アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
※後はシロッコとシェフィールド掘りをどうするかです(正直、やりたくない)…。
※2021年01月23日、加筆修正
「これはアルカディア殿と同じ光線兵器!」
「一体、何処から?!」
長門さんの声に上に目を凝らしますが何も見えません。
ですが上空の一点がキラッと光ったかと思うと、今度は私達の足許を光が抜けました。
「撤退、撤退よ! デスシャドウ島へ急いで!」
加賀さんの叫びでようやく我に返った私達。
大破艦に曳航ロープを掛け長門さんと陸奥さんを先頭とした複縦陣をとり最大戦速で海域を後にします。
上空の一点が光る度、右に左に回避運動を行って海面に突き刺さる光を躱していきます。
幸い一発を撃てば次弾までかなり間が空く上に、狙いもそれほど正確ではありません。
まだ敵もこの兵器を扱い切れていないみたいです。
ですが、同型艦である羽黒さんに肩を貸しながらの航行では思うように速度を出せない足柄さんが徐々に艦隊から落伍しつつあります。
「足柄姉さん、手を離して下さい!」
不味いです、足手纏いを嫌って羽黒さんは足柄さんから離れるつもりです!
「馬鹿なこと言うんじゃないわよ! 必ず連れ帰ってみせるわ!」
羽黒さんの手を離してという願いを足柄さんが一蹴しました。
こんなところで取り残されてしまったらどうなるかなんて子供でも分かる事です。
事実、上空からの光は足柄さんを集中的に狙うようになっています。
少しずつ蓄積していくダメージ。
「ちっくしょう、この私がここまでやられるなんて。」
ついに足柄さんが中破に追い込まれました。
「足柄姉さんっ?!」
自分だけなら逃げ切れる、そう考える羽黒さんは今度こそ足柄さんを振りほどこうとしますが…。
「いい加減にしなさい、羽黒! 何のためにここの私は沈んだのよ?! 何があっても貴女に生き延びて欲しかったからじゃない、それなのに一体どういうつもりなの!」
「それは分かっています! でも今度は私が足柄姉さんを助ける番です!」
「ハイハイ、それは帰ってから好きなだけやって頂戴。とにかく今は少しでもデスシャドウ島へ向かうのが先決よ。」
「陸奥の言う通りだ。我々にはここで足踏みしている時間は無い。」
そう言うと長門さんは足柄さんの背中を押し始め、陸奥さんは羽黒さんにロープを掛けました。
「ちょっと長門! あなたまで狙われるわ!」
「陸奥さん、私は大丈夫ですから!」
「済まないが足柄の言う事も羽黒の言う事も聞いてやる訳にはいかん。何しろ我々の提督である北大路花火大佐から全員での帰還以外は認めないと言われているのでな。」
「だったら曳航してくれた方が!」
「フッ、足柄の考えなど手に取るようにわかるさ。途中でロープを切るつもりだろう(笑)。」
「…。」
足柄さんが黙ってしまいました。
「さあ、もうひと踏ん張りだ。何としても全員で帰還するぞ!」
足柄さんを押しながら紙一重で攻撃を避ける長門さんですが、徐々に至近弾がお二人を蝕んでいきます。
「くっ、敵もなかなかやるな…。」
航行速度に影響は無いとはいえ小破になった長門さんが悔しそうに呟きました。
足柄さんに至っては大破状態になっています。
「長門さん?! また私のせいで…。そんなの、そんなの…、だめえっ!」
そう叫んだ羽黒さんが急に光に包まれました。
これは一体?!
光が消えるとそこには一切の損傷が無い羽黒さんが?!
ダメコン発動かと思いましたが、身に付けている衣装が柱島第七泊地の足柄さんと同じです。
あれは?!
間違いありません、改二です!
羽黒さんの強い意志と足柄さんへの強い思いが彼女を改二へと至らせたのでしょう。
「こ、これは? 足柄姉さんと同じ制服?!」
そして誰よりも改二になった事に驚いているのは彼女自身。
レベル的にはもう十分改二へと到達していたのでしょう。
それがカルチェラ提督の下では改二へと至る環境では無かったという事でしょうか。
「羽黒、今度は貴女が足柄を引っ張る番よ。」
加賀さんが羽黒さんの肩に手を載せます。
「ハイ! 足柄姉さんの背中は私が支えます!」
そう言うと彼女は足柄さんを米俵の様に頭上に抱え上げ最大戦速でデスシャドウ島を目指し始めました。
足柄さんがジタバタしながら何か叫んでいます。
ま、まあ、確かに背中を支えていますから宣言通りと言えばその通りですが(汗)。
「デスシャドウ島はもう目の前だ、急げ!」
全員がデスシャドウ島のブンカーに入ったと同時に光線が入口を撫でていきました。
私達という目標を失った光線が今度はタウイタウイ第二泊地を蹂躙していきます。
無人の建造物が相手の攻撃を引き受ける形になり私達は全員無事でした。
アルカディア号さんはこれを見越していたのでしょう、やはり凄い方です!
「よくやってくれた、ここからは任せてくれ。」
へたり込んで息を切らせている私達の頭上からアルカディア号さんの声が!
「アルカディア号さん…。」
「どうした加賀、まるで幽霊でも見た顔をしているぞ(笑)。」
「うっ…。」
「ん?」
「よかった…、本当によかった。貴方に万一の事があったら私…。」
加賀さんがアルカディア号さんの胸に顔を埋めて泣いています。
鉄面皮といわれる加賀さんがここまで感情を露わにするなんて…。
いえ、アルカディア号さんがそれだけのお方だという事なのでしょう。
「お前達だって入渠すれば損傷が治るだろう。珍しい事ではあるまい。」
「対艦娘専用銃で複数発撃たれたのよ。いかな貴方といえども駄目なんじゃないかって…。」
「大袈裟だな、加賀は(笑)。」
「せっかく正規空母の側室筆頭艦に選んでもらえたのよ。それなのに女として見てもらえないままなんて私は嫌です。」
そう言って加賀さんは何とアルカディア号さんにキスを?!
北大路提督が指をポキポキ鳴らしてますが大丈夫なんでしょうか…。
あ、北大路提督がアルカディア号さんの足を踏んづけてグリグリしてます。
「オホン、アルカディア号よ、私は北大路提督の全員で帰投せよとの命令を守った。今度は貴様が無事に帰ってくる番だ。」
咳払いをした長門さんが少々上ずった声でアルカディア号さんに無事に帰ってくるように声を掛けました。
「わ、わかった約束しよう。ん?」
アルカディア号さんが何かに気付いたらしく長門さんに近づきました。
「やはりか。この長く真っ直ぐな美しい黒髪に焦げ跡が…。」
「いやこんなものは出撃するたびに…。」
「待っていろ、長門。必ず生け捕りにしてお前の前に突き出してやる!」
アルカディア号さんが艤装を展開しました。
初めて見るアルカディア号さんの艤装です。
暗緑色の船体前部には大きな髑髏のレリーフ、そして後ろには帆船を模した船尾艫。
そして大きな三連装砲塔が左腕に二基、右腕に一基。
胴体横から伸びる翼、それに艦載機発進口のハッチ。
あらゆる面で私達の艤装とは一線を画しています。
そして、その…、とにかくカッコいいんです!
隣りにいる陸奥さんと翔鶴さんの目がハートになってますね。
「いや、だから出撃すれば私に限らす焦げ跡ぐらい何処にでも付く…。」
「濡れ羽色とはよくいったものだ。もっとも長門に会うまでは現実に存在するとは思ってみなかったがな。」
そう言ってアルカディア号さんは長門さんの髪をそっと手で梳きました。
「いや、そういった事も嫌いではない…。」
長門さんが赤くなって俯いてしまいました。
「花火、先ほど言った事は覚えているな? そのまま大人しく待っていてくれ(笑)。」
「分かりました。ですが返ってきたら僅かな損傷でもあっても入渠して下さい。」
「分かった。約束しよう、という事で足をどけてくれないか?」
「ふんっ。」
「行くぞ、補助エンジン全開! アルカディア号、発進!」
アルカディア号さんの艤装後部から巨大な墳進音がすると彼は一気にブンカーを出て高度を上げて見えなくなってしまいました。
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