アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

96 / 183
※新編、次なる騒動の始まりです!
 なにやら陸軍の将官や士官達の姿が?!


海軍軍令部
第96話 軍令部編1(艦娘側:伊勢1)


 「止まったか。」

 外を見ていた日向の言う通り外を流れる景色が止まったわ。

 デスシャドウ島が横須賀沖に着いたみたい。

 それにしても軍令部かぁ。一度しかいった事が無いけど、すごく緊張するのよね。

 いつもの艦娘服ではなく海自制服というのもあるんだろうけど(笑)。

 

 アルカディア号さんが横須賀第一鎮守府の埠頭のズーム映像をディスプレイに映し出す。

 何やら神崎中将と陸軍将官が揉めてる?

 それに報道陣も多数集まっているみたい。

 

 「あれは『すみれ』さん? 相手は陸軍のようですね。まさか向こうさんまで彼女(影山サキ)を狙っているとは…。」

 

 「陸奥の言った通り陸軍が出て来たか。どうする?」

 

 「どうすると言われても行くしかないでしょう。アルカディアさん、お願いします。」

 

 「分かった、大事になる前に急ごう。」

 全員でランチに乗り込み埠頭へと向かいます。

 その間も影山サキは黙ったまま。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 

 「ですから何度申し上げればよろしいのですか! 影山は先に海軍が調査と査問を行います!」

 ランチを接岸させると同時に響き渡る神崎中将の声。

 アタシ、神崎中将のこの感じ(ヒステリック)がちょっと苦手なんだけど(笑)。

 

 「これはこれは。南国バカンスからお戻りになられた連合艦隊司令長官の真宮寺大将ではないか。」

 コイツ…、また厄介なヤツが出て来たわね。

 神崎中将の抗議を涼しい顔で受け流し、あまつさえ長官に嫌味で挨拶をしてきたのは陸軍少佐『山崎真之介』。

 何かにつけて海軍や私達艦娘を目の敵にしてくる嫌な男よ。

 でも世間ではその見た目で絶大な人気があるの。

 TVクルーを含めた報道陣を集めたのも全て計算ずくに違いない。

 

 「山崎少佐、長官をバカになさるおつもり?! それは今後、陸軍は海軍による一切の協力が不要という事でよろしいのね!」

 

 「はっはっは! 成金の小娘が面白い事を言いますね! 『まぞーん』とやらの技術があれば我が陸軍は海軍なぞに頼ること無く深海棲艦撃滅の遂行が可能となるのです。」

 あれは陸軍大臣『京極慶吾』?!

 こんなヤツまで出て来るなんて!

 どうやら陸軍は本気で『影山』元提督を手に入れるつもりみたい。

 おまけに成金って、神崎中将には一番の禁句を!

 

 「海軍さんとしても願ったりかなったりではありませんか。それとも海軍さんは陸軍よりも立場が上でないと困るとでもいうですか(笑)?」

 全国中継された前で『影山』元提督の引き渡しを拒めば海軍は陸軍に対する協力姿勢を問われるどころか研究成果を独占しようとする悪者扱い。

 報道陣もそれを計算して集めたに違いないわね。

 

 「京極陸軍大臣、並びに山崎少佐、わざわざのお出迎え痛み入ります。ですが、ウチの神崎と一体何を揉めているのか教えて下さい。」

 この時、ランチから降りようとする長官をアルカディア号さんが止めたの。

 何かあった時はこの方がいいからって。

 

 「そちら(海軍さん)の神崎中将が捕虜である影山サキの引き渡しを拒んでおられるのだ。これは相手の艤装を徹底研究できるチャンス。陸軍としてもこの機を逃す訳にはいかん!」

 「しかも捕虜の影山サキとやらは元海軍の提督で人間だったというではないか。人間に装備させる事が可能な艤装となれば一気に戦力地図を書き換え可能だ。これを機に人類は大規模反抗作戦に移る事になるだろう!」

 山崎少佐が捲し立て…。

 ちょっ、汚いわね。唾飛ばさないでよ!

 女が全員、アンタのファンだなんて思わないで。

 

 「しかも艦娘と違って陸軍兵なら幾らでも赤紙で補充可能だ(替えが効く)。」

 陸軍兵なら幾らでも赤紙で補充可能?!

 人の命を何だと思ってるのよ!

 大臣がこれでは陸軍に救いは無いわ…。

 

 「そうですか、ですが神崎の言う通り影山は元海軍の人間ですから海軍が先なのは当然です。」

 

 「何と! これは困りましたね(笑)。国民の皆さん、海軍は陸軍に対して協力する気は一切ないようです!」

 くっ、京極のヤツがTVカメラに向かって大袈裟に嘆いてる。

 

 「そう解釈されるならそのようにされるがいいでしょう。少なくとも海軍としては先というだけで引き渡さないとは一言も申し上げておりませんので。」

 あの男二人と取り巻きの女士官達の重圧を跳ね返しハッキリとNOを突き付けるなんて流石は真宮寺長官だわ。

 

 「真宮寺長官、陸軍大臣の命令だぞ!」

 山崎少佐がランチと埠頭に渡された板の前に出た。

 

 「では海軍は大神元帥の命令です。どうぞお引き取り下さい。」

 

 「何だと?! 真宮寺大将、陸軍と京極大臣を愚弄するつもりか!」

 京極大臣がバックにいるからかしら、それを聞いた山崎少佐が腰の軍刀に手を?!

 マズいわ、真宮寺長官の剣術は海軍一と云われる程だけど今は帯刀されていない!

 ところが剣を抜こうとした山崎少佐の動きが…、止まった?!

 

 「それは戦闘の意思があるという事だな?」

 そこには誰よりも早く長官の前に出て山崎少佐に剣を突き付けるアルカディア号さんの姿が!




※それは戦闘の意思があるという事だな。
 キャプテンハーロック次元航海(第一巻)でのハーロックの台詞です。

※伊勢の口調って意外と難しいですね。あまり伊勢感が出せておらず申し訳ないです。

※4月末に資格試験の更新があるので毎週更新のペースが難しくなりつつあります。
 出来るだけ時間を作って細々と更新していきたいと思ってはいますが、更新頻度がかなり落ちると思いますのでお許し下さい。
 大変申し訳ありません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。