曳航し、曳航されている三人は意識が無い。

 おまけに曳航している側の三人もかなり辛そうにしている。

 あちこち傷付き血が滲んでいる。どうみてもあれは砲撃によるものではない。

 転んだとか躓いたとかで出来る擦過傷だが程度が酷過ぎる。

 陸奥は体中にミミズ腫れの痕が、翔鶴はあの美しい銀髪の面影が全くなく潮風でボロボロだ。

 

 やがて翔鶴の行き足が止まってしまった。

 会話を増幅して聞いてみると…、燃料切れ?!

 普通遠征など燃料満タンで行くもんだろーよ。

 うーん、これは何かよくない臭いがしますよ。

 私は女性の体臭は大好きですが、こんなきな臭いのは好きじゃないんです!

 

 おまけに陸奥は翔鶴に燃料を移すから皆を連れて近くにある島まで逃げろという。

 あのすいません、あの島デスシャドウ島といいまして私の島なんですけど…。

 真横から二人に近づくが視界が霞んでいるのか、意識を手放す直前なのか全然こっちに気付く様子が無い。

 あー、やっぱり限界だったのか。

後ろに倒れる陸奥、そしてそれに続いて膝の力が抜けた翔鶴の二人を受け止める。

 

 さて困った。ここからどうしよう。

両肩に大柄な女性(コラ)を抱えてしまっては余り自由が利かない。

散々苦労して海面に浮かぶ曳航ロープを拾い上げてデスシャドウ島へ駆け込むのと同時に敵艦載機が雲霞のごとく押し寄せて来た。

攻撃目標を発見できずに敵艦載機が帰って行くのを確認し、海岸の洞窟から出てブンカーへ入港するとドクターゼロの姿が。

 

 「ドクター、酷い衰弱だ。後を頼む。」

 そう言って後を託し俺は花火に一報を入れに通信室へ向かった。

 

 「ハーイ、こちら柱島第七泊地執務室デース!」

 今日の秘書艦は金剛か、いつも元気があって非常に宜しい(笑)。

 

 「元気そうで何よりだ金剛。妹達も元気か?」

 

 「オフコース! ですがミスターアーケディア、アナタがいないと詰まらないデース、早く帰って来て下サーイ。榛名と霧島は溜息ばかり吐いてますヨー。」

 

 「フッ、霧島はともかく榛名はそんなはずないだろう。ところで花火はいるか?」

 

 「むー、一週間も会えなかったのに話が短いデース。テイトクー、王子様からデスヨー?」

 

 「はい、北大路です。定時連絡にはまだ早いですが一体どうされたのですか?」

 無線越しに金剛の悲鳴が聞こえる。

 金剛に何かしながら何食わぬ声を出せるなんてやっぱり花火ちゃんも女の恐ろしい一面を持っているのね。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 

 先程保護した艦娘達について話すと無線越しでも花火の様子が変わったのが分かった。

 柱島第七泊地には日付が変わる頃に帰還予定だが、デスシャドウ島の高度を高めにとって少し飛ばせば4時間ほどで日本に着く。

 さすがに宇宙空間ではないので亜光速なんて出すわけにはいかない(笑)。

 ドクターによる診察の後は螢に頼んでそれぞれ医務室のベッドに寝かせてもらった。

 

 「いやあキャプテン、みんな酷い傷と衰弱だよ。可哀そうに何名かは背中に焼き鏝を当てられた痕まであったんだ。これ以上(脱がせては)はという先は有紀君が薬を塗ってくれんだが…。」

 ドクターゼロがいうには余りの酷さに螢が泣いていたらしい。

 今は六人とも死んだように眠っているらしいが一刻も早く入渠させないと後が残ってしまう可能性もあるとドクターゼロは心配していた。

 

 「やはり彼女達はブラック鎮守府の艦娘達に間違いあるまい。」

 

 「で、どないするんやキャプテン? まさかこのまま放っておくっちゅう事はせえへんやろ?」

 

 「うむ、大神元帥からの依頼もある。だが花火からは一度、柱島第七泊地で保護をして証拠の一つとするらしい。あの手の連中は一つ二つの証拠を突き付けたところで躱されてしまうからな。」

 どうやら怪我を写真に収めるのもその一環らしい。

 ぜひその役目は俺がと言いかけたが青葉もいる事だし、何より先程の魂が凍る金剛の悲鳴を聞いてしまうと生存本能が俺を思い留まらせた。

 

 「ドクター、悪いが彼女達が目覚めたらすぐに入渠を頼む。彼女達が拒否しても構わん、縛り上げてでも強制的に放り込んでくれ。」

 ドクターが頷くとヤッタラン副長もワイ、ちょっとソコについて調べてみるわと言ったきり部屋に籠りっきりになってしまった。

 所属票から判明したのは全員がタウイタウイ第二泊地の艦娘だという事だった。

 

 「自室に戻る、彼女達が目覚めたら教えてくれ。」

 そう言い残すと部屋に戻りベッドに寝転がった。

 あの分ではまだまだ目を覚ます事はあるまい。

 柱島第七泊地に着くまで眠る事にしよう。

 




※アルカディア号はデスシャドウ島をタウイタウイ泊地付近に留めて、ブインやトラック、ショートランド、リンガ、パラオ、ブルネイなどに出向いています。
 今回はブイン第三基地が最終だったのでデスシャドウ島に帰投後、今度はデスシャドウ島ごと柱島第七泊地へという流れですね。
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