アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
「ぐすっ…。」
相変わらず花火は下を向いたままだ。
可哀そうにやはり人前で下着姿を晒してしまった事を気にしているのだろう。
子爵令嬢の立場や世界などこっちには到底分からない。
やはり長年身を置いてきた彼女にしか分からない事があるのだ。
「そう泣くな。女に泣かれるとどうしていいか分からん。」
こちらの前では気にするなというつもりだったのだが…。
「そこは女ではなく私の名前では?」
逆に機嫌損ねてしまった。
「そ、そうだな。すまなかった。」
「やっぱり私、嫌われたのですね。こんな浅ましくはしたない女ですもの…。」
目をしばたたかせる花火。
これはマズイ、そんなつもりは全然無いのに!
「やはり花火の信頼を得るためには出撃…。」
「駄目です! それこそ私の信用を無くしますから!」
ブルーメール閣下が言っていたのはこれか。
一度殻に閉じこもってしまうと超面倒臭いのだ。
「大丈夫か、花火。響子さん化してきてるぞ。」
思わずボロアパートの管理人さんを思い出してしまった。
「響子さん? 響子さんって…、誰なんですか?」
「一刻館というアパートの管理人さんだ。知らないのか?」
ウソやん?!
この世界では高橋留美子は存在しないの?
「ええ、どんな方なんでしょうか? 場合によっては…。」
場合によっては?!
メッチャ物騒な感じがするんですが、それは…。
「柱島に帰ったら視てみるがいい。単行本とアニメ版とどちらがいい?」
まあ、無かったら例の女神に頼んで元の世界から取り寄せてもらおう。
「え、単行本? アニメ版?」
花火がキョトンとした顔になる。
「人よりも苦労を背負い込んでしまう世渡り下手な青年である主人公の五代裕作と、生来の鈍感さと亡き夫へ操を立てるがゆえの真面目さを合わせ持つ音無響子さんが織り成す物語だ。簡単に言うとハートフル&ラブコメディだな。」
「最後はどうなるのですか?!」
確かそんな話だったはずだと思うんだけど何でそんなに食い気味なんだ?
実は読んだこと無いから詳しい事なんて分かんないんだよ。
「もちろん、ちゃんと結ばれる。特に五代のプロポーズの言葉とそれに対する響子さんの返答は名言中の名言だぞ。」
ま、そこだけは有名なんで知ってるんだよね(笑)。
「そ、それは一体どういう御返事だったのですか?!」
いやだから何でそんなに食い気味なんですかね?
「それは柱島に帰ってからのお楽しみだ。」
スイマセン、私よりも長生きして下さいの部分しか知らないんです(汗)。
「よし!」
入渠残り時間を示す数字が丁度0になったので立ち上がる。
「…。」
「あ…。」
しまった、まさか花火が乱入してくるとは思わなかったからタオル巻いてなかったわ…。
「ヒッ!」
花火が手で顔を覆って…、いや指の間からしっかり見てますよね、アナタ!
ってか何で女の人ってそれやるんですかね?
悲鳴上げて顔を覆うぐらいなら目を瞑ればイイと思うのですが。
「す、すまん。だがどうせ後でまた目にする事になるのだ、気にするな。」
サクラン坊ーイらしく控え目な脱童貞の依頼(なつもり)だが果たしてどういう返事が?!
どういう意味とか、そんなつもりはありませんとか言われた日には立ち直れない自信がある。
いやまだ翔鶴がいるではないか、逃げ道は常に用意しておくものだからな。
はっはっはっ…。
「そ、そうですね。私を抱いて頂けるという事は無事にお帰りになられると信じています。ですから…。」
サクラン坊ーイ卒業キター!
いや、だからってそんなにシゲシゲと見つめるのはどうかと思います…。
※アルカディア号、北大路提督で念願の脱童貞なるか?!
それとも翔鶴が先か加賀が先になるのか、はたまた飢えた狼さんがパクッと?!