アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
「その通りよ、青葉! 耳を貸しちゃダメ!」
タウイタウイ第二泊地の食堂に大きな声が響き渡りました。
「ガサ?! どうして?!」
青葉さんが信じられないという顔をしています。
それもそのはず、何と食堂入口には衣笠さんが立っていたのですから。
「私だけじゃないわ、地下の懲罰房にいた全員が一緒よ!」
他にも龍田さん・摩耶さん・瑞鶴さん・長門さん達が初めて見る人たちに支えられて立っています。
しかもその方達は一人を除いて全員が殿方です!
感情というものをほぼ無くしてしまったタウイタウイ第二泊地の艦娘達までがざわめき始めました。
「そんなバカな! 地下懲罰房はアタシしか開けられないはず、一体どうなってるんだい!」
「何言うてまんねん、バカはアンタや。あないなモン、わてに掛かったらチョチョイのチョイやで。」
おちょぼ口の男性が事も無げにそう仰いました。
私達も散々試しましたが、物理の大型南京錠と『でんしろっく』の『ぱすわーど』という2つの山を越えなければならなかったはず。
一度、明石と夕張が大型南京錠の解錠に成功したことがあったのですが、『でんしろっく』の『ぱすわーど』とやらがどうしても突破できませんでした。
それを事も無げに破ってしまうなんて…。
素敵です(ぽっ)。
「いやあキャプテン、みんな酷い状態だよ。中でもここの長門・瑞鶴・摩耶が特に危険な状態だ。」
今度は白い帽子を被った男性が黒服さんに懲罰房から救い出された方々の状態を告げています。
帽子に赤い十字が入っているからには軍医さんなのでしょうが、それよりもこの黒服さんですね。
カルチェラ指令と武蔵さんは知っているみたいですが、一体どこのどなたなんでしょうか?
「へっ、これぐらい何ともねえぜ。」
「この程度、掠り傷なんだから!」
摩耶さんと瑞鶴さんは息巻いていますが、かなり無理をしているのが分かります。
「瑞鶴?! 良かった、私てっきり貴女が解体されてしまったのかと…、ううっ。」
翔鶴さんが駆け寄りました。
「大丈夫よ、翔鶴姉。この外道に痛い目を見せてやるまでは死んでも死ねないわ!」
「あー、馬鹿な事を言っちゃいかん。立っていられるのも不思議なぐらいなんだよ。」
強がる瑞鶴さんを軍医さんが諫めますが…。
「ドクター、ヤッタラン副長や螢と協力して救出した全員を先にデスシャドウ島へ頼む。大浴場の湯は全て高速修復材だ。芋を洗うようになっても構わん。次から次へと湯船に放り込んでくれ。それでもまだ手当てが必要な艦は個別に診察と治療を頼む。」
「そうよ瑞鶴、まずはケガを治して頂戴。デスシャドウ島では限界まで補給が出来るしアルカディア号さんたら美味しい食事まで用意して下さっているのよ。」
し、翔鶴さん…、今なんて?
アルカディア号ってあの噂の男性艦の方ではありませんか!
横須賀から帰って来た武蔵さんが話してくれたんです。
私達をこの地獄から救出せる者がいるとすれば、ただ一人。
未来から来た宇宙海賊船『アルカディア号』であると。
鬼姫級12隻をたった一隻で壊滅させるその戦闘力もさることながら、義侠心に篤く義を貫く男の中の男である彼ならきっと…、というものでした。
それ以降、私達はまだ見ぬ彼を心待ちにする日々が続いたのです。
それが今ようやく叶ったのです!
「せやで。キャプテンは柱島第七泊地から『鳳翔さん』・『伊良湖』はん・『間宮』はん・『大鯨』はんを連れて来てますねん。そない意地張らんと行きましょ(笑)。」
ヤッタラン副長と呼ばれたおちょぼ口の方が摩耶さんと瑞鶴さんを、ドクターさんがその他の方をお連れしようとしますが…。
「おい、何処へ連れて行く気なんだよ! 放せってば!」
摩耶さんが渋っていますね。
あまり酷いようですと私からも言わなくてはなりません。
「イテッ! 何すんだよ!」
「いや、放せ言うたさかい…。」
摩耶さんに詰め寄られたヤッタランさんがタジタジになっています。
「本当に離す奴がいるか、バカ! しっかりアタシを捕まえておけよな…。///」
「え、そらまたどういう意味ですねんって…。ニャハハハ…。///」
摩耶さんもヤッタランさんもお互い赤くなって顔を逸らしてしまいました。
二人とも何やってるんですか、こんな時に…。
第一、その方は私の獲物です。
そう思って溜息をつこうとした時、それは起こりました。
「畜生!」
突然、カルチェラ提督はそう叫ぶとアルカディア号さんに対艦娘専用銃を乱射したんです!
「ぐっ!」
アルカディア号さんが後ろにあるテーブルと椅子を薙ぎ倒しながら数メートル吹っ飛びました。
「きゃああああ!」
「「「アルカディア号(さん)!」」」
北大路提督と柱島第七泊地の皆さんの悲鳴が響き渡りました。
※対艦娘専用銃を数発叩きこまれたアルカディア号。
一体どうなってしまうのでしょうか?!