アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※アルカディア号がデスシャドウ島ごと柱島第七泊地へ帰投したようです。


第69話 遠征艦隊8(アルカディア側2)

 デスシャドウ島を柱島第七泊地へ隣接させると直ぐに花火が駆け込んできた。

 一応、自身の目でも識別票を確認し大神元帥と真宮寺大将のいる海軍軍令部に連絡を入れたのだが想像していた以上の酷さに花火の手が震えている。

 

 「花火、目が覚めるまでそっとしておいてやろう。今は少しでも長く寝かせてやるのが一番だ。」

 タウイタウイ泊地を出発してから4時間ほど経つが、余程疲労が溜まっているのだろう。

六名とも起きる気配が全く無い。

 

 「螢とドクターには六人が目を覚ましたら花火に連絡を入れるように指示してある。執務室で待っていてくれ。俺はそれまで『ます』さんに食事の段取りを依頼してくる。」

 大神元帥から褒賞として貰った商品券がかなり溜まっていたはずだ。

 それで牛肉を買ってすき焼きにしよう。

 うん、俺が食べたいだけなんです、すいません…。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 

 ドクターから六人が目覚めたと連絡があったのはそれから30分ほど経ってからだった。

 もうすでに螢と花火によって入渠も終わっているらしい。

 食堂へ向かうと先程とは全く違う小綺麗になった彼女達が座っていた。

 

 「気が付いたか?」

 むっちゃん(長門型二番艦陸奥)の肩に両手を置く。

これを役得と言わずして何というのか、肉付きの良い柔らかさを堪能する。

 

 「やはり素材が良いと違うな。良く似合っているぞ。」

 そう言うと陸奥は真っ赤になってしまった(チョロイな)。

 ブラック鎮守府を救済すれば一気にハーレム構成員が増えるだろう。

 種は多く撒いておくに越したことは無いのだ。

 

 「いやぁ全員、意識が戻って良かったよ。みんな酷く衰弱していたからね。」

 そう言ってドクターが電と潮の頭を優しく撫でる。

 思わず電も父親を視てしまったのだろう、ドクターにお父さんと呟いてしまった。

 

 「ごめんなさいなのです。電にもお父さんがいたらこんな優しい感じ人だったのかなと思ったらつい…。」

 

 「いいんだよ、何も謝る事なんて無いんだ。私も電ちゃんのようなイイ子にそう呼んでもらえて嬉しいよ。」

 ドクターも満更ではなさそうだが度が過ぎるとロ〇コン疑惑が発生するぞ。

 その辺にしておくんだ(笑)。

 

 「さあさあ、みんな食事だよ! 特にアンタ達、しっかりお食べ!」

 ますさんがカーゴにのせて器と食材を持ってきてくれる。

 うん、卵も沢山あって非常に宜しい。卵をケチるすき焼きなんて魅力が半減してしまうからな(個人的感想)。

 肉も上品なサシの入り具合で見た目だけで御飯3杯はいけそうだ(笑)。

 

 「こんなに…。最後に素敵なご馳走をありがとうございます。」

 ん、名取がおかしな事を言いだしたぞ。

 食べた後に解体されるとでも思っているのだろうか?

 そんな事しないぞ、人を何だと思っているんだよ…。

 

 「え、どうしたの? 最後だなんて言わずに向こうへ帰るまではもっと食べていいのよ?」

 ほれみなさい、螢だって慌ててるじゃないか。

 何と名取によるとタウイタウイ第二泊地では卵なんて生還の見込みがない作戦の時にしか与えられないのだという。

 うーん、そういえばカルチェラ・ターンって蛇の怪人だったよなぁ。

 蛇って卵好きだし分からなくも無いが…。

 

 「ここでは、旨いものはまた帰ってくるために食べるのだ。覚えておくといい。」

 これは嘘でも何でもなく、このデスシャドウ島の教義(大袈裟な!)である。

 たった今、俺が決めた事でもあるのだが(笑)。

 テーブルに並んだ食材に目を丸くする六人だったが、魔地機関長とますさんの掛け合いに翔鶴と羽黒がクスッと笑った。

 そうそう、アナタ達は笑う事を思い出すところから始めないと。

 これをお友達から始めましょうに変えると、俺が前世で散々言われた事になる、凹むわ…。

 

 「あの…、ひょっとしてこの白いのはお米を炊いた、ご飯というものでしょうか?」

 

 「この薄い赤いのは何?」

 マ、マジかい…。

 翔鶴も名取も冗談を言っているようには見えない。

 恐らく本当に知らないのだろう。

 

 「あ、貴女達は普段一体何を食べているのですか?」

 

 「補給すらほとんど無いのよ、食事なんて無いわ。」

 思わず花火が陸奥に確認するが、その返事はやはり予想通りなものだった。

 うん、もうここでは好きなだけ食べていいからね。

 既に卵を溶いて準備万端の陸奥の目の前で鉄鍋に牛脂を引きA4ランクの牛肉を4枚放り込む。

 何を隠そう俺もここまでの牛肉を食べるのは初めてなのだ。

 前世の社畜生活では小間切れ肉しか買えなかったし、何より家に帰る事すら3日に一回ぐらいだったからな。

 砂糖と醤油で味付けした肉2枚を陸奥の器に放り込み、残り2枚は自分の器に。

 早速、口に放り込むと卵が良い具合に甘辛さと混ざり合い、ご飯が進む味になっている。

 こらアカン、箸が止まりませんですわ!

 この世界に転生して本当に良かったと思った瞬間である。

 後であの駄女神には礼を言っておこう。

 

 次から次へと肉を焼いては陸奥と二人で平らげていく。

あ、イカン。あまりの旨さに思わず涙が…。

だってクリームでもないのに舌の上でトロける感覚なんだぞ?

 

 「キャプテン!」

 一人感動に浸っていると台羽の声で急に現実に引き戻された。

 

 「これは間違いなくアイツ、あのマゾーンと同じ力ですよ! マゾーンの連中は深海棲艦だけでなくブラック鎮守府の提督達にも接触を図ってきてるんです!」

 うん、そうだね。ローラのあの不思議な力にはキミ、もっとも苦汁を舐めさせられたからね。

 でもなんで羽黒ちゃんに両手を回しているのかなぁ?

 ほんでもって羽黒ちゃんも何で台羽に両手を回しているのでしょうか?

 アナタ達、出会って〇秒で合体ってヤツですか?

 リアルでやる人いるなんて麻美ゆまもビックリなんじゃないかな?

 

 「いやワイもな。色々と調べてみたんや。軍警や監査官が軒並み問題なしと報告しとるのは事実やで。ちょいと手強いんとちゃうか?」

 ヤッタラン副長も色々と調査をしてくれたらしい。

 

 「我々の考える通りだとすると人間である以上、花火はデスシャドウ島に残ってい方が良い。」

 話を聞く限り艦娘達は大丈夫なところをみると恐らく対象は人間だけなのだろう。

 我々だけで乗り込む方が花火を危険にさらさなくて済む。

 

 「分かりました、では皆さんを宜しくお願いします。」

 

 「最善は尽くそう。それから柱島第七泊地の長門・加賀にも出動依頼を。あとは足柄・大鯨・鳳翔・間宮・伊良湖の台所組にジャーナリストもな。」

 正義感の強いビッグ7にクールビューティ、戦闘もキッチンもお任せの狼さんに純台所組にも協力を依頼しなくては。

 

 ところが花火が潮の話を聞いてやっぱり自分も行くと言い始めた。

 さらにはピンチになったら助けてくれるんでしょう(笑)と来たもんだ。

 そりゃ勿論だが、無茶はしないでくれよ。

 台羽も最後まで反対したのだが結局、花火を止める事は出来なかった。

 お陰で俺と台羽の二人は後で螢にしこたま雷を落とされる破目になったのだが(泣)。

 




※北大路提督、どうやらアルカディア号は他人の為に涙を流してはいなかったみたいです…。

※次回、満を持してカルチェラ・ターン提督が登場します!
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