あらすじ ~宇宙よりも遠い場所~   作:r28

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青春しゃくまんえん/歌舞伎町フリーマントル

しらせ(小淵沢報瀬 高2)「あーそうそう、ちょっと聞いてほしいねん」

 

キマリ(玉木マリ 高2)「ん?どしたん」

 

しらせ「実はな、おかん行方不明やねん」

 

キマリ「そんな重大な話をさも今思い出したかのように!」

 

しらせ「もう助からん気がするねん」

 

キマリ「あきらめるの早いな娘!」

 

キマリ「せや、どこで行方不明なったん?」

 

しらせ「それが思い出されへんねん」

 

キマリ「なんや思い出せんのかいな。思い出すの手伝うたるわ。なんかヒントないんか」

 

しらせ「おかんが言うにはな、府中より遠い場所らしいねん」

 

キマリ「なんやえらい遠いな」

 

しらせ「あとめちゃ広くて人が住んどらん大陸らしいねん」

 

キマリ「そら南極や。南極条約っつーのがあってな、どこの国にも属さへんから定住者はおらんのや」

 

しらせ「他に聞いた話やと見渡す限り雪と氷の世界らしいねん」

 

キマリ「じゃあ南極ちゃうな。この世界は北に行くほど暑くなって南に行くほど寒くなるんや。南極いうたら南のはしっこや、氷なんぞ一瞬で蒸発する灼熱地獄やで」

 

しらせ「なるほどなあ」

 

キマリ「うーん、一体どこなんやろ」

 

しらせ「あ、せやった!おかんが言うにはペンギンがめっちゃおるらしいねん」

 

キマリ「そりゃもう南極やわ。南極しかあらへん」

 

しらせ「じゃちょっと南極行ってくる」

 

キマリ「そんな簡単に行けるんや」

 

しらせ「バイトして貯めた100万円使うで」

 

キマリ「うわ金持ちや」

 

しらせ「ほらここに……あれ?」

 

キマリ「なくしたん?」

 

しらせ「なくしたんちゃう、行方不明や」

 

キマリ「それをなくしたって言うんや」

 

しらせ「はぁー困ったなあ」

 

キマリ「もしかしてさっき拾った封筒……」

 

しらせ「えっ」

 

キマリ「あ、百万円はいっとる!」

 

しらせ「マジかよキマリ神!」

 

キマリ「いやー見つかってよかったな」

 

しらせ「キマリ、プリン好きやったよな」

 

キマリ「くれるん?ええの?」

 

しらせ「封筒拾ってくれたんやもん、せめてこのぐらいさせてや」

 

キマリ「それじゃ遠慮なく……うめえ!しらせの鞄の中から封筒拾ったかいがあったわー」

 

しらせ「何しとんじゃワレ」

 

 

 

 

 

 

 

キマリ「というわけでめっちゃ怒られたわ」

 

ひなた「そら怒るわ」

 

キマリ「あれ……?」

 

ひなた「どないしたんや」

 

キマリ「誰だっけこいつ」

 

ひなた「おいおいバイト仲間忘れんな」

 

キマリ「そうそう、コンビニバイトで知り合うたひなたちゃんや。思い出したで」

 

ひなた「ほんまこいつは……せやけどええなあ。私も南極行ってみたいわー」

 

しらせ「ほないこか」

 

ひなた「ええんか」

 

キマリ「しらせ百万持っとるからな。3人ぐらい楽勝やろ」

 

ひなた「よっしゃいこー」

 

 

 

 

 

 

 

しらせ「却下」

 

キマリ「なんでや」

 

しらせ「人の金で旅行しようとすな。付き合うてくれるんは嬉しいけど旅費は自分で稼げ。」

 

キマリ「旅費かぁ……五千円ぐらいあれば足りる?」

 

しらせ「ケタが一つちゃうわ……いや、五千円でできることもあるわなあ」

 

キマリ「しらせちゃん悪い顔してんで」

 

 

 

 

 

 

 

ひなた「で、なんで新宿?」

 

しらせ「今日ここで南極観測隊が集まるんや」

 

キマリ「うんうん、それで?」

 

しらせ「隊員に色仕掛けで篭絡してこっそり観測船に乗せてもらうっちゅー作戦やあああ!!!」

 

ひなた「かえろかー」

 

キマリ「せやなー」

 

しらせ「なんでや作戦完璧やろ」

 

キマリ「じゃあしらせ行ってきて」

 

しらせ「あ、私顔バレしてるから無理」

 

ひなた「しゃーない、ここまで来て手ぶらで帰れんからなー。キマリGO!」

 

キマリ「私こういうの苦手やねんなー……しゃーないから行くわ」

 

ひなた「ふー、どさくさに紛れてキマリに丸投げできてよかったわ」

 

しらせ「鬼畜や。ここに鬼畜がおる」

 

ひなた「お前が言うな」

 

しらせ「で、キマリの様子は……おお、ヘソチラええやんハァハァ……って、ええええ!」

 

ひなた「何やっとんやあいつー!」

 

しらせ「まさかいきなり脱ぎだすとは」

 

ギン「ちょっと何やこの子」

 

かなえ「警察呼ぼか?それとも救急車?911?」

 

ギン「落ち着けここは日本やでー」

 

しらせ「外国かぶれか!」

 

ギン「ちゃうわ!って今の誰や」

 

しらせ「しもた、つい口走ってもうた」

 

かなえ「あっこにおるん、しらせちゃんやないか」

 

ギン「ほんまや」

 

しらせ「見つかった!みんな逃げてー」

 

ギン「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァッ!」

 

 

 

 

 

 

 

しらせ「あっさり捕まったし」

 

かなえ「っていうか、別に逃げんでええやん。取って食うわけでなし。いや吟なら食うかもしらん。性的に」

 

ギン「せーへんわ!」

 

かなえ「とりあえず自己紹介しとこか。こっちは観測隊隊長の藤堂吟。私は副隊長の前川かなえや。」

 

ギン「でなんや、南極行きたいから観測船乗せろって?」

 

しらせ「思い出してん。志半ばで散ったおかんの夢のこと」

 

キマリ「南極ちゅうことすら忘れとったのにか」

 

かなえ「そりゃな、しらせちゃんやったら叶えられるかもしらん」

 

ギン「せやけど危ないねん」

 

しらせ「危険は承知です。それでも、命かけて付き合うてくれる仲間もおるし」

 

キマリ「え、命がけって?聞いてないんですけど?」

 

ひなた「キマリ、大丈夫や」

 

キマリ「ひなた……」

 

ひなた「南極観測隊の生還率は10%以上。行ったが最後帰れんてことはないで」

 

キマリ「ひええ……」

 

ギン「もっと多いわ!」

 

キマリ「じゃあ行く」

 

かなえ「ちょっと吟さーん?」

 

ギン「あ、しもた」

 

しらせ「ここに百万円があります。どうか資金の足しにしてください」

 

ギン「マジ?くれんの?よっしゃみんなフリーマントル集合やで!」

 

しらせ「ほんまですか!」

 

ギン「なわけあるかい」

 

かなえ「南極観測事業ってのはな、一回でン十億と動くプロジェクトなんや」

 

ギン「百万ぽっち持ってこられてもねえ」

 

キマリ「見ろ、しらせの札束がゴミのようだ」

 

しらせ「ゴミ……」

 

ひなた「かえろかー」

 

キマリ「せやな。コーヒーごちそうさまでした」

 

かなえ「……ん?おーい誰がおごる言うた!コーヒー代はらえー」

 

ギン「やめんか!」

 

 

 

 

 

 

 

しらせ「あーあ、もうちょいやったんやけどなあ」

 

キマリ「どこがやねん」

 

ひなた「でもなんかすっげーやる気でたわ。全面協力や。絶対南極行くで」

 

しらせ「ほんま?」

 

ひなた「ただし、お前はリーダー解任な」

 

キマリ「賛成や」

 

しらせ「なんでや……なんでや……」

 

 

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