あの後、カナメと別れて家に帰ってきた。
雪「ただいま。」
そう言って家の中に入るとそこには妖精さんのように可愛らしい女の子がいた。そう、俺の妹の
レイン「おかえりなさい、兄さん。どうしたんですか、なにか疲れたような顔をしていますが。」
雪「ただいま、レイン。確かに疲れてたけどレインに会ったら一気に吹き飛んだよ。」
そう言って頭をぽんぽんすると
レイン「はいはい、兄さんのシスコンはいいですからご飯を食べましょう?」
俺とレインの両親は仕事の都合で長期の出張が多く家にいない時が多いため夕飯などは2人で食べる事が多い。
レイン「そうだ、あと兄さん。後でお話がありますのでご飯を食べ終わったら私の部屋に来てください。」
そう言われた瞬間俺の目はキラッと光った。
雪「なっ、まさかレインから部屋に来て欲しいと言われるなんて!遂にレインもブラコンに目覚めたのか!?」
俺がそう言うとレインはそんなわけないでしょうと言いながらご飯の準備を始めたので俺も手伝った。
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30分後夕飯を食べ終わった俺はレインの部屋に来ていた。
レイン「単刀直入に聞きます、兄さん。」
その言葉にいいぞと言うとレインは驚きの言葉を発した。
レイン「兄さんはなぜダーウィンズゲームを始めたのですか?」
そう、レインが絶対に知っていてはいけない言葉『ダーウィンズゲーム』だ。
雪「レイン、なぜダーウィンズゲームという名前を知ってる?答えて貰おうか。」
俺がそう言うと分かっていたかのようにレインはさらっと理由を言い放った。
レイン「私の場合は友達から招待メールが来まして、それを押したら蛇に噛まれたからです。」
そう言うと次は兄さんの番ですと言ってきたので
雪「俺も友達から招待メールが来たからだが最初は消した。」
レイン「ならどうやって兄さんはアプリをダウンロードしたのですか?あれは招待されないと絶対にインストール出来ないはずです。」
雪「友達を助ける為に招待メールを別の友達に送ってもらったんだ。」
その言葉に、レインは嘘は言っていないと判断したようで分かりましたと一言言うと
レイン「では、兄さんはこのゲームについてどの程度知っていますか?」
雪「そうだな、実際俺を招待した友達は直ぐに死んじまったからそこまでは知らないがただ1つだけ分かるのは、『殺らなければ殺られる』ということだけだ。それと異能、シギルについてだな。普通は一人ひとつのようだが俺は偶然にも2つのシギルを持っているらしい。」
俺がそう言った瞬間レインは座っていた椅子をガタッと音をさせると俺の肩を掴んで聞いてきた。
レイン「それはどういうことですか、兄さん!シギルは一人ひとつのはず。」
雪「いや、それは俺の方が聞きたいけどまあ、俺にピッタリのシギルではあるな。」
そう言うと、どのような?と聞いてきたので聞かせてあげた。
雪「俺の能力は『
そこまで言うとレインは
レイン「はぁ、とんだチート能力ですね。それでもうひとつの方は?」
雪「
レイン「兄さん、とりあえず言っておきますね。多分兄さんはこのゲームに慣れてしまえばトップランカーまで行けますよ。間違いなくその能力と兄さんの身体能力なら3位までは狙えると思います。そもそも、そのシギル2個持ちの時点で反則級の強さですからね。」
まあ、普通は2個なんて持ってないからだろうな。そして、レインはもうひとつ聞いてきた。
レイン「ちなみに、その2つのシギルの同時発動は出来るのですか?」
雪「うーん、それは試してみないと分からないかな。でも試せる場所も無いし実戦でいきなりと言うのもなぁ。」
そう言うとレインが
レイン「では、使える場所があればいいのですね?」
どういうことかと聞くと
レイン「夜中の公園なら誰も居ないでしょう。それに、広さも申し分ありませんから。」
では行きましょうと言うと
レイン「着替えるので出ていってください。」
雪「手伝おうか? 」
平手打ちを食らった。
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俺たちは2人きりで夜の公園に来ていた。
レイン「では、そろそろ実験を始めましょうか。」
そう言うとレインは近くのベンチに座った。
雪「それじゃあ、まずは『神速』からか。」
レイン「はい、ではまずは全力で走ってみてください。」
雪「わかった。」
そう一言言うと俺は全力で走った。
レイン「ラプラス。」
そう呟くと速さを計算した。その結果…
レイン「兄さん、間違いなく今兄さんは光速を超えてましたよ。私のラプラスが無ければ恐らく見えて無かったでしょう。」
俺はレインの声を聞きながらもシギルを全力で使ったからか全身がだるかった。そんな俺の様子を見るとレインは
レイン「では、『切断』は明日の夜またやりましょう。」
そう言うとレインは家へと歩いて行ったので俺は呼び止めた。
雪「ちょっと待ってくれ。」
レイン「なんですか?」
雪「いや、手を握ってもらってもいいかな?」
レイン「なぜです?」
雪「元気が出るから。」
俺がそう言うとレインはなら頑張ってください、と言って歩いていったので俺は
雪「待って!せめて指先だけでも!」
そう言ったもののレインは無視して歩いていってしまったため俺も仕方なく歩いて帰った。