アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた 作:Archangel
※2021年03月13日 誤字修正
「貴様?!」
アルカディア殿を睨み付ける山崎。
だが喉元にサーベルを突き付けられた状態では滑稽なだけに過ぎない。
「真宮寺長官や神崎閣下に銃や剣を向けるというなら容赦はせん。」
事実、自らに向けられる忌々しい視線をアルカディア殿は全く気にしていない。
彼がサーベルをさらに数センチ前に突き出すと山崎の後ろにいる取り巻き連中から悲鳴が上がった。
「何だ、お前は?」
京極がアルカディア殿に顔を向ける。
「何だお前はか…。そうだ、私が変な海賊船だ。」
「ほう、貴様が例の…。」
「アルカディア号だ。知ってもらっているとは光栄だな。(笑)」
京極がアルカディア殿を知っている?
彼が陸軍の前に姿を見せるのはこれが初めてのはずだが…。
「海軍さんにも陸軍に対して協力してくれる真の愛国者がいるのでな。では
真の愛国者だと?!
どうせブラック提督達だろうが呆れかえる事実だ。
艦娘の立場としては溜息も出ない。
「あー、ちょっと良いかね?」
「うん? 何だ貴様は?」
京極といい山崎といい、どうして陸の連中はこう不遜なのか。
「あー、私はアルカディア号の船医だよ。一度、
「彼女の体の中には種子があって、そこから脳や艤装へと神経が伸びている。つまり埋め込まれた種子が頭や体を乗っ取っていると思われるんだよ。」
「やはり噂通りマゾーンとやらは植物人間に近いのだな。ならば話は早い、艤装をむしり取ればいい。」
「正気かね?! そんな事をすれば
ドクターゼロが信じられないといった顔をした。
「艤装さえ手に入れば
馬鹿か、敵の情報の宝庫といえる彼女を死なせるなどと!
「アナタ?! 捕虜の取扱いは国際条約で決められているでしょう!」
真宮寺長官の人道的立場に立った発言に胸を撫で下ろす。
やはり我が北大路提督の上官だけある。
「理想論だけでこの戦争、勝てると思っているのか! ましてや相手は人間ではない、親子共々甘い理想論ばかり振りかざしおって。だから貴様の父は無駄死にだったのだ。」
長官の父君を無駄死にだと?!
海軍ではその身を挺して多くの士官学校生を救った英雄ではないか!
「何ですって?! 京極大臣、取り消しなさい、今すぐに!」
父君を馬鹿にされた真宮寺長官が怒りをあらわにする。
「ふん、無駄死にした者を無駄死にと言って何が悪い?」
京極が言い終わるか終わらない内に真宮寺長官が目にも止まらない早業で私の腰から剣を奪い取った。
「うわっはっは! 海軍さんはどうやら軍刀まで張りぼてか。やはりこんな連中に国防を任せるなどハナから間違っていたのだ(笑)。」
「国民の皆さん、見ての通りです。やはり国防は陸軍がやらねばなりません!」
京極や山崎が笑うのも無理は無い。長官の手にあるのは懐中電灯に似た柄だけだったからだ。
「な、何なのこれ?!」
「長官、そのまま柄を握り締めて刀身をイメージしてくれ。」
目を丸くする長官に声を掛ける。
「え?」
「長官、日向の言う通りにして。イメージした刀身に気を流す感じよ。」
伊勢のヤツも止める気はないらしいな。
むしろ『やっておしまい』的なノリだ。
「え、ええ…。ってこれは?!」
戸惑う長官だがビシュンという音と共に桜色に輝く奇麗な光の刀身が一気に伸びた。
「何だと?!」
「ちょっと、ウソでしょ?!」
今度は逆に伊勢と私が戸惑ってしまった。
私も伊勢もアドバイスはしたが、長官がいきなり刀身が出せるとは思っても無かったからだ。
出せても懐刀か脇差ぐらいだろうと考えていたのだ。
あの二人と妖精さん達はアルカディア殿から簡単な概念の説明と設計図を渡されただけだというのに三週間程度で試作品を完成させてしまったのだ。
その後、アルカディア殿の御尽力もあり完成品第一号と二号を私達が、三号と四号を扶桑姉妹が受け取る事となったのだ。
霊力の類を持たないと刀身が出せず使い物にならないが、幸いにも大抵の艦娘は
しかし逆にこれは人の身では使う事が難しいという事でもある。
それなのにあれだけの刀身を出せるとは真宮寺長官の霊力はかなり高いという事だ。
いや、桁外れとみて間違いあるまい。
ちなみに艦娘では
やはり特別力の強い神社の加護を受けている事もあるのだろう。
「な、何だと?!」
「これは!」
長官が軽く剣を振る度にヴォンヴォンという音が響く。
「父を、父を馬鹿にするなんて絶対に許さない!」
長官が大上段ではなく居合の構えを取った!
※やっておしまい
ドロンジョ様を思い浮かべるか、グランディス(ナディア)を思い浮かべるかで世代が分かる?!